はじめに
大学入試のなかには、グループディスカッションを取り入れている場合もあります。
高校の授業で経験をする機会は少ないため、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
なんの準備もなく挑んでしまうと、自分の意見も十分に言えないまま終わってしまうかもしれません。
この記事ではグループディスカッションのコツや対策、どの部分を見て評価しているのかポイントについても解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
【大学入試のグループディスカッションについて解説】グループディスカッションって何?
グループディスカッションでは、受験生同士がグループになり、テーマにそって議論をおこなっていきます。
ほかの学生よりも自分は知識をもっていると自慢する場面ではありません。
もちろん論破大会でもないため注意しましょう。
さまざまな意見を出し合って、そのなかで円滑に議論をしていくのです。
何かお題が出されます。
それに対していいと思う、間違っていると思うなどと、受験生がそれぞれ意見を述べていきます。
大学に合格したいという気持ちから発言し、いかに自分が正しいのかを主張して、相手を負かそうと考えてしまうかもしれません。
しかしグループディスカッションでは円滑に議論を進められ、相手の意見も聞きながら臨機応変に対応できるかどうかを見られています。
目立ちたいからといって自分ばかりが話すのではなく、皆がそれぞれ意見を出し合って討論ができるように、聞き役に回り相づちを打つなども必要です。
つまり、話し役と聞き役のどちらも上手にこなす必要があるのです。
【大学入試のグループディスカッションについて解説】どんなテーマが出される?
事前にどんなテーマが出るかを予想できれば、ある程度の対策ができるのです。
まずテーマを討論する形式としては、ディベート型(賛成か反対か)か抽象型(「よい先生とは何かについて」など)の2種類があります。
たとえば、ディベート型では賛成が多く、反対が少ないからといって賛成の勝ちではありません。
そのなかでなぜ賛成や反対と感じたのか、根拠となった理由をお互いに話しながら、討論をおこなって結果を出していきます。
テーマでは学部に関連する内容が多く、法学部であれば死刑制度、教育学部であれば、理想の教師象についてや入試制度などについて討論をするのです。
時事問題や社会問題に関するテーマが出やすくなっています。
自分と関係ありそうな問題に関しては、日ごろから新聞やインターネットなどでもチェックしておくといいでしょう。
その際自分だったら賛成か反対か、どんな意見をもつのかも一緒に考えるくせをつけておくと、ディスカッションのときに役立てられます。
【大学入試のグループディスカッションについて解説】評価されるポイント
皆でディスカッションをしているあいだ、どのように話し合っているのか全体を見つつ、一人ひとり評価をされています。
主体的に課題も発見しながらも、自分の意見ばかりを通すのではなく、協調しながら取り組めるかをチェックしているのです。
話し上手だからといって、相手を打ち負かすように強引な論破をしても、よい評価はされません。
ここからはグループディスカッションにおいて、具体的にどの点を見ながら評価しているのか、詳しく説明していきます。
学部や時事問題に関する知識があるか
「この学部を志望したい」と思ってディスカッションをしているはずにもかかわらず、実際は知識がほとんどなく、何も話せないとなったら評価は下がってしまうのです。
本当に興味があって来ているのか、別に興味のあることや、好きなことがあるのに無理をして受験しに来ているのではないかと思われてしまいます。
人は興味のあることはさらに詳しく知りたいと思いますし、知識もある程度身につくものです。
そのため学部に関する知識への興味や関心は、裏を返せば志望度の高さをアピールすることにもつながります。
知識があれば、賛成や反対という意見を自分がもったとに、しっかりとした根拠から話せるようにもなり、発言内容に説得力をもたせられます。
メンバーと協力して議論を進め、結論を導くことに貢献できるか
勘違いをして、勝ち負けの勝負のように討論をしてしまう学生も出てきてしまうかもしれません。
しかし、討論は競争ではないのです。
自分の意見を主張しながらも、相手の意見にもしっかりと耳を傾け、メンバーと協力して議論を進めなければなりません。
相手の話よりも、自分が正しいからと強引に意見を押し通してしまうと、メンバーと協力できていないと判断され、評価も落ちてしまいまうのです。
今後大学に入学してからも、周囲と協力して目標に向けて動くことができるかは、ゼミなどの授業でも必要とされる力です。
ただ、自分が目立てばいいのではありません。
周囲の意見にも配慮をしながら、結論をどう導くことができるかをチェックされています。
論理的に考え、発言できるか
賛成や反対、自分なりの意見をもったときに、論理的に考えられているのかどうかも重要です。
適当にそう思ったからだけでは、相手を納得させられません。
そして論理的に考えたことを、言語化して伝える力があるかどうかも見られています。
よいことを言っているはずでも、何を言っているのかわからない残念な人もいます。
しっかりと自分の頭のなかで整理ができていないから、よい話がちぐはぐになってしまい、結局何を言っているのかわからないのです。
論理的に考えられる人は根拠をもっているだけでなく、自分の発言も要点に絞り、わかりやすく伝え、さらには相手の意見も整理できます。
ディスカッションのときにもメンバーと協力しながら、論理的な部分が見えると評価はアップします。
【大学入試のグループディスカッションについて解説】事前にできる対策
グループディスカッションがある場合、突然実施されるわけではなく、ほとんどが大学の募集要項などの条件に記載されています。
自分がこれから行きたいと思っている大学入試にグループディスカッションが記載されていたら、事前に対策をしておきましょう。
ぶっつけ本番で挑んでしまうと見られているポイントなどもわからず、自分のよさを発揮できずに終わってしまうかもしれません。
事前に対策ができれば、本番も気持ち余裕が多少生まれ、自然によい討論ができます。
学部に関する知識を入れておく
自分の目指す学部に関する知識を勉強し、どんどんと頭に入れておきましょう。
人によって目指す学部はさまざまですが、社会、文化、科学など関係あることはすべて勉強し、ディスカッションでどんなテーマを出されても対応できるようにしておきます。
また、小論文とグループディスカッションは、一見別のものに感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
実はどちらも練習して場数を踏んでいけば上手になる点や、文章の表現力、説得力など共通している部分が多くあります。
小論文が上手に書けるようになると、グループディスカッションでも論理的な考えも浮かびやすくなり、皆にもわかりやすく、自分の意見を伝えられるようになります。
新聞・ニュースを見ておく
自分の身近なことばかりに目を向けていて、あまり新聞やニュースに関心をもっていない方もいるかもしれません。
グループディスカッションでは、今問題になっているニュースなどが取り上げられる可能性も高いのです。
日ごろから新聞やニュースを見て、時事問題に触れておくようにしましょう。
いざ皆でディスカッションをするときに、はじめて聞くよくわからないテーマについて討論するよりも、事前にニュースや新聞で見たことのある言葉のほうが落ち着いて討論できます。
主には学部と関係のあるニュースなどをチェックしておくとよいでしょう。
しかしなかには、無関係のテーマを出題してくることもあります。
視野の広さを見られる場合もありますので、まんべんなく今のニュースや出来事には関心をもって見ておきましょう。
日ごろの授業のグループワークに積極的に取り組む
高校生活のなかでも、グループワークには積極的に取り組み、どんな状況でも落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
あまり場数を踏んでいないと、練習すれば上手にできるような人も、本番当日に不安からうまく立ち回れずに後悔してしまいます。
さまざまなグループワークに参加することで、ディスカッションの雰囲気や、どのようなタイミングで発言し、ほかは聞き役に回ればいいかなどわかってきます。
同じように大学入試でグループディスカッションがあるような友人を集めて、担任の先生などに見てもらい、フィードバックしてもらいましょう。
1回や2回の練習ではうまくいかなくても、練習とフィードバックを繰り返すうちに立ち回りがうまくなっていきます。
【大学入試のグループディスカッションについて解説】突破のためのコツ
本番では誰しもが、上手にグループディスカッションができていると評価して欲しいものです。
そのためには、どんな振る舞いや能力が評価につながるのかを把握しましょう。
そして、自分がグループディスカッションのなかで、それらができているかどうかをチェックしていかなければなりません。
こちらでは、グループディスカッションを突破できるためのコツについて詳しく紹介していきます。
本番までに自然と実行できるように、ぜひ身につけておいてください。
いつもの会話以上に相づちを意識
グループディスカッションは自分だけで答えを出すのではありません。
皆で協力していくのがポイントです。
自分が話をしているときに目を見て話を聞いてくれて、納得した相づちを打ってもらえたら、話しやすさを感じるのではないでしょうか。
相手の意見に同意を示したり、簡単に言い換えたりまとめたりといった相づちを意識的に打つことで、協調性のアピールにもつながります。
さらに「私も同じ意見で・・・」と同意してもらえたら、一緒の意見の人がいると感じ、相手もうれしい気持ちになるでしょう。
しかし、まったく一緒のことを言ってしまったらコピーになってしまいます。
そんなときは、少し言い換えたりまとめたりすると印象もよくなるでしょう。
相づちを意識すると、発言回数が多く見え、積極性も伝わります。
始まる前に話しかけてアイスブレイクをしておく
今まで会話をしたことのない、知らない人同士でディスカッションをおこないます。
そのため、相手をよく知らない分、皆が緊張感をもっているでしょう。
もし、開始前に少しでも話ができる環境であれば、ほかの人に話しかけておくこともおすすめです。
少し何気ない会話ができただけでも、親しくなったような気持ちにお互いがなれます。
緊張感もほぐれて、グループディスカッションが始まったときにもよい雰囲気で討論ができるようになるでしょう。
さらに主導権を握って、有利に話すことができるようにもなるのでおすすめです。
これは初対面で会った人とのコミュニケーションを円滑にしたいときに使える方法で、社会人になってからでも役立つ手法です。
まとめ
グループディスカッションは、決して相手を負けさせて論破し、勝利をする場ではありません。
違う意見などもあるなかで、皆でお互いを尊重し合いながらも、結論を出していく場です。
主張し過ぎないようにし、皆の意見にもしっかりと耳を傾ける姿勢はチェックされています。
言葉づかいも評価の対象として見られています。
若者言葉や、くだけた言い方などは避けるようにしましょう。
自分だけが理解できる話し方ではなく、聞いている人がわかりやすい文章の構成も意識し、論理的な発言ができるように心がけましょう。