【例文あり】ガクチカの適切な文字数とは?文字数別の書き方やポイントを解説

【例文あり】ガクチカの適切な文字数とは?文字数別の書き方やポイントを解説

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・ガクチカの文字数について
・ガクチカのおすすめ構成
・ガクチカの例文

この記事をおすすめしたい人

・ガクチカの文字数について知りたい人
・ガクチカのおすすめ構成を知りたい人
・ガクチカに自信がない人

はじめに

ガクチカとは、学生時代に力を入れたことの略称です。

近年の就職活動では、ほぼ間違いなく尋ねられる重要な質問の1つです。

ガクチカの作成には、自己分析や企業研究が役に立ちます。

採用につながる良いガクチカを作るためには、その形式や作成プロセスにも慣れておかなくてはいけません。

とくに文字数に対する意識が甘いと、アピールポイントをうまくおさめきれない場合もあるでしょう。

今回は、企業から指定されるガクチカの文字数に着目し、企業が文字数を指定する意図や適切な書き方、おすすめの構成、文字数別の実例などを解説します。

【文字数別のガクチカ】文字数指定する意図

まずは、企業がなぜガクチカの文字数を指定するのかを確認しておきましょう。

選考において、企業側から尋ねられる質問には、すべて何らかの意図があります。

これは、指定される文字数に関しても同様です。

指定の文字数通りに、過不足なく内容をまとめることは大前提です。

さらに、企業の意図を知ることによって、ガクチカのブラッシュアップがしやすくなります。

よりガクチカのクオリティを高めたいと考えるのであれば、以下の2つのポイントについても意識してみてください。

意欲を判断するため

企業がガクチカに文字数を指定する1つ目の理由は、就活生の意欲を判断するためです。

就職活動は、就活生にとって今後の人生を左右する重要なイベントですが、企業側も採用活動に少なからずコストを支払っています。

内定を出したのに蹴られてしまったり、早期退職されてしまったりすると、コストが無駄になってしまいます。

そのため、企業は就活生のスキルや業務適性だけでなく、就職に対する熱意や意欲、志望度も注意深く見ているのです。

しかし、ガクチカのフォーマットを指定していなかった場合、内容だけでなく文字数にも差が生まれ、それぞれの意欲を比較することが困難になってしまいます。

企業はガクチカの文字数をあらかじめ指定し、同じ形式の中でどれだけ意欲を示せるのかを確認しているのです。

採用担当者の負担を軽減するため

企業がガクチカに文字数を指定する2つ目の理由は、採用担当者の負担を軽減するためです。

先ほども触れたように、採用活動には、企業側も少なからぬコストをかけています。

採用活動の体制は企業によって異なりますが、選考のための時間・人員の捻出に苦労している企業も多いでしょう。

また、大企業や人気の高い企業では、膨大な数の就活生の情報をチェックし、選考の合否を判断しなくてはいけません。

そういった状況下において、過度に長すぎるガクチカあると、目を通すだけで余計な時間がかかり、選考に要する期間が肥大化してしまいます。

そのため、企業はガクチカに一定の文字数を設け、目を通して合否を判断する採用担当者の負担を減らし、時間的な余裕を持って適切な判断が下せるようにしているのです。

【文字数別のガクチカ】文字数指定があるガクチカの書き方

次は、文字数が指定されているガクチカの書き方について解説します。

今回解説する4つのポイントのうち最初の2つは、ガクチカに限らず、志望動機や自己PRでも当てはまる普遍的なものです。

これらの点を守れていない場合は、内容に目を通してすらもらえない可能性もあるので、しっかり意識してガクチカ作成に着手しましょう。

後半の2つでは、指定された文字数別の傾向についても触れるので、企業側に指定された文字数に応じて、適宜参考にしてみてください。

8割以上埋める

文字数が指定されたガクチカは、指定文字数ぴったりで書かなければいけないわけではありません。

先述したように、企業が文字数を指定しているのは、意欲の判断や負担の軽減が目的です。

そのため、厳密な文字数に、そこまで大きな意味はありません。

しかし、指定に対してあからさまに文字数が少なすぎると、志望度が低いと見なされてしまいます。

どれほどしっかりした内容を書いていた場合でも、選考を落とされてしまう可能性があります。

採用担当者に悪印象を与えないためには、基本的に指定文字数の8割以上を埋めることを意識することが大切です。

200文字の指定であれば160文字、300文字であれば240文字、400文字の指定であれば320文字は最低限埋めるようにしましょう。

文字数を超過しない

ガクチカを作成する際に、指定文字数の8割以上を埋めることに並んで重要なのは、指定文字数を超過しないことです。

文字数が少ない場合でも、そこから意欲の低さを読み取るのは、採用担当者のアナログな判断であり、何文字以内という指定から逸脱しているわけではありません。

しかし、文字数を超過した場合は、明確に指定されたフォーマットに違反しています。

そのため、文字数を超過したガクチカを提出すると、端的に事柄をまとめて伝えられない人、フォーマットが守れない人、指定の内容をよく確認していない人など、大きくマイナスな印象を与えてしまうでしょう。

一通りガクチカが完成した後はしっかりと文字数を確認し、指定文字数を超過していた場合は、内容の整合性を保ちつつ、文字数を減らさなくてはいけません。

100-200文字の場合は端的さを意識

100文字や200文字が指定された場合は、内容の端的さを意識してガクチカを作成しましょう。

実際に書いてみると分かりますが、説得力を持たせようと説明を詳細にしたり、エピソードの解像度を上げたりしようとすると、100文字や200文字はあっさりと超過してしまいます。

必ず伝えなければいけない重要なポイントをしっかり見極め、そこにフォーカスして端的に内容をまとめることが大切です。

ただし、あまりに内容を簡潔にまとめすぎると、当事者である自分には理解できても、前提情報が共有されていない採用担当者には、具体的な情報が伝わらなくなってしまう可能性もあります。

可能であれば、自分以外の意見も取り入れ、簡潔かつ要点がしっかり伝わるようなガクチカを作りましょう。

300-400文字は具体性を意識

300文字から400文字など、比較的長い文字数が指定された場合は、具体性を意識してガクチカを作成しましょう。

100文字や200文字の場合に比べると、文字数に余裕が生まれるので、エピソードや当時の状況をより詳細に描写できます。

一方、こちらのケースでは、文字数の不足に注意しなければいけません。

明確なエピソードが思い付かない場合は、書くべき内容がなくなってしまったり、引き伸ばしたような薄い内容になってしまったりする可能性もあるでしょう。

指定の文字数がなかなか埋められない場合は、これまで以上にしっかり自己分析を行い、当時の状況を思い出しながら活用できるエピソードを探す方法が役立ちます。

描写を詳細にすると、他人には伝わらない個人名や数値を盛り込んでしまう場合もあるので、注意が必要です。

【文字数別のガクチカ】おすすめ構成

続いて、PREP法とSTAR法に分けておすすめの構成を紹介します。

PREP法はどのような質問に回答する際にも使いやすいもので、スター法はガクチカを作成する上で非常におすすめの構成です。

ガクチカをPREP法で書いても全く問題はありませんが、もし余裕があれば使い分けることで、より良いガクチカを作成できることでしょう。

PREP法

PREP法は皆さんすでにご存知かもしれませんが、結論から述べて根拠を説明し、続いて具体例、そして最後にまた結論に戻ってくるという構成です。

この構成は自己PRや志望動機などにおいても非常に活用しやすいものであるため、もしまだ理解できていないという方は熟読してみてください。

P:結論

書き出しでは最初に結論を述べることが重要です。

採用担当者は数多くのエントリーシートを短時間で読む必要があるため、結論を最初に明示することで内容を瞬時に把握できるようにしましょう。

例えば「私が学生時代に最も力を入れたことは、サークル活動でのイベント企画を通じて培った調整力です」というように、具体的な取り組みとアピールポイントを簡潔に示すと良いです。

結論部分は文章全体の核となる部分であり、後述する根拠や具体例とつながるように記載する必要があります。

結論に何をアピールしたいのかが端的に表れるため、他の志望者との差別化が図れる内容にすることがポイントです。

R:根拠

結論で述べたアピールポイントの根拠を説明する部分では「なぜその点が自分の強みだと感じたのか」を簡潔に示しましょう。

結論と具体例を結びつける役割を担うため、流れを意識することが大切です。

例えば「調整力が私の強みだと考えたのは、大学のサークル活動で意見が対立した場面で解決に貢献した経験があるからです」といった形で、具体例につながるきっかけを示します。

この部分は無理に詳細に書く必要はありません。

あくまで後述する具体例を補足する形で述べることで、全体のバランスを保つことが重要です。

また、ここでは「調整力がなぜ重要だと感じたのか」といった自分の価値観や考え方に触れると、文章に深みが生まれます。

例えば「多様な意見をまとめることが、チーム全体の成果を高める鍵になると感じました」というように、自分がその強みに価値を感じた理由を含めることで、内容がさらに説得力を増すため、覚えておいてください。

E:具体例

具体例では自分のアピールポイントを裏付けるエピソードを詳細に述べましょう。

ここがガクチカ全体の中心部分であり、採用担当者にあなたの強みを実感してもらうための最も重要な部分です。

具体例を書く際には「どのような状況で」「どのような課題があり」「自分がどう行動したのか」「その結果何を得たのか」という流れを意識することを推奨します。

例えば「サークルで文化祭のイベント企画を担当した際、数人のメンバーが言い合いになってしまいそれが原因で進行が滞ってしまいました。

そこで、全員が納得できる解決策を見つけるために時間を割いて各メンバーの意見を個別に聞いた上で妥協点を提案して間に合わせることができました」といった形で、具体的な行動を記載すると非常に分かりやすくなります。

また、曖昧な表現を避け、数値や具体的な役割を加えることで説得力を高めることも重要です。

「前年の参加者数の150%を達成しました」といった成果を明確に示すと、実績が印象に残りやすくなります。

P:結論

最後の結論部分では示した根拠や具体例の結果から得た学びや強みを再度アピールしましょう。

これにより、文章全体がまとまり、採用担当者に応募者の印象を強く残すことができます。

例えば「この経験を通じて、多様な意見を調整しながら目標に向かって進む力を身につけることができました。

この調整力を活かして、貴社でもチーム全体の成果を最大化する役割を果たしたいと考えています」などと話し、自分の強みとそれが志望企業でどう活かせるかを示すことを推奨します。

この部分はたとえ一言でも述べておくことで文章にまとまりが生まれるため、ぜひ記入したいところです。

読み飛ばされてしまった場合でも、あなたが何に力を入れたのかについて理解してもらいやすくなる点もメリットです。

STAR法

続いて、STAR法について紹介します。この構成を用いて文章を作成すれば、あなたのガクチカがより分かりやすくなることでしょう。

S:状況

「状況」は経験の背景や設定を簡潔に説明する部分です。

採用担当者がその場面をイメージしやすくするために「いつ」「どこで」「どのような状況だったのか」を明確に伝えます。

例えば「大学のサークル活動で、文化祭のイベント企画を担当していました」「アルバイト先で、新人教育を任されました」といった形で、具体的な場面を示します。

この部分では詳細に立ち入る必要はなく「全体の流れを理解してもらうための情報を提示すること」を意識しましょう。

状況を説明しすぎると回答全体が冗長になる恐れがあるため、必要最低限の情報に留めることが重要です。

また、この状況説明が後述の課題や行動と関連していることを意識すると、一貫性のある回答が作りやすくなります。

T:課題

「課題」はその状況下で解決すべき問題や達成すべき目標を明確にする部分です。

この段階では「なぜその場面が挑戦だったのか」「どのような目標が設定されていたのか」を具体的に伝えます。

例えば「前年の来場者数を20%増やすことが目標でした」「新人スタッフが早期に業務に慣れるように指導することが求められていました」といった形で、課題を具体化します。

この段階でのポイントは課題が明確であればあるほど、その後の行動や結果が説得力を持つという点です。

課題があいまいだと、採用担当者に「どのような場面で何をしたのか」が伝わりにくくなり、回答全体の印象が薄れてしまいます。

そのため、課題をシンプルかつ具体的に説明することを意識してください。

A:行動

「行動」は課題に対して具体的にどのように取り組んだのかを詳しく説明する部分です。

この段階では応募者自身が主体的に取った行動に焦点を当て、どのように課題を解決しようとしたのかを具体的に述べます。

例えば「メンバー全員のスケジュールを把握し、タスクの分担を効率化しました」「新人スタッフ一人ひとりの得意分野を把握し、それに合わせた教育プランを作成しました」といった形で、自分の行動を中心に説明します。

この部分での注意点は自分の役割を具体的に示し、チームの一員としての貢献ではなく、自分自身がどのように動いたのかを明確にすることです。

また、採用担当者に「どのように考え、行動したのか」が伝わるよう、具体的なプロセスや理由を述べることで、回答に説得力を持たせることができます。

R:結果

「結果」は行動の成果や影響を説明する部分です。

この段階ではどのような成果を達成したのか、具体的な数値やエピソードを交えて説明すると良いです。

例えば「イベントの来場者数を前年の150%に増加させることができました」「新人スタッフ全員が1か月以内に独り立ちできるようになり、売上が前年比10%向上しました」といった形で、結果を具体的に述べましょう。

また、結果を述べるだけでなく、その成果が応募者自身の成長や学びにどのようにつながったのかを補足することで、回答全体が一貫性を持つようになります。

「この経験を通じて、効率的にタスクを分担することの重要性を学びました」といった形で、学びや今後の活用について触れると、さらに良い印象を与えることができます。

【文字数別のガクチカ】質を高めるポイント

次は、ガクチカの質を高めるために役立つ重要なポイントについて、解説します。

さきほど解説した基礎的な書き方や構成について理解した後は、以下のポイントを意識して、ガクチカの執筆に着手すると良いでしょう。

今回解説する6つのポイントには、一部先述の内容と重複するものもありますが、それだけ良いガクチカを作成するためには重要な要素と言えます。

一度ガクチカが完成した後もしっかり全体を見返して、これらのポイントが守れているか、十分に内容に反映できているかを確認してください。

結論から述べる

ガクチカの質を高める1つ目のポイントは、構成についての解説でも触れたように、最初に結論を述べることです。

結論や要点から述べる構成は、文章を分かりやすく伝えるための手法として広く用いられている、PREP法やSDS法でも採用されています。

文章を効果的に相手に伝えるスキルは、就職活動だけでなく、社会人になってからも必要です。

早い段階で、結論から述べる習慣を身につけておくと良いでしょう。

最初に結論を明確に述べ、最後にあらためて結論や結果などに言及する構成であれば、内容に論理の飛躍やねじれがあった場合でも、ミスが発見しやすくなります。

ガクチカの場合は、結論の次に述べる理由やエピソード、結果や学びが最初に述べた結論としっかりつながっているかを確認することも大切です。

質問の意図を考える

ガクチカの質を高める2つ目のポイントは、質問の意図を考えて内容を考えることです。

今回の場合は、企業や採用担当者が文字数を指定したガクチカを、どういった意図で尋ねているのかを考えることになるでしょう。

意図をしっかり把握できていれば、アピールする内容はそのままでも、書き方や焦点の当て方によって、相手の求めている答えが用意できます。

文字数を指定している意図は、先述のとおり就活生の意欲を判断し、採用担当者の負担を軽減するためです。

そのため、指定の文字数内で過不足なく、自身の意欲をアピールできるガクチカを書くと、採用担当者に良い印象が与えられます。

一方、ガクチカが尋ねられる意図は、物事への向き合い方や困難への対処の仕方を知るためです。

これらの点を意識し、しっかり伝わるようなガクチカを作成しましょう。

先輩のESを参考にする

ガクチカの質を高める3つ目のポイントは、先輩のESを参考にすることです。

ここまでさまざまな面から、文字数が指定されたガクチカの書き方について解説してきました。

しかし、なかなか完成形のイメージが思い浮かばない方もいるでしょう。

また、具体的にどういった内容を書けば良いのか、悩んでいる方もいるかもしれません。

そういったケースでは、身近な先達を頼る方法がとくに大きな効果を発揮します。

過去に就職活動を経験した先輩が、どのような流れでガクチカを作成したのか、どんな内容を書いたのかを見せてもらいましょう。

ある程度知っている相手が実際に使用したガクチカであれば、汎用的な例文よりも書くべき内容のレベル感が把握しやすくなり、自身のガクチカに活かしやすいかもしれません。

自己分析をする

ガクチカの質を高める4つ目のポイントは、自己分析を行うことです。

自己分析と企業研究は、就職活動の2本柱とも言える活動であり、その重要性をあらためて述べる必要はないでしょう。

ガクチカは、自身の過去の経験や行動、思考などから、テーマに沿ったものをピックアップして採用担当者に伝えることです。

そのため、自分自身についてしっかり分析し、理解を深めておかなければ、良いガクチカは作成できません。

すでにある程度自己分析を済ませている方でも、ガクチカの作成が難しいと感じる場合は、あらためて自己分析に取り組んでみると良いでしょう。

自己分析にはさまざまな方法があるので、これまでと異なる手法を使ってみたり、知り合いに自分のことを尋ねる他己分析の手法を活用したりするのもおすすめです。

定量的に説明する

ガクチカの質を高める5つ目のポイントは、定量的な説明を心がけることです。

ガクチカは、自身が学生時代に頑張ったことについて伝えるものです。

単に「頑張った」と述べるだけでは、その程度や熱意が相手には伝わりません。

この点を意識していないと、しっかり時間をかけてガクチカを作っているのに、それが成果につながらないという事態も起こるでしょう。

構成についての解説でも触れましたが、自身の頑張りについて説得力を持って伝えるためには、具体的な数値を用いて定量的に説明することが大切です。

順位や金額など、具体的な数字を挙げられるものは、可能な限りガクチカに取り入れていきましょう。

また、頑張ったことに関連して取得した資格などがあれば、そのことをアピールするのもおすすめです。

文字数指定がなければ300-400文字

ここまでは、文字数が指定されたガクチカの書き方について解説してきました。

しかし、企業によっては、自由記入の形で文字数を指定しないケースも見られます。

その場合、文字数の上限がないので、全体像がイメージしづらく、なかなかガクチカ作成に着手できない方もいるかもしれません。

そこで、ガクチカの文字数が指定されていない場合におすすめなのが、300文字から400文字程度で書くことです。

100文字や200文字で手短にまとめると、どうしても意欲が低く見えてしまう可能性があります。

無理にその文字数に当てはめようとした結果、理由やエピソードの提示が急ぎ足になってしまう場合もあるでしょう。

300文字から400文字程度であれば、短すぎたり、長すぎたりする印象を与えることはありません。

【文字数別のガクチカ】文字数調整時のポイント

次は、作成したガクチカの文字数を調整する際のポイントについて、解説します。

ここまで解説してきたように、文字数を指定されたガクチカは、基本的に指定の文字数内かつ、8割以上の分量を埋めるように作成しなくてはいけません。

しかし、一発で規定の文字数におさまるように書き上げられるケースは、あまり多くないでしょう。

多くの場合は、一度完成したガクチカの文章を減らしたり足したりして、文字数を調整することになります。

今回は、文字数を削る場合と増やす場合の双方について、便利なテクニックを解説します。

文字数を削るとき

超過した文字数を削減する方法としては、不要な部分を削る、言い換える、接続詞を変える、文末を短く言い換えるといった方法が考えられます。

削るべき不要な部分の具体例は、重複している情報や重要度の低い状況説明などです。

ただし、どの程度の情報が最低限必要なのかは、自分だけでは判断しにくい場合もあります。

不要な情報と一緒に必要な情報も削ってしまう可能性があるので、可能であれば、家族や友人といった第三者の意見も取り入れると良いでしょう。

単語の言い換えや接続詞の変更、文末の言い換えの場合、1箇所で削減できる文字数はそこまで多くありません。

それでも複数箇所を変更すれば、それなりの文字数を確保できるので、注意深く文字数減らせる部分がないかを探してみましょう。

400文字

私が学生時代に力を入れたことは簿記の資格取得です。

私は大学入学前から数学や物理など理系の科目が非常に得意であり、特に将来は経理関係の仕事に就きたいと常々考えていました。

そこで、より実践的なスキルを身につけるため、そして就職活動で一目で理解できる強みをアピールするためにも、日商簿記3級の資格を取得することに決めました。

思い立った翌日から毎朝、2時間早く起きて勉強に取り組み続け、1年後に日商簿記3級を取得することができました。

この経験を通じて、毎日継続して努力をすることの大切さを学んだだけでなく、朝の時間を有効活用することは頭が働きやすいことも知りました。

今後も毎日2時間の学習を続け、2級・1級の取得に向けて勉強を続けるだけでなく、就職後も毎朝早起きを続けるつもりです。

就業前に経済新聞や業界のニュースを読み、業界の情報を仕入れ、知識のアップデートを続けたいと考えています。

200文字

私が学生時代に力を入れたことは簿記の資格取得です。

もともと理数系の科目が得意であったため、経理関係の仕事に就くためにも日商簿記の学習を始めることにしました。

毎朝2時間学習を続けることで着実に知識を習得し、1年後に無事3級に合格できました。

今後もこの毎朝の勉強時間を確保し、2級・1級を取得するだけでなく、入社後にもこの習慣を続け、業務に関する知識を磨き続ける所存です。

文字数を増やすとき

文字数が指定の8割に足りず、文字数を増やさなければいけない場合は、当時の自分の気持ちをガクチカ内に盛り込んでみましょう。

また、深堀りした内容を記述したり、今後の学びに重点を置いたりする方法が有効です。

自分の気持ちとしては、頑張ったことに取り組み始めた理由、頑張っている最中に感じた楽しさや辛さ、何らかの成果を出した際の感想などが挙げられます。

ガクチカは、就活生が物事に向き合う姿勢や、困難への対処法を把握するために聞かれる質問なので、その点を意識しておくと書くべき内容を選びやすいでしょう。

それでも文字数に余裕がある場合は、頑張ったことから得た学びの解説に記述を割くことによって、自身の成長性やポテンシャルがアピールできます。

一方、回りくどい表現や不要な説明で文字数を稼ぐと、悪い印象を与えてしまうので注意が必要です。

200文字

私が学生時代に力を入れて取り組んだのは、震災復興ボランティアの活動です。

自分の周囲にも、昨年の地震で被災した友人が多くいたので、誘われたのを機に瓦礫撤去と物資管理のボランティアに参加しました。

現場では、被災者のニーズをしっかり聞き取り、それをSNSで発信することにより、支援のミスマッチを減らすことに貢献できました。

ここで学んだコミュニケーションの重要性は、さまざまな場面で活かされています。

400文字

私が学生時代に力を入れたことは震災復興ボランティアとして活動することです。

自分の周囲にも昨年の地震で被災した友人が数多くおり、ともに震災復興を目指そうと誘われたため、瓦礫の撤去と物資管理のボランティアを始めました。

この活動を通して特に力を入れていたことは被災者のニーズをしっかりと聞き取り、それをSNSで発信することで支援のミスマッチを減らすことです。

例えば、水はもう十分に届いていたため毛布や紙おむつが必要であることや、まだまだ人員は足りないことなどをX、Instagramなど主要なSNS全てで共有したところ、投稿が拡散され、多くの物資が届きました。

ここで学んだことは、情報を的確にわかりやすく詰め込むことで、多くの方の目に届きやすくなること、そして的確なキャッチコピーは人の心を動かすということです。

この経験を活かし、貴社においてはSNSを活用した広報担当や広告のキャッチコピー作成において貢献する所存です。

【文字数別のガクチカ】例文紹介

次は、ここまで解説してきた内容をもとに、文字数別のガクチカの例文をご紹介します。

今回は100文字、200文字、300文字、400文字の指定に対して、それぞれ2つずつの例文を用意しました。

自身の経験から、ガクチカに使えるものを探しやすいように、それぞれ頑張ったことの内容は異なるものを採用しています。

ただし、各構成の分量や全体のバランスは、内容によって変わってきます。

無理に例文の構成に経験や行動を当てはめるのではなく、あくまで参考のサンプルケースとして、ガクチカ作成に役立ててみてください。

100字×資格取得 

私が学生時代に力を入れたのは、簿記の資格取得勉強です。

もともと経理関係に興味があったので、1日2時間の勉強を1年間続け、日商簿記3級を取得しました。

現在は2級の取得に向けて、さらなる勉強に励んでいます。

200字×部活動

私が学生時代にとくに力を入れたのは、テニス部の副部長としての活動です。

そのテニス部は、学内でもとくに規模が大きく、部長ですら全体の把握が困難な状態でした。

そこで、副部長として部長や各グループのリーダーと連絡を取って現状把握を行い、大会日程や練習状況をまとめて見られるWebページを作りました。

このことから学んだ人と人をつなぐことの大切さは、チームで仕事をするうえで役立てられると考えています。

300字×アルバイト

私は学生時代、ファミリーレストランで接客のアルバイトに力を入れていました。

しかし、自分がアルバイトを始めた当時、そのレストランはリピーターが少なく、系列店の中でも売上が低迷していたのです。

そこで、店長やマネージャーと相談し、入口やテーブルの掃除の強化、雑に済ませているスタッフが多かった挨拶の改善などの施策を行った結果、自分が働いていた2年間で売上が30%アップしました。

この点についてはマネージャーからも評価され、本社での報告も任されています。

アルバイトを通して学んだ、課題についての解決策を考える思考力と、周囲と協力してそれを実行する行動力は、自身の中で大切な学びとなっています。

500字×インターン

私が学生時代に力を入れたことはサービス業界のインターンシップでの業務改善プロジェクトへの取り組みです。

顧客満足度を向上させるための現場運営に興味を持ち、自分の分析力と課題解決能力を試したいと考えたからです。

インターンシップでは顧客アンケートの分析と店舗運営の改善案の提案が主な役割でした。としました。

店舗運営に関する課題としてピーク時の待ち時間が長いことが挙げられていたため、アンケート結果を基に、顧客の滞在時間や混雑する時間帯について分析を行いました。

その結果、ピーク時にスタッフが足りず、業務の分担も非効率的であることがわかりました。

そこでスタッフ間のタスク分担を再編成し、混雑が予測される時間帯に応じて柔軟に配置を調整する新しいシフト案を提案し、スタッフが迅速に対応できる体制を整えました。

その結果、シフト案を試験導入した店舗ではピーク時の平均待ち時間が従来の20%短縮され、アンケートでの顧客満足度も向上しました。

この経験を通じて、現場の課題を的確に分析し、チームと連携しながら解決策を実行に移す力を培いました。

貴社に入社後はこの経験で培った分析力や課題解決力を活かし、現場の改善や業務の効率化に積極的に取り組みたいと考えています。

400字×サークル

私が学生時代に力を入れて打ち込んだのは、インターカレッジダンスサークルの活動です。

友人に誘われて行った発表会のパフォーマンスを見て参加を決めたので、活動を始めたのは2年生の秋頃と少し遅めでした。

そのサークルは参加者が200名を超えており、踊るダンスのジャンルはさまざまでしたが、ほぼ全員が経験者です。

そこでダンス未経験の私は、3年秋の大会出場を目標に定め、少しでも皆に追いつくために先輩や同級生の練習を見学し、教本やビデオを借りて練習を重ねました。

また、積極的にサークルメンバーとコミュニケーションを取り、アドバイスをもらったり、一緒に踊ったりすることも重視しました。

その結果、サークル内でも15名しか選ばれない地区大会の代表に選抜され、個人演技で準優勝をもらえたのです。

好きなものに未経験でも飛び込み、あらゆる方法で努力して目標を達成した成功体験は、自分の中で大きな自信となっています。

600字×留学

私が学生時代に力を入れたことは大学3年次に参加した半年間の留学で、現地学生との共同プロジェクトを通じて問題解決力と協調性を養うことです。

異文化の中で自分の視野を広げ、学業だけでなく実践的なスキルを身に付けることを目指し、留学しました。

私は国際関係学を専攻しており、理論だけではなく、多様な価値観や考え方が交錯する環境での実践的な経験が将来のキャリアに役立つと考えたからです。

留学中は現地の大学で都市部のプラスチックごみ削減をテーマとしたプロジェクトに参加し、計画の策定から実施、そして結果の分析と報告書の作成までを担当しました。

しかし、チームが多国籍なこともあり、意見が対立し、議論がまとまりませんでした。

そこで私はまず全員の意見を改めて整理するために議論を提案し、現地の文化や価値観を尊重しながら、自分の意見を分かりやすく伝える工夫も重ねました。

その結果、チーム全員が納得できる形で解決策をまとめることができ、提案したプランは大学主催の発表会で高く評価されました。

この経験を通じて、私は課題解決において重要なことは個々の意見を尊重しつつ、全体の目標に向けて議論を収束させる調整力だと学びました。

貴社に就職後はこの留学経験で培った問題解決力や調整力、そして相手にわかりやすく伝える能力を活かし、貴社の課題解決や業務改善に貢献したいと考えています。

チームでのプロジェクトにおいて多様な意見をまとめ、実現可能な解決策を提案することで、組織全体の効率化や成果向上に貢献する所存です。

【文字数別のガクチカ】完成度を高めるには

次は、ガクチカの完成度をさらに高める方法について解説します。

就職活動は、人生の今後を決める重要なイベントであり、十分に対策を行う必要があります。

とくにガクチカは、就活生のスキルや個性がはっきりと表れる重要度の高い質問なので、万全の準備を整えて就職活動に臨んだほうが良いでしょう。

今回ご紹介する完成度を高める方法は、どの文字数で指定された場合でも活用できるものです。

実施に準備が必要な方法もあるので、できるだけ早い段階から動いておくことをおすすめします。

声に出して読んでみる

声に出して読んでみることは、志望動機や自己PR、ガクチカといった文章のクオリティを上げるために有効な方法の1つです。

人間はどれほど集中して作業をしても、誤字脱字といったミスが発生してしまいます。

厄介なことに、人間の脳は誤った内容でも都合良く解釈してしまうので、単に黙読で見返しただけでは、ミスに気付けないケースも少なくありません。

そこで役立つのが、目と脳だけを使うのではなく、音として声に出して読み上げる方法です。

1文字1文字を発声して音読することにより、ケアレスミスや不自然な表現、論理の飛躍などに気付きやすくなります。

後述するほかの方法より手軽に実践できるので、まずはガクチカが完成したら、この方法でチェックしてみると良いでしょう。

他の人に添削してもらう

他の人に添削を依頼し、自分以外の視点を取り入れることも、完成度を高めるためには有効な方法です。

先述した声に出して読み上げる方法は、誤りを自覚できるようなケアレスミスこそ発見しやすくなるものの、そもそも用法を勘違いして覚えている言葉や、癖が表出したような誤りにはなかなか気付けません。

自分では完璧だと思ったガクチカが、採用担当者には違った受け取られ方をする可能性もあります。

なるべく多角的な視点で、内容を精査することが大切です。

1人だけに依頼すると意見が偏る可能性があるので、なるべく複数人に依頼すると良いでしょう。

また、自分のことをよく知らない相手や、専門分野が違う相手に添削を依頼することによって、専門的な用語や内輪にだけ通じる話題を使っていないかが判断できます。

就活エージェントに相談してみよう

他人に添削を依頼する方法は、ガクチカの完成度を高めるために有効な対策の1つです。

しかし、誰でも身近に添削を依頼できる知人がいるとは限りません。

また、家族や友人、学校の教員は、就職活動の専門家ではないため、誤った内容の指摘をされたり、重大なミスを見逃されたりする可能性もあります。

そういったケースを避けるためにおすすめなのが、ジョブコミットの就活エージェントに相談する方法です。

ジョブコミットには、就活のプロとして豊富な知識と経験を持つエージェントが多数在籍しており、無料でESの添削を実施してもらえます。

面接練習もしてもらえるので、就職活動に力を入れたいけれど、なかなか時間が確保できない方にとくにおすすめです。

少しでも就職活動の成功率を上げたい方は、ジョブコミットの利用を検討してみてください。

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おわりに

ガクチカで指定される文字数は、企業や選考の段階によって異なります。

採用担当者に良い印象を与えるガクチカを作成するためには、どの程度の文字数が指定されても過不足なく内容をまとめられるように、準備をしておかなければなりません。

指定された文字数や時間に合わせて内容をまとめる能力は、社会人になってからも役に立ちます。

その練習も兼ねて、さまざまなボリュームのガクチカの作り方にチャレンジしてみると良いでしょう。

今回解説したおすすめの構成やポイントを活用し、ぜひ内定を勝ち取ってください。

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