ベンチャー企業の有給取得率を紹介!ベンチャーでは有給は取れないは本当?大企業や業界別に実態を解説

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はじめに

ワークライフバランスの重要性が謳われる今、就職先や転職先の条件として、労働環境や年間休日数を重視する人が増加傾向にあります。

つまり、会社に「働きやすさ」を求める人が多いということです。

それを測る指針の一つとして、有給取得率が挙げられます。

取得率という数値とともに、実態として有給を申請しやすい環境にあるということが、働きやすさや社員満足度の高さを表します。

「ベンチャーでは有給が取れない」などと言われることがありますが、その実態について見ていきましょう。

【ベンチャーの有給取得率】日本企業の有給取得率の平均

厚生労働省『令和2年就労条件総合調査の概況』によると、2019年度の日本企業の有給取得率は56.3%ということでした。

企業が年間に付与した有給休暇日数は1人平均が18日、そのうち実際に従業員が取得した有給が10. 1日といった結果です。

取得日数および取得率については、いずれも1984年以降過去最多・最高となりました。

日本企業全体の結果としては上記のようになっていますが、企業の規模などごとの傾向はどうでしょうか。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaikyou.pdf

大企業は有給取得率が高い会社が多い

ベンチャー企業と比較すると、大企業は有給休暇が取りやすい環境です。

単純に、社員数の差があることからも、人員に余裕のある大企業のほうが休みが取りやすいのは想像できるかと思います。

また、「ブラック企業」や「ホワイト企業」などの言葉を耳にする機会が増えた近年、何かあればすぐに注目されてしまう大企業においては特に、企業イメージを守るためにも労働環境改善に努めているといった背景もあります。

そんな中、2019年4月の「働き方改革」により、年5日の有給休暇取得が義務化されたことを受け、大企業だけでなく中小企業でも改善すべき課題となりました。それは当然、ベンチャー企業も例外ではありません。

とはいえ実際のところ、有給休暇取得率ランキングの上位には大企業が並んでいますが、ベンチャー企業の実態がどうなのかも、以下で解説します。

【ベンチャーの有給取得率】ベンチャー企業の有給取得率の平均

ベンチャー企業というと、休みが少なく過酷な労働環境であるイメージが強いかもしれません。

自由な風土はあるものの、少人数体制であることから、実際働き方としてはハードになりがちではあります。

働き方改革などの世の流れを受けて、日本企業全体で改善に向けた動きが見られますが、ベンチャーでもそれが反映されているのでしょうか。

実状として、ベンチャー企業における有給取得率がどの程度なのか、また有給取得率の傾向についても紹介します。

情報・サービス関連会社の平均取得率

一般社団法人情報サービス産業協会では、2018年の平均取得率は67.8%でした。

前述しましたが、厚生労働省『令和2年就労条件総合調査の概況』によると2019年度の日本企業の有給取得率は56.3%ということなので、他業界と比較しても高い取得率ということがわかります。

これは、有給休暇取得義務化の後押しによるものと考えられます。

また、同調査によると「情報通信業」における労働者1人あたりの年次有給休暇取得率は64.0%という結果でした。

IT系の業界が多いベンチャー企業に当てはめると、業種としては比較的有給が取得しやすい環境だと考えられます。

情報・サービス関連会社をはじめとして、有給取得率が高い業界を把握しておくと、企業選びの際に役立つでしょう。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaikyou.pdf

有給取得率の傾向

有給休暇取得率を企業規模別に見ると、以下のような結果になります。

1,000人以上の企業:63.1%

300~999人の企業:53.1%

100~299人の企業:52.3%

30~99人の企業:51.1%

これを見ればわかる通り、企業規模が大きいほど取得率が高い傾向にあります。

社員が少人数であることが多く、成長途上にあるベンチャー企業で有給が取りにくいとされるのは、休日を返上して働かざるを得ない環境にあることが要因の一つです。

その点、企業規模が大きければ大きいほど人材に余裕があるのが一般的です。

中小企業やベンチャー企業においても、企業の取り組みとしては有給取得を推進しているものの、取得率という結果につながっていないのは、会社の規模が関係していると考えられます。

【ベンチャーの有給取得率】有給取得率が低い会社の特徴

情報・サービス関連会社といった業界、また規模が大きい企業では、比較的有給が取得しやすい環境にあります。

働き改革などを受け、日本企業全体の取得率は上がってはいるものの、「2020年までに年次有給休暇の取得率を70%にすること」という政府の数値目標(※)には到達していないのが現状です。

そこには、有給取得率が上がらない企業の存在があります。

断定はできませんが、以下に挙げるような企業において、その傾向が強いと言えます。

※厚生労働省『年次有給休暇取得促進特設サイト』

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/sokushin/jigyousya.html

理念経営をしている

企業において経営理念は不可欠なものですし、社員がそれに共感して働いていることも重要です。

ただし、会社の理念や社長への共感を強く求められるような職場の場合は、注意しましょう。

いわゆる「やりがい搾取」の可能性があるためです。

「仕事にやりがいを感じられるならば、給料が低い・休みが少ないといった労働環境でも受け入れなければならない」、そんな無言の圧力が感じられるような職場も実際少なくありません。

そのような環境下では、有給取得の申請がしづらいものです。

理念経営などの社風は、社員一人の力では変えるのが難しいと言えます。

そういった風土が古くから根付いている企業は、有給取得が困難な可能性が高いと考えられます。

社員数が少ない

社員数が少なく、常に人材が不足している企業も要注意です。

業務量に対するリソースが足りていない職場では、社員一人が休むことの負担が大きく、簡単に有給取得できない環境になりがちです。

特にベテラン社員や優秀な社員であればあるほど、休みが取りづらくなります。

また、社員数が少なければ、自分が休んだ時に「誰に」「どのような」業務を「どれくらい」任せなければならないかなど、自身で把握できてしまうため、有給の申請をためらってしまうケースもあります。

人数が少ない中で、自分の強みやスキルが存分に活かせるのがベンチャー企業の魅力です。

しかしその反面、少人数だからこそ自分自身と他の社員の業務量や負担がすぐに把握でき、休みが取りにくくなってしまうことが懸念事項として挙げられます。

有給を取る雰囲気がない

企業としては有給取得を推進しているものの、現場の実態として有給を取る雰囲気がないのも、実はよくあるケースです。

実際、有給休暇を取得できない理由として、3人に1人が「有給休暇を取りづらい雰囲気で、気まずさを感じるため」と回答しているということです。

有給取得率が高い企業とはつまり、「有給取得は当然の権利」といった社内風土が浸透している企業と言えます。

いくら企業の方針として有給取得率アップやワークライフバランスの実現などを掲げていたとしても、それらの実現に大きく関わるのは、実際にそこで働く職場の雰囲気です。

これは、実際に働いている社員と話す機会がないとわかりづらい部分なので、志望する企業でそういったチャンスがあれば積極的に利用しましょう。

【ベンチャーの有給取得率】社内の雰囲気を生で知ろう! 

ここまで、有給取得率が高い業界や企業規模、反対に取得率の低い企業の特徴について解説してきました。

このような有給取得率の傾向について、情報として把握しておくことは重要です。

ただし、求人票や募集要項のみでその実態を知ることはできません。

名の知れた大企業でなくベンチャー企業であれば、なおさらです。

実態を把握するためには、企業説明会や会社見学、インターンなどの機会を利用しましょう。

そこで実際に働いている社員の方の話を聞いて、有休が取りやすい雰囲気なのか知ることをおすすめします。

まとめ

2019年の働き方改革により、年5日の有給休暇取得が義務化されたことを受け、日本企業における取得日数および取得率は過去最高水準となっています。

ベンチャー企業においても、有給取得率アップをはじめとして、ホワイト企業化への動きが見られます。

とはいえ、その実態は、企業情報などの文面では把握しきれないものです。

そこで働く社員の方と話せる機会を活かして、有給取得の現状など「働きやすさ」を確認しておきましょう。

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