・志望動機の構成
・志望動機の作り方
・志望動機で書くべきこと
・志望動機の作り方が分からない人
・志望動機の構成が不安な人
・志望動機に何を書いていいか分からない人
はじめに
志望動機は、どの企業を受けるにあたっても聞かれる可能性が非常に高いものですが、うまく作れずに悩んでいる方も多いでしょう。
そこで今回は、志望動機の基本的な作り方や、企業がなぜ志望動機を聞いてくるのかといった基本的な概念について紹介します。
まだ志望動機を作成していない方や、なかなか志望動機が作れない方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
志望動機とは
志望動機とは、就活において応募した企業で働きたい理由を伝える項目です。
企業の採用担当者は、応募者から志望動機を聞き、確認することによって、どのくらい企業について理解した上で応募しているか、入社意欲がどのくらいあるかなどを確認しています。
採用担当者が「この応募者と一緒に働きたい」と思うような志望動機を作成することが重要であるといえるでしょう。
企業が志望動機を聞く理由
続いて企業が志望動機を聞く理由について理解しておきましょう。
相手の意図に沿った回答を用意することで、より良い印象を与えられるようになります。
企業を志望する熱意を見る
就活生がどのくらいの熱意を持って企業に応募してきているかは、企業にとって非常に重要なポイントの1つです。
企業は応募者の熱意が高ければ高いほど「長く働いてくれそう」「会社に貢献してくれそう」と期待します。
したがって、「なぜその企業でなければならないのか」の理由を明確にした上で、説明することが重要であるといえます。
企業とのマッチ度を測る
当然ながら、企業は可能な限り自社にマッチしている人材を採用したいと考えています。
企業にマッチしていなければ、いくら優秀な人材であっても長く働いてくれる可能性が非常に低いからです。
社風や企業理念に照らし合わせた上で、応募してきた人材が企業にマッチしているかどうかを確認している企業がほとんどであるといえるでしょう。
したがって、あらかじめ社風や企業理念を調べてから、自分がマッチしている人材であることを強調できるような書き方を心がけることが重要です。
就活生の人間性を知る
いくら優秀であっても、人柄が企業に合わなければ長期的に働いてもらうことは難しいと判断されることがあります。
そのため、志望動機を通じて、応募者がどのような価値観を持ち、企業のどの部分に魅力を感じているのかを確認しようとしています。
その人がどのような人物であるかを知るために、志望動機は重要な要素となるのです。
志望動機には、これまでどのような経験をし、何を大切にしてきたかが反映されます。
企業は、志望動機を通じて、応募者の性格や行動の背景にある理念、信念、動機を理解しようとしています。
例えば、ある特定の業界や職種に対して強い興味を持つ理由が過去の経験や価値観に基づいている場合、企業はその応募者が真剣にその仕事に取り組む可能性が高いと判断するでしょう。
また、応募者の人柄を知ることで、職場でのチームワークやコミュニケーションがどのように行われるかを予測することも可能です。
このように、志望動機を通じて、企業は応募者の人間性を把握し、職場での適応能力を見極めようとしています。
志望動機の作り方
まずは志望動機を作るための流れを確認していきましょう。
思いつきで始めるのも良いですが、より良い志望動機を作成するためには、ある程度の手順を踏んだ方が良いです。
手順を踏んで、準備をしてから志望動機について考え始めるのが良いでしょう。
志望動機を作るためには、自己分析も必要です。
そして企業についての分析も必要になってきます。
それぞれ下準備として進めていき、最後に文章として起こしていくという流れをイメージするとわかりやすいでしょう。
自己分析をする
まずもっとも重要なのが、自己分析をすることです。
これは必ず最初にやっておきましょう。
やり方としては、はじめに自分の好きなこと、興味のあることや得意なことを確認します。
次に嫌いなことや苦手なことも分析して、自分がどのような人物なのかをできるだけ客観的に分析していきましょう。
そうすることによって、自分の長所や短所も見えてくるはずです。
最初は文章としてまとまっていなくても問題ありません。
なかなか文章としてまとまらない場合は、まずは箇条書きで書き出しても良いです。
また最近はインターネット上で適性診断ツールというものを利用できます。
これらのツールを利用して、自分の分析をするのも良いでしょう。
自分では気づかなかった特徴が見つかるかもしれません。
具体的なやり方は以下の記事を参考にしてください。
企業研究を行う
自己分析が終わったら、次は企業について分析を進めていきましょう。
自己分析で洗い出した自分の特徴に適した企業はないかを基準に企業を探します。
そうすることで「良い企業だけど志望動機がない」という状況を防げます。
分析で見るところとしては、事業内容・ビジョン・業務内容・社風・将来性・福利厚生などが良いでしょう。
企業分析を進めておくことで、これから作る志望動機が作りやすくなります。
自分が将来、企業でどのように活躍できるのかなどをイメージしやすくなるためです。
特にベンチャー企業は個性が豊かなので、この企業分析が重要です。
どのような経営方針で、どんな活動に重点を置いているのかなど、しっかり調べておきましょう。
関連しそうな部分について深掘り
最後に、その企業のどこに魅力を感じたのかを深掘りしていきましょう。
ベンチャー企業は特に自社の魅力について、はっきり語っているところが多いので、何に魅力を感じたのかはそれぞれ考えられるはずです。
それだけではなく、どうして魅力的に感じたのかも交えていきます。
ただ魅力的に思ったというのは簡単ですが、理由付けすることで説得力は段違いになります。
理由付けにおいては、背景・実績・事例・結果などがわかるとより明確になるでしょう。
そして自分の感情についても掘り下げていきます。
企業分析の際に感銘を受けたところや、ここで働きたいと思った感情を探してみましょう。
人柄がこういう部分にあらわれるので、ほかの就活生と差別化をはかるために重要です。
志望動機の基本構成
それでは志望動機を作るにあたって、構成の仕方を紹介していきます。
ただ文字を並べるだけでは伝わりにくいため、相手に伝わりやすい構成を目指していきましょう。
志望動機の作り方で述べた順序で準備しているのであれば、書くためのネタはそろっています。
あとはそれらを組み合わせて、志望動機を構築していくだけなので、それほど難しくありません。
構成については流れを大まかに把握できていれば、自然と書き出せると思います。
ここで手を抜かずに合格できる志望動機を作るように努力しましょう。
結論:志望動機
文章を構成するにあたって、もっとも簡単で相手に伝わりやすい方法は、最初に結論を述べることです。
最初になぜその会社を志望したのかを簡潔に述べましょう。
ここはあまり長い文章だと伝わりづらくなってしまうので、簡潔に1文か2文程度で書きます。
最初に結論を述べることで、大事なことは何かを相手に印象付けられます。
また、結論を最初に書くことで「何を言いたいのかわからない」という状況を防げるでしょう。
長い文章を書いていると、自分が一番伝えたかった部分から外れていってしまいがちです。
伝えたいことが多いのは良いことですが、何よりも伝えたい部分の影が薄れてしまうのは問題です。
まず結論を述べることで、自分が一番伝えたいことは何かを明確にして、相手にも印象付けておきましょう。
理由:具体的な理由
志望動機を作成するにあたっては、「なぜその企業に入りたいと思ったのか」について具体的に伝えることが重要です。
ここでどれだけ具体的に説明できるかで、あなたの熱意が伝わるかどうかが懸かっています。
ただし、最も重要なのは後ほど述べるエピソードの部分です。
したがって、200文字など、指定された文字数が少ない場合は、簡単に一言で説明するだけで構いません。
エピソード:理由の基となるきっかけ
志望動機において最も重要な部分の1つであるエピソードには、特に力を入れるようにしましょう。
先ほど述べた「その企業に入りたいと感じるに至った背景」として実体験を含めて、説明することが重要です。
具体例を用いることで、性格や考え方を伝えることができ、あなたがどのような人物であるかについても伝えられるようになります。
したがって、企業の社風や理念に合わせることを意識しながら、あらかじめしっかりと企業研究を行った上で、エピソードを書くようにしましょう。
また、エピソードを書く際は、「相手は自分のことを何も知らない人物である」という前提のもと、客観的に誰が読んでも理解できる文章を書くことが重要です。
将来:入社後のビジョン
志望動機についてはある程度述べられたので、あとは入社後に自分が実現したいことを述べましょう。
これによって、あなたの強い入社意志が伝わります。
あなたが企業に入ってからどのように成長していきたいのかというイメージをもっていることが伝わるだけで、やる気のある人材だと印象付くためです。
将来のビジョンがあるだけで、読み手に好印象を与えます。
その際に、なぜその企業ではないといけないのか、その企業の独自性も盛り込めれば言うことはありません。
企業分析で得た情報は、こういった面で非常に役立ちます。
情報を活かし、そのうえで自分が考えたことをここでしっかり述べていきましょう。
それができれば、自社についてよく調べ、将来どのように成長していきたいのかというイメージをもっていることが伝わる、とても良い志望動機です。
志望動機を書くときのポイント
上記の志望動機の構成はベンチャー企業でなくとも有効なものです。
志望動機を作成する際にはこの構成で書き進めていけば問題ありません。
それではベンチャー企業に向けて、志望動機を書く場合に押さえておきたいポイントを考えてみましょう。
大手企業とベンチャー企業の違いを把握して、ベンチャー企業では何を求められているのか知る必要があります。
特に企業分析が重要になってくる点だとは思いますが、ある程度共通するポイントがあるのでそれについて確認していきます。
会社の特徴を調べておく
まずベンチャー企業は個性が豊かで、幅広いジャンルの企業があります。
しっかり企業分析をして、会社の特徴を把握しておきましょう。
たとえば、事前に会社のHPを見ておくことや説明会への参加、社員との面談などを通して、その企業が何をしているのかを知ります。
そしてその業界で、現在その企業の事業がどのような立ち位置にいるのかも確認できるとなお良いです。
そのうえで、その企業にしかないものを見つけておき、それを志望動機に活かします。
その独自性にひかれたと書けば、「よく調べてきたな」「弊社への入社希望意志が強く伝わってくるな」などの好印象を与えられます。
経営方針や待遇、社風など見ることのできるポイントは非常に多いです。
あなたが企業分析を進めたうえで一番心に残った部分を掘り下げるのが良いでしょう。
自分の考えや実体験を盛り込む
ベンチャー企業は大手企業と比べて、人材の個性を重視する傾向があります。
大手企業はスタッフ数は多いが、それに比べてベンチャー企業はスタッフの数が少ないためです。
ベンチャー企業は数少ないスタッフでそれぞれがしっかり役割を与えられ、企業を成長させていく過程にあります。
そのため、自分の考えや実体験が盛り込まれた志望動機を作成するのがおすすめです。
自分の個性をしっかり売り込んでいきましょう。
自分の考えや実体験を交えることで、それがより具体的になります。
なぜ「私が」入社したいのか、自分にしかないオリジナリティーのある志望動機が作れるでしょう。
「ほかの就活生とは違うな」という印象を与えられれば、合格への道が近くなるはずです。
何が求められているかを知る
ベンチャー企業は成長途中の企業であるため、現在自社に何が必要なのかが明確である場合も多いです。
そのため、求めている人材のイメージも明確である可能性が高いです。
企業分析を通して、何を求められているのかを探してみましょう。
つまり、企業が何を求めているのかを知ることがベンチャー企業の志望動機を作る際のコツです。
会社が欲している人材であることをアピールするために、まずは今現在の企業から何を求められているのか知る必要があります。
その求められていることをもとに「自分は貴社に合っていると感じた」などと文章をつながると良いでしょう。
ここには能力だけでなく、自分の性格や雰囲気についても交えられると良いです。
社風を大事にするベンチャー企業は多いので、あなたの性格や雰囲気が自社に合うかどうかも重要なポイントの1つなのです。
強みをアピールする
強みをアピールすることも、志望動機においては非常に重要なポイントの1つであるといえます。
「自分の強みについては自己PRでも説明するし、あくまで志望動機だけ書けば良いのではないか?」と思う人も多いかもしれません。
しかし、「志望動機の部分に自分の強みを書いてはいけない」というルールは存在しません。
むしろ、どのように活躍するのかを具体的に説明することで相手側の企業にやる気を伝えられます。
ぜひ、自分の強みをどのように活用できるのかについて、積極的に説明するようにしましょう。
企業が求めている力
上記でピンとこない・わからない人のために多くのベンチャー企業が欲しているとされる力を紹介します。
はじめて就活する場合は、求められている力がわからないのも当然なので、少しずつ覚えていきましょう。
まずベンチャー企業は大手企業と違って、企業自体が成長途中でまだ安定していない場合が多いです。
人材は幅広く柔軟に受け入れるスタイルではありますが、スタッフ一人ひとりに与えられる役割が大手企業に比べて多い可能性があります。
そのため、一人ひとりにある程度求められる能力があるので、それらについて考えていきましょう。
高い切り替え力
先述の通り、ベンチャー企業は社員1人に任される業務量や幅・裁量が大きい傾向にあります。
そうなると、違う業務を同時並行で行ったり、考えたりしなければならない場合があります。
ビジネス的な用語で表現するとマルチタスクです。
よって、ベンチャー企業で求められることの多い能力として、高い切り替え能力があげられます。
多量の仕事をこなしながら、それぞれの業務でやるべきことを把握して、正確に進めなければなりません。
マルチタスクが得意な人は、ベンチャー企業に求められている人材として適切でしょう。
また、ベンチャー企業はまだ安定していないため、予想外の出来事などが生じる可能性もあります。
そうした出来事にも動じずに対応できる人材は貴重でしょう。
自己管理能力
ベンチャー企業では利益や仕事量が安定することは少ないため、定時で帰ることが難しい職場も多いです。
そんな状況でも、自分を心身ともに整えられるような、高い自己管理能力が問われます。
無理をしてまで仕事をしてしまっては、身体を壊してしまうので、しっかり自己管理をしなければなりません。
こなすべき仕事が多く、残業が重なってしまうこともあるかもしれません。
そういった場合にはもちろん自己管理能力も重要ですが、周囲に助けを求めることも必要になります。
ベンチャー企業は成長過程なので、業務スタイルも固まっていない可能性があります。
1人への負担が多すぎる、無理のある業務体制が構築されてしまうのは問題なので、そういうときには体制を見直さなければいけません。
自分の意志をもってしっかり考えられる人、自己管理をできる人がベンチャー企業に向いているでしょう。
客観的に物事を見る力
多くのベンチャー企業は成長段階にあり、自社サービス・製品の売り上げ拡大に努めなければなりません。
そこで必要になるのは、顧客が何を求めているのか、売り上げを伸ばすために、現状には何が足りないのかを知ることです。
客観的に自社製品・サービス、自分自身を見る力のある人がベンチャー企業に求められています。
見るだけではなく、もちろんそれを伝える力のあることが重要です。
ベンチャー企業ではある程度の自主性が必要であるということも覚えておきましょう。
客観的に物事を見る力がある人材であれば、自社の成長に貢献してくれる可能性が高いため、優先的に採用してくれる確率が高いです。
もしも客観的に物事を見ることが得意なのであれば、ぜひアピールしていきましょう。
志望理由別例文4選
続いて、志望理由別の志望動機の例文を4つ作成しました。
ぜひ参考にしてみてください。
本記事で紹介したポイントや注意すべき点を踏まえた上で作成されていますので、本記事のおさらいとしても参考になります。
時間に余裕があるならば、あなたが述べる予定の志望理由に近いもの以外の例文も参考にしてみることをおすすめします。
働く環境
企業の人柄
企業理念や戦略
提供する商品
企業の志望動機でのNGワード
それでは最後に、ベンチャー企業の志望動機として使うべきではない表現を紹介します。
大手企業であれば問題ないような表現が、ベンチャー企業では印象が良くない場合もあります。
もちろんその逆もあるでしょう。
ベンチャー企業というものの特性を理解して、印象の悪い表現をしないように志望動機を作成しましょう。
ちょっとした表現が採用担当にひっかかり、合格を逃してしまったということがないように、以下のポイントを確認しておいてください。
給料や待遇にひかれた
ベンチャー企業の志望動機に書くべきではないのが、給料や待遇にひかれたという表現です。
実際、ベンチャー企業はまだ仕事が完全に安定しておらず、給料は不安定なことも多いためです。
また待遇については、研修制度が確立していない、休み・就業時刻が不安定などの状況も実際は多いといえるでしょう。
就職した時点で確立されていても、まだ成長過程なので変わるかもしれないし、不安定であるということは把握しておくべきです。
そもそも企業自体が成長途中で、利益が安定しないことも多いため、ベンチャー企業に給料や待遇の安定を求めるのは、あまり印象が良くありません。
志望動機には「給料や待遇にひかれた」という文章は含めないでください。
自己成長を目指したい
次にベンチャー企業の志望動機として書くべきではないのが、自己成長を目指したいという表現です。
もちろん大事なことではありますが、ベンチャー企業としてはできるだけ即戦力となるような人材を求めている場合が多いです。
大手企業と比べてスタッフ数が少ないため、入ってすぐに多くの仕事をこなして、めげずに柔軟な対応ができるような人材を求めています。
未経験なので「業界のことを勉強するために志望している」といった書き方は、その企業を踏み台にして、自己成長を最終目的としているように聞こえてしまいます。
自己成長を志望動機として使いたいのであれば「自己成長を通して、組織を成長させられるように努力したい」というような書き方であれば問題ないでしょう。
自己成長を目指すこと自体は悪いことではないため、ベンチャー企業にとってメリットがあると伝えられれば、使用できます。
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おわりに
ベンチャー企業に就職したいと考えている人向けに、企業に刺さる志望動機の作り方について解説しました。
大手企業とベンチャー企業の違いを把握して、ベンチャー企業に求められていることを考えるのが、特に印象的な志望動機を作る際のコツです。
準備段階として、自己分析と企業分析が欠かせません。
手を抜かずにこれら2つを進めましょう。
これをこなすことによって、ほかの就活生とは違う印象的な志望動機を作る可能性が高くなります。