はじめに
周りが続々と内定を手にして就活を終えている中で、自分だけ内定が出ていない、これほどにストレスを感じる状況はないでしょう。
特に、夏前になると構内でリクルートスーツを着ている学生も徐々に減りだすため、より強く焦燥感を抱くかもしれません。
しかし、不安や焦りを抱えたままで今までと同じように就活を続けても、希望する条件で内定を得るのは難しいでしょう。
なぜ内定が出ないのか、その理由と対処法について話していきます。
内定がもらえないと悩んでいるのは自分だけじゃない
まず、内定が出ていないことを恥じる必要はありません。
成功者の体験はどうしても耳に入ってきますが、志望する業種によって採用のスケジュールは大きく異なります。
経団連に参加している企業は、広報解禁日が修了年次に入る前の3月1日、選考開始日が修了年次の6月1日と政府が定めているのはご存じでしょう。
しかし、経団連に参加していないベンチャーや外資系の企業は、早いところでは大学3年次の10月頃から選考がスタートします。
また、インターンに参加していれば優遇ルートで早めに内定が出る学生もいるため、学生によってスタート時点は大きく異なるのです。
そもそも6月の内定獲得率は約69%といわれています。
夏を迎える前にまだ3割の人が内定をもらえていないことになるため「自分だけ…」と状況を悲観するのにはまだ早いのです。
内定がもらえない5つの理由
このように、6月時点で内定が出ていないことは決して珍しくありません。
そして、内定が出ない理由も学生の事情や志望する業界によるため、一概に言えるものではないのです。
しかし、内定をなかなか得られない学生には、ある共通する特徴があるともいわれているのです。
特に良く見受けられる理由を5つピックアップしました。
自分に当てはまることはないのか、客観的な目線で考えてみてください。
該当する項目を見つけ、対策を考えることが状況改善の一歩となるでしょう。
自己分析が足りていない
自己分析は十分にできていますか。
自己分析とは、過去を振り返る中で自分の思考を整理する作業のことを指します。
定番の自分史だけではなく、思考を蜘蛛の巣上に広げるマインドマップ・他人の認識と自分の認識のずれを確認するためのジョハリの窓・モチベーショングラフなど、さまざまな方法が推奨されています。
俯瞰な視点であらためて自分を見つめる中で、強みや価値観やキャリアプランなどが明確になってくるのです。
「もちろん自己分析をした」という方がほとんどでしょう。
しかし、自己分析には明確なゴールが存在しないため、どれだけやれば正解という基準はありません。
むしろ就活を進めていく中で自己分析の答えが変わる可能性もあるので、何度も繰り返すことが理想です。
内定が出ないのであれば、自己分析をやり直して自分の中にある就活の軸を見直してみましょう。
企業研究が足りていない
今まで受けた企業について、きちんと調べてから採用試験に臨んでいたか振り返ってください。
企業のホームページを見ることだけを企業研究とは言いません。
企業の概要を理解するのは企業研究において、最初の一歩に過ぎないのです。
企業が近年力を入れているもしくは勢いのある事業は何か、また今後どのような方向性を目指しているのかをIR情報やニュースや新聞記事を見て把握しましょう。
また、同業他社と比較し、主力製品の特長や強みもきちんと理解し、説明できるようにしておくことをおすすめします。
そのために経営陣が書いた著書に目を通すなどすると、より本気度を感じさせるでしょう。
あらゆる角度から企業を見ることで、自分なりの視点で語れるように準備しておきましょう。
ESの添削が足りていない
もし書類選考の時点で落選が続いているのであれば、ESの書き方に問題があるのかもしれません。
志望動機が熱意を感じさせられない、薄っぺらいものになっていませんか。
または、ガクチカが日記のようになっていて、経験にともなう感情や学びの表現が希薄になっている可能性もあります。
最悪の場合、誤字があるまま出しているかもしれないのです。
ESは企業も学生に対する第一印象を決めるだけでなく、採用試験の最後まで資料として面接官のもとにあるものです。
ベストな状態で提出できるように、スケジュールに余裕をもって書き上げ、キャリアセンターや就活エージェントに添削してもらいましょう。
また、より完成度を上げたいのであれば、志望する企業もしくは同じ業種として働いている先輩に見てもらうことをおすすめします。
面接の対策が足りていない
面接まで進むけどなかなか次のステップに進めないという学生は、面接の対策が不十分である可能性もあげられます。
まず、落ちる学生に良く見受けられるのは、面接で緊張するあまりに質問の内容を問わず「自分の用意した回答」を答えてしまうため、対話が成り立っていないという印象を与えてしまうパターンです。
定番の質問に対して回答を整理しておくことはもちろん大切ですが、自己分析をおろそかにしてこの質問にはこの回答、とQ&A式に用意していると陥りがちなミスと言えます。
先ほど述べたように、自己分析や企業研究をして、しっかりと自分の内面や企業を理解していれば、どのような質問が来ても自然に答えられるでしょう。
しかし、面接の最後の「何か質問はありますか」という逆質問については、ほかの学生と重複しても別の質問ができるように、いくつか用意しておくことをおすすめします。
マナーが身についていない
身だしなみやマナーに問題があるケースも非常に多く見受けられます。
人は見た目や話し方で相手の印象を決めるといわれています。
まず、スーツのシャツに汚れやしわがないか・靴やかばんが汚れていないか・髪型が乱れていないか・メイクは華美でないかなど、清潔感に今一度目を配ってください。
また、話すときの表情やトーンに問題がある可能性も視野に入れましょう。
相手の目を見て、笑顔で快活に話す、それだけで好印象を与えられるのです。
しかし、逆に言えば目線をそらしながらぼそぼそと話せば、どんな素晴らしいエピソードも魅力的には聞こえません。
自分の癖を客観的な視点で理解するのは難しいため、録画するか家族や友人に見てもらいアドバイスを受けると良いでしょう。
内定がもらえないときの対処法
さまざまなケースを述べましたが、不採用になる理由は、すべて学生側にあるとは言い切れません。
しかし、学生自身の準備不足による心理状態が、面接官に不安要素を感じさせていることは否めないでしょう。
自分の至らないところがわかったら、もしくは「何がダメなのかわからない」と頭を抱えている人も、さっそく風向きを変えるために行動を起こしましょう。
特に効果があるといわれている4つの方法をご紹介します。
取り入れられるものから試してみてください。
OB訪問をする
OB・OG訪問をして、なかなか聞けない企業内部の情報を聞いてみましょう。
早い人は大学3年次の夏頃から取り入れており、大学3年の11月〜2月頃がおすすめとされているOB・OG訪問ですが、夏頃でも遅すぎることはありません。
業務の細かい内容だけではなく、社風や活躍している人の姿を間近で見られるOB ・OG訪問は、企業研究を深める貴重な機会です。
急いでいるからといって、月末や繁忙期などに依頼するのは常識が欠けるので避けてください。
多くの企業は12月末・3月末・6月末・9月末に4半期決算があるため、その時期は業務が非常に忙しくなります。
依頼する時間帯は早朝・ランチタイム・夜など業務の時間帯以外が好ましいため、相手のスケジュールを確認したうえで失礼のないように依頼しましょう。
先輩に相談する
就活を終えた先輩に相談するのも効果的です。
最近まで就活していたために、面接の質問の動向や、ほかの学生の回答パターンなどフレッシュな情報をもっています。
また、プロとは違う学生側の視点で見た就活を語ってくれるため、もっとも身近な立場で相談に乗ってくれる貴重な存在と言えます。
ESの添削をしてもらうのも良いでしょうし、模擬面接をお願いするのもおすすめです。
そして、ただ話や愚痴を聞いてもらう存在としても、先輩は最適な存在です。
共に就活をする同級生には、相手の状況が気になり、話せないような悩みや苦悩はあるでしょう。
見栄を張らずにすべて吐き出し聞いてもらうことで、ストレス解消にもなるはずです。
心おきなく話せる先輩がいるのなら、お願いしてみましょう。
キャリアセンターを利用する
大学のキャリアセンターに相談をしてみるのも1つの方法です。
キャリアセンターでは、在学中の学生なら誰でも利用は無料のサービスで、半数以上の学生が利用しているといわれています。
最近ではプロのキャリアカウンセラーを常駐させる学校も増えました。
ESの添削や面接のアドバイスや模擬面接を行ってくれるだけではなく「この大学から来てほしい」と持ち込まれた、一般公開していない求人情報を持っていることもあります。
先ほど述べたOGやOBとコンタクトを取り、直接連絡できる状態にしてくれます。
OB・OG訪問のアプリもありますが、相手からしたら大学からのオファーのほうが信頼度は上がる傾向にあるのでおすすめです。
一度も行ったことがないのであれば、足を運んでみると思わぬ効果があるかもしれません。
就活エージェントを利用する
就活エージェントとは、専任のキャリアコンサルタントが就職活動の始めから終わりまでを支援してくれるサービスです。
存在を知っていても、説明会や面接の情報収集や予約に利用しているだけで、上手に活用できている学生は少ないように思います。
就活を長年見てきたプロ中のプロが、さまざまな角度から学生をサポートしてくれることはご存じでしょうか。
ジョブコミットは、経験豊富な専属のアドバイザーが優良企業を紹介してくれるだけではなく、企業別の選考対策を何度でも行います。
また、内定後の入社準備や入社後に役立つスキルの研修まで用意しており、手厚く学生をフォローしてくれることで知られています。
気になる方はまず無料登録をしてみてください。
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内定がもらえないときのNG行動
なかなか思うように就活が進まないときは、自分だけで抱え込まずに、第三者に相談するのがおすすめです。
自分を正しく理解するということは、意外と難しいことと言えます。
物事がうまくいかないときはなおさらです。
今の自分の考えや行動に至らない点がないか、相談しながら考え直したほうが良いでしょう。
そして、内定が出ないときに陥りがちな、NG方法についてもお伝えしましょう。
負のスパイラルへ落ちないためにも、こうならないように持ちこたえてください。
ただただエントリー数を増やす
ありがちなのが、焦ってスケジュールが許す限りエントリー数を増やすパターンです。
視野を広げて、今まで見ていなかった業界も視野に入れるのは良いことです。
しかし、ただ打数を増やすだけでは1つの企業にかけられる準備の時間が減るため、面接やESのクオリティが今まで以下になる可能性が高くなります。
また、ろくに研究もせずに受けて受かった企業に仮に入社できたとしても、「こんなはずじゃなかった」とミスマッチを感じ、後悔する可能性が高くなります。
新卒で入社する企業がすべてではありませんが、この語のキャリアの方向性を決める、非常に貴重な機会であることを忘れないでください。
焦る気持ちを抑えて、しっかりと準備をできる20社程度に収めるのが理想です。
相性の問題として片付ける
失敗を原因に、モチベーションが下がったまま就活を続けるのは好ましくありませんが、原因を企業に押し付けるのは論外です。
「縁がなかっただけ」「相性が良くなかった」という言い訳も、一理あるとは言えます。
実際に企業は採用条件として学生とのマッチングをかなり重視しているため、学生は優秀だけど自社には合わないというケースも見受けられます。
しかし、何社もお祈りメールが続くのであれば、自分にも何か問題があると考えるのが自然でしょう。
落ちた原因を分析せず、相手のせいにして次の選考に臨んでも、自分に何の改善も見られないため、また失敗に終わる可能性が高くなります。
自分の至らぬ点と向き合うのはつらいことですが、内定獲得へ一番の近道なのです。
まとめ
内定獲得に至らない学生は、自己分析や企業研究など、どこかしら詰めの甘いケースが多いのです。
また、不採用が続くあまりに自信を失い、それが態度にあらわれている可能性もあります。
企業によって採用基準は異なりますが「一緒に働きたい」と思われるかどうかが、採用の決定打となるのは変わらないでしょう。
自分が企業だったらどのような学生を採用したいですか。
自社を強く志望しており、質問に快活に答えられる素直な学生ではないでしょうか。
そうなるためにはどうすれば良いか、さまざまな角度から考えてみてください