はじめに
OB訪問をした際にメモを取る人は多いのですが、気をつけないとマナー違反をしたり、OBの方に不快な思いをさせたりしてしまうかもしれません。
OBの方が在籍している企業を志望する場合などは就活の結果にも響くこともあるため、マナーや注意点はしっかりと押さえたいものです。
この記事では、OB訪問をしたときのメモの取り方をわかりやすく解説しています。
せっかくOBの方と会って話ができるのですから、失礼になることがないよう気をつけ、良い機会にしましょう。
【OB訪問のメモの取り方】OB訪問は必ずメモを取るようにしよう
OB訪問は、メモを取ることは前提として準備していきましょう。
筆記用具と、メモ帳や小さめのノートなどを必ず持参し、いつでも取り出しやすい状態にしておきます。
まったくメモを取らないでいると、OBの方の話を軽視しているように受け取られてしまうかもしれません。
「自分が話したことを忘れても良い内容だと判断されている」と思うと不快に思うのは当然ですし、話す側もやる気を削がれてしまいます。
メモを取ることで、真剣に向き合っている態度を見せられます。
真剣に話を聞いてもらえていると思うと、OBの方もより真剣に向き合ってくれるでしょう。
挨拶などは顔を見てしっかりと行いますが、座って話をするときや、OBの方が何か説明してくれたときなどは、すぐにメモを取るための姿勢を見せましょう。
【OB訪問のメモの取り方】メモを取る際のマナー
必ずメモは取るようにすべきですが、なんでもかんでも、ただメモすれば良いわけではありません。
相手が話している最中に、視線をそらしかばんやポケットを漁るような行動は、相手に不審感を抱かせてしまう可能性があります。
失礼に当たることもあります。
視線がそれたり、何か別の作業をしたりするような動作は、話を聞いていないように見えることがあるからです。
メモを取る際に、相手に不快な思いをさせたり失礼な態度となったりしないよう、以下のマナーをきちんと守りましょう。
メモをする前に許可を取る
メモをすること自体はマナー違反ではありません。
むしろ真剣に話を聞こうとしている姿勢のあらわれであるため、好印象です。
座って話を聞くときや、相手が詳細なことを真剣に説明してくれているときなどは、必ずメモを取るべきです。
しかし、勝手にメモを取り始めるのはマナー違反と言えます。
話を聞くときは、基本的に話している人の方を見ていなくてはいけません。
視線がそれると、意識がそれているように見られてしまう可能性があります。
増してやメモを取る場合、筆記用具などを取り出したり、書くためにずっと俯き加減になってしまったりしてしまいます。
メモをする前に、必ず許可を取りましょう。
視線をそらし、私物を触ることになるため、相手に「これからもきちんと話を聞くつもりだ」という意志を事前に伝えることが大切です。
メモは手書きで取る
基本的に、メモは手書きで取りましょう。
「スマホのほうが便利」と感じる人もいるかもしれませんが、避けたほうが無難です。
なぜなら、話をしている最中にスマホを使われると悪印象を抱かれることがあるからです。
スマホはほかの人とのコミュニケーションを取ったり、ゲームをしたりといろいろなことができます。
メモを取るときも、SNSをやるときも、ゲームをするときも、スマホを操作している動作は同じようなものです。
そのためスマホでメモを取ると、遊んでいたり退屈に感じていたりする印象を抱かせてしまうことがあります。
意識がそれて、話を聞いてもらえていないようにOBの方が感じるかもしれません。
そんなつもりはなくても、相手がどう印象を抱くかはわからないため、メモは手書きにしましょう。
iPadやノートパソコンはどうか
iPadやノートパソコンも基本的にはスマホと同じです。
メモを取る手段としては使わないほうが無難です。
こちらも相手に不審感を抱かれる原因になります。
相手が画面をずっと見られるわけではないので、正直相手からは何をしているのかわからない状態になってしまうでしょう。
一生懸命メモを取っていたとしても、ゲームをしている様子やほかの調べごとなどをしている様子と、操作している姿は大差なく見えます。
遊んでいることを疑われたり、何をしているのか疑問に思われたりする時点で悪印象です。
パソコンの使用を前提としていて、すでに開いている状態で話す場合など、特殊な場合を除いて、パソコンでメモは取らないほうが良いでしょう。
どうしても使いたい場合は、パソコンを使ってメモを取って良いかどうか、相手へ確認してからにしましょう。
食事中のメモは避ける
OB訪問では飲食をしながら話を聞くこともできます。
建前としてお茶を出された場合ではなく、一緒に食事をする場合のことです。
食事ではコミュニケーションが優先されるため、メモを取るのは控えましょう。
マナー違反になってしまいます。
一緒に食事を取りながら話をする場合には、話し手のほうをしっかりと見て相づちをうったり、自分の考えを述べたりするなどしてコミュニケーションを重視しましょう。
メモを取らなくて良いからといって、食事中に話していたことを忘れて良いわけではありません。
大切だと思ったことは、食事が終わってから忘れないうちにしっかりとメモしておきましょう。
このとき話したことを覚えていて、次回会ったときに、話題にできると好印象です。
【OB訪問のメモの取り方】OB訪問の事前準備
OB訪問は貴重な機会です。
実際に働いている人の生の声からは、ネットだけでは得られないような多くの情報を得られるため、就活へ大いに役立てられます。
しかし事前準備をおこたると、せっかくの機会が無駄になってしまう可能性は否めません。
OB訪問で最大限のメリットを得て今後へ活かすためにも、やっておくべき事前準備を紹介します。
もしOB訪問のチャンスがあったら、チャンスを逃さないためにも、ぜひこれらを準備してから訪れるようにしてください。
企業研究を入念に行っておく
訪問に行く企業のことはしっかりと調べておきましょう。
OB訪問では必ず質問タイムがあります。
企業研究を行っていないと、そもそも聞きたいことが出てきません。
また、調べればすぐにわかるような、企業が公開している情報を聞くのは失礼に当たります。
なぜなら、事前に調べていないことを公言しているようなものだからです。
企業のホームページなど、インターネットから得られる情報は最低限押さえておく必要があります。
企業理念はもちろん、企業の規模やルーツなども把握しておきましょう。
扱っている商品やサービスもできる限り知っておきましょう。
企業についてくわしくなってから行けば、OB訪問での話も理解しやすくなり、そこでしか聞けないようなことを質問できるようになります。
OBへの質問内容をメモしておく
質問タイムは時間に限りがあります。
OBの方がプライベートでいつでもやり取りしてくれるわけではありません。
OB訪問時の質問タイムで聞きたいことが思い浮かばないまま、時間が過ぎてしまえば、もう二度と質問できないかもしれません。
質問事項は、あらかじめ考えてメモをして行きましょう。
OBの方に会って話を聞いてから質問を考えようとしても、緊張していたり、聞いた話を理解するのにいっぱいいっぱいになっていたりして、質問が思い浮かばなくなることもあります。
歯切れの悪い発言をしてしまっても悪印象になってしまいます。
事前に情報収集した段階で出てきた疑問点をメモしていき、OBの人の話を聞いて解決できなかったものを簡潔に質問すると良いでしょう。
待ち合わせ場所を事前にチェックしておく
遅刻をしてはいけません。
日本社会では遅刻が信用問題に関わることがあります。
OBの方は忙しい中、時間の都合をつけてくれていることは、忘れてはいけません。
相手を待たせれば、その相手の時間を無駄にすることとなります。
待ち合わせの場所や日時はきちんと確認して、間違いのないようにしましょう。
駅やバスなど乗り換えがある場合は、乗り継ぎの場所や時間なども必ず事前に調べておいてください。
当日、予期せぬトラブルが起こる可能性も否めません。
待ち合わせ時間の15分から30分程前には到着できるよう、余裕をもって出発しましょう。
もしどうしても遅刻してしまうようであれば、なぜ、どのくらい遅れるのか必ず連絡を入れてください。
【OB訪問のメモの取り方】OB訪問を行う際の服装
服装の指定が特にないのであれば、スーツで行くのが無難です。
相手が知り合いの場合でも、スーツを着用しましょう。
ほかの社員と会う可能性もありますし、会社に赴くなら、そこでほかの来客に会う可能性があるからです。
会ってくれるOBに迷惑をかけないためにも、どのような人物に会っても失礼のない服装にすべきです。
また、スーツといったきちんとした格好をして行くことで、真剣さや誠意も伝わります。
もしスーツではなく私服で来るよう指定があった場合は、オフィスカジュアルの私服で行きましょう。
Tシャツやジーパンなどカジュアルすぎるものや、露出の多いものは避け、赤や緑など目立つ色も控えてください。
黒や紺などを基調としたシンプルなデザインで、綿やウールなど上品な素材がおすすめです。
【OB訪問のメモの取り方】OB訪問をする際の持ち物
OB訪問をする際に、忘れてはいけない持ち物を紹介します。
できるだけ荷物は少なくしたいと考える人もいるかもしれませんが、最低限これだけは持って行きましょう。
また、このほかにもOBから指定があった物は必ず持参してください。
忘れてしまうとやる気がないように見えたり、第一志望ではないと思われたりするかもしれません。
相手に対しても失礼に当たり、自分も不便な思いをすることになるかもしれないため、忘れ物をしないように気をつけましょう。
筆記用具・ノート
メモを取るためにも、筆記用具とノートは必須です。
訪問先で借りることもできるかもしれませんが、印象は良くありません。
「そもそもメモを取る気がなかった」と思われる可能性も高いですし、準備不足や注意力に欠けた印象をもたれてしまいます。
OB訪問に限らず、会社説明会や面接会場など就活に関連するイベントには、必ず筆記用具類を持って行きましょう。
選考に受かって入社書類を取りに行くなど、短時間の訪問でも、何か説明を聞いたり書いたりすることがあります。
大きなノートや筆箱はかさばって持ち運ぶのが大変なので、できるだけコンパクトな物のほうが良いでしょう。
かばんを置いて移動したり、忘れてしまったりするおそれがあるため、胸ポケットなどに小さめのメモ帳とボールペンを用意しておくのがおすすめです。
腕時計
普段、腕時計を使用しない人は多いようです。
時間を確認するだけであれば、腕時計でなくても良いからです。
基本的にスマートフォンはいつでも持ち歩いていますし、建物内や街中にもあちこちに時計があります。
それでも、OB訪問時には腕時計をつけていきましょう。
これからの就活でのほかの場面でも必要になりますし、社会人として働く際にもつけるようになる可能性が高いです。
スマートフォンで時間を確認すると、メモを取るときと同じ理由で、不快に感じる人がいるからです。
また、自分のためだけではなく、ビジネスパートナーや同僚など、周囲の人のために時間を確認するような場面もあります。
時計がない場所ですぐに時間を教えてあげられるような、相手への気づかいを示す意味でも、腕時計をつけるようにしましょう。
履歴書・エントリーシート
必要というわけではありませんが、持って行くと就活に役立つかもしれません。
周囲の就活生との差をつけるチャンスがあるかもしれないため、持参しましょう。
自分のことを説明する際に、履歴書があると、短時間で正確な情報が伝わりやすいです。
当日は緊張してしまったり、うまく話せなかったりすることもあるかもしれません。
落ちついた環境で丁寧に書いた履歴書があると、自分の正確な情報を簡潔に伝えられます。
エントリーシートも同様です。
さらにエントリーシートは、その企業とのずれがあった場合など、OBから指摘してもらえる可能性があります。
アドバイスをもらえる良い機会なので、できればエントリーシートも見てもらうことが望ましいです。
【OB訪問のメモの取り方】ベンチャーのOB訪問をする際に質問するべきこと
質問は事前に考えメモして行き、当日OBの方の話を聞きながら解決できなかったものや、より具体的に知りたいことなどを洗い出してから聞くようにしましょう。
特にベンチャー企業の場合は少数精鋭の社員で構成されているため、OBの方の話がそのまま企業の全体像を表現していたり、核心をついていたりします。
また、良い質問ができればOBに好印象を与え、選考にも良い影響をおよぼすかもしれません。
事前に以下のポイントを中心に、質問を考えてみましょう。
入社したら具体的にどんな業務に取り組むか
ベンチャー企業では、経験の少ない若いうちから1人で大きなプロジェクトを任されるなど、責任のある仕事をする場合があります。
そのため華やかなイメージをもっている人も多いでしょう。
ただし、具体的にどのような作業をこなしているのかをわかっている就活生は多くありません。
実際に仕事を始めてから、理想と現実のギャップを大きく感じて辞めてしまう人もいます。
理想と現実のギャップを埋めるためにも、具体的な業務内容を聞いておくことが大切です。
その企業が提供している商品やサービスについて、しっかりと下調べをしたうえで、社員がどのような業務を行っているのかを聞いてみてください。
企業全体で行っていることではなく、社員個人にフォーカスした質問をしてみましょう。
どのような経験ができて、どんなスキルが身につくか
その企業で仕事をすることで得られる経験や、スキルがどのようなものかを想像してみましょう。
業種や関わる業界などからおよその予測はできるかもしれませんが、期待とは違う可能性もあります。
望んでいる経験や磨きたいスキルがあるのなら、その企業で実現できるのかどうか聞ける良い機会です。
また、思いもしなかった良い経験ができたり、意外なスキルが身につけられたりすることもあります。
OB個人の体験なども聞いてみると良いかもしれません。
将来、転職や独立を考えている人であれば、なおさら仕事での経験やスキルは気になるところでしょう。
将来の計画や数年後の目標を設定するためにも役立つため、仕事で得られる経験やスキルについてはぜひ聞くようにしてください。
普段の生活について聞く
OBの方の私生活についても聞いてみましょう。
仕事を続けていくためには私生活を充実させることが必要です。
仕事とプライベートをきっちり分けたい人もいれば、仕事が好きで私生活もほとんど仕事につながることをしている人もいるなど個人差があるため、自分に合った生活ができるのかどうか確かめることが大切だと言えます。
フレックスタイム制やリモートワークなど、自由な働き方を魅力として宣伝しているベンチャー企業は多いですが、勤務時間や休日の日数など実態は想像しにくいものです。
説明会や面接では聞きにくい内容でもあります。
重役や大人数の前では聞きにくいような、踏み込んだ内容も聞けるのがOB訪問の良いところです。
失礼に当たらないように配慮しつつ、その企業に入るデメリットも探ってみてください。
おわりに
OB訪問をする際は、必ずメモを取りましょう。
スマートフォンやパソコンだと失礼になることがあるため、メモを取っても良いかどうか聞いてから、手書きで取るようにしてください。
また、カジュアルすぎる服装で行ったり、遅刻をしたりとマナー違反がないよう十分気をつけてください。
具体的な業務内容や身につけられるスキル、私生活や仕事とのバランスなど、聞きたいことは事前に考えて質問をメモしてから訪問すると、有意義な訪問になるでしょう。