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・アパレル業界とは
・アパレル業界の将来性
・アパレル業界の業務内容
・アパレル業界に向いている人、向いていない人
・アパレル業界への就職を検討している人
・業界研究をしたい人
・就活で失敗したくない人
目次[目次を全て表示する]
はじめに
ファッション好きな人が就職活動の業界選びで興味を持つのがアパレル業界です。
アパレル業界という言葉は聞いたことがあっても、具体的な仕事内容のイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。
「華やかなイメージがあるけど実際にはどんな仕事をするの?」「アパレル業界への向き不向き、就職活動のポイントはあるの?」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。
今回はそんな疑問を解消するため、アパレル業界の基礎知識についてご紹介します。
アパレル業界への就職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界について
アパレル業界の仕事で特にイメージしやすいのは店舗での販売です。
百貨店やショッピングモールで、声をかけたり会計をしたりしてくれる販売員さんには馴染みがあるでしょう。
しかし、アパレル業界は、店頭での商品の販売以外にもさまざまな特徴や仕事があるのです。
アパレル業界に興味のある人は、まず業界の全体像を理解することから始めましょう。
ここでは、アパレル業界の概要やどのような企業があるのかについてご紹介します。
アパレル業界とは
既製服とは、事業者が商品化し大量生産した衣料品のことを指します。
注文者の意向に合わせて受注生産を行う、オーダーメイドとは反対の意味です。
アパレル業界の構造としては、商品開発や素材の仕入れ、製造、販売に細分化することができます。
私たちの暮らしに馴染みのある販売の仕事は、アパレル業界の最終段階なのです。
また、アパレル業界は、ファッション業界と混同されがちですが、大きな違いがあります。
ファッション業界は、新たなトレンドやスタイルを自ら創造するというクリエイティブな側面が強い業界です。
一方、アパレル業界は、既製服をいかに売っていくかというビジネス色がより強く出ています。
ファッション業界とアパレル業界を混同しないよう、注意してください。
アパレル業界は川の流れに例えると分かりやすい
アパレル業界の構造を理解するためには、それを川の流れに例えると分かりやすくなります。
この業界は「川上」「川中」「川下」という三つの主要な段階に分類され、それぞれが独自の役割を持ちます。
- 川上:素材産業から素材を仕入れる
川上段階では、素材産業が中心となります。
この段階での主な活動は、アパレル製品の基となる原材料、例えば綿、ウール、合成繊維などの繊維や布地を提供することです。
ここでは、品質や持続可能性、コストなどの観点から、最適な素材の選定が行われます。
東レ株式会社
帝人株式会社
東洋紡株式会社
- 川中:アパレルメーカーが既製品を製造
川中段階では、入手した素材を使ってアパレルメーカーが製品を製造します。
このプロセスにはデザイン、パターンメイキング、縫製、品質管理などが含まれます。
この段階での技術力が、最終製品の魅力と差別化を決定します。
ファーストリテイリング
しまむら
アダストリア
- 川下:製品が小売業者によって消費者に販売
川下段階では、製造された製品が小売業者を通じて最終的な消費者に販売されます。
これには、店舗での販売のみならず、ECサイトを通じたオンライン販売も含まれます。
消費者のニーズやトレンドを的確に捉え、魅力的なショッピング体験を提供することが求められます。
ZOZO
ZARA
H&M
アパレル業界にもベンチャー企業はたくさんある
アパレル業界と聞いて、既製服を製造・販売する大手企業をイメージする人が多くいます。
実際に、アパレル業界と聞いて思い浮かべるのは、百貨店に出店しているようなブランドを展開する大手企業ではないでしょうか。
しかし、実際には多くのベンチャー企業が活躍しています。
ほかにはない切り口で事業を展開している、注目度の高い企業も多く存在しているのです。
なお、アパレル業界の現状や注目のベンチャー企業については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
アパレル業界の現状・課題
続いて、アパレル業界の現状と課題についても紹介します。
現状と課題について正しく理解を深めることができれば、自分がアパレル業界に就職するかどうか判断する材料にもなります。
また、就活においては面接などで業界の現状や将来性について尋ねられることがあるため、スムーズに回答できるためにも確認しておきましょう。
DtoCモデルの拡大
DtoCモデルはアパレル業界において重要なビジネスモデルとして急速に拡大しています。
企業が直接消費者に商品を提供するこのモデルは、流通業者を介さないため、コストを削減しつつ、商品価格を抑えることが可能です。
消費者にとっても「従来より安価に購入できる」という素晴らしいメリットがあり、また、企業はコスト削減や利益率の向上を図れるだけでなく、顧客データの収集を通じて需要のトレンドや消費者ニーズを深く理解し、商品開発やマーケティングに活かせます。
DtoCモデルは顧客との直接的なつながりを構築できるため、商品へのフィードバックを迅速に受け取りやすく、商品の改良や新商品の開発にも反映しやすいという利点もあります。
しかし、DtoCモデルを活用するためには物流コストの増加や顧客サポート体制の整備が必要であり、相応の投資が求められることも忘れてはいけません。
DXの加速
アパレル業界でもDXの導入が進んでおり、AIやビッグデータの活用が消費者行動の分析やマーケティング戦略に活かされています。
従来はトレンド予測が経験則に頼る部分が大きかったものの、DXの普及により、データを駆使した正確な需要予測が可能となりました。
これにより、在庫管理の最適化や製品のタイムリーな供給が実現し、売れ残りを減らすなどコスト削減の効果も期待できます。
また、オンラインショップにAIチャットボットや仮想試着システムを導入することで利便性が高まり、購買体験の向上にもつながっています。
しかし、DXを推進するにはシステム導入のための投資や専門人材の確保が必要であり、特に中小規模のアパレル企業にとっては負担が大きく、課題も多いのが現状です。
労働環境の悪化
アパレル業界は慢性的な人手不足と労働環境の問題を抱えており、長時間労働や低賃金が離職率の高さにもつながっています。
繁忙期には労働負担が増大し、従業員への負荷が高まる傾向にあります。
この結果、職場の働きやすさが低下し、優秀な人材の確保や維持が難しくなっているのです。
労働環境の改善は急務であり、働き方改革や福利厚生の充実、労働時間の短縮など、様々な対策が求められています。
また、DXを活用した生産の効率化や自動化によって、従業員の負担を軽減する取り組みが進められている企業も増えていますが、やはりこれにも相応の投資が必要であり、特に中小企業では迅速な導入が難しい現状です。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界の将来性
ここまで、アパレル業界は既製服の販売だけでなく、仕入れや製造といった一連のフローに関わる業界であることをご紹介してきました。
ファッション業界とは異なり、世の中のニーズに合わせてどのように売り出していくのかといったビジネス色の強い業界でもあります。
では、アパレル業界の近年の動向はどのようになっているのでしょうか。
新型コロナの影響を含め、以下で3点のポイントをご紹介します。
就職活動での業界や企業選びの参考にしてみてください。
消費者ニーズの二極化
売上を左右する消費者のニーズについては、二極化が進んでいると言われています。
1つは、価格の安さを重視した低価格志向のニーズです。
背景には、低価格で手軽に買うことのできるサービスが増えていることが挙げられます。
たとえば、テレビCMやSNS広告でも目にする国内外のファストファッションのほか、フリマアプリでの購入などです。
ファストファッションブランドもデザインや品質が向上し、年齢を問わず人気を集めています。
もう1つは、低価格志向と対極にある高級志向です。
量よりも質を求める人や、オリジナリティを重視する人が好む傾向にあります。
また、コロナ禍によるトレンド意識の低下から、流行りのデザインを取り入れるよりも、季節や時代を問わず長く使えるものを買おうとする風潮も出てきています。
EC・フリマアプリの浸透
アパレル業界での販売と聞いて、百貨店やショッピングモールの店頭に立つ販売員さんを思い浮かべる人も多くいます。
しかしコロナ禍では、フリマアプリやECサイトといったオンラインでの販売も、アパレル業界における重要な収入源となりました。
コロナ禍の外出制限で外での買い物ができないために、オンラインショッピングへの需要が増加したのです。
外出せずともオンライン上で買い物ができることから、アパレル業界でもECサイトの売上が好調です。
アパレル業界におけるフリマアプリやECサイトの利用により、その配送に対応するため物流業界も同時に成長しています。
なお、物流とテクノロジーをかけ合わせた「物流テック」は、近年注目を集めているワードです。
以下の記事では物流テックについて詳しく紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
サステナビリティの加速
環境問題への関心が高まる中で、アパレル業界もサステナビリティへの対応が強く求められています。
特に、環境負荷の大きいファストファッションに対する批判が増えており、消費者のニーズも「環境にやさしい製品」へとシフトしています。
これに応じて、企業はリサイクル素材の使用やCO2排出削減、廃棄物削減に取り組むなど、サステナビリティを意識した商品開発を進めています。
こうした取り組みは企業の環境配慮への姿勢を消費者に示し、ブランド価値の向上に寄与します。
しかし、サステナビリティへの取り組みにもコストがかかり、中小規模の企業にとっては負担が大きくなることも課題です。
サプライチェーン全体での環境負荷削減が必要なため、パートナー企業との連携も不可欠です。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界の仕事内容
ここまで、アパレル業界の概要や動向を紹介してきました。
アパレル業界は、店頭での販売の仕事以外にも、さまざまな職種があるのです。
商品の開発や素材の仕入れ、製造、販売まで細分化することができます。
さらに、どの工程においても、市場のニーズや社会情勢に合わせて柔軟な対応が必要です。
では、実際の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。
作る仕事、広める仕事、伝える仕事の3つに分類し、それぞれの仕事内容について具体的にご紹介します。
作る仕事
まず、アパレル業界の川上にあるのが作る仕事です。
作る仕事には、デザインから実際に商品を縫製するまでが含まれます。
トレンドやニーズに合わせて商品を企画し、それを実際に形にしていくのです。
お客様との直接的な接点は少ないものの、自分たちが企画・開発した商品が店頭で販売されていることにやりがいを感じることができます。
専門的な知識や技術が求められる現場であるため、服飾関係の学校で学んだ人や時間をかけて技術を習得していきたい人におすすめの仕事です。
ソーイングスタッフ
生産管理
デザイナー・パタンナー
デザイナーは商品のデザインを行い、パタンナーはデザイナーが作ったデザインをもとに型紙を作成します。
デザイナーは衣服やアクセサリーのデザインを行いますが、どんな素材やパターンを使うのかなど、幅広い知識が求められる仕事です。
自分の好みではなく、ブランドのコンセプトやトレンドに合わせて、デザインを考えます。
さらに、日本には四季があるため、各シーズンで商品を開発する必要があります。
パタンナーは、デザイナーがデザインした衣服を、実際に商品化する重要な役割です。
デザインをもとにパターン(型紙)を作成するため、平面を立体に捉えるスキルや知識が問われます。
なお、デザイナーやパタンナーになる人は、服飾関係の学校を卒業していることが一般的です。
ソーイングスタッフ
デザインやパターンをもとに、布製品の縫製をするのがソーイングスタッフです。
お客様が実際に着用する商品を縫製するため、作業の丁寧さや正確さが求められます。
さらに、納期がある場合には、期限に間に合うよう作業を行うスピード感も必要となります。
失敗してはいけない一着を縫製する際には、非常に大きいプレッシャーに打ち勝つ精神力がないと厳しいかもしれません。
なお、工場に勤務する場合には、同じ作業をひたすら繰り返すため、集中力を持続してルーティンワークができる人に向いていると言えるでしょう。
生産管理
生産管理の仕事は、アパレル業界において品質を保つ重要な役割を担います。
この職種の主な任務は、計画通りに製造プロセスを進行させ、納期に遅れが出ないように管理することです。
具体的には、工場への発注管理、製品の品質保持・改善、納期の調整などが含まれます。
生産管理の担当者は、発注元と発注先の間のコミュニケーションを円滑にし、双方の要求を満たすバランスを取る必要があります。
そのため、高いコミュニケーション能力とマネジメント能力が求められる職種です。
広める仕事
続いて、完成した商品を広める仕事があります。
広める仕事には、販売戦略の立案から買い付け、広報や営業が含まれます。
マーケティングや広報、営業のスキルが必要となりますが、専門的な学校を出ていない人でも挑戦しやすい職種です。
アパレル業界の中でも、花形と言われることが多く、人気の職種でもあります。
また、アパレル業界だけでなく、幅広い業界で求められるスキルを身につけられるため、将来的に転職やキャリアアップを目指す人にもおすすめできます。
では、以下で詳しく見ていきましょう。
バイヤー
広報
営業
ディストリビューター(DB)
マーチャンダイザー(MD)
MDと呼ばれるマーチャンダイザーは、さまざまなデータを分析し商品の販売戦略を立てる、マーケティングの仕事を行います。
市場の需要やトレンドを調査し、今後販売する商品の開発に活かしていきます。
こういったマーチャンダイザーの戦略も踏まえて、デザイナーが商品のデザインを行うのです。
さらに、市場調査や商品開発だけではなく、サービスの企画や価格設定、予算管理など広くマーケティングの領域を担当します。
そのため、情報収集力や企画力、プロジェクトマネジメント能力など、幅広い能力が求められます。
マーチャンダイザーは、アパレル業界の中でも特に人気の職種です。
入社後すぐに配属されなかったとしても、キャリアアップしてマーチャンダイザーを目指すという道もあります。
バイヤー
アパレル業界だけではなく、ほかの小売業界でも聞いたことのある職種ではないでしょうか。
その名のとおり、バイヤーは商品の仕入れや買い付けを行います。
さまざまなブランドやメーカーから商品の仕入れや買い付けを行い、自社で販売をします。
市場の動向や消費者のニーズをいち早く汲み取り、仕入れることで、自社での売上につなげるという重要な役割を担っているのです。
バイヤーは、市場を分析しトレンドを先読みする能力が求められる職種です。
広報
アパレル業界でも、商品やブランドの魅力を広めるために広報活動は欠かせません。
広報の仕事は、商品カタログの作成やSNS運用、宣伝素材を撮影する社外のフォトグラファーやスタイリストとのコミュニケーションなど多岐にわたります。
社外のメディアやお客様といったステークホルダーと自社とをつなぐ役割を担っています。
そのため、一方的な情報発信だけではなく、双方向でコミュニケーションを取ることが大切です。
また、いかに商品やブランドを広めていくかのマーケティング能力も求められるので、仕事の取り組み方次第で大きく成長できる可能性があります。
営業
アパレル業界の営業部門は、主に自社の商品を取り扱う販売先を広める役割を担っています。
百貨店や専門店に自社の商品を売り込むために営業へ行くほか、展示会で新規の販売先を開拓するなどさまざまな業務をしています。
一般的な営業の仕事と同様に、自社の商品の魅力を誰よりも理解し、それを伝えることで販路の拡大へつなげていくのが主な役目です。
また、いくら商品の魅力を知っていても、顧客のニーズや課題に合わせた提案をしなければ取引は成り立ちません。
コミュニケーション能力や提案力、商品知識が求められる職種です。
ディストリビューター(DB)
DBと呼ばれるディストリビューターは、発注した商品を各店舗に分配し、在庫をコントロールするのが主な仕事です。
あまり聞きなれない職種ですが、商品を流通させるために重要な役割を担っています。
店舗や時期によって、何がどの程度売れるのかは変わっていきます。
すべての店舗に同じように商品を流していては、売れ残りが出るなどのロスが出てしまうのです。
ディストリビューターが適切に在庫の管理をすれば、店舗のロスを防ぐことができ、経営の安定につながります。
主に、数字を分析する力や、売上を見ながら柔軟に対応する力が求められます。
伝える仕事
最後に、実際に商品を購入するお客様に「伝える」仕事もあります。
具体的には、店頭に立っている販売員などです。
馴染みのある販売に加え、その裏にはさまざまな仕事や役割があります。
伝える仕事は、お客様との距離が最も近く、反応をダイレクトに感じることのできる仕事です。
重要な役割であり、やりがいも感じやすい仕事なので、「お客様と直にコミュニケーションを取りたい」「喜んでもらいたい」といった気持ちが強い人には特におすすめの仕事です。
エリアマネージャー(SV)
ECサイトの運用
販売員(アパレル店員)
百貨店やショッピングモールなどで買い物をしているとき、「販売員の方に話しかけられた」といった経験のある人は多いのではないでしょうか。
新卒で入社した人は、店舗での販売員からスタートというケースも多く、どの仕事をするにも販売員での経験は非常に役に立つものです。
接客や会計、電話対応はもちろん、商品の陳列や店内の清掃など、店舗運営に関わる業務を幅広く行います。
ブランドのコンセプトや商品の魅力を理解し、お客様の希望や悩みに寄り添い提案していくことが必要です。
さらに、一日中店舗で立って仕事をするときもあるので、体力のある人に向いています。
エリアマネージャー
マーケティングを行う部門と販売員の間に位置するのが「エリアマネージャー」です。
つまり、エリアマネージャーは、作り広める仕事がメインとなる本社と、現場となる店舗をつなぐパイプ役となります。
具体的には、本社の方針をもとに、販売員の教育からお客様の分析のほか、「どのように商品を陳列するか」といったマーケティングの仕事まで行います。
現場と本社のどちらとも関わりが強いため、双方の間を取り持つコミュニケーション能力や対応力が必要です。
エリアマネージャー(SV)
エリアマネージャー、またはスーパーバイザー(SV)としても知られるこの職種は、本社と店舗間のコミュニケーションを担う重要な役割を果たします。
本社の方針や戦略を各店舗に伝え、現場の意見やフィードバックを本社に伝達するだけでなく、売上目標の達成、プロモーション活動の支援、店舗運営の改善提案などが業務に含まれます。
エリアマネージャーは、複数の店舗を管理し、各店舗の成功を確実にするために高いコミュニケーション能力とリーダーシップが要求されます。
ECサイトの運用
これまでご紹介したとおり、アパレル業界ではECサイトの売上が伸びています。
そんなECサイトを運営する仕事は、サイトの制作からPR、お客様対応といったオンライン販売に関わる一連の流れを担当します。
サイト制作やPRは、購買意欲の高まる導線を検討したり、サイトに掲載する写真やバナーを用意したりと比較的クリエイティブな領域です。
ECサイトの運用には、サイトをどれだけの人が訪れているのか、そこからどのくらいの人がどんな商品を購入しているのかといった細かい数値分析能力がある人に適しているでしょう。
さらに、Photoshopなどのアプリを使って画像加工ができると、バナー作成にも役立ちます。
もちろん、ECサイトを運用するには、店舗の運営と同様に、在庫管理や売上の管理も必要です。
バックオフィス
アパレル業界におけるバックオフィス職種は、企業運営の土台を支える中核的な役割を担います。
これには、事務職、人事、総務、経理、法務などが含まれます。
これらの部門に含まれるのは企業の日々の業務をスムーズにし、従業員の福利厚生や管理、財務の健全性の維持、法的なコンプライアンスの確保などです。
バックオフィスは、特にアパレル業界においても、製品のデザインやマーケティング活動が注目されがちですが、これらの背後で企業の安定性と成長を支えています。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界に向いている人
アパレル業界にはさまざまな仕事があり、それぞれに求められるスキルや知識があります。
服飾に関わる知識を活かせる仕事から、マーケティング能力といったどの業界でも役に立つようなスキルが活かせる仕事もあります。
しかし、上記に当てはまるスキルや知識を持っていたとしても、自分に向いている仕事でなければ、熱意を持って働くことは難しいはずです。
アパレル業界の仕事に興味があると思った人は、自分に向いているかどうかぜひチェックしてみてください。
ファッションが好きな人
アパレル業界は、既製服に関わる事業を展開する業界です。
自社のブランドや展開する商品に対して愛着を持ち、自信を持ってお客様に売ることができれば大きなやりがいを感じるはずです。
逆に、どの仕事に関わるとしても、ファッションに興味がなければモチベーションを維持して働き続けるのは難しいと言えるでしょう。
また、自分の好きな系統のファッションだけではなく、トレンドやブランドの方針に合わせて柔軟にさまざまなファッションを押さえておく必要があります。
「服飾全般が好き」という人に向いている業界であると言えます。
流行に敏感な人
アパレル業界は、常に最新のトレンドを捉えて商品を展開していきます。
時期やトレンド、市場のニーズに合わせて常に変化し、次々に新しい企画をしていくのです。
また、先の季節のことを考えて準備するなど、年間を通じて移り変わりの激しい業界です。
そのため、消費者や市場の動向をいち早く読み取り、柔軟に対応する力が求められます。
店頭に立つ販売員も、シーズンごとに流行をチェックし、自分たち自身も流行を取り入れ、お客様に魅力をアピールしなくてはいけません。
流行に鈍感であったり、流行に敏感になることに抵抗を感じたりする人には、あまりおすすめの業界ではありません。
アパレル業界は「流行に敏感」「新しいものを取り入れるのが好き」といった人に向いていると言えるでしょう。
人と話すことが好きな人
作る仕事、広める仕事、伝える仕事のすべてにおいて、社内外の人と話す機会が多くあります。
作る仕事であっても、会社としてどんな商品を売り出していくのか話を聞き、それに沿った商品を作ることが必要です。
広める仕事については、社内外でコミュニケーションを取って大切な商品を営業します。
伝える仕事では、現場の最前線でお客様とコミュニケーションを取り商品の魅力を伝えます。
商品の開発から販売まで、さまざまな職種の人が関わり合うアパレル業界において、コミュニケーション能力は必須です。
しかし、コミュニケーション能力があったとしても、話すのが好きでないとストレスを感じてしまいます。
アパレル業界は、「日常的に人と話すのが好き」という人に向いていると言えるでしょう。
裏方の仕事も率先してできる人
アパレル業界は、どの仕事においても一見華やかな印象を感じるはずです。
しかし、華やかな仕事を下支えするのは地道な作業の積み重ねです。
たとえば販売員の仕事では、店頭に立ってお客様とコミュニケーションを取るだけでなく、入荷した商品の検品や発注も行います。
伝える仕事でも、マーケティングは華やかさを感じますが、数字を細かく分析したり現場からの声を汲み取ったりと、地道な作業をコツコツと続ける必要があります。
そういった地道な作業の積み重ねを大切にできる人は、アパレル業界で成果を出すことができるのです。
そのため、表舞台に立つような仕事だけでなく、裏方の仕事も率先して取り組むことができる人に向いている業界であると言えるでしょう。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界に向いていない人
アパレル業界は、ファッションや流行に興味のある人におすすめの業界です。
さらに、人と話すのが好きで、裏方の仕事も率先して行える人は前向きに仕事に取り組むことができるでしょう。
では、逆にアパレル業界に向いていない人にはどんな特徴があるのでしょうか。
アパレル業界は、服飾関連の知識を持っている人やマーケティングに興味のある人が多くチェックする業界です。
しかし、知識やスキルを持っていても、アパレル業界に向いていない人もいるので、事前に自分に合う業界か確認しましょう。
流行に鈍感な人
アパレル業界は、トレンドや市場の動きを常に観察しなければいけません。
流行に鈍感だと流れに置いていかれ、「売れる商品を企画して魅力ある店舗づくりをする」といった際に後れを取ってしまいます。
特に、マーチャンダイザーやバイヤーは、トレンドを観察したうえで販売戦略を練ります。
市場でどういった商品が流行しているのか、常にアンテナを張って観察する必要があるのです。
ほかの職種であっても、流行を敏感に察知することが大切です。
アパレル業界は、流行に鈍感な人には向いていないと言えるでしょう。
華やかな仕事しかしたくない人
アパレル業界には、デザインやマーケティング、販売と華やかなイメージがあります。
もちろん、華やかな仕事があることに間違いありませんが、そればかりではありません。
地道に数字を追ったり細かく在庫を管理したりと、実は泥臭い仕事も多くあります。
華やかなイメージだけでアパレル業界を選ぶと、入社して働き始めた後にギャップを感じてしまうことでしょう。
「地道で泥臭い仕事はしたくない」という人は、アパレル業界には向きません。
人と話すことが苦手な人
アパレル業界は、社内外でコミュニケーションを取って仕事をする機会が非常に多くあります。
どんな職種であっても、日々人と話しながら仕事をすることが必須で、人と話すのを避けるのは厳しい業界です。
特に販売員の場合には、初めて会ったお客様ともうまくコミュニケーションを取り、ニーズに応える提案をしなければなりません。
「人と話すのが苦手で苦痛に感じてしまう」という人は、アパレル業界に向いていないと言えるでしょう。
受け身な人
1人で黙々と仕事をするイメージのあるデザイナーやソーイングスタッフであっても、周りの人への主体的な働きかけが求められる場面が多くあります。
たとえばデザイナーは、自分のアイディアを周りの人に伝え、ブランドのコンセプトと合っているのか早い段階で確認をしておく必要があります。
技術職であるソーイングスタッフは、自分に欠けている技術があれば周りの人に教えてもらい習得することで、自分のスキルをより高めることができるのです。
また、販売員は多くの場面で自らお客様に声をかけなければいけません。
このように、基本的にどの職種であっても主体的に仕事をすることが大切で、受け身な姿勢の方は十分な成果を出すことができません。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界の専門用語
幅広いスキルや知識の求められるアパレル業界では、専門的な用語が数多く存在します。
自分が担当する仕事で使う必要のない言葉であっても、社内外でのコミュニケーションの際に知らないと話が理解できないことも珍しくありません。
特に、マーケティングや物流に関わる仕事では、アルファベットの馴染みのない言葉が多くあります。
社内外でやり取りの多いアパレル業界では、販売員になるからといって、そういった用語と無関係になるわけではありません。
就職活動においても業界や企業研究をしていると、初めて見る用語が出てくるはずです。
知らない用語を読み飛ばして理解したつもりになっていると、大事な内容を見落としてしまうこともあり得ます。
事前にアパレル業界に関連する用語をチェックしておくと良いでしょう。
SPA
SPAは「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略で、「製造小売業」と訳されます。
製造小売業は、アパレル業界において商品の企画から物流、販売までを1つの会社が行う形態を指します。
作る仕事から広める仕事、伝える仕事までを、自社で完結する仕組みということです。
すべての工程を一貫して管理をすることで効率化を図り、無駄を省くビジネスモデルです。
企業研究をする際には、SPAを行っている企業かどうかもチェックしておくと良いでしょう。
OEM
OEMは、「Original Equipment Manufacturer」の略です。
こちらは「相手先ブランド名製造」と訳され、具体的には「Aの企業が持っているブランド商品をBの企業が製造する」ことを指します。
アパレル業界で多く見られるビジネスモデルで、自社で販売する商品における製造の工程のみを他社へ委託するのです。
OEMには主に2種類のパターンがあります。
1つ目は、製造する側の企業がブランドを持つ企業へ「こんな商品を作らないか?」と提案するパターンで、2つ目は販売する側の企業が仕様を細かく決め、製造を行う企業へ委託するというものです。
SKU
SKUは「stock keeping unit」の略で、在庫を管理する際に用いられる最小の単位です。
小売業や物流業界でよく使われ、どの商品が何種類あるかを管理することができます。
具体的には、商品はそれぞれ品番が割り振られていますが、同じ品番の商品の中にも、サイズや色の違いがあります。
それらを管理するのがSKUという単位です。
たとえば、「001」という品番の商品は、色が黒と白の2種類で、さらにS・M・Lサイズがあるとします。
品番は1つですが、SKUで管理すると、001の商品は6SKUとなります。
【アパレル業界ってどんな感じ?】アパレル業界に就職するためには
幅広い職種で成り立つアパレル業界は、コミュニケーションやマーケティングの能力などさまざまな知識やスキルが必要となります。
そんなアパレル業界を目指して就職活動する人の中には、具体的にどんな準備をしておいたら良いか不安に思う人も多いのではないでしょうか。
就職活動においては、いくつかのポイントを押さえておくことで、内定がぐっと近づきます。
エントリーシートの提出や面接前に、しっかり事前準備をしておきましょう。
自己分析をする
自己分析は、アパレル業界以外を目指す場合にも必ず行うべきことです。
自分の強みや弱み、アパレル業界でどんな仕事がしたいのかを言語化していきましょう。
自己分析をする中で、自分が本当にアパレル業界で働きたいのか、アパレル業界の仕事に向いているのかをあらためて確認できると良いでしょう。
自己分析の方法としては、自分史や他己分析がおすすめです。
自分史では、これまでの人生でアパレル業界の向きに合致するような経験があったのか振り返ることができます。
他己分析では、自分が強みを発揮したエピソードや思いがけず弱みとなっていた点など、自分だけでは気づけない発見があるでしょう。
きちんと自己分析を行い選考に備えておきましょう。
業界・企業研究をする
自分のことだけではなく、業界や企業について深く知ることも大切です。
アパレル業界といっても、企業によってコンセプトやイメージ、ビジネスモデルに違いがあります。
アパレル業界への就職活動においても、業界研修や企業研究をしっかり行いましょう。
ほかの業界を目指す場合と同様、企業のホームページやセミナー、書籍を活用して業界や企業についての理解を深めます。
まずは、広く浅く業界や企業について調べて理解を深め、自分が働きたいと思う業界や企業を絞っていくと良いでしょう。
実際に自分が働くことを想定し、日々の仕事がどのようなものになるかイメージできるとなお良いです。
将来的なキャリアも含め、自分が働きたいと思う業界や企業を見つけていきましょう。
インターンシップに参加する
インターンシップで実際の業務に触れ、職場の雰囲気や業務プロセスを理解することで、アパレル業界特有のスピード感や消費者ニーズに即応するための工夫など、業界ならではの特性を学べます。
インターンシップで得た具体的な体験は就職活動での自己PRや志望動機において説得力のあるエピソードとして活用できます。
実際の業務に参加し、店舗での接客、商品管理、マーケティング活動の一端に触れることは入社後の業務イメージを明確にし、自身の適性や強みを見つける一助となるでしょう。
インターンで発揮した能力や印象に残っている経験を話し、業界や業務への理解、情熱をアピールすると、内定を引き寄せられます。
適職診断ツールを用いる
適職診断ツールを用いることで、あなたがアパレル業界に向いているかどうかについても客観的に判断できます。
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「自己分析や業界研究をしてみたものの、なかなか自分に向いている業界や企業が見えてこない」という方も多いのではないでしょうか。
そういった人は、就活エージェントを活用してプロのアドバイザーのサポートを受けてみるのもおすすめです。
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まとめ
商品開発や素材の仕入れ、製造、販売まで仕事が多岐にわたるのがアパレル業界の特徴です。
業界を取り巻く状況は厳しいものの、需要の拡大や確保を目指せる業界であると言えます。
また、華やかなイメージも強いですが、その裏側には、地道な作業や努力の積み重ねがあるのです。
さらに、アパレル業界で働くには、流行で敏感であるかといった向き不向きもあります。
アパレル業界に興味のある人は、自己分析や業界研究などを通じて自分の強みや弱み、アパレル業界に向いているかを確認してみましょう。