はじめに
面接中、面接官からよく聞かれるのが「学生時代に力を入れたこと」です。
略して「ガクチカ」と呼ばれる質問ですが、面接の中でもかなり大きなウェイトを占める内容であるため、どう答えるべきなのか戸惑う就活生も少なくありません。
企業に好印象を与えるガクチカのひとつがマネージャー経験です。
部員として試合に出た経験でなくてもきちんと評価されます。
今回は、マネージャー経験のガクチカを作成するポイントと例文を紹介するのでぜひ参考にしてください。
ベンチャー企業にマネージャー経験はウケル!
選手として華々しい結果を残していなくても企業からの評価が高いガクチカがマネージャー経験です。
特にベンチャー企業であれば、マネージャー経験は大変企業ウケするでしょう。
ベンチャー企業は企業体質が体育会系のところが比較的多いため、新入社員にも体育会系、もしくは体育会系に慣れている人材を求めています。
また、何かに熱中して取り組んだ経験がある人材はどの企業でも評価されますが、特にベンチャー企業で高く評価される傾向が見られます。
ベンチャー企業はまだ小規模なところも多く、社員全員が同じ方向を向いてがむしゃらに働くという企業風土が根付いてるケースも珍しくありません。
そういった企業において、マネージャーという仕事に打ち込んだ経験は大変役に立つのです。
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ベンチャー企業にウケルマネージャー経験のポイント
マネージャー経験は優遇されるといっても、マネージャー経験のどこが企業に評価されるのでしょうか。
大事なポイントを事前に把握すれば、その点を強くアピールすることで内定に近づくことができます。
多くのマネージャーは、チームに所属する選手たちを勝たせるという目的意識のもと、目の前にある仕事に取り組みます。
試合に勝てば注目されるのは選手で、マネージャーにスポットライトが当たることはほとんどありません。
しかし、それでもがんばってきたという地道な経験が就活で求められています。
グリッド力
マネージャー経験者には「グリッド力」が備わっていると考えられます。
「グリッド力」とは、「闘志」「粘り強さ」「自発性」「執念」を掛け合わせた言葉であり、ベンチャー企業では特に評価が高い項目です。
マネージャー経験者であれば、マネージャーという仕事の中、選手たちの練習に粘り強く付き合ってきたことでしょう。
選手たちのハードな練習に付き合うマネージャーも相当きつかったはずです。
また自発的に行動し、目標である勝利のために選手たちをサポートしてきたのではないでしょうか。
選手たちのためにできることを必死に考え、自分のできる範囲で選手たちに尽くしたはずです。
この経験で得たグリッド力をアピールすれば、非常に高く評価されます。
対課題力
課題に対して真摯に向き合い、それを解決してきた経験もベンチャー企業では高く評価されます。
マネージャーの役割は、選手の身の回りの世話や、練習相手になるだけではありません。
選手たちが抱えるさまざまな問題を解決するのもマネージャーの仕事です。
選手たちが抱えている問題はそれぞれ異なるため、マネージャーの対応も臨機応変さが求められたのではないでしょうか。
また、チーム全体の課題の解決に奔走したこともあるはずです。
選手たちにはどのような課題があり、それをどう行動して解決したのかという経験から、自分が持つ解決力をアピールできます。
ベンチャー企業では自分で課題を設定しそれに取り組むことが多いため、マネージャーの経験は働いていくうえで重宝する力になるはずです。
協調性
ベンチャー企業では協調性の高さも高評価の対象です。
マネージャーの仕事は1人だけでは成り立たず、マネージャーもチームの一員として周囲と協調しながら動かなければなりません。
マネージャー同士の協力のほか、選手・監督・コーチとも連携して動かなければならない場面もたくさんあったのではないでしょうか。
勝つためにはチームワークが重要ですが、マネージャーの仕事もチームワークがなければうまく回りません。
ベンチャー企業は、大企業にくらべて人数が少ないため、周囲と力を合わせて仕事を進める協調性はより重要です。
多くの人と関わりながら自分の仕事を進めていくという経験は、自身が持つ協調性を面接官にアピールする良い材料のひとつといえるでしょう。
忍耐力・受容力
マネージャー経験者は忍耐力と受容力に定評があります。
マネージャーをやっていれば、理不尽に感じる指示やつまらない雑務に耐えなければならず、余計なストレスが溜まることも少なくありません。
また、マネージャーの仕事をいくらがんばっても、選手のように試合に出て活躍するようなことはありません。
それでもしっかり耐えてマネージャーを続けられたということは、忍耐力・受容力の高さを示す十分な証拠になり得ます。
ベンチャー企業に限らず、働けばつらいことや苦しいことは必ずあるため、企業はそういった困難にも打ち勝てる人材を探しています。
マネージャー経験があれば、大変なことがあっても乗り越えていけるのではないかと期待してもらえるでしょう。
マネージャー経験を書くうえでの注意点
ガクチカでマネージャー経験について書くときは注意点もあります。
この注意点を守らないと、せっかくの貴重な経験から得たことも採用担当者に伝わらないばかりか、良くない印象を与えてしまうかもしれません。
マネージャーとして取り組んできた競技に関して誰もが知識を持っているわけではないため、わかりやすい表現を心がけましょう。
また、ガクチカは客観的な視点を持って書かなければなりません。
主観に偏りすぎないように意識して内容を精査することが大切です。
専門的な用語は避ける
ガクチカでマネージャー経験について書くときは、競技に関する専門的な用語は使わないようにしましょう。
自分にとっては常識かもしれませんが、競技に関する専門用語は誰でも知っているわけではありません。
その競技に興味がない人や知らない人にとっては初めて聞く言葉になり、何を言っているのかがわからず混乱してしまうでしょう。
多くの面接官は、自身が携わってきた競技の専門家でありません。
サッカーや野球など、メジャーなスポーツならある程度伝わるかもしれませんが、少々マイナーな協議であれば伝わらない可能性が高いです。
どんな人にでもわかりやすく伝えるには、中学生でも伝わる文章を意識して書くことです。
専門用語を噛み砕いた表現にすればわかりやすい内容になるほか、そういった文章が書けるという点でも高く評価されるでしょう。
客観性を入れる
ガクチカの内容は、客観性を意識して作成することが重要です。
ガクチカは自分の熱が入りやすく主観的になりがちで、客観性を持って作らないと採用担当者も白けてしまうでしょう。
自分はこう思ったという独りよがりな主観だけではなく、客観的な分析を交えながら作ってみてください。
たとえばマネージャーとしてチームに貢献できたかどうかについて、自分は貢献できたと信じていても、他者からそう評価されない限り本当に貢献できていたかはわかりません。
ガクチカでマネージャー経験について述べるときも、具体的なエピソードを紹介して客観性を持たせると良いでしょう。
なお、これまで努力したことを客観的に示すのであれば、第三者の目線で書くのがポイントです。
オススメのガクチカの基本的構成
わかりやすく読みやすいガクチカを作成するには、その構成を工夫する必要があります。
ガクチカのオススメの構成は①結論→②エピソード→③動機→④課題と困難→⑤行動と結果→⑥学びの構成です。
結論から始めるのはガクチカだけではなくどの項目でも同じで、そこからエピソードと動機について書いていきます。
マネージャー経験について書くのであれば、どうしてマネージャーをやることになったのかきっかけを書いても良いでしょう。
その後は、解決してきた課題とそれにまつわる困難を紹介します。
そして、その課題の解決のため行動とその結果を書き、そこで何を学んだかを最後に説明してください。
このような構成にすれば、そこで得た自身の強みも伝わりやすいでしょう。
ベンチャー企業にウケルマネージャー経験の例文
ガクチカでマネージャー経験について書くことを決め、構成も作り終えたら実際に書いてみましょう。
それでもどう書けば良いのかわからない、書きたいことを全部書いたら長くなってまとまらないという方も多いのではないでしょうか。
文字数に制限がある中で伝えたいことを書くためには、いくつかのコツを押さえる必要があります。
そこで、マネージャー経験の例文を3つご紹介します。
実際に経験したこととは異なるかもしれませんが、ぜひ自身のガクチカの参考として活用してください。
例文①野球部のマネージャー
私が学生時代に一番力を入れたことは、野球部のマネージャーとしてチームを勝たせることでした。
マネージャーになったのは、高校生のときのケガが主な理由です。
実際にプレーするのは難しくなっていましたが、どうしても野球に関わっていたかったからです。
私が所属する野球部は打線が弱く、公式戦で勝利できずにいました。
そこで、私は選手一人ひとりの課題を分析し、それぞれに合った練習メニューを提供することにしたのです。
私にも現役時代があり、そのころの経験も考慮しましたが、いろいろ勉強しなければならないことがあり、それこそ寝る間を惜しんで本を読んだりプロのトレーナーに話をうかがったりもしました。
その結果、チームの打線を強化することに成功し、公式戦で無事に勝利を収めることができたのです。
この経験から、課題に対する解決力が身につきました。
就職してからも、この解決力を活かしてお客様が抱えているさまざまな問題を解決したいと考えています。
例文②サッカー部のマネージャー
私はサッカー部のマネージャーとして入学当時からずっと努力し続けていました。
本心では選手として試合に出たいと思いましたが、自分の実力の限界も同時に悟っていたからです。
私の大学のサッカー部には実力のある選手が揃っていましたが、大事な試合の前に体調を崩すメンバーも少なくありませんでした。
そこで私はマネージャーとして、部室の掃除やユニフォームの洗濯という選手の身の回りの世話に加え、体調管理も行うことにしました。
練習前後に選手の健康チェックをして毎日欠かさず記録し続けたのです。
その結果、選手たちも自分の健康に気を遣うようになり、公式戦での勝ち星も増えていくようになりました。
この経験で私が身につけたことは忍耐力です。
選手としてプレーしたいという気持ちに打ち勝ち、マネージャーとしてできることはすべてやりきったと思っています。
御社に入社後も、たとえ地味な作業であっても決して手を抜かず、お客様はもちろん同僚・上司の方からも信頼されるように努めていきます。
例文③陸上部のマネージャー
私は大学生時代に一番力を入れたのは陸上部のマネージャーです。
高校時代にお世話になった先輩の力になりたいという気持ちがマネージャーになったきっかけでしたが、マネージャーとしての業務をこなすうちに、その魅力に惹かれるようになりました。
マネージャーの仕事をしていた中で印象に残っているのは、どうしてもタイムが伸びずに落ち込んでいた選手のケアに励んだことです。
私はマネージャーとして何ができるか考え、その選手の悩みをよく聞いていました。
自主練習がはかどらないとのことだったので、部活の後もその選手の自主練によく付き合っていました。
また、タイムが伸びないのは部内全体で考えるべき問題だと思ったので、主将にもその情報を共有し、アドバイスをする時間も作ってもらったこともよく覚えています。
その結果、その選手は大会で良い成績を残し、長いスランプを脱出しました。
私がこの経験で学んだのは、個人の問題もチームで協力することで必ず道は開けるということです。
就職してからもチームワークを大切に、御社の売上に貢献したいと思います。
まとめ
マネージャー経験は、企業から高く評価される可能性が高いガクチカです。
特にベンチャー企業では、マネージャー経験で培われた強みを活かせる場面が多いといえます。
さらに体育会系の社風なら、体育会系経験者を望んでいる場合も少なくありません。
しかし、どれだけマネージャーとしてすばらしい経験を積んでいても、それが採用担当者に伝わらなければガクチカの意味がありません。
専門用語の羅列にならないように注意し、客観的な視点を持って書きましょう。