はじめに
就職活動を始めようと思うと、「OB・OG訪問」という言葉を目にします。
OB・OG訪問は就活するにあたってすべきなのか、と迷っている方も多いでしょう。
実際に希望する会社で働いている人と会うことで、就活生にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回はOB・OG訪問について詳しく紹介していきます。
どのような就活生がOG・OB訪問をすべきなのかも紹介していくので参考にしてみてください。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問とは
「OB・OG」訪問とは、興味のある業界や企業で働いている社会人を直接訪ねることです。
実際に働いている先輩と直接会話をすることで、実際の仕事内容や社内の雰囲気などの情報を得て、「業界、企業研究」に役立てます。
業界、企業研究は後に行われる面接や、エントリーシートの記入の際に必須です。
自分自身でインターネットで検索をして、企業や業界について研究するのも良いとは思いますが、それには限界があります。
OB・OG訪問はネットでは得られない、社会人の生の声を聞くいいチャンスです。
企業研究や業界研究を進めていくことで、自分自身の性格と企業の雰囲気に齟齬がないかということを確認することもできます。
また、OG・OB訪問を受け入れてくれる先輩の中には、エントリーシートの添削や面接練習などを引き受けてくれる人も多くいます。
うまく利用して、自身の就活の糧としてください。
実際に顔を合わせて、社会人のリアルな声を聞く良い機会なので、やってみて損はないでしょう。
しかし、現状、OG・OB訪問をしている就活生はあまり多くありません。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問を経験している人の割合
OG・OB訪問をした就活生の割合は、21卒を対象としたマイナビの就職モニター調査によると、24.8%と言われています。
これより、約4分の1の学生がOG・OB訪問を経験していると言えるでしょう。
OG・OB訪問を行っている学生はどのようにしてその機会を得ているのでしょうか。
多くの場合、大学のキャリアセンターなどで連絡先を入手して行っています。
しかし、自分の出身大学にその企業に就職した人がいない場合などは、連絡先を入手することは厳しいでしょう。
そのような場合、OG・OB訪問を仲介するアプリや企業説明会などで直接やりとりを行うことも可能です。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問した人数はどのくらい?
OB・OG訪問を実際に行っている就活生は4人に1という割合ですが、その就活生は、何人の社会人に訪問しているのでしょうか。
2021年卒業の就活生を対象に行われた、マイナビの就職モニター調査によると、平均4.5人の社会人に訪問しているという結果が出ています。
また、詳細として、文系男子は4.2人、文系女子は4.6人、理系男子5.9人、理系女子3.3人と1人あたり4~5人にOB・OG訪問を行っているそうです。
初めは直接人と会うことに抵抗を覚える方もいると思いますが、回数を重ねると自然と抵抗なく場数をこなしていけるでしょう。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問のメリットとは
直接会わなければならないという面倒くささや抵抗感から、OB・OG訪問を行っている学生は少数派です。
しかし、少数派しか得られないメリットも多くあります。
OB・OG訪問のメリットは、企業、業界研究だけではありません。
社会人との会話から、社会人生活のリアルな情報を得られることはもちろんですが、大人と会話することの練習にもつながります。
直接選考に関わるメリットも考えられるでしょう。
OB・OG訪問にはどのようなメリットがあるのか詳しくチェックしていきます。
企業のリアルな部分が知れる
直接その会社で働いている社会人と会話をすることによって、企業説明会では知り得なかった情報を知ることができます。
たとえば、職場環境やより細かな業務内容についてです。
ネットや企業説明会で得た情報から、漠然とどのような仕事かは理解していても、自分自身が実際に働いた姿を想像するのはなかなか難しいでしょう。
エントリーシートの自己PRの欄などで、自分がどのように企業に貢献したいのかを問われることは多いです。
しかし、そのビジョンが明確でないと、答えることは難しくなります。
OB・OG訪問に行けば、よりリアルな情報が得られるため、想像を膨らませることも可能です。
また、直接内部の人と会うことで、自分がこの会社の雰囲気に馴染めるかなどもわかるようになります。
志望度のアピールにつながる
面接などで、第一志望の企業がどこであるのかを聞かれることは多くあります。
大体の学生は、御社が第一志望です、と答えるため意味のない質問なのではと思う方も多いでしょう。
本当に第一志望の企業なのかというのは、インターンシップやOB・OG訪問といった、やらなくても選考に支障のない就職活動の経験から推測が可能です。
その経験は、選考側にとって、志望度の高さを示す重要な手掛かりとなります。
多くの場合、そのような経験をした就活生は自然とその時の体験談を用いて面接での受け答えを行います。
その方が、話のネタの説得力が増すからです。
誰にでも言えるような言葉だけでなく、自分自身の経験をもとにした発言のほうが、それが失敗談であっても選考側には志望度の高い学生として、記憶に残るでしょう。
選考の優遇につながることも
OB・OG訪問で優秀な人物であると評価してもらえた場合は、一次選考免除など選考フローをスキップしてもらえることもあります。
これは、本選考のエントリー人数が多くなる大企業などでよく言われているもので、エントリーシートの提出やWebテスト、グループディスカッションなどといった選考フローを免除していきなり一次面接という企業もあるそうです。
また、OB・OG訪問の回数をカウントしている企業もあると言われています。
企業側がOB・OG 訪問に積極的な場合、社員にわざわざOB・OG訪問仲介サイトに登録させ、早い段階から優秀な学生との関わりを持つようにしている例もあります。
採用試験の多様化が進み、どこに内定への近道があるのかわからない状況です。
できることをやっておくことが大切なのでしょう。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問をすべき人とは
面倒くささや抵抗感から実際に行う人は少数ですが、メリットのとても多いOB・OG訪問を、するべき人はどのような人なのでしょうか。
就活をなるべく早く終わらせたいという人はもちろんですが、そのほかにもやったほうが良い人は多くいます。
たとえば、人と話すのがあまり得意でない人です。
就活には会話がつきものですが、OB・OG訪問はその練習になります。
後悔の少ない就活にするためにも、自分自身がOB・OG訪問をすべきなのか、検討してみましょう。
「人」で入社先を決めたい人
入社したい企業を決める時、「働いている人」に注目している人は、OB・OG訪問をすることをおすすめします。
どのような人が働いているのか、会社内の雰囲気、人間関係などは、直接会社内の人と対話をしないと知り得ない情報です。
会社内の雰囲気は、働く前に知っておくに越したことはありませんが、説明会などで紹介される雰囲気はあくまで表向きのものになります。
リアルな内情を知るにはOB・OG訪問はうってつけです。
また、志望する企業にはこういう人が多いということがわかっていれば、自分が今後長くその企業で働くことができるのか、その業界が向いているのかなども考えることができます。
そして、志望動機として、会社で実際に働いている人の人柄を見て入社したいと思ったという風に挙げることも可能です。
社会人と話すのが苦手な人
学生として15年近く生活をしていると、社会人とまじめな雰囲気の中で会話を実際にする機会というのは、数える程度にしかありません。
就職活動において、面接は避けて通れない問題です。
多くの就活生は、面接練習や実際の選考を通して場慣れをしていきます。
自分が、人よりも初対面の人とかしこまって会話をするのが苦手だと思う人は、OB・OG訪問を行うようにしてください。
社会人とかしこまった環境の中、直接会話をするのは初めのうちは緊張するでしょう。
しかし、これは本選考ではありません。
本選考の始まる3年の終わり頃までに場数を踏んで、慣れておきましょう。
また、OB・OG訪問を受け入れてくれた方の中には面接の練習を行ってくれる方もいます。
有効に活用してみてください。
【OB・OG訪問をする人の割合とは】OB・OG訪問をしなくても良い人とは
一方で、OB・OG訪問をしなくても問題ない学生は、どのような人なのでしょうか。
企業や業界への理解という側面から見ると、長期のインターンなどで会社の雰囲気や業務のリアルな部分を掴んでいる学生は、OB・OG訪問する必要はありません。
しかし、インターンなどでの社内の人の会話と、面接では大きく異なります。
マナーがあやふやな場合や初対面の人に対して無駄に緊張してしまう人は、志望する業界でインターンを行っていても、OB・OG訪問を行って損はないでしょう。
まとめ
OB・OG訪問を行った経験のある学生は、少数派です。
しかし、得られるメリットはとても多くあります。
直接志望業界の人と会話をする機会というのは、自分で動かなければなかなかめぐってきません。
最近ではWebを介してのOB・OG訪問もあり、そのハードルはだいぶ下がっている傾向にあります。
メリットも多くありますが、直接会う場合には危険な例もあるため、気を付けて行動するようにしましょう。
悩んでいる方はぜひ実際に行動に起こしてみてください。