はじめに
就活の際、気になる企業について、現場の声を聞くことができる貴重な機会となるのが、OB訪問です。
お互いに忙しない中で、アポイントメントを取るためにはどのようなやりとりが必要となってくるのでしょうか。
今回は、OB訪問の日程調整について、注意すべきポイントも含め、メール例文付きで解説します。
日程調整は素早くスムーズに!をキーワードに、相手の負担をかえりみながら、気持ちの良いやりとりを目指しましょう。
OB訪問の日程調整の流れとは
まずはメールでのおおまかなやりとりの流れを確認していきましょう。
状況によってさまざまな流れがありますが、アポイント獲得までの基本的な流れは以下の通りとなります。
OB訪問の依頼→OBが依頼を承諾→学生から承諾のお礼と日程の提示→OBから日程の確定(場所はOBがこの時指定することが多い)→学生からの確定事項の確認を伝えるメール→(直前のリマインドメール)
→おすすめは依頼と同時に日程も提示することです。
OBである相手は仕事の合間を縫ってアクションを返してくれる、ということになります。
やりとりの回数をなるべく少なく済ませることで、相手の負担を減らすことができます。
そのために、要点を簡潔にまとめ、端的かつ、伝わりやすい内容になるよう工夫することが必要です。
依頼と日程提示のメール
まずは、依頼と日程提示のメールの例文になります。
【例文】
件名 OB訪問のお願い ◯◯大学 (氏名)
株式会社 △△
営業部 (OBの名前)様
突然のご連絡、失礼致します。
◯◯大学△△学科□年生の(氏名)と申します。
OB訪問に際しまして、大学キャリアセンターの方から(OBの名前)様の連絡先をご紹介いただきました。
私は△△業界について企業研究をしており、ぜひ貴社のお話を伺いたくご連絡申し上げました。
突然のお願いになり、お忙しいところ大変恐縮ですが、(OBの名前)様のお時間を頂戴したく存じます。
つきましては、下記候補日のうちからご都合の良い日程をご検討頂ければ幸いです。
〔候補日程〕
×月×日 午前
×月×日 午後
×月×日 終日
〔場所〕
(OBの名前)様のご都合に合わせて、ご指定頂ければと思います。
お忙しい中、お手数をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
署名 (氏名)
承諾のお礼と日程提示のメール
次に、OB側がアポイントメントを受けてくれた場合、承諾のお礼と日程提示のメールの例文になります。
【例文】
件名 Re:OB訪問のお願い ◯◯大学 (氏名)
株式会社 △△
営業部 (OBの名前)様
お世話になります。
◯◯大学△△学科□年生の(氏名)でございます。
この度は貴重なお時間をいただけるということで、誠にありがとうございます。
企業研究だけではわからない、現場のお話を伺えますこと、大変嬉しく思っております。
(OBの名前)様がご指定されたお時間と場所について承知致しました。
それでは下記日程でお待ちしております。
〔日時〕
〔場所〕
〔目的〕(おおまかな相談内容も含む)
お忙しいところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
署名 (氏名)
確定事項を確認したことを伝えるメール
基本的にお願いをしているこちら側でやりとりが終わるようにするのが望ましいです。
そのため最後に、お礼と確認したことを伝えるメールの例文になります。
【例文】
件名 Re:Re:OB訪問のお願い ◯◯大学 (氏名)
株式会社 △△
営業部 (OBの名前)様
ご連絡ありがとうございます。
日時等、ご了承、ご確認いただきありがとうございます。
ご足労をおかけいたしますが、当日何卒よろしくお願い致します。
署名(氏名)
OB訪問の日程調整で注意すべきポイント
前述の例文を踏まえ、ここからはやりとりの中で注意すべきポイントについて押さえていきたいと思います。
ここで紹介するポイントは、お互いに気持ちの良いコミュニケーションにつながる、細かな気遣いにあたる部分です。
前提として、自分が相手の立場だった場合を考え、見通しを立てて行動することが重要です。
負担がなるべく最小限に済むように、柔軟に対応できる態勢を整え、あらかじめできることは用意しておきましょう。
①なるべくやりとりが少なくなるように考えて返信する
メールのやりとりで負担をかけないようにすることがポイントです。
こちらから提示できるもの(日時など)は先に提示してラリーの回数を減らすようにしましょう。
最初にも触れましたが、相手は仕事の忙しい合間を縫って対応してくれることになります。
そのため、要点をまとめ、簡潔な内容になるようにしましょう。
特に、訪問の目的を伝える時、ダラダラと長くならないように注意することが必要です。
熱意を伝えようとすると、つい長文になってしまうことや伝えたいことが曖昧になってしまうことがあります。
しかし、あまり長くなると読むのも大変ですし、独りよがりな印象を与えかねません。
ある程度聞きたいことを絞り、目的として端的に伝え、おおまかな相談内容を添えるような形が良いでしょう。
②日程は複数提示する
自分から日程を提示する場合はOBの都合がつきやすいように、複数の日程を提示することがポイントです。
企業によっては、1週間の中にルーティンとなるような業務を設けている場合も少なくありません。
曜日や時間帯に偏りが出ないよう、例文のように満遍なく選べるような日程を提示しましょう。
ただ、こちらが複数挙げた日程の中でも、時期によっては忙しく、予定が合わないことがあるかもしれません。
そのため、候補となる日程を、3〜5ほどあらかじめ多めに見積もっておくと良いでしょう。
その中から絞って選んで提示するようにすると、スムーズにやりとりすることができます。
また、OB側に急遽スケジュール調整してほしいと言われた場合にも、焦ることなく余裕を持って対応することができます。
③余裕を持って1~2週間先の日程を提示する
メールを送った週の日程をいきなり提示されても都合がつきにくいことが多いです。
また、相手の都合を考えられない人だと思われる場合もあります。
かといって、2週間以上先の予定を提示しても、予定が立てにくくなってしまうので注意しましょう。
それから、基本的には決定した訪問スケジュールの、私情による変更はしないようにしましょう。
新たに日程を決めるにも、相手に大きな迷惑と負担をかけることになります。
やむを得ない場合を除いて、こちら側からのそのような打診は避けましょう。
ただ、OB側の都合で、急遽変更や、調整をお願いされる場合もあります。
その場合には焦らず対応できるように、付近のスケジュールには余裕を持たせておくのが理想です。
④返信はスピーディーに
遅くとも1日以内には返すようにしましょう。
相手が自分の返信待ちになっている状態をなるべくなくすことで、相手に負担をかけずに日程調整ができるのです。
OB訪問にかかわらず、目上の方とのメールのやりとりでは、返信のタイミングに悩むことが多々あると思います。
早すぎても相手に圧力をかけてしまうのではないか、逆に遅すぎても失礼にあたります。
ではどれくらいの感覚で返信したら良いのでしょう。
基本的には1日以内、良識ある時間帯に返信するので問題ありません。
ですが、今回のような日程調整である場合や重要な確認事項に関しては、できる限り早めに確認、返信すると親切です。
また、どうしてもすぐに回答できない内容であれば、すぐに確認できない旨を伝える返信をしましょう。
加えて、できればいつまでに回答できるか、あらかじめ期限を伝えておくと、相手も見通しが立てやすくなります。
いずれにせよ、長い時間相手を待たせてしまうのは失礼になってしまうので注意しましょう。
まとめ
以上が、OB訪問の日程調整について、注意すべきポイントも含め、メール例文付きの解説になります。
メールでのやりとりだけでも気遣わなければいけない部分である場合や細かなマナーがあり、大変に感じるかもしれません。
本来の目的はもちろん、OB訪問は社会に出る前にビジネスマナーの基本を知る貴重な機会でもあります。
OBにとっても、自分にとっても有意義な時間となるように、できる限りのことを尽くしていきましょう。