はじめに
「メガベンチャー」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
「ベンチャー企業はよく聞くが、メガベンチャーは聞きなれない」という方もいるかもしれません。
今回は、メガベンチャーとは何か、メガベンチャーに就職するとどのようなメリットがあるのかについて紹介します。
後半では、おすすめのメガベンチャー企業の一覧と企業の情報を紹介しています。
就活準備している学生、ベンチャー企業へ就職したいと考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
メガベンチャーとは
大規模に成長したベンチャー企業のことをメガベンチャーと呼びますが、明確な定義はありません。
新しいビジネススタイルや新しいサービスを提供するものがベンチャー企業です。
通常、ベンチャー企業は今後大きな成長を目指す企業であるため、企業自体は比較的小規模なことが大半であると言えるでしょう。
今までにないサービスを提供することで大企業へと発展してきたメガベンチャーは、IT関連の企業であることが多いです。
この背景には、30年ほどで爆発的な発達を遂げてきたインターネットが影響しているようです。
インターネットに関連する新しいサービスの提供によって、大企業へと発展できたメガベンチャー企業をいくつか思いついた方もいるのではないでしょうか。
メガベンチャーに就職するメリット
ベンチャー企業の中でも、大きく成長を遂げられた企業がメガベンチャーであると説明しました。
ベンチャー企業の中でも、ひときわ大きく成長を遂げたメガベンチャーでは、ビジネスにおけるノウハウなど、学べるものが多いはずです。
次からは、メガベンチャーへ就職するメリットについてお伝えしていきます。
ここでは、自分の考えが表現しやすいこと、結果に見合った報酬がもらえること、若いうちからスキルアップを見込めることの3点についてくわしく説明していきます。
自分の考えを表現しやすい
まず1つ目は、自分の考えを表現しやすいことがあげられます。
そもそもベンチャー企業では、年功序列といった雰囲気はほかの企業と比べてほとんど見られず、勤続年数よりも個人の実力を高く評価する傾向があります。
これはメガベンチャーについても同様です。
上も下の立場も関係なくさまざまな意見を交わすことで、これまでにない新しいサービスを提供し、メガベンチャーと呼ばれるほど大きく成長を遂げられたとも言えるでしょう。
そのため、入社して間もない頃から先輩と同じように意見を述べることができます。
「会社を通してさらに自分自身を成長させたい」「みんなと意見を交わしてより良いものを作り出していきたい」という方には、とてもうれしいメリットではないでしょうか。
結果に見合った報酬がもらえる
2つ目は、結果に見合う報酬をもらえることです。
先ほど1つ目のメリットで、メガベンチャーでは年功序列のような雰囲気はなく、実力主義の企業であるとお伝えしました。
個人の実力をとても重視するメガベンチャーでは、結果を出せると、それに見合った報酬をもらえます。
実力をきちんと評価してくれて、それに見合う報酬をもらえることは、仕事に対するモチベーションの向上につながるでしょう。
しかし、役職や年次に関係なく個人としての実力を常に求められるため、自分よりも後輩の立場が上になっていたということも多々あるようです。
実力次第で報酬を上げられますが、必ずしも段階的に報酬が上がっていく保証はないので、能動的に仕事をこなしていく姿勢が大切になると言えます。
若いうちからスキルアップを見込める
3目は、若いうちからスキルアップが見込めるという点です。
通常の一般企業では、大きな仕事はある程度経験してきた社員が任され、入社したての頃はなかなか責任ある仕事を任せてもらえないことが多いです。
さらに、プロジェクトなどにおいて、自分なりに思うことがあったとしても発言できる機会は少ないでしょう。
メガベンチャーでは、若手社員も意見を活発に述べられ、挑戦する機会も多く与えられています。
裁量の大きな仕事を任せてもらえることや、幅広い業務に携われるので、責任感やプレッシャーはその分大きくなりますが、さまざまなスキルが磨かれます。
将来的に独立や起業を考えているなど、自分自身のキャリア目標が描けている人には、早くから実践しながらビジネスにおいてのスキルを磨けるメガベンチャーは特におすすめです。
メガベンチャー一覧
メガベンチャーにはさまざまなメリットがあるとわかりました。
自分の実力を評価してくれ、それに見合う報酬をもらえて、さらには働きながらキャリアアップをするためのスキルを磨けるのが、メガベンチャーで就職するメリットです。
メガベンチャーについて、興味をもった方もいるのではないでしょうか。
続いては、注目のメガベンチャー企業10社についてそれぞれ企業の情報をご紹介します。
気になる企業があれば、より自分なりに調べて、より良い就職活動へつなげていきましょう。
楽天
現在、世界30ヵ国にビジネスを展開し、16億のユーザーが楽天サービスを利用しています。
日本のベンチャー企業の先駆者とも言える企業です。
事業としては、Eコマース・金融・通信など幅広く展開しており、楽天市場や楽天トラベルなどのサービスはユーザーから高く評価されています。
また、楽天では会社内に社員のためにさまざまな設備を充実させています。
たとえば、社員用に3食無料のカフェテリアや最新設備を備えたジム、託児所などが設置されてるのです。
オフィスでは、デスクの間に仕切りがなく、いつでも従業員同士で話ができるように工夫されています。
社員を大切にし、すべての場所において活発なコミュニケーションが取れるような環境を整えていることがわかります。
DeNA
この企業の事業はとても幅広く展開されています。
内容は、ゲーム・ライブストリーミング・ヘルスケア・スポーツ・エンターテインメント・AI研究開発・オートモーティブ・E コマースで事業を展開しています。
広く利用されているサービスとしては、ポコチャやモバゲーがあげられます。
これほど幅広く事業を展開している中で、社員一人ひとりが健康であるようにという想いを大切に持ち続けているのです。
社員の仕事におけるパフォーマンスを健康面からサポートするための部署が設置されており、カウンセラーや医師が常駐して、いつでも心と体についての相談が可能です。
また、仕事以外のライフイベントにも支援しており、それぞれに有給休暇を細かく設定され、ベビーシッターや保育料の補助手当も支給しています。
業務以外でも全社員が健康で過ごせるようにという想いが伝わります。
Yahoo
1996年に国内ではじめての商用検索サイトを設立しました。
サービスは非常に多種多彩で、映画情報サイト・カーナビアプリ・キッズ専用安心安全なインターネットの提供・無料動画サービスGYAO!だけでなく、ユーザー同士で気軽に疑問を解決し合えるYahoo!知恵袋などもあります。
こうしたサービスを提供する背景には、情報技術の力で日本をより便利にしたいという想いをミッションとして掲げていることがあげられるでしょう。
オフィスでは、あえて机をジグザグにしてさまざまな情報や人と接する機会を増やす工夫がされており、会議スペースにはカフェにいるようなインテリアを設置して、リラックスして意見交換ができるようになっているようです。
社員のキャリア支援も充実しており、専門知識や語学力向上のため、最長2年間の休暇が取得できる制度を設置しています。
LINE
コミュニケーションアプリである、LINEとLINEプラットフォームの二本柱で事業を展開しています。
LINEプラットフォームとは、動画や音楽が中心のコンテンツ・プラットフォームと決済や求人などのライフ・プラットフォームがあります。
サービスとしては、LINE Pay・LINE Music・LINEなどがあげられ、すでに利用している人も多いのではないでしょうか。
働く環境も整えられており、ワンタッチでデスクの高さを変えられるので、気分に合わせて仕事ができるでしょう。
また、無料の朝食提供や社内カフェの設置、マッサージ師の常駐など、快適に働けるサービスが充実しています。
さらに、心と体の両面が健康でいられるよう、健康・子育て・スキルアップなどの費用を補助する制度が用意されています。
ぐるなび
1989年に設立し、2005年に上場した企業です。
現在ではグルメ情報「ぐるなび」や結婚式情報「ぐるなびウェディング」のサービスを提供するほか、店内ICT化・販促以外の業務支援を拡大して、飲食店のサポートを目的としています。
ぐるなび事業に加盟している飲食店は50万点以上におよんでいます。
最近では、外国人受け入れ促進のために諸外国メディアとの連携や、メニューの多言語化にも力を入れているようです。
コロナ禍をきっかけにリモートワーク中心で全社員が勤務しており、今後はリモートワークと出社どちらも可能とするHybrid型の働き方を目指しています。
また、柔軟な働き方を選択できるようにフレックスタイム制を導入し、社員同士の親睦を深められるようにクラブ活動を設立するなど、ワークライフバランスの充実がはかられているそうです。
リクルート
1963年に設立し、創業から50年以上事業を展開し続けています。
社員全員が経営者主義を唱えており、新規事業が生まれやすく、チャレンジしやすい環境であると言えます。
必要な情報を求めるユーザーと企業が最適なマッチングを実現し、双方が満足することを目指すリボンモデルというビジネスモデルを生み出しました。
創業以来、このリボンモデルを大切にして、先進的なテクノロジーを活用しながら社会のニーズに応えるよう進化し続けています。
サービスとしては、リクナビやゼクシィ・じゃらん・SUUMOなど人々の身近な生活に寄り添うようなジャンルを提供しています。
働き方については、フレックスタイム制やリモートワーク、育児や介護のための時短勤務を導入しているので、柔軟に自分に合った働き方を選択できるようです。
2021年度から年間平均週休2.8日となり「社員全員が有意義に休みを活用できている」との声が上がっています。
サイバーエージェント
1998年に設立してから、わずか2年で上場した企業です。
事業はメディア・ゲームインターネット・投資育成・その他事業に分かれています。
サービスとしては、タップルやグランブルファンタジー、アメーバブログなどを提供しています。
現在力を入れている分野は、AIとDXで、AIについては2016年にAIの研究開発組織を設立しました。
AIの研究・開発体制については国内外で高く評価されており、AIの開発を進め、新しい広告表現と価値の提供が行われています。
働き方についても常に改革を続け、女性が出産をしても社会で活躍できるよう、育児・妊活に関する休暇や認可外保育園料の補助など独自で設けた8つの制度を設置しています。
メルカリ
フリマアプリで有名なメルカリを提供している企業です。
アクティブユーザー数は約2,000万人いるといわれ、多くの人が利用しています。
創業時から変わらないものは「大胆にやろう」「全ては成功のために」「プロフェッショナルであれ」という3つのバリューです。
この信念に社員全員が共感し合い、過度な社内ルールは設けず、楽しく働くことを大切に考えています。
働き方については、時短勤務・フルフレックス・シフト制の3種類で、社員が自由に選択できるような環境を整えているようです。
また、有料セミナーの費用全額補助やビジネスに関する書籍費用全額補助、副業の推奨など、ビジネススキルを磨くことにもサポートしてくれます。
ただ、採用人数がメガベンチャーの中では少ないので、入社するには狭き門であると言えそうです。
DMM
1998年に情報配信サイトメイン事業として設立しました。
現在では、人材・ゲーム・金融・テーマパークなど幅広い分野で事業を展開しています。
サービスとしては、DMM英会話やDMMFX、チームラボプラネッツTOKYOなどを提供しています。
会員登録者数は2,900万人で、日本の5人に1人がDMMのサービスを利用したことがあるという計算になり、企業としてとても大きく成長したと言えるでしょう。
その実績を築き上げた根幹は「おもしろそうと思ったらすぐに事業として成り立つか検討し、実行する」というスピード感にあるようです。
働き方については、フレックスタイム制度を導入しています。
そのほか、資格受験の費用の負担、チームビルディングを目的としたオンライン交流開催の場合、自宅へ3,300円相当の食事や飲み物をデリバリーしてくれるおもしろい制度が取り入れられています。
ビズリーチ
2009年に創業してから12年で上場を果たしました。
転職サイトのビズリーチや人材活用プラットフォームであるHRMOSなど、インターネットと人材事業をかけあわせた事業が展開されています。
一人ひとりのキャリアを大切にしており、半年に一度社内異動の公募をしているようです。
入社して配属されていた部署とは違う部署で、さらに学びたいという想いへ柔軟に応えてくれるのかもしれません。
オフィスの環境については、バリスタ常駐の社内カフェがあり、カウンタースペースなど個人で集中して仕事をしたいときに使えるスペースも設置されています。
また、産業界が必要とする、リーダーを生み出し続けられるように開発されたプログラムを受講できる制度もあります。
自分に合ったメガベンチャー企業を選ぶポイント
メガベンチャー企業10社について説明しましたが、上場しても進化し続けたいという強い想いが見えてきます。
また、事業を展開していくうえで、働く社員のことをとても大切なパートナーであると考えていることが伝わりました。
サービスを生み出す人や、環境を整えることの重要性を認識している企業がメガベンチャーへと成長しているのかもしれません。
続いては、自分に合ったメガベンチャー企業を選ぶポイントについてお伝えします。
ポイントは3つで、事業内容に共感できるか・社内の雰囲気を見ること・福利厚生を確認することの3点です。
事業内容に共感できるか
まず1つ目は、事業内容に共感できるかどうかです。
メガベンチャーで働く人たちは「日々仲間と切磋琢磨して新しいサービスを開発したい」「もっとより良いものを提供したいと」とても熱い気持ちをもっていることが多いです。
そのような雰囲気の中で働く際に、会社の方向性と自分自身がマッチしていないとなるとどうなるでしょうか。
自分がなんのために仕事をしているのかわからなくなり、仕事に対するモチベーションの低下につながりかねません。
そのような事態にならないよう、就職活動を進める時点で事業内容などの情報をしっかり収集し、自分に合った企業を探すことに時間をかけましょう。
企業側も、自分たちの想いを知ってもらいたいと、さまざまな情報を載せています。
社内の雰囲気を見る
2つ目は、社内の雰囲気を知ることです。
おだやかな雰囲気であるのか、体育会系な雰囲気であるのかといった社風は、企業によってさまざまです。
どちらの雰囲気も、そこの企業で働く人たちにとっては大切な社風であり、企業自体をチーム全員で盛り上げていこうとしています。
自分のタイプと社風が合わない場合、素敵なチームであるのに居心地の悪さを感じてしまうこともあるかもしれません。
そのようなミスマッチを防ぐために、事前に企業で働く社員に聞いてみたり、インターンに参加してみたりして情報を集めましょう。
無理に社風に合わせようとするのではなく自分のタイプに合った環境で働くことで、より快適に無理なく自分の力を発揮して働けます。
福利厚生を確認
3つ目は、福利厚生を確認することです。
特に、仕事だけでなくプライベートも充実させたい人は、どのような休暇があるのか、産休育休制度などについても調べてみましょう。
書籍の購入・資格受験・有料セミナーの参加などスキルアップをするための費用補助や、数年間勤務すると約2週間から1ヶ月ほどの休暇が付与されることもあります。
なかには、産休育休制度だけでなく、不妊治療の休暇や卵子凍結の費用を補助する企業もあります。
今回紹介したメガベンチャー企業の中で「心身が健康であってほしい」という想いを込めて、さまざまな制度を導入している企業が多くありました。
ワークライフバランスが尊重されるようになってきた現在、自分はどうすればより充実したプライベートを過ごせるのか検討し、福利厚生を確認することも大切です。
おわりに
メガベンチャーという言葉は聞きなれなくても、メガベンチャー企業を目にすると、とても有名な企業ばかりだったのではないでしょうか。
大きく成長しているけれど、現状に甘んじることなく、自分たちの思いを大切に進化しようとしているのがメガベンチャーで働く人たちのモチベーションです。
このような環境で働くと、ビジネススキルだけでなく、仕事に対する考え方などさまざまな刺激を受けられそうです。
現在就職活動している方は、多くの情報を集めて、自分に合った環境で仲間と切磋琢磨しながら働けることを願っています。