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はじめに
面接やエントリーシートなどで採用担当者がとても重視するのが、ガクチカです。
選考過程ではさまざまな質問がされますが、ガクチカはどんな企業を受けても必ず求められるといってもいいでしょう。
せっかく興味深いエピソードを準備できていても、構成がイマイチでなんの話をしているのか伝わりづらいということが就活生のよくある失敗です。
この記事では、内定を獲得する上で不可欠なガクチカの構成や書く時のポイントについて紹介します!ガクチカ作成の一助になれば幸いです。
【評価されるガクチカの構成】採用担当者はガクチカで何を知りたい?
まず、採用担当者はなぜガクチカを聞くのか?その意図について考えてみましょう。彼らがガクチカを基に学生の何を判断しているかを知ることで、人事に評価されやすいガクチカを書きやすくなるでしょう。
モチベーションの源泉は何か
採用担当者は学生のモチベーションの源泉に興味があります。
ある学生が興味をもっていることと採用後の業務内容が同じであれば、その学生は入社後も意欲的に働いてくれる可能性が高いといえるからです。
モチベーションの源泉を知ることで、入社後も頑張って仕事を行ってくれるか、長期的に働いてくれるかを見極めることができます。
よって自分のモチベーションの源泉を知り、自分自身を理解することで採用担当者に伝えやすくなるでしょう。
「興味がある仕事がわからない…」「どんな仕事が向いているのかわからない…」という人は自己分析ツールなどを活用するのもおすすめです。
企業とのマッチ度はどうか
ガクチカの内容が、企業で働き始めてからも活かせるような能力であれば、採用担当者は自社とこの学生は合っていると感じるでしょう。
たとえばベンチャー企業では大手企業のような研修が十分にできないこともあり、自分で仕事を考え、見つけて動いて欲しいと思っています。この場合、自主的に動いて結果が出せたガクチカを述べ、頑張ったことが伝われば、自社にマッチしていると感じてもらえるのです。
入社したあとも活躍する姿が採用担当者の脳裏に浮かぶように、意識をしてガクチカの内容も選ぶようにしましょう。
論理的に考える力があるか
採用担当者は、論理的に考える力がある学生かどうかもガクチカから判断しています。
論理的思考力がある学生は、課題発見能力や課題解決能力が高いと予想できるからでしょう。考える力とは、問題に対して積極的にアプローチし、自分自身で解決策を見つける能力を指します。
この能力は、仕事上の問題を解決する上で不可欠なものです。また、ビジネスにおいては常に新しい課題が生じるため、重視されています。
論理的に考える力があることをアピールできるガクチカにできれば、人事からの好印象を得られるかもしれません。
伝える力があるか
論理的に考える力だけでなく、分かりやすく伝える力も大切です。
せっかく良いガクチカがあっても文章構成や言葉選びがイマイチだと、伝わりにくくなってしまいます。面接、ES問わず、伝えたいことを分かりやすい言葉にして伝えられることが大切だといえます。
友人や家族にガクチカを添削してもらうことで、伝わりやすい文章になっているか確認しましょう。
【評価されるガクチカの構成】これだけは抑えよう!ガクチカの鉄則
なぜ企業はガクチカを求めるのか、ガクチカによって学生の何を見ているのかわかったところでガクチカの鉄則について紹介します。ガクチカを書く時は、今から紹介する2点を意識して書いてみると良いでしょう。
企業は「過程」を重視する
企業が求めているのは単なる学生時代のがんばったエピソードではありません。
学生時代に、課題を発見し、それを解決するために何かに取り組んだ過程が分かるエピソードを求めているのです。
よって、自分の人生の中で「問題解決のために努力した過程」を振り返り、企業にアピールすることが大切です。「問題解決のために努力した過程」というと難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。例えば、「英語が苦手なのでTOEIC600点を目指して勉強した」「部活でタイムを縮めるために、練習メニューを見直した」など、何気ない取り組みでも立派な問題解決の過程だといえます。
企業が求める人物像を把握する
企業によって求める人物像は異なります。人事部門は、それを基準にして採用活動を行っています。そのため学生は、自分が志望する企業が求める人物像を確認し、それに合ったガクチカを書くことが重要です。
例えば、イノベーションを重視する企業は、創造力やアイデアを生み出す能力がある人材を求めます。また、顧客サービスを重視する企業は、コミュニケーション能力が高い人材を求めます。このように、企業によって求められる人物像が異なるため、自己分析を行い、自分の人物像を把握することで、自分に合った企業を選ぶことができるようになります。
【評価されるガクチカの構成】ガクチカの探し方
「大学時代、あまり何もしていなかった」と自分で考えている方、もしくは「色々と取り組んだ結果、何に一番時間をかけたのかわからない」という人も多いでしょう。「学生時代に力を入れたこと」を聞かれて一番最初に何を挙げれば良いのか悩ましいところです。そこでここからは学生時代に力を入れたことは何だったのかを探すにあたって重要なポイントを3つ紹介していきます。是非参考にして、企業の採用担当者の目に留まる、魅力的な文章を書けるようにしましょう。
自己分析をする
自己分析をすることで自分のことを詳しく知ることができます。
今まで何をやってきたのかも詳しくわかりますし、学生時代に力を入れたことについて考えるにあたって非常に重要でしょう。
マインドマップや自分史を使ってみるのもおすすめです。
また、自己分析は自己PRや志望動機を作成するにあたっても非常に重要ですし、そもそも就活を始める際に自分が何の仕事に向いているのか考えるにあたっても取り組む必要があるものです。
就活の出来栄えを大きく左右する非常に重要な対策の一つなので、ガクチカを作成する際は当然のことながら、就活を始める前にしっかりと行っておくことが大切です。
企業研究をする
企業研究をすることでその企業がどのような人材を求めるかが分かり、学生時代に力を入れたことのテーマも考えやすくなります。
Webを使って調べるのはもちろんのこと、実際に説明に参加するなどもおすすめの方法です。
企業についてあまり調べていないと、企業が求めていない情報を提供してしまったり、一見その企業に向いていなそうなスキルをアピールしてしまったりなど、良いことがありません。
そこであらかじめ企業研究をすることが非常に重要なのです。
企業に対してしっかりと調べていることが伝われば、採用担当者も「無理やり寄せているのではなく、良い印象を受けるため頑張って工夫をしている」つまり入社への意思が強いのだと好印象を持ってくれることでしょう。
ガクチカで使えるテーマを参考にする
ガクチカで使えるテーマを参考にするというのも非常に重要なポイントです。
部活やサークルなどをテーマにした例文は数多くあり、このメディアだけでも数多く紹介しています。
ボランティア活動や留学などでも良いですし、自分が学生時代に力を入れたことが思いつかなくても、例文をなんとなくでも良いので読んでみてください。
その中で多くの就活生がどのようなガクチカを話すのかがわかることでしょう。
自分ではあまり就活でアピールできないと思っていたものでも、多くの就活生がアピールしていることもありますし、自信を持って紹介できるものもきっとあるはずです。
何も思いつかない場合は、落ち着いて例文をいくつか読んでみるのも良いでしょう。
【評価されるガクチカの構成】評価されるガクチカのポイントとは?
こちらでは、評価されやすいガクチカのポイントについて、いくつか紹介していきます。前述の2つの鉄則を意識した上で、これから紹介するポイントもガクチカに盛り込めると良いでしょう。
内容に一貫性をもたせる
エピソードには最初から結論まで一貫性をもたせることが大切です。
例えば、最初は部活動において協調性やコミュニケーション能力を得たという話をしていたのに、話していくうちに、ほとんど個人プレーのことばかりになっていたらおかしいと思われてしまいます。これを避けるために、ガクチカで紹介するエピソードや人事に伝えたい自分の学び、強みは1つに絞りましょう。
企業で活かせる学びを書く
企業が求める人物像に合った、学びや強みを選びましょう。
どんなに素晴らしい学びを得ていても、うちの会社ではそこまで必要ないかもしれないと感じられてしまうと残念な結果になってしまいます。
例えば、営業職であれば粘り強さやタフさが求められます。また、組織のなかで常にチームを組んで仕事をおこなうようであれば協調性も重要です。企業や職種によって求められる能力は異なるので、しっかりと事前に調べておくことが大切です。頑張ったことを通して、何を学び、その力で会社に貢献できることをアピールしましょう。
問題解決への取り組みを具体的に書く
どんな困難があり、どんな成果が得られたのかが伝わっても、実際に取り組んだことが漠然としてしまっていると、ただ上辺で話しているような印象を与えてしまいます。
「お客様に素早く商品を提供できるようにした。」と言われても、実際にどう行動したかが伝わってきませんよね。「お客様に素早く商品を提供できるように、厨房内の動線を見直し、通路にある障害物を撤去することで提供スピードを上げようと試みました。」と言ったほうが、説得力が上がります。
問題解決のためにした行動を具体的に書くことで、どんな風に工夫をこらして頑張ったのかを伝えることができるでしょう。採用担当者からしても、学生が頑張っている姿を想像できるような文章になっていれば、話も入りやすくなるのです。
定量的な情報を入れる
ガクチカに定量的な情報を入れることができるとより説得力がある文章になります。定量的な情報とはズバリ、数字です。数字を用いることで現状や目標をより具体的に表現することができます。「…この結果、売上が上がりました。」という「…この結果、売上が15%上がりました。」と言った方が、説得力が上がりますよね。人事も成果を簡単にイメージすることができるでしょう。
【評価されるガクチカの構成】書き方のフレームワークとポイント
より良いガクチカを書くために大事なことは、構成を習得することだと言えます。
ガクチカは自分が思いついたままに書いていくと、文章構成がガタガタしてしまい、自分にしか理解できない文章になってしまうかもしれません。
評価されやすい論理的な構成を身につけることが非常に大切です。構成要素と順番を意識し、それぞれの内容をより分かりやすいものへとするために、ここではそれぞれの項目を詳しく解説していきます。
①結論
まずは結論から書き始めるようにしましょう。冒頭で「何に取り組み、どのような成果・実績を成し遂げたのか」を端的に伝えられれば満点です。
結論を先に持ってくることによって、それを聞く人はこれから伝えられる内容がスッと頭に入ってきやすくなります。例えば「高校のバスケットボール部で、主将として各選手の強みを引き出したことで、県大会優勝を成し遂げました。」という具合に、印象的で、かつ一言で理解できるような内容にすることを意識しましょう。
②目標や課題
何かに取り組み、何かを成し遂げた経験も、ただなんとなくやっていた結果だとしたら、その結果はたまたまの結果もしれません。
自分で目標を設定したり、課題を発見したりした上で取り組むことができる力を企業は重視しています。その目標や課題を解決するうえで困難だったことは何かを詳しく書くことも大切です。
ただなんとなくやっていてなんとなく成し遂げたという人も、何か続けていくうえで困難だったことや目標にしていたことを、どんなに些細なことでもいいので思い出して書いてみましょう。
③動機
何かを頑張ろうと思ったときには、必ずそこに動機があるはずです。
たとえば食事をするときについて考えても、お腹が空いたから、美味しそうなフレンチレストランを見つけたからなどと、食事をするための動機があるでしょう。ガクチカでも頑張るときには達成したいと思わせる動機があるはずです。
この動機もガクチカに盛り込むことで、自分の思考回路が伝わりやすくなります。
また、どんな部分に価値観を置き、日々生活しているのかもわかる部分なので、人事は学生の人柄や思考様式も見てとれます。
④取り組み
「②目標や課題」で設定した目標や、発見した課題を解決するための取り組みについても記しましょう。
前述のように、どのように取り組んだのかを「具体的に」かつ「定量的な情報」を入れて書くことができると、説得力のある印象深いガクチカに仕上げることができますよ。
⑤結果
努力をした結果どうなったのか、最終的な結果を話すようにします。自分が困難や課題をどう対処して乗り越えたのか、そしてその結果どうなったのかをわかりやすく伝えましょう。採用担当者は最初に概要を聞き、そのあと動機や具体的な行動を聞いています。これにより、最終的な結果がどうなったのかという話は採用担当者としてもすんなりと頭に入りやすくなっていますよ。
⑥学び
ガクチカと聞くと、結果までを書いたらそれで終わりと感じてしまうかもしれません。しかし、それでは企業のなかで何を活かせるのかが伝えられていないでしょう。自分がその経験を通してどのような学びを得たのか、その学びにからどのように企業に貢献できるのかを具体的に伝えます。
学びをつぎに活かすところまで考えていると伝えることができると、企業に入ってからも成長が期待できる学生だと感じてもらえます。結果を述べて終わりではなく、そのあとの活かし方も一緒に伝えましょう。
【評価されるガクチカの構成】フレームワークに沿った例文3選
例文①部活動
例文②サークル
例文③アルバイト
例文④ゼミ活動
例文⑤留学
例文⑥ボランティア活動
例文⑦インターンシップ
例文⑧資格取得
⑨大学受験
例文⑩旅行例文
まとめ
企業はガクチカを通して、自社に合う学生か、どんな思考をする人で問題にどう取り組むのかなどを見ています。そのためにもガクチカが採用担当者にとってわかりやすい内容でなければ、せっかく伝えても意味がありません。評価されるためにも内容だけでなく構成についても意識しながら、伝わりやすいガクチカをこころがけましょう。