はじめに
営業職の求人では、「未経験者歓迎」と記されているものも多いです。
さまざまな職種の中でも営業は、比較的異業種から転職しやすいといえるかもしれません。
そうはいえども、転職となると新卒者よりも面接官の目はシビアになります。
ここでは、営業未経験者の面接において企業はどういった点を見ているのかを解説します。
さらに求められる能力や回答のコツも知っておきましょう。
これから営業職に転職しようと考えている未経験者は参考にしてください。
【営業未経験者の自己PR】営業未経験者の採用の際に企業が求めているポイントとは
面接では、新卒者と転職希望者では、また少し求めるものが違ってきます。
未経験者の転職希望者に対して、企業がどういう面を見ているのかを知っておかなければなりません。
社会人の経験があるのですから、マナー面や身だしなみなどはきちんとしていて当然だ、と相手には捉えられます。
それ以外の部分において、面接官がチェックしてほしいと思っているポイントについて見ていきましょう。
自社で活躍できそうか
せっかく採用しても、すぐに辞めてしまわれては企業としても困ります。
特に中途採用は辞め癖がついてしまっている人もおり、シビアに見極めなければいけません。
そもそも中途採用にもコストがかかっています。 自社で営業マンとして活躍できそうな人材であるかどうかは、非常に重要ポイントといえます。
営業は、特に資格も不要ですし未経験者でも問題ありません。
そうは言えども、会社の雰囲気に合っているかどうか、会社のシステムの中で能力を発揮できるタイプであるかどうかは判断が必要です。
営業マンは第一印象が大切なので、その人の見た感じのイメージもチェックされるでしょう。
愛想が悪い人もあまり営業向きではないですし、笑顔も大切です。
営業職としてのポテンシャルはあるか
未経験でもできて資格も要らないという理由だけで、営業職を希望してきたようでは営業は務まりません。
やはりその人の意欲は必要不可欠です。
未経験者の場合、伸びしろがあるかどうかが重要になってきます。
年齢だけではありませんが、やはり若さは武器になります。
営業という仕事は心身共にタフでなければきついので、若い人は体力があるので有望といえるでしょう。
また未経験者であっても、営業に向いている能力がある人はポテンシャルを見込んでもらえます。
営業はただ物を売り込むのが仕事ではなく、相手が抱えている課題を見つけてそれを解決するための方法を提案していくことが大事なのです。
簡単なようで深い仕事であり、そこで発揮できる能力はいろいろとあります。
それを持っているかどうかを、面接官は見極めようとしています。
【営業未経験者の自己PR】営業職に求められる能力とは
具体的に、営業マンに求められる能力にはどのようなものがあるのかを考えていきましょう。
まず営業というとコミュニケーション力が必要というイメージがあるかもしれません。
確かに契約に至るまで、緊張をほぐして商品を説明するなどトーク力がものを言う場面は多いです。
しかしながら実際は、トーク力よりも傾聴力に優れた営業マンのほうが成果を出します。
これは自分が話すばかりでは、相手の悩みに寄り添えないからです。
営業は相手が困っていることに触れて、自社のサービスや商品によって解決する方法を提案することで契約へと結び付きます。
傾聴力があれば、相手の立場になってお困りごとを聞き出すことができるのです。
そのほかにもロジカルな考え方や行動力、調整力や粘り強さなどが必要です。
調整力やロジカルな思考は、顧客と自社との間で円滑に商談を進めるために不可欠といえます。
また課題発見力や主体性も大切といえるでしょう。
【営業未経験者の自己PR】営業未経験者の自己PRのコツ
営業経験がない場合、どのように自分をアピールすれば面接で好印象を持ってもらえるのでしょうか。
新卒者と大いに異なる点として、前職での何かしらの職務経験と社会人経験があることが挙げられます。
それらをうまくアピールすることがポイントとなります。
前職が営業職でなくとも、営業に役立つスキルがいろいろと培われているはずです。
それらをしっかりとアピールしていきましょう。
つまり経験がないということより、経験がなくとも営業に適した性格であることを伝えることが大切です。
営業に求められる素質・能力があることをアピールする
面接官に「未経験でもこの人が欲しい」と思ってもらうためには、自分の持つ営業の適性や伸びしろをどれだけアピールできるかがポイントとなります。
ただ「営業職がしてみたい」と述べるのではなく、具体的に体験談を話してそこから活かせる能力を伝えていくと良いでしょう。
営業への志望意欲ももちろん大事ですが、そもそも営業マンはロジカル思考と説明力が必要です。
面接でも、できるだけ理論的に話すことで説得力のある自己PRができるのではないでしょうか。
聞き上手な面や課題発見能力、能動的に動く力などを、前職での体験から話していきます。
そしてそれらの能力を、営業マンとしてどう活かして活躍したいのかにも触れましょう。
入社後の目標やビジョンも伝えることで、企業研究ができていると認めてもらえます。
具体的なエピソード・数字を用いる
能力をアピールする際には、数字を用いて体験やエピソードを添えることがコツです。
カッコ良いことはいくらでもいえますが、それが真実であることを裏付けなければ、面接官に信じてもらえません。
信憑性を持たせるためには、実際の体験がものを言います。
そして数字を使うことで、よりいっそうリアリティーが生まれるのです。
たとえば営業職に必要なコツコツ粘る継続力をアピールする時に、「私は毎日筋トレを続けており、継続力や粘り強さには自信があります」といってもどこか抽象的ではないでしょうか。
それよりも、「私は毎日近所にある神社の階段150段ダッシュを続けております」というように数字を用いたほうが、面接官にはグッとくるはずです。
「それはすごいですね」と思ってもらえますし、真実味が出てきます。
【営業未経験者の自己PR】自己PRの例文を紹介
前職の体験から営業に活かせそうな能力やスキルをアピールした自己PRについて、以下に例文を紹介します。
今回は、前職が販売サービス業・エンジニア・経理総務だった人の場合を例に挙げます。
それぞれの職種から、傾聴力と課題発見力、そして調整力についてPRした例文です。
自己PRを考える時は、結論から述べて理由やエピソードを説明していくPREP法を用いるのがおすすめです。
相手を説得させる文章として、PREP法は有効な方法といえます。
例文①
「私は、人の立場になって話を聞く傾聴力があると自負しております。
前職でアパレル店の販売員をしており、常にお客様のお困りごとをお聞きして必要なアイテムを紹介していたからです。
お客様もいろいろな方がおられ、スタッフに近寄られるのを警戒している方もおられます。
また聞きたいけれども勇気がない方も見られ、私は来客されたお客様の雰囲気や空気を読んでまずはお客様が悩みを打ち明けやすい状況を作るようにしていました。
そしてお話を聞くことで信頼関係も生まれて、納得いくアイテムを購入していただけます。
営業もお客様が悩んでいることをじっくり聞いて差し上げて、そこから商品のご提案ができればと思います。
傾聴力を活かし、あたたかい女性営業マンになりたいです。」
この例文では、傾聴力があることをまず述べて、前職での販売経験のエピソードをうまくまとめています。
わかりやすいですし経験からの強みが伝わってくる良い事例といえるでしょう。
例文②
「私は、課題発見能力に自信があります。
前職ではシステムエンジニアとして働いており、お客様が困っておられる原因をまずは追及しそこから解決していくやり方が身に付きました。
クライアントのシステム開発を担当しておりましたが、お客様が何を求めておられるかを把握しなければ務まりません。
相手の状況に合わせて、いろいろと提案して要望に合う結果に辿り着けるかが大切になってきます。
そうした仕事の中で自然と、課題発見することが身に付いてきました。
営業も似たようなところがあり、お客様のお困りごとをまずは発見しなければ始まらないと思われます。
私は理系の出でロジカル思考ですし、冷静にお客様の気持ちを察して必要な問題にアプローチしていきたいと考えております。」
一見システムエンジニアと営業職はリンクしないように思えますが、この就活生は「課題発見力」という部分にフォーカスしてうまくアピールしています。
課題発見力は営業職では欠かせないスキルであり、高評価につながる自己PRといえるのではないでしょうか。
例文③
「私は前職で総務をしており、社内の社員の調整を担ってきました。
ゆえに調整力があると自負しております。
前職の仕事は、施設管理や文書管理をはじめ社内行事の企画なども任されておりました。
社員旅行や年始の宴会、イベントなどさまざまな企画がありますが、いつも社員皆が気持ち良く関われるように円滑な進行を考えて実践していた次第です。
営業マンというのは、自社と顧客の間に入ってうまく取り引きを進めていかなくてはなりません。
この立場は、前職の総務と重なる部分がありまして私にとっては調整力が発揮できると考えております。
円滑かつ、お客様のためにも会社のためにも貢献できる営業マンを目指したいと思っております。」
総務職の経験から学んだ「調整力」を、営業マンとして必要な能力としてうまくアピールできています。
最後に入社後にどのような営業マンになりたいかを述べて話を締めている点も、プラスに評価してもらえることでしょう。
まとめ
このように営業職は未経験者でも、十分に活躍できる仕事であることがわかりました。
そしてそのために必要な自己PRも、思っていたよりも簡単に作れると感じた人も多いのではないでしょうか。
まずは営業マンに必要な能力やスキルをピックアップし、前職で習得した能力や持ち前の強みと照らし合わせてみましょう。
きっと営業に向いている何かが見つかるはずです。
その部分をロジカルかつ具体的に述べることで、転職者でも高評価につながる自己PRが作成できるはずです。