はじめに
1ヶ月間程度の短期で海外に留学した経験を、ガクチカとして就活に活かしたいという学生は多いでしょう。
そもそも、短期留学はガクチカとして成立するのでしょうか。
この記事では、短期留学の経験をガクチカとして用いる際にアピールできることや書き方、伝え方のポイントなどを解説しています。
すでに留学を終えて就活を控えている人も、就活はまだまだながらこれから短期留学に行こうと考えている人も、ぜひ読んで参考にしてください。
【留学経験をガクチカにする】企業はなぜガクチカを聞くのか
ガクチカとは、就活生が「学生時代、特に力を入れたこと」の略称です。
それでは、企業はなぜ選考でガクチカを聞くのでしょうか。
企業の採用担当者は、ガクチカから就活生の個人的な人となりを知ろうとしているのです。
ガクチカで発揮された能力やスキルがわかれば、企業に入社後の活躍を想像しやすくなります。
また、学生の性格や思考回路など、個性に関わる部分を知ることで、応募者と企業とのミスマッチを防ごうとしているわけです。
就活生が学生時代に培ったスキルや経験が社内で活かせそうか否かは、企業による人材選びの重要な指針となります。
その応募者が、会社に利益をもたらしてくれる人物かどうかを確認したいのです。
また、ベンチャー企業のように社員数の少ない企業では、一丸となって目標に向かうために個人のやる気や資質・性格といったポイントが重視されています。
【留学経験をガクチカにする】ガクチカで企業が評価しているポイント
面接官はガクチカにおいて、特に学生の留学経験に至るまでの過程に重点を置いて評価します。
彼らは学生がどのように留学を決意し、それを実現させたかの経緯、また、学生が伝えたいこととその留学経験との関連性に注目します。
この過程から学生の人間性や仕事への取り組み方、課題解決能力を推測するのです。
また、面接官は学生の文章力や言葉選びを通じて、そのコミュニケーション能力や思考の深さを判断します。
留学経験そのものよりも、それに至るまでのプロセスでの挑戦や成長が、学生の真価を示すと考えられています。
これにより、学生の持つポテンシャルや今後の可能性を評価しようとしているのです。
過程
多くの企業は単に成果の大きさよりも、その過程や取り組み方に重点を置いています。
彼らは、課題にどのように取り組み、困難をどう乗り越えたか、またその経験から何を学び、自己成長にどう繋がったかを重視しているのです。
したがって、自分が経験したプロセスの詳細を語り、そこから得た教訓や成長点を強調することが重要です。
単に目立つ成果を挙げたことを述べるよりも、あなたの考え方や問題解決能力、さらには適応力や学習意欲を企業に示すことがポイントということです。
言葉選び
企業が就職活動生からのガクチカについて聞く際、言葉選びについても見ています。
効果的な自己アピールは、適切な言葉を選び、失礼のない表現を心掛けることが鍵です。
自分の経験や成果を正確に伝えるための言葉選びに注意を払う必要があります。
企業に好印象を与えるためには、自己表現の際の丁寧さや考慮が求められます。
自己アピールを行う際には、単に経験を述べるだけでなく、それを伝える方法にも気を配るべきという点を意識しましょう。
【留学経験をガクチカにする】留学経験をガクチカにするメリット
留学経験をガクチカにすることでメリットになることは多いです。
主なメリットは、以下の4つに分けられます。
根拠強いガクチカになる
目的をイメージしてもらいやすい
グローバルな企業で求められる
一貫性をもたせられる
留学経験をアピールすることで就活において一貫性をもたせられます。
一貫性をもたせられるというのは、留学経験が就活の軸に直結するため就活と絡めたアピールをすることができるということです。
外資系の企業に就職するために留学をした人は志望企業に志望度の高さをアピールできますし、海外を拠点に仕事をしたいという人も留学経験をガクチカにすることで得られるメリットは大きいです。
留学経験という一貫性をもった行動は入社後も企業に良い影響をもたせることができることをアピールすることができます。
根拠強いガクチカになる
留学経験をアピールすることで、根拠強く説得力のあるガクチカにすることができます。
留学経験を活かしてコミュニケーション力や行動力をアピールする人は多くいます。
留学経験があると、留学経験がない他の就活生と差をつけてコミュニケーション力や行動力をアピールすることができます。
就活において他の就活生との差別化は大きな意味を持ちます。
留学経験を活かすことで企業に刺さるガクチカを作ることができます。
目的をイメージしてもらいやすい
留学経験を就職活動のガクチカとして活用するメリットは、面接官に対して自分の経験を鮮明にイメージさせることにあります。
留学を決意する際には、通常、明確な目的やきっかけが存在します。
この明確な目的を伝えることで、学生がどのような考え方を持ち、どのような行動を取るのかが面接官に理解されやすくなります。
また、留学中に直面した困難やその克服過程を共有することで、学生の人柄や対応能力がより具体的に伝わります。
企業側は学生の真のポテンシャルを見極める手がかりとすることができます。
このように、留学経験を就活で活かすことは、自己の強みや特性を効果的にアピールする手段として有効です。
グローバルな企業で求められる
留学経験を就職活動(就活)で活用することには大きなメリットがあります。
特にグローバルに活動する企業では、留学から得られる様々なスキルが高く評価されます。
留学中に身につけた異文化コミュニケーション能力は、多様な文化背景を持つクライアントや同僚と効果的に協働する上で不可欠です。
また、異文化を理解し、それに柔軟に対応する能力は、新しい市場への進出や国際的なプロジェクトを成功させるための鍵となります。
さらに、留学は自立心や問題解決能力を養う絶好の機会であり、これらの資質はどのような業界においても重宝されます。
異文化コミュニケーション能力とは
ー自分の文化や思考に影響を与えている要因を理解し、客観的に見ることができる
ー相手の文化や思考に影響を与えている要因を理解し、尊重することができる
ー文化的な違いによって生じる課題や衝突を適切に対処することができる
ー文化的な違いによって生じる学びや成長の機会を活かすことができる
【留学経験をガクチカにする】短期留学のガクチカでアピールできること
選考において就活生がガクチカを語るのは、それを通して自分について何かをアピールしたいという目的があるからです。
そして、ガクチカの内容によってアピールできる魅力は異なります。
では、短期留学という題目でアピールできることとは一体なんでしょうか。
「そのガクチカで何がアピールできるのか」を知ることは、より効率的にあなたの魅力をアピールするための手助けになります。
短期留学をガクチカに用いてアピールできる魅力について詳細を知り、自身のPRに活用しましょう。
行動力
短期留学に力を入れた人がアピールできる魅力の1つは、その行動力です。
留学先となる海外は、基本的に未知の領域でしょう。
日常的に使用する言語はもちろん、食事や習慣、普及している店舗なども日本国内とは異なるものです。
土地勘を身につけるまでは、地図を見ないと、どこになんの施設があるのかすらわかりません。
そのような見知らぬ環境に自ら飛び込んで、数週間生活するという行動力が評価されやすいのです。
ベンチャー企業であれば、高い行動力を持ち、好奇心をもとに恐れることなく積極的に新しい仕事を見つけ、その仕事をこなしていく能力のある人材は特に重宝されます。
いつ留学を決めてどれだけの期間で準備したかや、留学先でどんなことにチャレンジしたかなどのエピソードを交えて、行動力をアピールしてみましょう。
対応力
留学先でより多くの人と関わることに重点を置いたのであれば、その対人的な対応力がアピールできます。
自分と国籍やルーツの異なる人であるということは、文化的な背景やそのほかのバックグラウンドが異なる人であるという可能性も高いでしょう。
そのような人々とたくさん関わることで得られた経験は、帰国後、そして入社後などにあらためて知らない人と接する際に応用できるものです。
相手のことを理解し尊重しようとする姿勢と、そこから生まれる対応力は、ビジネスの場で役立つ基本の能力でもあります。
志望先がベンチャー企業の場合、1人当たりが受け持つ仕事は多岐にわたるため、関わる人の数も多いです。
そのような業務傾向の中で活用できるのが対応力という能力であり、あなたの魅力であると言えます。
目標設定力
短期留学に関わって発揮されるもう1つの能力に、目標設定力があります。
「日常会話に支障がない程度の語学力をつけたい」「文化や思想の異なる人とできる限りたくさん交流したい」「該当の国についてより深く知りたい」など、留学に行く目標はさまざまです。
留学に行くことを決めた際に、何について学ぶことを目的としたのか、どのような基準をもって「達成」としたのかなどを伝えることで、目標設定能力をアピールできます。
また留学をする場合、たとえ短期であっても授業の調整や資金の確保、まとまった時間を作っておく必要性など、実現までには課題が多いです。
実際に留学を実行するまでに踏み切れる人は、自身の現状を把握したうえで適切な目標を設定し、それを達成する能力のある人ということになります。
そのような目標達成力は、ベンチャー向けに魅力としてアピールするに足る能力と言えるでしょう。
コミュニケーション力
留学経験を活かしてコミュニケーション力を企業に刺さるガクチカにすることができます。
留学は、自分の知り合いが全くいない状態からホストファミリーや周りの人とのコミュニケーションを取らなくてはなりません。
そのため、海外留学を通してコミュニケーション力が高まったことをアピールすることができます。
現地の人と積極的にコミュニケーションをとっていた事例などをあげるとより説得力が増すので企業からの評価も高くなります。
【留学経験をガクチカにする】短期留学のガクチカをうまく伝えるポイント
短期留学の経験をガクチカとして用いた際、アピールできる魅力はさまざまであることがわかりました。
そこで、その魅力を的確に企業へ伝えるためにはどうしたら良いのでしょうか。
ガクチカに短期留学の経験を用いる場合、うまく伝えるためのポイントは3つあります。
それなりに労力がかかり、物質面や心身の消耗も軽くはない経験だからこそ、就活において最大限活用したいものです。
これらのポイントを押さえて、自分の魅力をしっかりアピールしましょう。
留学経験を活かしてどのように企業へ貢献できるかを説明する
ガクチカに短期留学の経験を用いる場合、たとえばどこの国へ行ったか・どれくらいの期間滞在したか・目的はなんだったか・どんな経験をしたかなどは一通り話すでしょう。
しかし、それだけで話を終わらせてはいけません。
なぜならば、企業側の目的は就活生との雑談を楽しむことではないからです。
就活生は、その経験を活用して企業にどのような貢献ができるかをアピールし、入社への熱意に結びつけて話さなくてはなりません。
そのためには、「その企業がどのような貢献をしてほしいと考えているか」を把握しておく必要があります。
企業が求める人材像を事前に調べておき、それにふさわしい活躍ができるということを、留学の経験にもとづいてアピールしましょう。
独自性を強調する
留学の経験がある就活生は、現状すでに少なくありません。
したがって、この経験をガクチカに用いる場合は、ほかの留学経験者と似たような内容にならないよう、差別化をはかることが必要です。
似たような内容が並んでいる中でも目を引く独自性があれば、採用担当者の目に留まる可能性が高くなります。
ほかとの差別化をはかり、独自性を強調するカギ、それは「自分自身の意見や考えを含める」ことです。
短期留学の期間中に自分が見たことや経験したこと、それに対して感じたことなどを整理したうえで盛り込むと効果があります。
留学をする前や、留学している最中であれば、そういった自分の考えを育むための経験を増やすために、インターンシップやボランティア活動などさまざまなことに挑戦してみましょう。
語学資格を用いる
海外へ留学するにあたって、語学力の成長を度外視する人はあまりいないでしょう。
短期間であっても成長があったという証明として、留学の前後でTOEICなど語学に関わる資格試験を受けておくのがおすすめです。
結果を数値や資格の等級で残せるため、誰が見てもその成果が伝わりやすいという利点があります。
留学の前後で結果がどう変化したかを見せるために、2回受けて、成長具合をよりわかりやすくすることもできるでしょう。
英語圏へ留学したあとにTOEICを受けるのであれば、なるべく800点以上の点数を獲得できると、就活のうえで心強いものとなります。
ただし、資格自体は自分がどれだけ成長したのかを定量的に表現するツールであり、その取得自体が留学の目的になってしまうと本末転倒であるため注意が必要です。
留学経験にプラスした内容を入れる
留学経験をガクチカにすることでメリットは大きいという話をしましたが、留学経験だけをアピールするだけでは不十分だと言えます。
留学経験をしただけでは企業からの評価を得るのはとても困難です。
企業が求めているのは、留学経験で何を学んだのか、困難があった時にどのようなアプローチをとったのかということです。
留学経験にプラスして、自分が取り組みその結果得られたものをアピールすることで企業へのアピールとして十分なものになります。
留学の目的を述べる
何の目的もなくただ留学へ行っただけでは逆に企業に悪い印象を与えてしまうことになりかねません。
留学経験をガクチカにする場合には必ず留学の目的を述べるようにしましょう。
自分がどのような目的をもって留学をして、その結果どのような成果が得られそれを企業に入社後にどのように活かしていくのかを具体的に述べることで企業から評価を得ることができます。
留学の経験を深く掘り下げて考えてみることでより良いガクチカにすることができます。
【留学経験をガクチカにする】短期留学のガクチカを伝える際にやってはいけないこと
ガクチカとして短期留学の経験を用いる際に、「このようにすると良い」というポイントはたくさんありました。
一方で、短期留学の経験を伝える場合にやってはいけないことも存在します。
大切なのは、自分自身の経験や考えを正直に、明らかにすることです。
しっかり考えがあって留学に踏み切ったということが伝えられれば、その分評価が高くなります。
時系列を追って自分が経験したこと、ひいては学んできたこと、できるようになったことを自分の言葉でまとめられるようにしましょう。
留学に行ったという事実を評価してもらおうとする
ガクチカとして短期留学を用いる際、単純に留学したという事実のみを押し出し、評価してもらおうとするのは得策ではありません。
留学は、個人にとっては貴重な経験足り得るものです。
しかしながら、近年はグローバル化の影響が色濃く、特に長期ほど負担の重くない短期留学の経験者そのものは増加傾向にあります。
つまり、企業にとって留学経験のある就活生の希少性は注視するほど高くはありません。
そのため、留学自体は驚かれるようなことでなく、それだけで高評価を得られるような事象ではなくなっている、ということでもあります。
ガクチカとして用いる際に大切なのは、留学で何を経験し学んだのかという中身です。
「留学に行った」という事実のみをアピールするのではなく、そこで自分が得たものや今後に活用したいと強く望んでいるものをアピールしましょう。
留学前後のことを伝えない
留学中の経験を話すことに注力するあまり、留学前後の話をおろそかにするのも避けたほうが良いです。
「留学で何を経験したのかを語る」というのは、最中のことだけ語れば良いということではありません。
留学中のエピソードがどんなに興味深いものであったとしても、前後の文脈がなければ内容の薄い話題にしかならないでしょう。
行く前に設定した目標や、帰国後にその経験から活かせる学びがなければ、計画性がなくノリで留学に行っただけだと思われてしまいます。
腰を据えてじっくり学びに行く長期の留学と比べて、気軽に行ける短期留学であればなおさらです。
留学について話す場合は、なぜ留学に行こうと思ったのかや帰国後どうなったのかも含め、時系列を整理して自分の学びや変化について語りましょう。
嘘をつく
1ヶ月間など、短い期間で留学する短期留学において、自由に使える時間はそれほど多くなく、できることは限られています。
時間がないからと言って、やっていないことをさもやったかのように話すのはやめてください。
選考において、嘘をつくということはあなた自身の信用を著しく損なう行為です。
企業は信用できない人間を雇用しようとは考えません。
「実際に留学を経験していなければわからないはず」と思うかもしれませんが、人事とは採用のプロです。
深掘りされたときにぼろが出てしまい、虚偽の発言だとばれてしまえば、即アウトになります。
ガクチカ全体の信用を落とすのみならず、この選考であなたが発言したすべての内容が疑いの対象になってしまうのです。
選考では、きちんと本当のことにもとづいて話しましょう。
【留学経験をガクチカにする】ガクチカの基本構成に当てはめてみよう
ガクチカとして短期留学の経験を用いる際、やったほうが良いことや逆に避けるべきことはわかりました。
それでは、よりガクチカを効果的に伝えるためにはどうしたら良いのでしょうか。
短期留学の経験をガクチカに用いる際、より効果的に伝える方法、それは基本構成を忠実に守ることです。
基本構成とは、結論・理由・目標・困難・行動・結果と学びという6つの流れになります。
これを守ることで、話の内容がわかりやすくまとまるため、理解しやすくなるのです。
それぞれの構成について、詳細を見ていきましょう。
結論(一番伝えたいこと)
ガクチカの構成では、まず始めに結論から述べます。
短期留学に行ったことでどんな経験から何を得たのか、成果を簡潔に、かつ端的にまとめましょう。
結論から始めることで、なんの話をしようとしているのかがわかるため、そのあとに話す内容が頭に入りやすくなります。
理由や補足から長々と述べ始めてしまうと、「結局この人は何が言いたいんだろう」といったように、話の焦点がボケてしまうため、望ましくありません。
また、書類選考後面接を受ける際も、自分の中でもこれから話すことについてあらためて整理ができるため、あとの話を切り出しやすくなるでしょう。
ただし、この結論部分が長すぎると脱線しやすくなり、何を言いたいのかもあいまいになってしまうため注意が必要です。
できる限り短くまとめ、長くなりすぎないように気をつけましょう。
理由(留学に行った理由)
結論部分で留学に行ったこととその成果を簡潔に書いたら、次は留学に行った理由を述べましょう。
なぜ留学に行こうと思ったのか、理由や立てた目標を述べることで、あなたの考え方や計画性についてアピールできます。
ここでは留学に行こうと思ったきっかけ、何を学ぼうと思ったのか、目標とその達成条件は何かなど、筋道を立てて話すことが大切です。
短期留学は、期間が短く長期ほど手間や負担が大きくないことから「行き当たりばったりで留学を決めた」という印象をもたれることも多々あります。
しかし、短期留学に行った理由を納得してもらえれば、事前にしっかり考えを固めたうえでの行動だったことが伝わり、評価が上がる可能性も高いです。
自分がどのように考えたうえで留学を決めたか、しっかり書けるようにしておきましょう。
目標(留学の際の目標)
留学経験を就職活動のガクチカとして活用する際は、具体的な目標とその達成に注力したことを強調しましょう。
例えば、「留学中に英語で日常会話ができるレベルに達することを目指したこと」「積極的に現地の言語環境に身を置いたこと」等です。
このように明確な目標を述べることで、留学経験がいかに意味があるもので、自己成長につながったかを伝えることができます。
困難(留学の際に困難だったこと)
留学経験を就職活動の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」として話す際は、単に経験したことを述べるだけでなく、そこで直面した困難やそれを乗り越えた過程も重要です。
例えば、「英語が苦手で、最初は会話ができないなどの言語の壁に直面しました。
また、文化や価値観の違いにより、孤立感を感じることもありました。
しかし、これらの困難を乗り越えることで、コミュニケーション能力や異文化理解の重要性を学び、自己成長を遂げました」といった具体的な経験と学びを話すことが有効です。
行動(自分から動いたこと)
困難を伝えたあとは、乗り越えるために自分が起こした行動について述べます。
これは、自分が短期留学で何をしたか、どんなことがあったのかというエピソードの部分です。
たとえば、留学中に遭遇したトラブルと、それをどのように乗り越えたかなどがそれに該当します。
エピソードは、できる限り具体的に描写し、可能ならば数値を用いて説明しましょう。
数値によって定量化されていれば、誰でも比較的簡単に状況を把握できるようになります。
また、その行動に至るまでに自分がどう考えたか、起こったことによってどう感じたかなど、内面についても話すことで差別化をはかるのが効果的です。
この次に来る「結果と学び」に説得力をもたせるために、順を追って自分の行動を話しましょう。
結果と学び(留学から得た学びと活かし方)
短期留学を用いたガクチカの最後は、その経験から得た結果と学びで締めます。
「結果はこのようになりました」という表面的なことだけでなく、そこから自分が学んだことは何か、それを今後どのように活用できそうかという部分に踏み込みましょう。
企業が知りたいのは、「この就活生が自社に入社した場合、何をしてくれるのか」という点に尽きます。
短期留学から得た経験から、何をもってその企業に貢献できると考えたのかを伝えることが大切です。
この際、最初にあげた結論と矛盾しないように気をつけましょう。
一貫性のない主張は、選考全体の評価を落とします。
結論から締めまでの軸をしっかり固めることで、ガクチカの説得力を確固たるものにしましょう。
【留学経験をガクチカにする】留学のガクチカ例文
行動力
コミュニケーション能力
課題解決力
環境適応力
自己管理力
【留学経験をガクチカにする】短期留学のガクチカが完成したあとにするべきこと
ガクチカが書き上がり、すぐにでも提出したいと感じる人も少なくないでしょう。
しかし、ガクチカの完成後ほどやったほうが良いこともあります。
何度も読み直して誤字や脱字をなくすなど、少し時間がかかることであるため、なるべく早めにガクチカを用意するのがおすすめです。
期日までに余裕を持って仕上げないと、ぎりぎりになって確認する間もなく、慌てて提出する羽目になります。
短期留学のガクチカが完成したあとにこそすべきことについて、くわしく知り、しっかり選考に備えましょう。
ほかの人に読んでもらう
ガクチカが完成したら、家族や友人など自分以外の人にも読んで確認してもらいましょう。
自分で書いた文章は、自分自身ではなかなか客観視しづらいものです。
そこで、ほかの人に見てもらうことで、自分では気づけなかったミスやほころびに気づくことができます。
特に、実際に留学した経験がない人にはわからない用語が使われていないかや、基本的な説明の欠如などは盲点になりがちです。
短期留学に対する前提知識がない人でも、理解できるような内容になっているかを見てもらうと良いでしょう。
そのうえで、整然とした文になっているか、日本語としてわかりにくい部分がないかもあわせてチェックしてもらうとなお効果的です。
自分以外の人にも読んでもらうことで、よりわかりやすいガクチカに昇華させていきましょう。
深掘り質問対策を行う
ガクチカが完成したら、控えを取って深掘り質問対策をしましょう。
書類選考を通過したら、次にやってくるのは面接です。
ガクチカは、面接でも聞かれるうえに、採用担当者によって深掘りされる可能性が大いにある項目の1つでもあります。
そこで回答にまごついてしまうと、しっかり準備をしていないと思われてしまう、また場合によっては「内容が真実ではないかもしれない」と疑われて評価が下がりかねないのです。
そのため、面接で何を聞かれても大丈夫なように、事前に準備しておく必要があります。
【留学経験をガクチカにする】留学のガクチカの深堀り質問
最後に、面接の際に実際に採用担当者から聞かれやすい深堀り質問の紹介です。
質問を予想して回答を用意することで面接の際にスムーズに答えることができ、「この学生はかなり留学に力を入れたんだな」と思ってもらうことができます。
ガクチカと整合性の取れた内容で回答を用意しましょう。
質問1:コロナ禍の留学で不便だったことはありますか?
今の就活生はコロナ禍を経験しています。
学生によってはコロナの影響で留学に行く時期がずれた、期間が変わった、オンラインに移行した、などの変化に順応してきた人もいるため、コロナ禍の影響を受けたかどうかを質問されることが多いです。
コロナ禍の影響を受けた学生はその影響を受けた際の困難、困難を乗り越えた方法と伝えられるようにしましょう。
特に影響を受けていない場合は、コロナ禍のエピソードを作る必要はないため、他の内容の質をあげるように対策しましょう。
質問2:日本でも語学は学べるがそれでも留学へ行った理由はなんですか?
留学へ行く理由として、語学力を上げたいという人はとても多いです。
しかし、語学を学ぶだけが理由の場合、語学は日本でも学ぶことができてしまうため、留学に行かなくてもよかったのでは?と思われてしまいます。
留学に行って何を得たかったのか、留学に行かなければいけない理由はどこにあったのか、この内容を作成し、対策しておきましょう。
おわりに
ここまで、短期留学の経験をガクチカとして用いる場合にアピールできることや書き方、気をつけるべきポイントなどについて解説してきました。
短期留学は、理由付けによっては効果的にあなたの魅力をアピールできる経験です。
基本を押さえて誠実に、正直に自分の経験や学びを述べることで、あなたの考え方を説明し、入社後にどんな活躍をしてくれるかということを企業に伝えてくれます。
短期留学の経験をもって自分のどんな魅力をアピールしたいのかを明確にし、ほかの就活生との差別化をはかることで内定を目指しましょう。