明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・グループディスカッションの流れ
・グループディスカッションの時間配分の例
・グループディスカッションで時間配分するときのコツ
・グループディスカッションを控えている人
・グループディスカッションで失敗した経験のあるひと
はじめに
グループディスカッションとは企業面接の際に集団で議論を行うことで、学生のさまざまな能力や適性を判断する方法です。
その日はじめて出会った人たちとグループになり、その場でそれぞれの役割を決めて時間通りに結論を出さなければなりません。
もし、1人ももグループディスカッションの経験者がいないければうまく進行できないでしょう。
今回はそんなグループディスカッションの時間配分や、注意が必要なことについてご紹介していきます。
今後グループディスカッションを行う企業の面接に参加する方は、ぜひこちらの記事を参考に対策をしてください。
【グループディスカッションの時間配分】全体の流れ
まずグループディスカッションには大まかな流れがあることを把握しておきましょう。
流れを理解しておけば、慌てることなく場を進行できます。
全体的な流れですが、基本的には以下の順番で進行させましょう。
- 自己紹介
- 役割分担
- 時間配分を決める
- 条件確認
- 意見交換
- まとめ
- プレゼン準備
自己紹介
まずはその日はじめて出会った人同士でこれから協力するので、簡単に自己紹介をします。
自己紹介は、与えられた時間に応じて内容を調整することが重要です。
もし時間が15秒程度と短い場合は、氏名と出身大学といった基本的な情報に絞り込み、「〇〇大学から参りました、〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」のように簡潔に伝えましょう。
一方で、十分な時間がある場合は、趣味や特技、具体的なエピソードなどを加えることで、あなたの個性や人間性をより深くアピールできます。
例えば、大学での経験やそこから何を学んだかなどを具体的に話すことで、面接官にあなたのことをより印象づけられるでしょう。
役割分担
あいさつが済んだらつぎは司会、書記、タイムキーパーなどの役割を決めます。
こちらも議論を始める準備段階なので、できる限り時間を使いたくない部分です。
そのため、やりたがる人がいない場合は積極的に手を上げましょう。
グループの穴を埋めることは大きな評価の対象となります。
時間配分を決める
グループディスカッションでは、全体の流れを把握し、適切な時間配分を決めることが重要です。
まず、議論の目的を明確にし、各セクションに割く時間をチームで確認します。
例えば、意見出しに〇分、意見の整理に〇分、結論のまとめに〇分といった形で大まかな目安を決めることで、議論の進行がスムーズになります。
こうした意識を共有することで、限られた時間内で質の高い議論が可能になります。
条件確認
ここから議論を始めたいところですが、その前に条件を最終確認してください。
「何について、誰にとって、どういうもの」を目指すのかを確認し、全員で共有すれば議論のずれや意味のない話を最小限に抑えられます。
自己紹介からこの条件確認までを5分以内に収められるように努めましょう。
意見交換
時間配分の50~70%はこの意見交換に使いましょう。
まずは全員でアイデアを出し合いますが、この時点ではメリットやデメリットはそこまで深く考えず、ひらめいたことをどんどん発言しましょう。
出し切ったらそれぞれのメリットとデメリットを考えて、現実的かを吟味します。
まとめ
意見交換で交わした内容から、最終的なグループ全体としての結論を決めます。
ここでは自分の意見に固執せず、議論全体を通してまとめることが重要です。
ただ、議論がギリギリまで拮抗してしまうこともあるでしょう。
その場合はその旨もふまえて発表の際、人事担当者に伝えてください。
プレゼン準備
どれだけすぐれた議論が行われても、最終的にプレゼンがうまくいかなければ全体の評価は落ちてしまいます。
そのため、プレゼンの準備時間は多めに設定しておくことがおすすめです。
具体的には全体の20~30%ほどを目安にするとよいでしょう。
グループディスカッションの時間配分を事前に決めておく理由
グループディスカッションでは限られた時間内で結論を導き出す必要があります。
そのため、議論を効率よく進めるには、あらかじめ時間配分を決めておくことが重要です。
各議題にどれだけの時間を割くかを明確にしておくことで、話し合いが脱線するのを防ぎ、全員が納得のいく結論にたどり着きやすくなります。
この記事では、グループディスカッションにおいて事前に時間配分を決めておく理由について、具体的に解説していきます。
質を高めるため
グループディスカッションでは、限られた時間の中でアイデアを出し合い、最終的に結論を導き出す必要があります。
しかし、アイデア出しに時間をかけすぎると、まとめの部分が雑になってしまい、結果として「結論が不十分」と評価される可能性があります。
面接官は、話し合いの過程だけでなく、最終的なアウトプットの質にも注目しています。
したがって、議論の初めにあらかじめ時間配分を決めておくことで、各フェーズに必要な時間を確保しやすくなり、議論のバランスが取れます。
特に結論部分に十分な時間を残すことで、全体を整理し、説得力のあるまとめを行うことが可能となり、結果として議論全体の質を高めることができます。
スムーズに進行するため
グループディスカッションでは、意見の内容だけでなく、メンバー全員がバランスよく発言し、積極的に参加しているかどうかも評価の対象となります。
しかし、時間配分を考えずに進めてしまうと、一部のメンバーの発言が偏ったり、話が長引いてしまったりして、他の人が十分に発言する機会を持てないまま時間切れになることもあります。
こうした事態は、チーム全体としての協調性や進行力に欠けていると見なされる可能性があり、評価を下げる要因となります。
あらかじめ時間配分を決めておくことで、各フェーズでの発言時間や意見を整理するタイミングを意識しやすくなり、全員がスムーズに参加できる環境を整えることができます。
結果として、より円滑で協調性のあるディスカッションにつながります。
グループディスカッションの時間配分の比率
グループディスカッションにおいて適切な時間配分を行うことは、議論の質を高めチーム全員の評価を底上げするために不可欠なステップです。
制限時間内に課題解決というゴールに辿り着くためには、開始直後に全体の流れを設計する必要があります。
初めて顔を合わせるメンバー同士でも、共通の時間軸を持つことでスムーズな進行が可能になります。
またタイムキーパーという役割だけでなく、参加者全員が常に残り時間を意識し、議論の進め方を修正していく姿勢が採用担当者に好印象を与えます。
ここでは評価される時間配分の黄金比率について、具体的な数字を用いて定義していきます。
これを事前に知っておくだけで、本番で焦ることなく余裕を持って議論に臨めるようになります。
段階ごとの理想的な時間配分例
議論を円滑に進めるための目安として、まずは役割分担と自己紹介に全体の約7パーセント程度の時間を割きます。
ここは手短に済ませるのがマナーでありコツです。
次に前提条件の確認と予備時間の確保、つまり定義づけと余白の設定に約10パーセントを使います。
この導入部分で認識を揃えることが後の議論のズレを防ぎます。
そしてアイデア出しと最終的なまとめの作業にはそれぞれ20パーセントずつ配分し、残りの時間すべてを意見交換に充てます。
意見交換の割合が最も大きく、議論の時間が長くなればなるほどこの比率は増えていきます。
この型を基本としつつ、当日与えられたテーマや試験時間の長さに応じて柔軟に調整する力が求められます。
受かった人の多くは、この配分を無意識に実践できています。
グループディスカッションの時間配分の例
ここからは、グループディスカッションを行う際の時間配分例についてご紹介していきます。
グループの人数や課題に応じて与えられる時間は異なるため、今回は全体で15分、20分、30分、40分、45分、60分与えられた場合の6パターンについてご紹介します。
全体で15分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):1分
・条件確認:1分30秒
・意見交換:5分
・アイデアと議論のまとめ:3分
・プレゼン準備:3分
・余白時間:1分30秒
15分与えられた場合の時間配分は、自己紹介から役割決め、定義付け、アイデア出し、アイデアのまとめを効率よく配分しましょう。
流れは、自己紹介と役割決めを最速で行い、定義付けを通じて議論の方向性を統一します。
その後、アイデア出しの時間を最も多く確保し、活発な意見交換を行いましょう。
全体が15分と時間が短いため、効率よく議論を進めることが求められます。
そのため、各自の意見を簡潔に述べつつ、まとめる際に活用しやすい形で記録すると良いでしょう。
しかし、アイデア出しに時間をかけすぎると、まとめや発表準備が間に合わなくなる可能性があるため、議論が脱線しないように注意しながら進めてください。
全体で20分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):1分30秒
・条件確認:2分
・意見交換:7分30秒
・アイデアと議論のまとめ:4分
・プレゼン準備:3分
・余白時間:2分
グループの人数が少ない場合は、20分程度で結論まで到達しなければならないこともあります。
20分だとどうしても時間が足りなくなってしまうこともあるので、自己紹介から条件確認まではとにかく最速で行いましょう。
そして意見交換に関しては、それぞれの意見に対して詳しい説明を求めすぎないように注意してください。
それよりも多くのアイデアを出すことが優先されるので、なるべくテンポよく進行させましょう。
時間が少ないため、意見交換のなかで「これだ!」と全員を納得させるような意見が出たらその時点でまとめに移行してもよいです。
全体で30分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):2分
・条件確認:3分
・意見交換:13分
・アイデアと議論のまとめ:6分
・プレゼン準備:3分
・余白時間:3分
流れはこれまでと同様に、自己紹介と役割決めを最速で行い、定義付けを通じて議論の方向性を統一します。
その後、アイデア出しの時間を最も多く確保し、できるだけ多くの意見を出しましょう。
全体が15分の場合と比べると約2倍の時間があるため、各メンバーの意見をじっくり聞くことができます。
特にアイデア出しでは、一つの考えに固執せず、多角的な視点で議論を進めることが重要です。
ただし、時間をかけすぎるとアイデアの整理や発表準備が間に合わなくなる可能性があるため、進捗を確認しながらバランスよく進めてください。
全体で40分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):2分30秒
・条件確認:3分
・意見交換:15分30秒
・アイデアと議論のまとめ:10分
・プレゼン準備:5分
・余白時間:4分
流れはこれまでと同様に、自己紹介から条件確認までを最速で行い、意見交換で多くの意見を出していきます。
全体が20分だった場合と比べると約3倍の時間があるので、じっくり全員の意見を聞くことができます。
このとき、それぞれの意見の説明もつけ加えながら会話をしましょう。
そうすることで後半にまとめやすくなり、結論までスムーズにたどり着けます。
しかし、あまり時間をかけすぎるとプレゼン準備まで間に合わないおそれがあるので、1つの意見に固執しすぎないように注意してください。
全体で45分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):3分
・条件確認:3分
・意見交換:20分
・アイデアと議論のまとめ:10分
・プレゼン準備:5分
・余白時間:4分
流れはこれまでと同様に、自己紹介と役割決めを迅速に行い、定義付けの時間をしっかり確保することで議論の方向性を明確にします。
その後、最も時間を割くアイデア出しでは、多角的な視点で意見を出し合い、深掘りすることが重要です。
全体が時間に余裕があるため、アイデア出しでは一つひとつの意見を丁寧に検討し、具体的な事例を交えながら議論を進めることができます。
また、まとめの時間も十分に確保されているため、意見を整理しながら納得感のある結論を導きやすくなります。
しかし、アイデア出しに時間をかけすぎるとまとめや発表準備が間に合わなくなる可能性があるため、進捗を意識しながら効率よく議論を進めてください。
全体で60分の場合
・役割分担と時間配分、(自己紹介):3分
・条件確認:3分
・意見交換:30分
・アイデアと議論のまとめ:12分
・プレゼン準備:5分
・余白時間:7分
60分間のグループディスカッションとなると、与えられるテーマもそれなりにボリュームがあるため、まとめる時間を十分に確保することが重要です。
また、ボリュームのあるテーマについて議論していると、予定よりも時間がかかってしまうことも考えられます。
そのため、時間配分の際に必ず予備時間を設定しておきましょう。
こうすることで、万が一時間に間に合わなくなった場合の調整ができます。
折角議論が進んでも最終的な時間に間に合わなければグループ全体で評価が下がります。
時間がオーバーしないことを大前提に配分を考えましょう。
グループディスカッションのテーマ別時間配分
グループディスカッションは抽象型、選択型など、テーマによって時間配分がやや異なる場合があります。
与えられたテーマに沿って柔軟に対応できなければなりません。
グループディスカッションにおいてどのようなテーマが与えられることが多いかについては以下の記事でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
抽象型の時間配分
抽象型のグループディスカッションはテーマ自体が非常に広範で、定義が曖昧なことが多いため、時間配分の工夫が必要です。
例えば「理想の職業とは何か」といったテーマの場合、まず最初に前提条件をしっかりと設定することが求められます。
議論の出発点となる「理想の職業」の定義がチーム全員で一致していないと、後の議論がかみ合わなくなってしまう危険性があるため、最初の段階で定義を共有する時間に十分な時間を割く必要があります。
ディスカッションの冒頭20〜30%の時間を使い、テーマの定義や論点を絞り込む作業に集中することが重要です。
この段階でチーム全員が共通の理解を持つことで、その後の議論がスムーズに進み、効果的な結論にたどり着くことができるようになります。
また、具体的な例や実際の経験をもとに論点を深掘りしていく過程でも時間を要するため、後半に向けて十分な余裕を持たせるような配分を心がけましょう。
選択型の時間配分
一方、選択型のグループディスカッションはあらかじめ二者択一の選択肢が提示されるため、議論の進行が比較的スムーズに進みやすいです。
例えば「朝食にふさわしいのは『ごはん』か『パン』か」といったテーマでは、比較ポイントをチームで決定し、その基準に基づいて議論を進めることが中心となります。
最初から論点がはっきりしているため、抽象型に比べて定義や前提条件に多くの時間を割く必要はなく、比較的短時間で合意に至ることが可能です。
時間配分を大まかに均等に割り振り、まずは各選択肢のメリットやデメリットを比較・検討する時間を確保しましょう。
例えば、最初の20%の時間を使って選択肢の基準や評価ポイントを決定し、その後、各選択肢についてメリット・デメリットを議論するために60%の時間を割きます。
最後の20%は、最終的な結論に向けて議論をまとめ、発表の準備を行う時間に充てると良いでしょう。
グループディスカッションの時間配分の調節方法
グループディスカッションでは、事前に時間配分を決めていても、実際の進行状況によっては予定通りにいかないこともあります。
議論が白熱して時間が押してしまったり、逆に早く進みすぎて時間が余ったりすることもあるでしょう。
そうした場面で柔軟に対応する力も評価のポイントです。
ここでは、グループディスカッションでうまく時間調節ができていないときに、どのように対処すべきかについて具体的な方法を解説します。
最初に時間枠を決めるコツ
議論をスムーズに進めるための最初のステップは、全体の時間枠を決めることです。
まず、与えられた時間全体(例えば30分)と、達成すべき目標(結論を出す、発表準備まで終えるなど)を確認します。
次に、議論の大まかな流れを想定し、各ステップに必要な時間を割り振ることがコツです。
例えば、自己紹介と役割決め(3分)、課題の定義と前提確認(7分)、具体的な議論(15分)、結論のまとめと発表準備(5分)といった手順です。
特に重要なのが課題の定義です。
ここでの認識がズレると後の議論が噛み合わなくなるため、意識的に時間を確保する準備が必要です。
この時間設定の理由をメンバーに説明し、合意を得ることで、チーム全体の時間に対する意識が高まります。
時間が足らなかった時の対処法
基本はタイムキーパーが「あと前提〇〇分です。」のように、終わりの時間を告知してくれます。
「ここは後〇〇秒で終わらせて、次のアイデア出しを〇〇分で行います。」という感じで進めましょう。
議論が白熱して、ずっと伸びそうであっても、終わらせる勇気を持って、「ここはこのくらいで終わりましょう。」と半強制的にその議論を終わらせることも大切です。
時間が余った時の対処法
逆に、時間が余ってしまうケースも稀にあります。
その場合は基本的に次のステップに進みましょう。
「前提の時間が余りましたが、次のアイデア出しに時間を使いましょう。」という感じで進めましょう。
問題は、結論が早く出てしまった時です。
その時は、結論の精度を高める方向で考えましょう。
アイデアをもっとブラッシュアップしたり、課題解決型であれば、他に穴がないかメンバーで話し合いましょう。
発表の練習をしたり、議論のまとめをするのも良いでしょう。
残り時間が短いときのまとめ方のコツ
議論が白熱し、気づけば残り時間がわずか、というケースはよくあります。
ここで焦って無理に結論を出す必要はありません。
むしろ、時間がない中でどう着地させるか、その進め方に評価のポイントがあります。
まずはタイムキーパーが残り時間を明確に告げ、議論をまとめる段階に入ったことをチーム全体で意識することが重要です。
この段階での反省や振り返りは不要です。
大切なのは、それまでに出た意見を整理し、共通点や対立点を明確にすることです。
受かった人の多くは、無理に一つの答えに絞るのではなく、A案とB案のメリット・デメリットを整理して両論併記で発表するなど、議論の成果を最大限見せる方法を知っています。
時間内に結論が出なくても、そこまでの流れを整理して報告する力が評価されます。
グループディスカッションの時間配分を考える際の注意点
時間配分を決めることは重要ですが、あくまで手段であり目的ではありません。
就活生の中には計画を立てることに固執しすぎてしまい、肝心の議論が疎かになったり、予定通りに進まないことでパニックになったりする人がいます。
グループディスカッションで落ちる理由の多くは、柔軟性の欠如や目的を見失うことにあります。
自分たちの目標は綺麗なスケジュールを作ることではなく、時間内に質の高い結論を出し、課題を解決することです。
そのためにはメンバー全員の長所を活かしつつ、状況に応じて臨機応変に対応する実践的なスキルが試されます。
ここでは時間管理において特に注意すべきポイントや、苦手な人でも実践できるアドバイスを紹介します。
予備の時間を確保しておく
議論は生き物であり、予想外の方向に進んだり意見がまとまらなかったりすることは日常茶飯事です。
そのためスケジュールを組む際には、必ずバッファと呼ばれる予備の時間を確保しておくことが最大の対策です。
まとめの時間の前に5分程度の余白を作っておくことで、議論が白熱して延長した場合のクッションになりますし、もし順調に進めば議論の振り返りや反省、発表練習の時間に充てることも可能です。
時間ぎりぎりまで議論をしてしまうと、最後のアウトプットが雑になり評価を落とす原因になります。
余裕を持った進め方は精神的な安定にもつながり、焦らず落ち着いた話し方で意見を述べるための土台となります。
この習慣をつけることが成功への近道です。
時間配分の決定に時間をかけすぎない
時間配分を決める作業自体に時間を使いすぎてしまうのは本末転倒であり、非常にもったいないことです。
開始直後の緊張した空気の中で慎重になりすぎる気持ちは分かりますが、ここは手順を決めてテキパキと進める必要があります。
あらかじめ自分の中でテンプレートとなる配分を持っておき、それを提案する形でリードするのが賢い方法です。
例えば30分の議論ならこのパターン、という一覧を頭に入れておくと良いでしょう。
もし他の人が提案してくれたなら、それに対して素直に賛成し、素早く次のフェーズに移ることも重要な協力姿勢です。
このステップを迅速に完了させることで、メインの議論時間を最大限に確保でき、結果としてグループ全体の成果物の質を高めることにつながります。
グループディスカッションのタイムキーパーの役割と時間配分の評価ポイント
タイムキーパーと聞くと、単に時間を計るだけの人、と思うかもしれません。
しかし、採用試験におけるタイムキーパーは、議論の進行を管理し、チームを時間内に目標達成へと導く、いわば議論のナビゲーターです。
ただ時間を告げるだけでなく、議論の流れを設計し、適切な進め方を提案する力が求められます。
採用担当者は、タイムキーパーがどのように時間配分を提案し、議論をコントロールしようとしているか、その特徴や姿勢を厳しくチェックしています。
受かった人は、この役割を通じて自分の課題解決能力やリーダーシップをアピールしているのです。
タイムキーパーの基本の3つの役割
タイムキーパーの役割は、単に時間を管理するだけではありません。
グループディスカッションを成功に導くためには、大きく分けて3つの基本的な役割を果たす必要があります。
それは、1.話し合いの時間設定をする、2.経過時間の報告をする、3.時間配分の修正と調整をする、の3つです。
これらはグループディスカッションの試験本番で、チームが時間内に質の高い結論を出すために不可欠な機能です。
特に初めての経験で不安な人も、この3つのポイントを意識するだけで、チームへの貢献度が格段に上がります。
それぞれの役割の具体的な方法とコツを、次のステップで詳しく見ていきましょう。
話し合いの時間設定をする
タイムキーパーの最初の重要な役割は、グループディスカッションの開始前に、議題を達成するために必要な全体と各パートごとの時間配分を具体的に設定することです。
この時間配分をあらかじめ明確にしておくことで、参加者全員が共通の目標時間を持つことができ、議論が本筋から逸れたり、些末な部分に時間をかけすぎたりする事態を防ぎ、効率的かつ質の高い結論を導き出すための土台を築きます。
そのためには、論理的に結論から逆算して、どのような時間配分で議論を進めるべきか考える必要があります。
決して、一人で全て決める必要はないため、あくまで時間配分の提案をして、グループの人の意見も聞いてみましょう。
経過時間の報告をする
議論が始まったら、タイムキーパーは定期的に経過時間を参加者に知らせる役割を担います。
例えば、議論開始からどれくらい経過したか、現在のパートに残りどれほど時間をかけられるか、といった具体的なアナウンスをすることで、参加者全員が時間に対する意識を共有し、自然と議論のペースを調整できるようになります。
これにより、特定の話題に偏りすぎることなく、バランスの取れた話し合いを促進することができます。
直接的に、議論の進行を行う役割でなくても、間接的に議論のスムーズな進行を支えることができます。
時間配分の修正と調整をする
タイムキーパーは、単に時間を計って報告するだけでなく、議論の進行状況を常に全体的に把握し、必要に応じて時間配分の修正と調整を積極的に提案する、いわば議論の進捗を管理する司令塔のような役割を担います。
例えば、予定よりも議論が早く進んで時間的な余裕が生まれた場合は、その時間を別の重要な議題に充てることを提案したり、逆に特定の議題に時間がかかりそうな場合は、どの議論にどれくらい時間をかけ、その分の調整をどの議論の時間で行うか、といった具体的な修正案を提示することで、議論の柔軟性を保ち、グループ全体が最終的なゴールにたどり着けるよう巧みに導くことが求められます。
タイムキーパーの注意点
次にタイムキーパーを任されたときの注意点を説明します。
タイムキーパーは時間の管理をする重要な役割であると同時に責任の大きい仕事です。
ただし、時間の管理だけに集中して討論に集中できなくなる事態は避けましょう。
以下の注意点を意識してグループディスカッションを上手く行いましょう。
時間管理だけに集中しない
タイムキーパーは、単に時間を管理するだけでなく、議論に積極的に関わることが求められます。
時間管理だけに集中して意見を言わないことは避け、自分の考えも適切に発言しましょう。
議論の流れを意識しながら発言することで、より深い話し合いができ、建設的な結論へと導くことができます。
また、タイムキーパーは進行の調整役としての役割も担うため、終了時間が近づいたら議論の整理や結論のまとめを意識することが大切です。
最後までスムーズに進めるために、残り時間を共有し、全員が納得できる形で議論を締めくくることを心がけましょう。
時間管理と発言のバランスを取りながら、議論の質を高めることが理想的なタイムキーパーの役割です。
時間経過を見過ごさない
タイムキーパーを担当する以上、責任を持って時間を管理することが求められます。
議論が白熱すると、つい話に集中してしまい、時間の経過を見過ごしてしまうことがあります。
しかし、タイムキーパーが時間の管理を怠ると、重要な議論に十分な時間を割けなかったり、結論をまとめる余裕がなくなったりする可能性があります。
そのため、冷静に状況を把握しながら進行をコントロールし、適切なタイミングで議論の軌道を修正することが大切です。
例えば、話が長引いている場合は簡潔にまとめるよう促し、残り時間を参加者に共有することでスムーズな進行をサポートできます。
タイムキーパーとしての責務を意識し、最後まで適切な時間配分を心がけましょう。
スマホよりも時計が無難
タイムキーパーを務める際は、時間の管理方法にも注意が必要です。
スマホのストップウォッチ機能を使うと便利に思えますが、誤タッチで計測が止まってしまったり、通知が来て気を取られたりするリスクがあります。
また、採点官や周囲の人からスマホをいじっていると誤解される可能性もあるため、注意が必要です。
そのため、時間を計る際はスマホではなく、アナログやデジタルの腕時計、もしくは卓上のタイマーを使用するのが無難です。
時計なら誤操作の心配がなく、進行に集中しやすくなります。
また、時間の確認がスムーズにできるため、残り時間の共有や議論の進行も円滑に行えます。
適切なツールを選び、タイムキーパーの役割を果たしましょう。
評価されるタイムキーパーの行動4選
グループディスカッションにおいてタイムキーパーは、単に時間を計る係ではありません。
議論全体の質を高め、チームが目標を達成できるよう導く、極めて重要な役割を担います。
ここでは、タイムキーパーがどのような点で評価されるのか、そのポイントを4つの観点から詳細に解説します。
時間管理と積極的発言の両立ができている
タイムキーパーの重要な役割は時間管理ですが、それだけに終始してはいけません。
議論のテーマに対して積極的にアイデアを出し、自分の意見を述べることで、チームの一員として議論に貢献している姿勢を示すことが大切です。
ただ時間を告げるだけでなく、活発な議論に参加することで、チームからの信頼も得られ、より効果的に時間管理の役割を果たせるでしょう。
例えば、「残り〇分ですが、私は~という視点も重要だと考えます。
」のように、発言に時間を意識させる要素を含めるのも良い方法です。
時間配分が的確である
グループディスカッションの成功は、適切な時間配分に大きく左右されます。
タイムキーパーは、設定された総時間の中で、定義づけ、個人ワーク、意見出し、議論の深掘り、結論まとめ、発表準備といった各フェーズに無理なく時間を割り振る能力が求められます。
もし時間配分が不適切だと、重要な話し合いの時間が不足したり、結論をまとめる時間が足りなくなったりしてしまい、チーム全体のパフォーマンスに悪影響を与えてしまいます。
事前に全体の流れを把握し、各項目に必要な時間を予測して配分する計画性が重要です。
経過時間をもとにチームへ気遣いの声掛けができている
タイムキーパーには、議論に没頭しているチームメンバーに時間を意識させるための、効果的な声掛けのスキルが求められます。
単に「残り〇分です」と伝えるだけでなく、「皆さん、〇〇の議論に熱中されていますね。
残り〇分なので、一度これまでの内容を整理しませんか?」のように、議論の流れを尊重しつつ、建設的な提案として時間を意識させる声掛けができると良いでしょう。
全体をコントロールするだけでなく、チームへの気遣いを示すことで、円滑な議論を促し、協力的な雰囲気を維持できます。
冷静に時間の軌道修正ができている
グループディスカッションの進行中、予期せぬ盛り上がりや意見の対立などにより、大幅に時間がずれてしまうことは少なくありません。
そのような状況に直面した際、タイムキーパーには慌てずに冷静に対処する能力が求められます。
例えば、「当初の予定より〇分遅れていますが、一度ここで区切りをつけて次のフェーズに進みましょうか?」といったように、現在の状況を明確に伝え、チーム全体に軌道修正を促す具体的な提案ができると評価が高まります。
パニックにならず、状況を客観的に判断し、最適な行動を促す冷静な判断力が重要です。
グループディスカッションの時間配分:タイムキーパーの役割がおすすめの人
時間管理を中心に、円滑な議論の進行を支える役割を担う、タイムキーパーの役割に向いている人にはいくつか特徴があります。
以下で紹介するような特徴とあてはまる人はもちろん、あまり当てはまらないと感じる人でも、自分なりに意識してグループディスカッションに臨むことで、存分に力を発揮することができるでしょう。
1.論理的思考力がある人
タイムキーパーの役割は、論理的思考力に長けた人に特に適しています。
なぜなら、この役割は単に時間を計るだけでなく、与えられたテーマに対する最終的な結論というゴールから逆算し、どのようなステップを踏むべきか、そしてそれぞれのステップにどれくらいの時間を割り当てるのが最も効率的かを論理的に組み立てる必要があるからです。
さらに、議論の途中で予期せぬ事態が起きた際も、その場で最適な時間調整を行い、グループ全体の効率的な進行に大きく貢献することができます。
時間配分については積極的に自分から提案すると同時に、周囲のメンバーの意見も取り入れながら進めましょう。
2.コミュニケーション能力がある人
タイムキーパーには、議論の進行を円滑にするために、高いコミュニケーション能力が不可欠です。
参加者の発言を遮ることなく、かつ議論の熱気を損なわないタイミングで、その時点での残り時間がどれくらいかというアナウンスを挟んだり、議論が長引いている場合は、その議論の区切りをいつ頃にすべきかなど調整の提案をしたりすることで、場の雰囲気を壊さずに進行役として立ち回ることが求められます。
このような配慮のある振る舞いは、担当者からの印象を良くするだけでなく、チーム全体の協調性を高める上でも非常に重要な役割を果たします。
3.俯瞰して物事を見ることができる人
タイムキーパーは、議論の内容そのものに深入りするのではなく、常に一歩引いた客観的な視点から、グループ全体の時間配分や進捗状況を把握する俯瞰力が求められます。
特定の議題に時間がかかりすぎている場合は、他の論点に意識を向けるよう促したり、議論のバランスが偏っていると感じたときに、的確なタイミングで修正を促したりする能力は、就職活動において、チームを効率的に動かすリーダーシップやマネジメント能力として高く評価されます。
しかし、俯瞰的に議論を見ようとして、自分の意見を全く発言しないというような状況にならないように注意が必要です。
4.時間の管理が得意な人
タイムキーパーの役割は、計画的かつ時間内に物事を成し遂げるのが得意な人にうってつけです。
与えられた限られた時間の中で、事前に立てた計画通りに議論を進行させ、適切なタイミングで的確な時間管理のアナウンスをすることは、チーム全体のパフォーマンスを最大限に引き出すことに繋がります。
この時間管理能力は、与えられたタスクを計画的に完遂できる人物であるという、企業が求める重要な資質の一つとして、就職活動で高い評価を得るポイントとなります。
しかし、初めに計画した時間通りに議論を進めなければならないわけではありません。
その状況に合わせて、適切な時間管理ができるかどうかも重要です。
グループディスカッションの時間配分ができていないとどうなる?
グループディスカッションをする上で時間配分を決めることは絶対条件といえます。
最後に、もし時間配分ができていないまま、グループディスカッションを進行するとどうなってしまうかをご紹介しましょう。
自己紹介から条件確認まではうまく進むかもしれません。
しかし、各メンバーがどれだけの時間を使っていいかを理解していないので、意見交換の際にはどれか1つの意見に固執して延々と話が長引くことも考えられます。
そういった時間の無駄づかいによって、後半に待っているプレゼン準備の時間がどんどん削られてしまい、結果的におろそかなプレゼンになってしまうでしょう。
どれだけすぐれた意見が出て議論を交わせても、最終的なプレゼンの完成度が低ければ、それまでのすべてが台無しです。
グループディスカッションの時間配分で時間内に間に合わなかったら減点?
グループディスカッションでは、時間内に結論を出すことが理想ですが、必ずしも時間切れ=即減点とは限りません。
面接官は、チーム全体の動きだけでなく、個人の貢献や姿勢をしっかり見ています。
たとえば、時間の遅れに気づいて巻き返そうと行動していた場合、その姿勢は評価されることが多く、大きな減点にはつながりません。
一方で、無駄な発言や議論の妨げになる行動をしていた人はマイナス評価になる可能性があります。
【グループディスカッションの時間配分】困ったら就活エージェントに相談しよう
ここまでグルディスの時間配分のコツについて具体的に確認してきました。
しかし、どれだけ記事でグルディスのことを知って、対策したつもりになっていても、実際に練習しなければ意味がありません。
面接やグルディスは慣れが命です。
そこで、就活エージェントを活用することを検討してみてはいかがでしょうか。
就活エージェントではグルディスの練習に加え、自分に合った企業の紹介を受けることもでき、よい印象を与えるコツなども教えてもらえます。
まとめ
今回は就活でグループディスカッションを行う際の時間配分についてご紹介しました。
予備知識がない状態でグループディスカッションを行おうとすると、どんどん時間が押して最終的にうまくまとめられなくなってしまうでしょう。
これからグループディスカッションを行う予定がある方は、この記事の内容を参考に時間配分を考えて、積極的にグループ内で発言してください。
過程も見ている企業では、そうした周りを引っ張る姿勢は高い評価ポイントになるでしょう。


