明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・グループディスカッションとは
・グループディスカッションの手順と役割
・グループディスカッションの対策
・初めてグループディスカッションを受ける人
・グループディスカッションの経験が少なくて自信がない人
・グループディスカッションの選考突破したい人
「グループディスカッションは初めてで不安だな」
「役割を担当しないとアピールできないのかな」
選考やインターンシップによく取り入れられているグループディスカッションですが、初めのうちは取り組み方がわからず不安を感じる人が多いです。
この記事では、グループディスカッションの基本から、企業の注目していること進行の手順、役割分担の方法が分かります。
基本と注意点を理解し実践の場で活かしたい人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次[目次を全て表示する]
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションとは
グループディスカッションとは特定のテーマや課題について複数の人が集まり、意見を交換し合って最善の結論を導き出すグループワークです。
参加者には、自分の意見を述べたり他人の意見に耳を傾けたりして積極的に参加すること、協力し合いアイデアを発展させ問題の解決をすることが求められます。
グループディスカッションではコミュニケーション力や問題解決能力など知識や技術ではない、人との関わり方が現れやすいです。
株式会社Synergy Careerが行った GDに関する調査レポートによると、就活生の56.4%が「グループディスカッション経験がある」と回答しています。
面接との違い
グループディスカッションと面接の最も大きな違いは、評価される観点にあります。
面接は一対一、または複数の面接官に対して自分の考えや経験を伝える場であり、個人の思考力や自己分析の深さ、受け答えの姿勢などが見られます。
一方、グループディスカッションでは、他の学生と協力しながら課題を解決していく過程そのものが評価の対象となります。
発言の内容よりも、チーム全体にどう貢献しているか、どのように話をまとめているか、他者の意見を尊重できているかが重要です。
また、面接では「正解に近い回答」を期待されることもありますが、グループディスカッションには明確な正解がありません。
そのため、自分の意見を押し通すよりも、全体をまとめたり議論を前に進めたりする柔軟さが求められます。
どんな業界で実施される?
グループディスカッションは、特にチームワークや論理的思考が重視される業界で多く実施されます。
代表的なのはコンサルティング業界や広告業界、人材業界です。
これらの業界では、クライアントの課題を限られた時間の中で整理し、チームで最適な解決策を導く力が必要とされるため、選考段階でその適性を確認します。
また、メーカーや総合商社などの大手企業でも、協調性やリーダーシップを評価する目的で取り入れられています。
特に営業職や企画職など、社内外との調整が多い職種では、他人と円滑に意見交換ができるかどうかが重要な判断基準になります。
さらに、近年は官公庁や金融業界などでも導入されることが増えています。
グループディスカッションは、個人の発言力だけでなく、集団の中での役割意識やバランス感覚を見抜くために有効な手法とされています。
オンラインと対面での違い
グループディスカッションは、実施形式によって求められる対応力が異なります。
対面形式では、参加者同士の距離感や雰囲気をつかみやすく、表情やしぐさといった非言語的な要素で印象を伝えられます。
一方で、限られた時間の中で全員が発言する機会を作る必要があり、積極的に会話に参加する姿勢が重要です。
オンライン形式では、画面越しのやり取りとなるため、声のトーンや話す順番の調整が特に大切になります。
通信環境の影響で発言が重なりやすいため、相手の発言をよく聞き、丁寧な言葉づかいで進行する配慮が求められます。
また、オンラインでは相手の表情や反応が見えにくいため、話す際はゆっくりと区切りをつけて伝えることが効果的です。
どちらの形式でも、議論を止めずにチーム全体が話しやすい空気をつくることが合否を分ける大きなポイントになります。
【初めてのグルディスで気をつけること】企業がグループディスカッションを行う理由
企業が採用選考でグループディスカッションを実施するのには、明確な理由があります。
主に、一度に多くの候補者を評価し、チーム内での協調性や役割分担、そして個人の素の人柄を見極めるためです。
その意図を理解しているか、いないかで、グループディスカッションでの立ち回りが変わってきます。
以下で解説する、グループディスカッションが行われる理由を参考に対策を立てましょう。
短時間で大人数の学生を選考できるため
多くの企業にとって、採用活動は時間とコストがかかるものです。
特に人気企業では、多数の学生が応募するため、全員と個別に面接を行うのは現実的ではありません。
そこでグループディスカッションは、効率的なスクリーニングツールとして活用されます。
一度に5〜8人程度の学生を評価できるため、短時間で多くの候補者の能力や適性を見極め、次の選考ステップに進める人を選抜することが可能になります。
志望者側としては、一対一で行う面接以上に、自分をアピールすることができるチャンスが少なくなるため、複数人の中だからこその自分の強みの見せ方を理解しておく必要があります。
チームでの協調性・コミュニケーション力を見るため
現代のビジネスは、個人プレーよりもチームでの協業が不可欠です。
どんなに優れたスキルを持っていても、チームメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、協力して目標を達成する力がなければ、企業で活躍することは難しいでしょう。
グループディスカッションでは、初対面の学生同士が協力して一つの課題に取り組む様子を通じて、他者の意見に耳を傾ける姿勢、自分の考えを分かりやすく伝える力、そして議論を円滑に進めるための協調性などが評価されます。
限られた時間で、一つのテーマについて初対面の人たちと考えをまとめることは簡単ではありません。
その状況においてどのような行動がとれるのかが重要です。
チームでの役割や貢献する姿勢を見るため
グループディスカッションでは、学生が自然とそれぞれの役割を担います。
例えば、議論の方向性を決めるリーダー、時間を管理するタイムキーパー、発言内容をまとめる書記などです。
企業は、学生がどのような役割を担うか、またその役割を果たす中でどのようにチームに貢献しようとしているのかを見ています。
単に目立つ発言をするだけでなく、周りの状況を把握し、議論の質を高めるためにどのような行動を取るかが重要視されます。
社会に出ると、適材適所を見極め、自分がどの立ち位置で仲間をサポートできるか考える必要が出てきます。
グループディスカッションは、そのシミュレーションだと考えるといいでしょう。
「素」の性格や人間性を見るため
通常の個別面接では、学生は事前に準備した回答や、理想的な自分を演じることが多いでしょう。
しかし、グループディスカッションという予測不能な環境では、学生は「素」の性格や人間性を露呈しやすい傾向にあります。
議論に行き詰まった時の対応、他者の意見を尊重する姿勢、あるいはプレッシャーがかかった時の振る舞いなどから、一緒に働きたいと思える人間性か、その企業のチームでなじめるかといった、個人の本質的な部分を見極めることができるのです。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションの不安を解消する方法
初めてのグループディスカッションに臨む就活生は、多くの不安を抱えがちです。
その不安を解消するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
・自己紹介を行う
・グループディスカッションの流れと進め方を理解する
・グループディスカッションのコツを押さえておく
・グループディスカッションの準備や練習をしておく
1つ目は「グループディスカッションの流れと進め方を理解すること」です。
採用担当者がどのようなプロセスでディスカッションを進めるのかを知ると、心構えができます。
2つ目は「グループディスカッションのコツを事前に理解しておくこと」です。
自分の役割を果たすためには、議論の進め方や効果的なコミュニケーションスキルを把握しておく必要があります。
最後に、「事前の準備や練習をしておくこと」が大切です。
模擬ディスカッションを友人と実践したり、過去に出題されたテーマについて考えてみたりすることで、自分なりの意見を持つ準備ができます。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションで注意すべきポイントとは

グループディスカッションで気をつけることはたくさんあります。
根本にはチームで1つの目標に向かい、協働するという意識があります。
実際に企業に入社して現場で働いていると仮定し、どのような行動や役割分担が自分に求められているかをまず理解しましょう。
そしてこのチームに何を期待されているか、どんな成果を求められているかを理解したうえでディスカッションを進めることが大切です。
制限時間は決められていますので、時間内にベストな結果をまとめる意識もしましょう。
論点にそった発言をする
議論には決まった流れがあり、時間を効率的に使うためには、議論の流れと合わない的外れな発言をしないように注意する必要があります。
グループディスカッションに限りませんが、議論は「前提確認・定義づけ」→「意見出し」→「意見まとめ」→「結論」という流れにそっておこないます。
それぞれのフェーズでそのときの目的に合った発言をしなければ脱線するばかりです。
議論の進め方を理解できていない、ダメな人物だとみなされてしまわないように注意しましょう。
だらだらと話しすぎない
グループディスカッションは、与えられた課題に対し、限られた時間のなかで結論を導き出す作業です。
配分が理解できていないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
そうなってしまえば、結論までたどり着けないという最悪の状況を生み出しかねません。
そんななか、だらだらと要点のつかめない話を長く話すような人物は、まさに「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまいます。
自分の意見を言うときは簡潔に話すことが絶対です。
発言をする前に言うべきことを頭のなかで瞬時にまとめ、自分なりの結論をもって要点が述べられる訓練をしましょう。
積極的に発言する
積極的な発言が大切であることは前述しました。
それはもちろん、発言回数が少ないければ、そもそも評価の対象にも入れないためです。
傾聴することはよいことです。
しかし、終始その状態ではそこに座っていた意味すらなくなってしまいます。
議論には前向きに参加し、確実に発言回数を稼いでください。
ただし、とにかく何でも話せばいいわけではないので注意が必要です。
特にムードメーカータイプの人が陥りやすい罠です。
場を和ませようとして関係のない話をしたり、話を脱線させたりするのは大きなマイナスです。
明るく発言するのはよいことですが、限られた時間のなかで意見をまとめ、与えられた課題に答えを導き出すことが目的であることを忘れないでください。
過度な自己主張を控える
その場ではチームとはいっても、周りが全員ライバルであることは事実です。
それでも最初から敵視したり、自分の意見ばかりごり押ししたりしていると、協調性のない人物として印象を悪くすることになります。
発言する以上、しっかりした自分の考えが必要です。
もちろん、なぜそう考えるか自己主張することは決して悪いことではありません。
ただそれも行きすぎると、他者の意見を尊重しない強引な人物とみなされ、採用担当者からマイナスの評価をされることになるでしょう。
特に反対意見を述べられると自己否定されたように感じ、意地になって自分の意見を通そうと攻撃を開始するタイプの人がいます。
グループディスカッションにおいて他者の意見は誰からのどんなものでも尊重すべきものです。
自己と相対するからといって、攻撃すべきものではないことを肝に銘じてください。
頭ごなしに相手を否定しない
グループディスカッションで不合格になってしまう人で多いのが、相手の意見を頭ごなしに否定する人です。
もし、誰かの発言が議論の流れにそぐわない、場を混乱させてしまうようなチグハグなものであっても、いったんは相づちを打って受けとめましょう。
そのうえで根拠を添え、やんわりと否定の意見を述べるのがベストな対処方法です。
いきなり「それは違う」「そんな話ではない」といった拒絶の態度を取ってしまっては、そもそも社会人としてマイナスの評価をされます。
論点が食い違ったり、行き違いが起こったりすることなど、実際に社会で働き始めてからは社内外でいくらでもあることです。
たとえ自分が正しくとも、その都度、頭ごなしに相手を否定していたら組織で孤立してしまうことになります。
いったん受けとめるテクニックは、就職活動だけでなく、今後実際に企業で働き始めてからも必要になるテクニックです。
ここでしっかりとマスターしておきましょう。
時間配分を意識して議論する
残り時間を意識して論点の設定をおこない、議論を進めることがグループディスカッションではとても大切です。
重要な役割を担うのがタイムキーパーです。
もしその役割に就かなくても、時間配分はしっかりと意識してください。
よくあるのが、ディスカッションが大いに盛り上がってしまい、結論を出す前に制限時間が来てしまうという失敗です。
タイムキーパーは単に時間をはかる役割ではありません。
いつどのタイミングでつぎのフェーズに移行するかを配分するのが責務です。
つまり、重要な影の進行役だと認識しましょう。
またグループで結論が出せないとなれば全員がマイナス評価になってしまいます。
タイムキーパーでなくても時間配分を意識し、確実に任務を完了する意識が重要です。
以下の記事では、グループディスカッションの時間配分について詳しく説明しています。
意見がない場合は誰かのサポートに注力する
グループディスカッションは自分の意見を持って望むことが理想的ではありますが、テーマによっては自分の意見がなかなか発信できない、思いつかないという人も多いでしょう。
そのような時は議論の中で共感できる意見や自分の考えに近い人のサポートに注力することをおすすめします。
他の参加者の発言をしっかりと聞き、重要なポイントを広げて、補足説明をしたり、新たな視点から質問を投げかけたりすることで議論に十分貢献できます。
また、議論が盛り上がらない場合には質問をして、他の人の意見を引き出す役割を果たすこともおすすめです。
議論を進めるサポート役として存在感を示すことで、自分の意見が直接的に提示できなかったとしても、チームに貢献する姿勢を示すことは十分に可能です。
反応・相槌する
グループディスカッションは、個人の意見を主張する場ではなく、チームで協力して一つの結論を導き出す場です。
そのため、自分の意見を述べるだけでなく、他の参加者の発言に耳を傾け、適切なタイミングで相槌を打ったり、同意を示したりすることが重要です。
これにより、議論が円滑に進むだけでなく、協調性やコミュニケーション能力をアピールできます。
相手の発言を遮ることなく、しっかりと受け止めていることを態度で示すことで、議論への貢献度を評価してもらえるでしょう。
積極的に発言する姿勢を見せること
グループディスカッションにおいて、全く発言しないことは、議論に貢献していないと見なされます。
たとえ完璧な意見でなくても、議論に参加しようとする姿勢が評価されます。
もし、同じグループにとても優秀に感じられ、回答も優れている人がいても、引け目を感じずに賛成でも異なる意見でも、自分の言葉で意見を述べる姿勢が評価に繋がります。
自分の考えを積極的に述べ、議論の活性化に貢献することで、課題解決能力やリーダーシップを発揮するチャンスにもなります。
ただし、ただ発言するだけでなく、その内容が議論の目的に沿っているか、他の参加者の意見を考慮しているかにも注意が必要です。
自分の役割は最後まで果たす
グループディスカッションでは、タイムキーパーや書記など、特定の役割が自然と生まれることがあります。
一度引き受けた役割は、議論の最後まで責任を持って遂行することが重要です。
自分の役割を果たせないと、議論の進行に悪影響を与え、チーム全体に迷惑をかけてしまいます。
自分の役割を忠実に果たす姿勢は、責任感やチームへの貢献意欲があることの証明となり、企業からの評価につながります。
途中で、上手く役割をこなせていないと感じても、焦らずに対応することが必要です。
無言を貫かない
初めてのグループディスカッションでは、緊張のあまり発言できずに終わってしまうことがあるかもしれません。
しかし、GDではまず議論に参加することが大前提です。
GDでは発言量が評価されうるため、無言でいることは、議論に貢献していないと見なされます。
「何かすごいことを言わなければ」と気負う必要はありません。
「〇〇さんの意見に賛成です」という同調や、「もう少し詳しく教えてください」といった質問からで大丈夫です。
まずは、チームの議論に加わろうとする積極的な姿勢を見せることが、評価への大切な第一歩となります。
完璧な意見よりも、まずは参加する意識を持ちましょう。
クラッシャー行為に注意
自分のグループにクラッシャーと思われる人物がいた場合は、クラッシャーがどのような行為をするか注意が必要です。
グループディスカッションは、そのグループ内での行動をもとに評価されます。
そのため、一人クラッシャーがいるだけで、本来の自分の良さを発揮できなかったり、グループ全体の雰囲気が悪くなったりする場合があります。
そのため、事前にクラッシャーがどのような行動をする可能性があるのか知り、対策を考えておくことで、いつでも自分のペースで臨むことができるでしょう。
クラッシャーの対応に注意
グループディスカッションの場には、時として「クラッシャー」と呼ばれる、議論を混乱させる参加者が現れることがあります。
こうした参加者に対しては、感情的にならず冷静に対応することが求められます。
例えば、「今の議論のゴールを再確認しましょう」と切り出して、議論の論点を改めて提示したり、「皆さんの意見も聞きたいので、一人ずつ順番に意見を話してみませんか」と提案するなど、建設的な方向に議論を導く工夫が必要です。
クラッシャーに流されず、チーム全体を良い方向に導くことができる冷静さとリーダーシップは、高く評価されるポイントとなります。
議論中の姿勢・振る舞いに注意
議論中、効果的な発言をしたり、自分の役割に責任をもって取り組んだりしていても、姿勢や振る舞いによってはマイナスな印象が強くなってしまう可能性があります。
姿勢や所作はその場で意識していてもふとした瞬間に、悪い癖が出てしまう可能性があります。
そのため、どのような行動がグループディスカッションでマイナス評価に繋がるのか理解した上で、自分の日頃の行動を見直してみましょう。
模擬面接などをする場合は、ぜひビデオなどで撮影をし、自分の姿勢や振る舞いに問題がないかどうか客観的に確認してみてください。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションの種類
グループディスカッションには、グループワークと自由討論、ディベートという3つの種類があります。
具体的には、グループワークは仮想の仕事に取り組み課題を解決すること、自由討論はテーマに沿って意見交換し話し合うこと、ディベートは賛否が分かれるテーマについて意見を述べて議論するといった違いです。
企業の求めているグループディスカッションの種類を正しく認識して、評価されるように取り組みましょう。
・グループワーク
・自由討論
・ディベート
グループワーク
グループワークとは複数の人がひとつの課題達成のために、協力して取り組む活動のことです。
既存サービスの改善提案や新商品開発や事業拡大戦略のアイデア、志望企業の直接的な関わりがない一般的なビジネスプランなどのテーマが考えられます。
その際、ディスカッション(意見交換)だけではなく、課題達成のために作業したり計画を立案することが伴います。
積極的なアイデアを出すなど行動を起こし、他人の意見も聞きより良い解決策に向けて話を進めることが大切です。
その際、斬新な視点であることも重要ですが、現実的で実現可能な範囲のアイデアが望ましいです。
これにより、アイデアの発想や課題解決など仕事の進め方が評価されます。
自由討論
自由討論とは複数の人が与えられた抽象的なテーマの中で、自由に意見交換を行うことです。
グループディスカッションは答えがひとつではないテーマであることが多いです。
・AIの活用で個人情報の保護やヘイト情報の除去とはどう向き合うべきか
・上下関係を減らす利点と想定できる課題はあるか
・リモートワークの普及はライフワークバランスの改善に効果があるか
このように唯一の正解がなくて結論も複数あるテーマから、1つの結論を出す必要があります。
自分はどう考えるのか意見を明確にし根拠を述べて、お互いに他人の意見も尊重して討論を進めることが大切です。
これにより、思想や信条など人間性が現れやすく企業との相性が評価されます。
ディベート
ディベートとは異なる意見を持つ人々が特定のテーマについて議論して、結論を導き出すことです。
グループディスカッションは、絶対の正解はなく賛否が分かれるテーマで行われます。
・リモートワークは継続するべきか出社を復活するべきか
・書類審査や面接へのAI導入は普及するべきか
このようにどちらが正解か決まっている訳ではありませんが、賛成か反対かの結論を明確にする必要があります。
自分の賛否を明確にした上で意見を理論立てて述べることが重要で、意見の異なる人を説得できる根拠を示し議論を進めるようにしましょう。
このとき、冷静に論理的思考ができるかや反対意見に耳を傾けられるかなど、業務遂行能力が評価されます。
【初めてのグルディス】グループディスカッションテーマの種類
グループディスカッションのテーマは多岐に渡り、企業ごとに傾向も異なります。
そのため、自分が志望する企業で過去にどのようなグループディスカッションのテーマがあったのか事前に調べて、傾向を知っておく必要があります。
しかし、ここでは、グループディスカッションで度々登場するテーマを簡単に紹介します。
そして、そのようなテーマに対する対策方法も紹介するので、練習の参考にしてみてください。
抽象的テーマ型
抽象的テーマ型グループディスカッションでは、「幸せな人生とは?」や「良いリーダーの条件とは?」のように、明確な正解が存在しない抽象的なテーマが扱われます。
参加者には、議論を深めるために、まず定義を共有し、多様な視点から考察する能力が求められます。
このようなテーマは個人の価値観によっても大きく回答が異なるために、グループで一つの意見にまとめることが難しいテーマです。
テーマ例
- 未来の働き方について
- 幸せな人生の定義とは
- 愛社精神は必要か
- リーダーシップの特徴
- 理想の組織像
対策方法
この種のテーマに取り組む際の対策方法としては、議論の前提となる条件や定義を具体的に設定することが非常に重要です。
例えば、幸せというテーマであれば、「経済的な豊かさ」や「精神的な満足感」といった具体的な要素に分解することで、議論をより生産的かつ建設的なものに進めることができます。
このように、抽象的な概念を具体的な要素に落とし込むことで、参加者全員が共通の認識を持ち、深い議論を展開することが可能になります。
課題解決型
課題解決型グループディスカッションは、特定の企業や社会が抱える課題に対し、具体的な解決策を提案することを目的とします。
例えば、「少子化を食い止めるには?」や「〇〇社の売上を向上させるには?」といったテーマが該当します。
このテーマもおそらく無数の答えが存在し、現実的に課題解決にむすびつくような意見が求められているため、グループで一つの意見を示すことが難しいテーマでしょう。
テーマ例
- コンビニの売上を向上させる方法
- 若者の投票率を高める対策
- 自社の新しい事業案を提案せよ
- 顧客満足度を改善する手順
- 店舗への集客力を上げる方法
対策方法
対策方法としては、まず「定義付け」から始め、何が課題なのかを明確にします。
次に「現状分析」を行い、課題の根本原因を特定します。
その上で、実現可能な解決策を複数提示し、それぞれのメリットとデメリットを比較検討する流れが一般的です。
このプロセスを通じて、論理的かつ実践的な解決策を導き出すことが重要となります。
資料分析型
この形式では、参加者に事前に資料(企業のデータ、市場調査レポートなど)が配布され、その内容を読み解いた上で議論を進めます。
テーマは、提示された資料に基づいたもので、「この会社の新規事業として最も適切なものは何か?」などが挙げられます。
資料を根拠として意見を示さなければならない分、自分の意見を示す力だけではなく、データ分析力も求められます。
テーマ例
- 資料から読み取れる課題とその解決方法
- 提供されたデータから最適な投資先を決定せよ
- 資料に基づき、市場進出の是非を判断せよ
- データが示す顧客層に対しての販売戦略
- 競合他社との比較から自社の長所を見つけよ
対策方法
対策方法としては、資料から読み取れる事実を正確に把握し、その情報を基に論理的な意見を述べることが不可欠です。
感情や個人的な推測に頼るのではなく、資料という客観的な根拠に基づいた議論を展開することが強く求められます。
具体的には、資料に記載されている数値やグラフ、テキスト情報などを注意深く分析し、それらが示す意味や傾向を正確に理解することが重要です。
その上で、資料の情報を裏付けとして、自分の意見や提案を構築し、他の参加者に明確に伝える必要があります。
ディベート型
ディベート型グループディスカッションは、特定のテーマに対し、賛成か反対かといった明確な立場が与えられ、その立場で議論を進めます。
例えば、「終身雇用制度は維持すべきか?」といったテーマに対し、賛成派と反対派に分かれて議論します。
ディベート型のテーマでは、多くの場合、自分で賛成派か反対派かを選ぶことはできません。
そのため、与えられた立場に沿った意見をすぐに考え出さなければならない点で難しく感じる人は多いでしょう。
テーマ例
- 日本は終身雇用を維持すべきか否か
- 都市開発は地方創生に必要か
- 新卒一括採用は廃止すべきか
- 部活動に対して外部コーチは必要か
- インターネット上の匿名性は維持すべきか
対策方法
このタイプのディスカッションにおける対策方法としては、単に自分の立場を擁護するだけでなく、相手の意見も深く理解した上で、それに対する効果的な反論を構築することが極めて重要です。
議論を始める前に、グループ全体で何をもって勝敗や優劣を判断するかという判断基準を明確に設定することで、議論の軸が定まり、より効果的で建設的な議論を行うことができます。
この基準が明確であれば、感情的な対立に陥ることなく、客観的な視点から議論を進めることが可能となり、結果として質の高い結論を導き出すことに繋がります。
フェルミ推定型/ケーススタディ型
フェルミ推定とは、実際に調査することが難しい数量や規模を、最低限の知識と論理的思考力を使って短時間で推定する手法です。
「日本全国にある郵便ポストの数は?」といった、一見すると見当もつかない問いが代表例です。
これを応用し、「ある飲食店の売上を倍増させる施策は?」といった、より実践的なケーススタディ型のテーマも頻出します。
これらの課題では、答えの正しさ以上に、結論に至るまでの思考プロセスや、チームで課題解決に取り組む姿勢が評価されます。
テーマ例
フェルミ推定型
- 日本全国に電柱は何本あるか
- 東京駅の一日の乗降客は何人か
- 世界のスマートフォン市場の規模はどれくらいか
ケーススタディ型
- A社の売上が半減した原因と対策
- 新規事業として動画配信サービスに参入すべきか
- B社の海外展開戦略を立案せよ
対策方法
このタイプのテーマで重要なのは、正解を出すことではなく、論理的な思考プロセスを示すことです。
対策としては、まず問題を要素分解する癖をつけることが有効です。
例えば「売上」というテーマなら「客数×客単価」のように、具体的な式に落とし込み、一つ一つの要素をチームで推定していくのです。
基本的なビジネスフレームワークをいくつか知っておくと、議論を整理する際に役立つでしょう。
普段からニュースや身の回りの事象に対し、「なぜ?」「どうすれば?」と考える習慣も大切です。
一人で解こうとせず、チームで前提条件を確認しながら議論を進める協調性も、重要な評価ポイントとなります。
【初めてのグルディスで気をつけること】 グループディスカッションの手順
実際にグループディスカッションに参加する前に、手順を知っておきましょう。
まず、話し合うテーマを決めて、それに関する前提条件など参加者の認識を揃えます。
次に、各自のテーマに対する意見を表明して、意見に対し話し合います。
そして、意見が出揃い議論が尽くされたら、話し合いの内容を整理します。
その後に、整理した内容を発表のフォーマットに合わせ整えます。
最後に、ディスカッションの内容を全体に向けて発表します。
・役割・時間配分を決める
・テーマ設定・前提確認
・現状分析・課題の特定
・話し合い
・内容の整理
・発表準備
・発表
人事担当から説明を受ける
会場入りした後、試験開始前に人事担当者からグループディスカッション全体の進め方や注意点、時間などが説明されます。
ここで気をつけることは、配られた資料やテーマ、制限時間を細部にわたって正確に理解することです。
質問例として「終了の何分前に発表を終える必要があるか」など、不明点を当日その場で解消する積極性が評価されます。
自己紹介を行う
人事担当者の説明が終わった後、多くの場合、ディスカッション本番の前に、同じグループになったメンバー同士で自己紹介を行う時間が設けられます。
ここでは、自分の名前や大学名だけでなく、自分がチームで発揮したい役割や力を簡潔に伝える話し方が大切です。
たとえば「私は課題解決が得意なので、議論の方向性を決める役割を意識します」といった答え方が参考になります。
役割・時間配分を決める
議論の冒頭で、参加者全員がスムーズに議論を進められるように、役割分担と時間配分を決定します。
役割には、議論全体をまとめるリーダー、時間を管理するタイムキーパー、議論内容を記録する書記、そして最終的な結論を発表する発表者などがあります。
それぞれの役割を担うことで、議論に貢献できるだけでなく、チームとしての一体感が生まれます。
全体の議論時間やテーマに応じて適切な時間配分は変わりますが、無駄な時間をなくし、効率的に議論を進めるために、なるべく早く決定することが求められます。
テーマ設定・前提確認
企業からグループディスカッションのテーマと目的が提示され、関連する情報やルールが示されます。
与えられたテーマを明確に理解することが重要で、特に用語の定義や期待される成果物について共通認識を持つように努めます。
全員が同じ理解に基づいて話し合いを始めるためには、疑問点はこの時点で解消しておくことが重要です。
これを怠ると話が噛み合わなかったり、テーマから脱線した話し合いになってしまいます。
例えば「新商品のマーケティング戦略を考えよう」がテーマの場合、対象となる商品や市場の現状、期待される目標などが与えられます。
その際、参加者が正しく課題や条件を認識できているかを確認しておきましょう。
以下の記事では、グループディスカッションのテーマについて詳しく説明しています。
現状分析・課題の特定
グループディスカッションの課題解決型や資料分析型では、まず現状がどのような状況であるかを分析することが大切です。
与えられたテーマについて、何が問題で、なぜそれが起こっているのかを深く掘り下げていきます。
その際、現状と理想の状態との間にあるギャップを明確にすることで、議論すべき課題が浮かび上がってきます。
このステップを怠ると、議論が的外れになったり、表面的な解決策しか導き出せなかったりするため、チーム全体で丁寧に議論することが重要です。
話し合い
次にテーマに沿った話し合いを行います。
参加者が自由に意見を交換して、課題解決の提案やアイデアを話し合います。
このときに、リーダーシップばかりではなくフォロワーシップとのバランスが重要です。
意見が分かれた時の調整役としての機能も求められることがあるため、協調性や柔軟性も大切です。
話し合いでは発言に耳を傾けて他の意見を否定しないことに注意が必要で、1人が議論を主導してしまわずに全員の参加を促す姿勢が求められます。
例えば、新商品のマーケティング戦略の場合は、より多くの観点から意見を集めてから討論するようにします。
また、積極的に意見を出すだけでなく、多様な意見を引き出す問いかけを心がけるとよいでしょう。
内容の整理
次に話し合った内容の整理を行います。
様々な意見と話し合った内容を整理して、参加者の合意を形成しながら方向性や結論につなげる段階です。
その際に全員の意見が反映され、なるべく合意を得た結論を出すことが求められます。
活発な話し合いで出た意見は多岐にわたり複雑に広がってしまいますので、構造的に整理して重要なポイントを抽出していきます。
これにより、大切なことが明確になり結論を得ることが容易になります。
例えば、提案されたマーケティング戦略の中から効果的なものを1つ選定し結論とせずに、それ以外のエッセンスも組み合わせて最善の戦略を作るなどです。
付箋やノートなどを活用すると全員が理解しやすくなるでしょう。
発表準備
次に整理した内容を発表する準備をします。
アウトプットを発表のフォーマットに整えて、ポイントが視覚的に理解しやすいようにまとめる段階です。
発表の際に使用する資料の作成や発表する内容の取捨を行います。
この時、深掘り質問の対象になるので、抽象的な表現は避けてデータや例を使い説明する工夫が大切です。
また、与えられた時間内に収まるように、重要なポイントを明確にして詰め込み過ぎないように注意します。
複数人で発表する場合、どの部分を発表するかの分担を決定します。
役割分担の際は、各メンバーの得意分野や興味を考慮するとより効果的な発表が可能となります。
最後に、発表練習を行い内容に違和感がないか確認しましょう。
発表
最後にアウトプットをまとめて準備したことを発表します。
グループディスカッションのアウトプットを採用担当者や他の参加者に対して、発表する段階です。
話し合いで得た結論や提案を分かりやすく要点を明確に伝えるプレゼンテーション技術が、求められます。
その際、結論から伝えてその後に理由と例を挙げて説明をして、最後に結論をもう一度述べて締めくくるとメッセージが伝わりやすいでしょう。
発表には参加者が協力して一致した態度で臨むことが求められ、決して発表者任せにしてしまってはいけません。
また、制限時間を大きく超えてしまうと要点をまとめられていないと評価されかねないので、発表時間の経過は常に注意しておきましょう。
以下の記事では、グループディスカッションの発表の方法やコツについて詳しく説明しています。
【初めてのグルディスで気をつけること】理想的な時間配分例
グループディスカッションで最も避けたい失敗が、「議論がまとまらず時間切れ」となることです。
どんなに良い意見が出ても、結論に至らなければ評価はされません。
この失敗を防ぐ鍵こそ、開始前に「議論の設計図」となる時間配分をチームで決めておくこと。
ここでは、多くの選考で用いられる30分を想定した具体的な時間配分例と、その効果的な使い方を紹介します。
30分の場合
制限時間が30分の場合、各プロセスの時間配分の例は以下のとおりです。
【1】役割・時間配分の決定:4分
【2】テーマの前提確認:3分
【3】現状分析・課題特定:5分
【4】解決策の意見出し:8分
【5】解決策の検証:5分
【6】結論出し・発表準備:5分
45分の場合
制限時間が45分の場合、各プロセスの時間配分の例は以下のとおりです。
【1】役割・時間配分の決定:5分
【2】テーマの前提確認:5分
【3】現状分析・課題特定:8分
【4】解決策の意見出し:12分
【5】解決策の検証:10分
【6】結論出し・発表準備:5分
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションの役割分担

グループディスカッションには4つの役割分担があり、リーダーとタイムキーパー、書記、その他のメンバーです。
これらの役割分担は、グループディスカッションを開始する最初に決める必要があります。
各自が好き勝手に発言しているだけでは、話は進まず時間内に結論を導き出すこともできないでしょう。
また、企業の評価はどの役割についても優劣はなく、役割を全うできているかが評価のポイントです。
・リーダー
・タイムキーパー
・書記
・発表者
・その他のメンバー
リーダー
司会者や進行役とも呼ぶことがあります。
テーマに対して議論の方向性を示し、参加者の発言を促す役割をします。
また、発言を遠慮している人などに議論への参加を促す配慮も大切です。
このように話し合いを主導し、必要に応じて論点の整理や議論が脱線しないように調整することも担います。
ただし、自分の意見が通るように仕向けたり、特定の意見を優遇するような態度をとってはいけません。
多様な意見に対して公平で柔軟な対応やチームを統括し方向づける力、意見をまとめる調整力などが求められます。
一番目立つ役割であるため良くも悪くも採用担当者の印象に残りやすいため、上手く役割を果たせなかった場合のリスクもあります。
以下の記事では、グループディスカッションのリーダーの役割について詳しく説明しています。
向いている人の特徴
議論の方向性を決定する力や、時間内に結論を出すための進め方を設計できる特徴を持つ人が向いています。
また、メンバーの意見に対して冷静に耳を傾け、議論が脱線した際に軌道修正できる力も必要です。
目標達成への意識が高く、チームを引っ張ることに経験や習慣がある人に最適な役割です。
評価ポイント
議論の流れを作り、結論まで導くリーダーシップが評価されます。
メンバー全員の意見を引き出す気配りや、タイムキーパーと連携して時間配分を意識する力もポイントです。
単に発言が多いだけでなく、課題解決に向けた論理的な手順を踏めているかが重要です。
注意点
自分の意見を押し通しすぎると、協調性がないと評価される注意点があります。
メンバーの意見に対して否定的な話し方は避け、あくまで議論を円滑に進めることに意識を集中させましょう。
全ての役割を兼任しようとすると、結果的に何もできなくなるリスクもあります。
タイムキーパー
グループディスカッションを進めて、時間内で結論を出すには欠かせない役割です。
話し合いなどの時間配分を管理してグループディスカッションの進行を時間の面から、リーダーの役割をサポートしています。
単純に時間を守るだけではなく臨機応変な対応で議論が成立するように調整することも求められます。
ただ、議論の合意形成にも時間を残すなど各ステップで偏りが出ない様に、進行のバランスを取ることも必要になります。
効率的な時間割り当てによる議論の質の向上や議論の進行をスムーズに行う計画力と管理能力、時間管理における公平性と責任感が求められます。
発表の良し悪しは、適切な時間配分ができているかで違いが現れる場合が多いです。
以下の記事では、グループディスカッションのリーダーの役割について詳しく説明しています。
向いている人の特徴
時間を意識する習慣があり、冷静に議論の残り時間を把握できる人が向いています。
議論が白熱しても感情的にならず、時間を管理する役割に徹することができる特徴も必要です。
メンバーに対して適切なタイミングで注意点を促すコミュニケーション能力も求められます。
評価ポイント
議論の時間配分を適切に管理し、結論を出すステップに遅れがないようにコントロールする力が評価されます。
単に時間を計るだけでなく、どの手順に時間がかかりすぎているかを反省や振り返りを行い、アドバイスできる積極性もポイントです。
注意点
時間管理に意識を集中しすぎて、議論の内容そのものに入れなくなってしまう注意点があります。
発言の量が少なすぎると、議論への貢献度が低いと評価されかねません。
時間のアナウンスの話し方は、メンバーのモチベーションを下げることのないよう気をつけることが大切です。
書記
たくさん出た意見を最終的にまとめるために重要な役割です。
様々な意見と議論の内容や推移を記録して、重要なポイントや意見と合意事項を明確に文書化します。
記録の内容は、議論を深める過程や発表準備のときに役立ちます。
様々な意見が散らばった状態であるよりも意見が整理整頓されている方が、議論の軸がブレず進行状況が明確になります。
記録がしっかりしていると議論の脱線が防げて効果的に進められるでしょう。
文書化スキルを通じた進捗のサポートや話し合いの内容を的確に記録し可視化する技術、細部にわたる注意力と正確な情報整理の能力が求められます。
話し合いの記録がしっかりしていると発表内容が伝わりやすい場合が多いです。
以下の記事では、グループディスカッションの書記の役割について詳しく説明しています。
向いている人の特徴
議論の内容を整理し、視覚的に分かりやすくまとめる力がある人が向いています。
議論の流れを把握し、重要なポイントを瞬時に記録できる集中力や、議事録の型を知っている人に最適な役割です。
結論までの手順を整理し、メンバーに共有できる習慣も重要です。
評価ポイント
議論の流れと結論に至るまでの理由を、分かりやすい言葉で正確に記録し、チーム全体に共有する力が評価されます。
議論が行き詰まった時に、これまでの反省点や決定事項を振り返り、アドバイスできる貢献もポイントになります。
注意点
議論に参加せず、記録だけに終始してしまうと、協調性や積極性がないと評価される注意点があります。
また、自分の意見を記録に紛れ込ませる方法も避けるべきです。
あくまで客観的な事実と理由を記録することに意識を集中させましょう。
発表者
発表者は、議論で出た意見を適切に整理し、論理的な構成で聴衆に伝える能力が求められます。
発表前には、必ずグループのメンバー全員と最終確認を行い、誰もが納得する形で結論がまとまっているかを確認することが不可欠です。
このステップは、発表が個人の意見ではなく、グループ全体の総意であることを示し、チーム内での協調性をアピールする絶好の機会となります。
自己主張を過度に行うことは避け、あくまでも客観的な視点から、グループで導き出した結論を的確に発表することが重要です。
議論の背景、検討した選択肢、そして最終的な結論に至った理由を明確にすることで、説得力のあるプレゼンテーションができます。
発表者がこれらの点を意識して臨むことで、グループディスカッション全体として高い評価を得られるでしょう。
向いている人の特徴
チームで導き出した結論を、面接官に対して自信を持って論理的に話し方ができる人が向いています。
緊張に強く、質問に対して的確に答え方ができる力や、チームの努力を代表して伝えるという意識を持てる特徴が必要です。
評価ポイント
結論の論理性と、理由や手順を含めて分かりやすく説明するコミュニケーション能力が評価されます。
質疑応答で、面接官の質問に対して的確に答え方ができる力もポイントです。
チームの意見を代表しているという意識が評価されます。
注意点
発表当日に自分の意見や言葉でチームの結論を修正しないよう注意点として意識しましょう。
発表時間の制限を守れないと、評価が下がるリスクがあります。
話し方は、自信を持ちつつも傲慢にならないよう、マナーを守ることが大切です。
その他のメンバー
特別な役割を担当しなくても、採用担当者へのアピールは可能です。
積極的に発言して議論に参加することで、自らの意見や情報を提供しましょう。
豊かな意見交換で議論を有意義にするためには、様々な視点からの意見が必要だからです。
リーダーなどがどんなに頑張っても、意見を提供する人が居ないと議論は進まないです。
多角的な視点からの意見交換と他の人の意見に対してフィードバックを行うと、グループ内での協力と相互理解の促進が起きて議論が深まるでしょう。
その際、異なる意見を持つ人に対しても尊敬と礼節を持って接することが大切です。
その他のメンバーも活発に議論をして積極的な取り組みをした発表には、内容に深みがあります。
以下の記事では、グループディスカッションの役割について詳しく説明しています。
向いている人の特徴
特定の役割を持たなくても、議論全体を俯瞰し、議論の流れが停滞した際に建設的な意見を入れられる力を持つ人が向いています。
協調性が高く、チーム全体の目標達成に対して常に意識を集中できる特徴があります。
評価ポイント
特定の役割に囚われず、議論に対して適切なタイミングで貢献する力が評価されます。
書記のサポートや、リーダーが見落とした注意点を指摘する気配りなどもポイントです。
課題解決に向けた積極性と論理的思考力が重要です。
注意点
発言が少なすぎると、議論への貢献度が低いと評価される注意点があります。
また、役割がないからといって発言の責任が軽減されるわけではありません。
自分の意見を論理的に話し方で表現する意識を持ち続けましょう。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションで見られているポイントとは
グループディスカッションで気をつけるべきことは、企業側が見ているポイントに合わせた行動を意識することです。
まずは何を評価されるのかを知りましょう。
採用担当者は何をどう評価するのか、落ちる原因はなんなのかを理解すれば、自ずとアピールすべきポイントが見えてきます。
結論からいえば、グループディスカッションは組織仕事の縮図です。
複数メンバーが集まって協力して課題をクリアすることは、まさに仕事そのものです。
つまり仕事に必要な素質をもっているかどうか、それこそが採用担当者の見ているポイントといえます。
協調性
グループディスカッションでは、ほかのメンバーの話をしっかり聞いて相づちを打ったり、話せていない人に発言の場を振ったりする言動が大きくプラス評価されます。
これはまさに協調性のポテンシャルといえるでしょう。
チームの一員として、自分のことだけでなく周りを見て動ける人材かどうかが見るポイントになります。
持論を押し通すだけの一方通行ではいけません。
他者に意見を求め、他者の考えにしっかり傾聴できるかどうかが協調性であり、協議性なのです。
ただし、これは単にうなずくだけの聞き役になるという意味ではありません。
ディスカッションの最中、他者へきちんと配慮したうえで、自分の意見はしっかりと述べられることを意味します。
積極性
積極的に意見を言わなければ、グループディスカッションに参加する意義はありません。
この点はおそらく多くの就活生が認識している点でしょう。
議論に対して前向きに取り組めているか、議論に意欲的かどうかは、もちろん採用担当者も大いに注目するポイントです。
初対面同士で気をつかう場面だからこそ口火を切ることも大切です。
加えて、自ら全員が発言しやすい空気を作ることができる人は、採用担当者から高く評価されるでしょう。
論理的思考力
言うまでもなく、グループディスカッションの場で積極的に意見を述べる姿勢は大切です。
当然、それは議論の流れにそった内容でなければなりません。
論理的思考力は、就職活動だけにとどまらず、ビジネスにおいても確実に必要とされる能力です。
加えて、誰もがわかるよう簡潔に、根拠をもって自分の意見を述べられる人物は、非常に企業からの評価が高くなります。
ただしこれは他者に配慮し、わかりやすく意見を述べるという点で発揮すべき能力です。
自分と違う意見をもつ相手のことを論破したり、いかに自分の意見が正しいかを説明したりするほうに発揮すると、逆にマイナス評価になりますので注意しましょう。
素晴らしい能力ですが、使い道を誤ってはいけません。
コミュニケーション能力
グループディスカッションにおいては初対面のメンバーと議論を行わなければなりません。
お互いの人となりが分からない中でなかなか自分の意見を伝えられない人も多いでしょう。
そのような状況下においても積極的に意見を発信し、他の人にも意見を求めるなど、周囲の人の行動を促しながら、円滑に議論を進められるとコミュニケーション能力の高さをアピールできます。
このように積極的にグループに貢献しようとするコミュニケーション能力の高い人材は、面接官に対して良い印象を与えられます。
コミュニケーション能力をアピールするため、そしてグループとしての意見をより高いレベルに昇華させるために、自分の意見を発信するだけでなく、他の参加者の意見を尊重しながら対話を進めるようにしましょう。
発想力
議論が膠着状態に陥ったり、ありきたりな意見しか出なくなったりしたとき、新しいアイデアや独自の視点を提供することで、議論の流れを大きく変えることができます。
単に正解を導き出すだけでなく、思考の幅を広げるような斬新な発想は、企業側に、既存の枠にとらわれずに物事を考えられるという印象を与えます。
例えば、課題解決型のテーマで、誰もが思いつくような解決策しか出てこない場合、全く異なる業界の事例を参考にしたり、異なる立場から課題を捉え直したりすることで、議論に深みをもたらすことができます。
このような発想力は、単なる知識量ではなく、日頃から様々なことに興味を持ち、多角的に物事を考える習慣があることの証となり、高く評価されるポイントとなります。
協調性
協調性は、グループディスカッションで最も重視される要素の一つです。
自分の意見をしっかり持ちながらも、他の人の意見を尊重し、全体の流れを乱さずに発言できるかどうかが評価されます。
議論は一人で進めるものではなく、複数人の考えを整理しながら一つの答えを導き出す場です。
そのため、相手の意見に反対するときも、相手を否定するのではなく、建設的に意見を述べる姿勢が大切です。
また、発言が少ない人に話を振るなど、チーム全体が参加しやすい空気をつくることも協調性の一部です。
企業は、協調性のある人を「周囲と良い関係を築ける人」として評価します。
自分の意見を通すことよりも、チーム全体の成果に貢献する姿勢を意識することが成功の鍵になります。
思考の深さ
グループディスカッションでは、発言の「量」よりも「質」が見られます。
思考の深さとは、与えられた課題に対して表面的な意見ではなく、根本的な原因や背景まで考えられているかを指します。
問題の本質を捉えたうえで、論理的に意見を構築できる人は、採用担当者から高く評価されます。
また、他の人の意見に流されず、自分なりの考えを持って発言することも重要です。
一方で、難しい言葉を使ったり、理屈を並べ立てたりすることが目的ではありません。
相手にわかりやすく説明し、議論の方向を整理できる力が求められます。
思考の深さを示すためには、なぜそう考えたのかを丁寧に伝え、根拠や背景をセットで話すことを意識しましょう。
傾聴力
傾聴力は、相手の話を理解しようとする姿勢のことです。
グループディスカッションでは、自分の意見を主張する力だけでなく、他者の発言を受け止める力も評価されます。
ただ黙って聞くだけでなく、相手の意見の意図を正確にくみ取り、それを踏まえて議論を前に進められるかがポイントです。
また、相手の発言に対してうなずいたり、短い言葉で共感を示したりすることで、場の雰囲気を和らげる効果もあります。
傾聴力がある人は、周囲から信頼を得やすく、チームの意見をまとめる存在になれます。
特に企業は、職場での協働を想定してこの力を見ています。
聞く力を意識的に発揮することで、自然とチームの議論がスムーズに進み、自分の評価も高まります。
リーダーシップ
リーダーシップと聞くと、強い発言力や統率力を思い浮かべる人も多いですが、グループディスカッションで求められるのはそれだけではありません。
限られた時間の中で議論を整理し、メンバーの意見を引き出しながら結論へ導く姿勢が評価されます。
つまり、全員が話しやすい雰囲気を作り、意見をまとめる調整力こそが大切です。
また、自分の意見を押しつけるのではなく、他の人の意見をうまく組み合わせて全体を前に進めることが求められます。
企業が見るのは、「リーダーシップ=指導力」ではなく、「まとめ役としての柔軟性」です。
発言のタイミングや言葉選びを意識し、周囲を巻き込みながら結論を導ける人は、社会に出てからも信頼される存在になれます。
自分が主役になるより、チームを成功へ導く意識を持つことが大切です。
メンバーへの気配り
議論に入りにくいメンバーに対して意見を求める積極性や、タイムキーパーや書記への感謝の言葉など、チーム全体を円滑にする行動が評価されます。
周りを見る意識や、メンバーの長所を引き出す力がポイントです。
【初めてのグルディスで気をつけること】初めてでも失敗しない!役割別攻略法
グループディスカッションでは、与えられた役割をどうこなすかによって、評価が大きく変わります。
役割を引き受けることは、自分の強みを発揮するチャンスでもあり、自分の性格や得意分野に合わせて立ち回ることが、面接官の印象を高めるポイントです。
ここでは、主要な役割ごとの攻略法を紹介します。
ファシリテーターの勝ち方
ファシリテーターは、議論全体の流れを作る中心的な役割です。
自分が話すよりも、メンバー全員が発言できる環境を整えることが大切です。
最初に議論の目的を明確にし、テーマを簡潔に整理してから話を始めましょう。
メンバーの意見を否定せずに受け止めながら、話が脱線しそうなときには軌道を戻す姿勢が求められます。
重要なのは、全体を動かす意識です。
誰かが意見に詰まったら質問で助け舟を出し、全員が参加できる空気を保ちましょう。
結論を導く際には、複数の意見を比較しながら整理し、納得感のあるまとめを意識します。
目立つ発言よりも、全員を支える立ち回りが評価につながります。
書記の勝ち方
書記は、議論の内容を整理してまとめる裏方的な役割ですが、評価を得るチャンスも多いです。
単なるメモ係ではなく、議論の見える化を担う重要な存在です。
意見をそのまま書くのではなく、論点ごとに要点を整理し、ホワイトボードや紙にわかりやすくまとめましょう。
話の流れを俯瞰して整理する力が評価されます。
また、他の人の発言を要約して書き出すことで、全員の理解を助けることもできます。
発表者がまとめやすい形で記録を残すと、チーム全体の評価にもつながります。
議論が混乱しているときには「今の論点は〇〇で合っていますか」と確認することで、進行を助けることもできます。
冷静で的確なサポートができる人は、面接官の印象に残ります。
タイムキーパーの勝ち方
タイムキーパーは、限られた時間の中で議論を効率的に進めるための要です。
単に時間を知らせるだけでなく、全体の進行を意識してバランスを取ることが求められます。
最初に全体の時間配分を提案し、残り時間ごとに声かけを行うとスムーズです。
また、議論が脱線したときには「この話題は残り時間で扱えますか」と冷静に戻す一言が効果的です。
発言が少ない人に話を振ることも、タイムキーパーの立派な役割で、焦らず落ち着いた声で全体に伝えることで、安心感を与えられます。
時間管理ができる人は、実際の仕事でも信頼されやすく、チームのペースを守りながら結論に導く姿勢が高く評価されます。
発表者の勝ち方
発表者は、議論の成果を外に伝える「チームの顔」です。
一人で考えた意見ではなく、全員で導き出した結論を代表して話す意識を持つことが大切です。
話すときは、まず結論を先に伝え、その後に理由や背景を簡潔に説明します。
発表内容を覚えるよりも、全体の流れを理解して自分の言葉で話す方が自然です。
また、他のメンバーの貢献も言葉で示すことで、チーム全体の印象が良くなります。
声の大きさや姿勢、アイコンタクトなども評価に影響します。
緊張しても、堂々と話す姿勢を見せることが重要です。
発表者は最後にチーム全体の印象を決める存在として、誠実さと落ち着きを意識しましょう。
「役割なし」でも印象を残す立ち回り方
役割を持たない場合でも、目立つチャンスは十分にあります。
最も大切なのは、チームを支える姿勢です。
他の人の意見に共感を示したり、必要なときに補足を入れたりすることで、議論に貢献できます。
また、論点がずれそうなときに整理を手伝うと、全体を見ている印象を与えられます。
発言が少なくても、的確な一言を添えるだけで印象に残ります。
話のつなぎ役や空気を和らげる発言も評価されるポイントになりますし、役割がなくてもチームのために動ける人は高く評価されます。
目立つよりも、全員が気持ちよく進められる雰囲気をつくることを意識しましょう。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションのよくある落とし穴
グループディスカッションでは、協調性や思考力を見られる一方で、思わぬ失敗につながる落とし穴も多くあります。
どれだけ発言内容が良くても、進行の妨げになる言動や空気を乱す振る舞いは評価を下げてしまいます。
逆に、問題が起きた時に冷静に対応できる人は、リーダーシップや柔軟性を高く評価されます。
議論を止めてしまう発言
グループディスカッションでは、自分の意見を正しく伝えようとするあまり、無意識に議論の流れを止めてしまうことがあります。
否定的な言葉から始めたり、相手の考えを受け止めずに自分の主張を押し通してしまうと、チームの空気が一気に重くなります。
大切なのは、相手の意見を一度受け止めてから、自分の考えを加えることです。
確かにそういう見方もありますね、そのうえで私はこう思いますといった柔らかい言い回しを使うと、相手も安心して意見を出せます。
議論は勝ち負けではなく、全員で良い結論を導く場だと理解しておくことが重要です。
冷静に場の流れを見て、発言の目的を考えながら言葉を選ぶ力が評価につながります。
沈黙を恐れて話しすぎる
会話が一瞬止まると不安になり、つい焦って自分ばかり話してしまう人がいます。
しかし、沈黙は決して悪いものではなく、グループのメンバーが考えている大切な時間である場合も多いです。
焦って空白を埋めようとすると、他の人が意見を出すタイミングを奪ってしまうことになり、協調性の欠如として見られることがあります。
考える時間を大切にして、今の意見をもう少し整理してみましょうと促す余裕を持つ方が好印象です。
ディスカッションでは、発言の多さよりも内容の深さとタイミングが評価されます。
落ち着いたトーンで場を支える姿勢こそ、信頼を得る近道です。
意見がぶつかった時の対処法
ディスカッション中に意見が食い違うことは自然なことです。
むしろ、多様な視点が出ること自体が良い議論の証拠でもあります。
大切なのは、相手を言い負かすことではなく、異なる意見を整理しながら共通点を探す姿勢です。
自分の考えと相手の考えのどこが違い、どこが共通しているのかを冷静に整理して言葉にすると、建設的な印象を与えられます。
そのうえで、議論の目的に立ち返り、どの方向が最も理にかなっているかを確認することが重要です。
感情的にならず、相手の意見を尊重しながら論理的にまとめることで、全体を導く力が伝わります。
この姿勢は、リーダー候補としても高く評価されやすい要素です。
クラッシャーへの対応法
グループの中には、他人の意見を聞かず、自分の考えばかりを主張する人がいることがあります。
いわゆるクラッシャータイプと呼ばれる存在です。
このような相手に正面からぶつかると、議論が混乱して収拾がつかなくなってしまいます。
大切なのは、感情的にならず、場の流れを整えることです。
一度全員の意見をまとめてみましょう、今の話を整理するとこうなりますねといった形で、冷静に議論をリセットします。
他のメンバーにも意見を促し、全員が話しやすい環境をつくることで、自然と主導権を握ることができます。
強引なリーダーシップではなく、場を整える穏やかな統率力が評価され、結果として、チーム全体の印象を良くし、あなた自身の存在感も高まります。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションで高評価を得るポイント
初めてのグループディスカッションでは、分からないことばかりで緊張するでしょう。
しかし、グループディスカッションで評価されるために必要ないくつかのポイントを押さえておくだけでも、グループディスカッションで効果的な立ち回りができるかどうかが異なります。
どのような行動が高評価を得やすいのか以下で紹介します。
話しやすい雰囲気を作る
グループディスカッションは初対面のメンバーで構成されることが多く、最初は緊張感から議論が停滞しがちです。
そこで、自分から積極的に挨拶をしたり、簡単な自己紹介を促したりすることで、場を和ませる役割を担うことができます。
このような行動は、単にコミュニケーション能力が高いだけでなく、周囲に配慮し、チームのパフォーマンスを向上させようとする積極性があると評価されます。
良い雰囲気は円滑な議論の土台となり、全体のパフォーマンス向上にもつながります。
メンバーの意見を要約・確認する
議論が進むにつれて、多くの意見が出され、話のポイントが見えにくくなることがあります。
そのような時に、これまでの議論内容を簡潔に要約し、メンバーに「〇〇という理解で合っていますか?」と確認することで、認識のズレを防ぎ、議論の方向性を明確にできます。
この行動は、論理的思考力や、他者の意見を正確に理解する能力があることを示します。
また、発言の少ないメンバーにも再確認を促すことで、全員が議論に参加できているかを確認する役割も果たします。
話が脱線した際に軌道修正する
グループディスカッションでは、話題が本筋からずれてしまうことがよくあります。
そうした時に、ずれた話題について否定的な姿勢を示さずに、本題に戻るように誘導するような発言をし、冷静に議論の軌道修正を促すことができると、全体を客観的に俯瞰する力があると評価されます。
この能力は、リーダーシップや課題解決能力と直結しており、議論を効率的に進める上で非常に重要です。
また、軌道を修正しつつも、角が立たないようにグループ全体を導くコミュニケーション能力の評価にも繋がるでしょう。
役割を担っている人のフォローをする
グループディスカッションの最中には、タイムキーパーが時間を管理しきれなかったり、書記が議論のスピードについていけなかったりすることがあります。
そのような時、役割を代わるのではなく、さりげなくフォローすることが大切です。
例えば、タイムキーパーが議論に夢中になっている時に残りの時間について声をかけたり、書記がメモに苦労している様子なら先に話した内容について触れ、要点を整理して伝えたりします。
この行動は、自分の役割以外にも気を配れる周囲への配慮とチームワークを重視する姿勢を示し、高い評価につながります。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションに備えて準備できること
グループディスカッションはいわゆる面接とはまったく違います。
そのため、どうすればよいかわからないという就活生もいるでしょう。
そもそも1人で準備できるものではありません。
練習するにしても、その都度協力者をたくさん集めて来なければならず、ハードルが高いことも要因です。
場数を踏むためには、グループディスカッションを想定した就活イベントや就活セミナーを利用し、第三者からアドバイスをもらうのがおすすめです。
またそれ以外にも、自分1人でも可能な範囲でグループディスカッションに備える手段がありますので、見ていきましょう。
YouTubeなどに上がっているグループディスカッションの動画を見る
もっとも便利で、いつでも利用できるのがYouTubeです。
スマホやタブレットで就活の移動中でも利用できます。
グループディスカッションの動画は、立ち回りや議論の進め方の参考になるでしょう。
一度検索して見てみることをおすすめします。
どんな雰囲気なのか、どれくらいの時間なのか、動画であれば声のトーンや表情の作り方なども参考になるので、具体的な学習になるでしょう。
自分のアピールしたい強みに近い人を見つけて、ノウハウを学ぶのもよい方法です。
ニュース・時事問題に触れて自分の意見をもつようにする
グループディスカッションで与えられるテーマは、抽象的なもののほかに、時事問題や志望業界に関する内容が選ばれることもあります。
企業によって異なりますが、時事問題タイプの場合は、普段からニュースなどで知識を入れておかなければ、意味がわからない状況にもなりかねません。
ただし、ニュースや時事問題は単に内容をチェックするだけでなく、それに対する自分の考えをまとめるところまでやっておかなければ意味がないです。
起こっていることに対して、自分はどう考えるのか、常に頭のなかでまとめておくことで、いざというときに発言する内容が思い浮かびやすくなります。
ロジカルシンキングの訓練にもなりますので、ぜひ続けてみてください。
GD練習会に参加する
グループディスカッションは、書籍やインターネットで知識を得るだけでなく、実際に体験することが不可欠です。
多くの大学のキャリアセンターや、就職支援を行う民間サービスが、GDの練習会やイベントを開催しています。
こうした機会に積極的に参加することで、本番さながらの環境で実践的なスキルを磨くことができます。
練習会に参加するメリットは、大きく分けて二つあります。
一つは、議論の進め方や時間配分を体で覚えられることです。
役割分担や議論の流れを実際に経験することで、当日に戸惑うことなく、スムーズに行動できるようになります。
もう一つは、自分の課題を発見できることです。
他の参加者や運営者からのフィードバックを通じて、自分の発言が分かりにくい点や、協調性に欠ける点など、一人では気づきにくい改善点を見つけることができます。
友人とグループディスカッション練習をする
実際のGDに近い形で練習するには、友人やゼミの仲間などで模擬ディスカッションを行うのが効果的です。
その際、司会やタイムキーパー、書記といった役割を事前に分担すると、より本番に近い緊張感が生まれます。
練習後には、「今の発言は分かりやすかったか」「もっとこうした方が良い」など、お互いに客観的なフィードバックをすることが重要です。
回数を重ねることで議論の雰囲気に慣れ、時間配分や自分なりの立ち回り方を体得できるでしょう。
本番で実力を発揮するための、最高のシミュレーションとなります。
1人で問題解決訓練をする
GDで評価されるのは、「与えられた課題を整理し、筋道を立てて結論まで導けるか」という点です。
この力は、1人でも十分に鍛えられます。
例えば、ニュースで見た社会問題に対し、「問題点は何か→原因は何か→解決策は何か」という型で自分の考えをまとめる練習が効果的です。
ノートに書き出したり、声に出して説明したりすることで、思考が整理され、論理構成力が向上します。
この地道な訓練が、本番で説得力のある発言をするための、揺るぎない土台となるのです。
悩んだら就活エージェントに相談してみよう
グループディスカッションへの準備は分かったけれど1人では不安だと感じる人は、就活のことで悩んだら就活エージェントに相談してみるのがおすすめです。
就活エージェントには、多くの就活生の相談に対応して内定へと導いてきた経験とノウハウがあります。
グループディスカッション以外でも豊富な業界知識をもとに適切なアドバイスとサポートを受けることで、就活を有利に進められるでしょう。
【初めてのグルディスで気をつけること】オンラインのグループディスカッションの注意点
オンラインのグループディスカッションは、対面のグループディスカッションともまた、雰囲気や気を付けるべき点が少しずつ異なるため、以下で解説するオンラインのグループディスカッションの注意点を意識して、対策をしていきましょう。
まずは、自分が志望する企業ではどのようなグループディスカッションの方法が取り入れられているのか確認しましょう。
通信環境・カメラ・マイクを事前確認する
オンライングループディスカッションに参加する際は、通信環境の安定性が最も重要です。
議論中に映像や音声が途切れてしまうと、他の参加者や選考官に迷惑をかけてしまいます。
事前にWi-Fiの接続状況を確認し、可能であれば有線接続を試みましょう。
また、カメラとマイクが正常に機能しているか、音量や画質に問題がないかもチェックしておくことが不可欠です。
直前に機器の不具合に気が付いても、すぐに直すことは難しいです。
そのため、数日前などにマイクやカメラのテストをし、万全の状態でグループディスカッションに臨むようにしましょう。
議事録は全員に画面共有する
対面の議論ではホワイトボードに書記が内容をまとめることが多いですが、オンラインでは議事録を画面共有することが一般的です。
これは、参加者全員がリアルタイムで議論の進捗状況を把握し、認識のズレを防ぐ上で非常に効果的です。
書記担当になった際は、単に内容を記録するだけでなく、全員が見やすいように文字の大きさやレイアウトを工夫することが求められます。
これにより、視覚的に情報を共有し、議論の透明性を高めることができます。
表情や動きを大きめにする
オンライン環境では、対面に比べて相手の細かな表情や仕草が伝わりにくいため、議論中は普段よりも少し大きめに表情やジェスチャーを表現することを心がけましょう。
例えば、話を聞いているときは、大きく頷いたり、適切なタイミングで相槌を打ったりすることで、相手に「しっかり聞いている」「理解している」という意思を明確に伝えることができます。
これにより、非言語コミュニケーションを補い、円滑な対話を促進します。
1回の発言を長くしない
オンラインでの議論では、発言のタイミングが難しくなりがちです。
一人の発言が長くなると、他のメンバーが発言する機会を失い、議論が停滞してしまう可能性があります。
そのため、一つの発言は簡潔にまとめ、ポイントを絞って話すことが重要です。
自分の意見を述べた後は、他のメンバーにどう思うか尋ねるなどして話を振ることで、議論を一方的に進めるのではなく、参加者全員が発言しやすい雰囲気を作り、議論を円滑に進めることができます。
【初めてのグルディスで気をつけること】グループディスカッションでのトラブルと対処法
グループディスカッションでは、予期せぬトラブルが起こることがあります。
しかし、適切な対処法を知っておけば、冷静に対応し、好印象につなげることが可能です。
発言できないとき
議論の場で発言できないと感じるときは、まず話の論点を意識することから始めましょう。
すべての発言に完璧な内容を求める必要はありません。
誰かの意見に対する賛成、反対という意思表示とその理由、誰かの意見を聞いて付け加えるように自分の感じたことなどを話すといったように、これまでの議論内容を基に自分の意見を付け加えるだけでも、十分に貢献できます。
また、自己開示を積極的に行うと、緊張がほぐれ、自然と発言しやすくなります。
役割がないとき
グループディスカッションでは、必ずしもリーダーや書記といった特定の役割を担う必要はありません。
役割がないからといって貢献できないわけではありません。
議論への貢献や関わり方、協調性を意識して行動することが大切です。
例えば、議論が停滞したときにそれまでの話の内容を要約したり、発言の少ないメンバーに意見を促したりすることで、議論の質を高めることができます。
こうした行動は、チーム全体を見渡せる視野の広さや、周囲への配慮として高く評価されます。
クラッシャーへの対処方法
議論の進行を妨げるクラッシャーに遭遇した際は、感情的にならず冷静に対応することが重要です。
彼らの意見を頭ごなしに否定するのではなく、まずは一旦受け入れ、そのクラッシャーの意見に寄り添うような発言とともに、議論の目的や論点に立ち戻るように促しましょう。
また、クラッシャーの発言が長引く場合は、後で改めて議論する、興味深い意見だといったような言葉を添えつつ、元の議論について他のメンバーがどのように考えているか尋ねる建設的な提案で議論をコントロールするスキルが求められます。
まとめ
グループディスカッションでは、いくつか気をつけるべきことがあります。
議論のセオリーを知り、企業側がどのようなポイントを評価するかをまず理解したうえで、自分の強みをきちんとアピールできるようにふるまいましょう。
他者を尊重しつつ、自分なりの意見をしっかり伝えることができれば、採用担当者からの評価も高くなるはずです。
ニュースを意識して自分の考えについてまとめる練習をしておくと発言しやすくなりますので、ぜひ普段の生活でも実践してみてください。







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