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はじめに
面接試験では、さまざまな質問が面接官から出されますが、その中でも決まってよく聞かれるものがいくつもあります。
たとえば、志望先の業界や企業を選んだ理由や、あなた自身の強み・弱みといった内容は、どこの企業を受けても高い確率でたずねられる質問です。
こうした出てきやすいものについては、事前に回答を整理しておくとスムーズに答えられるため、あらかじめ考えをまとめておいたほうが良いでしょう。
当記事では、特に面接で聞かれる質問について、回答の例と考え方を紹介しています。
面接対策のため、ぜひ参考にしてみてください。
面接時によく聞かれる質問と回答例
どの企業でもよく聞かれることとして、1番にあげられるのは志望動機です。
「なぜこの業界を志望しているのか」「なぜこの会社に応募しようと思ったのか」といったように聞かれた際の回答は、まず考えておいた方が良いでしょう。
また、強みと弱みについての質問や、ガクチカについても、わかりやすく答えられるよう考えをまとめることが大切と言えるでしょう。
企業によっては、あなたの就活の軸について質問をする場合もあります。
就活を進めるうえで意識しているかもしれませんが、今一度振り返っておきましょう。
なぜこの業界を志望しているのか
「私がコンサルティング業界を志望している理由は、経営者それぞれの悩みや課題に合わせ、柔軟なサポートを行うことができるからです。
特に、自分の提案したことに納得していただき、より良い経営結果を目標にして力を尽くすことに大きなやりがいがあります。
私も企業を支えるコンサルタントとして、課題の解決や要望の実現を支え、さまざまな人の役に立ちたいと考えています。」
業界を志望した理由について聞かれた場合、気をつけたいのは類似する業界と差別化し、こだわりを持って選んだかという点です。
「近い仕事をしている業界は選ぼうと思わなかったのか」と深掘りされる可能性もあるため、企業や業界の情報を整理し、考えをまとめておきましょう。
なぜこの企業を志望しているのか
「御社の中小企業をメインターゲットに絞り、規模感に合った経営コンサルティングを行うというビジネスモデルに共感したからです。
私の父は小さな板金修理工場を経営しており、その際に御社のコンサルティングを利用して、経営を立て直した経験があります。
父の希望や悩みに真剣に向き合ってくださる姿を実際に拝見し、また中小企業一つひとつに全力で取り組むその社風にも惹かれ、御社で活躍したいと考えるようになりました。」
同じ業界に、いくつも似たような仕事をしている会社があります。
そうした企業との差別化できるポイントを明確に答えられるかどうかがポイントです。
HPや説明会、OB訪問などを通じて企業の特徴を確認し、スムーズに答えられるよう準備をしておきましょう。
自分の強みと弱みは何か
「私の強みは集中力です。
小さい頃そろばんを習っており、決まった時間の中で気を散らさずに取り組むくせが身についています。
この集中力は、事務作業のアルバイトでもよく発揮していて、勤務先の上司からも評価されています。
また、私の弱みは心配性なところです。
ちょっとしたことでも見落としていないか心配になりがちで、書類の作成時に何度も確認してしまい、締め切りギリギリの提出になってしまったことが何度かあります。
こうした部分を改善するために、確認が必要なことをまずリストにまとめ、可視化することで効率的に進めるなどして取り組んでいます。」
弱みや強みが発揮されたエピソードを付け加えて話すと、その内容に説得力が増します。
また、弱みをそのまま伝えてしまうと、面接官からマイナスな印象に捉えられてしまいます。
改善に向けて努力していることを具体的な形で答えたほうが良いでしょう。
学生時代に力を入れたことは何か
「学生時代はマーケティングインターンに力を入れて取り組みました。
研修先では、自社媒体を通じてターゲットのニーズを捉え、そこからPV数を伸ばすための仮説を立て、実際に記事に盛り込む形で公開しました。
その結果、掲載記事の平均PV数を、3ヶ月で250%に増加させることに成功したのです。
この研修で学んだニーズ把握意識は、御社でも発揮してマーケティングの強化につなげたいと考えています。」
ガクチカについて答える場合は、結果だけではなくその過程についても深く話せるようにしておくことが大切です。
その際、成果や変化など数値であらわせるものについては、具体的な数字を出したほうが良いでしょう。
また、経験から学んだこと、入社後に活かせそうなこともあわせて話すと、より印象づけられます。
就活の軸は何か
「私の就活の軸は、中小ビジネスの成長を支える仕事に携わることです。
日本には優秀な製品や技術を持ちながらマーケティング力が不足しているため、宣伝広告や、さらなる開発ができないといった課題を抱える中小企業が増えているとゼミで学びました。
御社は、そのような中小企業を中心にマーケティング支援を行い、技術と経営を結び付けるための取り組みをされていると知り、そのビジネスモデルに大いに共感いたしました。
自分もまた御社で活躍し、中小ビジネスの成長に貢献したいと考えております。」
就活の軸を答える際は、あなたがその考えをもつに至った経緯を語ることが重要です。
説得力のある根拠を示すという意味でも、はっきりと経緯を答えましょう。
面接官が質問をする理由
面接官がこれまでにあげたような質問をしてくるのはなぜでしょうか。
学生にこういった質問をするのにはさまざまな理由があり、特に学生の志望度を見ることが目的となっている場合が多いです。
また、学生がどのような経験をしてスキルを得てきたのかや、学生の志向や意識が自社の目指すものとマッチしているかを見るうえでも、こうした質問を重視しています。
当記事では、代表的な3つの理由について、それぞれくわしく見ていきましょう。
志望度を見るため
面接官が質問をするのは、学生の志望の度合いが実際にどれだけ高いのか確認しておきたいという理由があります。
近年は複数の企業に並行して応募し、内定を受けたうちの1つを選んで入社する学生が多くなっています。
そのため、内定を出したのに学生が辞退する場合も少なくありません。
そのような状況から、確実に企業へ来てくれる学生かどうかを見極めるために、志望度の高さをチェックしているのです。
内定を受けたからといって、必ず入社する義務はありませんが、明らかに滑り止めと思って受けていると思われれば、相手から印象は悪くなります。
面接をクリアして内定を取りたいのであれば、どの企業を受ける場合でも、しっかりと志望度の高さをアピールしたほうが良いでしょう。
学生のスキルを知るため
面接官が質問を行うにあたっては、学生がこれまでどのようなこと経験をし、どんなスキルを身につけてきたのかを知る目的があります。
企業側は、学生が学業や課外活動・習いごと・アルバイトといったさまざまな場所で経験を積み重ね学んだことが、その人にとってどのような強みになっているのかを知りたいと考えています。
資格や技能経験といった目に見えるものだけでなく、考え方や心掛け方・物事に取り組む姿勢について情報を得たうえで、相手が自社で活かせる人材かどうかを判断したいからです。
したがって、ただ一方的に自分の強みを主張するだけでなく、あなた自身の強みがその企業で働くことに結び付くかどうかも考えて答えたほうが良いでしょう。
自社とマッチしているかを知るため
3つ目の理由としてあげられるのが、企業のビジョンや業務のやり方と、あなた自身の特徴がマッチしているかを知ることです。
せっかく内定を受けたのに「雰囲気が合わない」と辞退してしまったり、企業に入っても業務内容や職場の空気になじめず辞めてしまったりする場合があります。
そのようなミスマッチでの離職を防ぎ、お互いに納得して働いていくために、あなたの考え方や仕事に求めるものが、企業の特徴とマッチしているかどうかチェックしているのです。
もちろん、学生側も企業選びの際に自分とのマッチングを意識していると思います。
あなた自身が「この会社で働きたい」と意思表示するにあたっては、そうした方向性の合致をアピールし、入社後に一員として働けることを主張しましょう。
面接回答時に意識するべきこと
面接で質問に答える際、その場の間に合わせで回答してしまうと、相手に良くない印象を与えてしまいます。
また、何を伝えたいのか明確にして話すことを意識して答えないと、面接官にあなたの思いや熱意は伝わりません。
このように、面接においては意識して心掛けるべきポイントがいくつもあります。
当記事では特に重要な結論ファースト・話し方・志望度の高さといった3つのポイントについて取り上げ、解説します。
ぜひ参考にしてください。
結論ファーストを意識
面接官の質問に答える際は、結論を先に述べる論法である結論ファーストを意識して文章を組み立てることが大切です。
最初に質問に対する答えとして「私はこうである」と示すことで、あなたが何を伝えたいのか主題をはっきりさせられます。
特に、志望動機やあなたの強み・弱みといったことを答える際に効果的なのが、PREP法という考え方です。
これは、まずPoint(結論)を置き、続いてReason(理由)・Example(例)、最後にもう一度Pointを述べる形でまとめる方法です。
主題を明確にしたうえで、具体的な理由やエピソードを出して掘り下げていくため、相手にわかりやすく内容を伝えられます。
回答の際には必ず意識したほうが良いでしょう。
ハキハキ話す
面接においては、回答する内容だけでなく、あなた自身の話し方によって、相手の受け取り方が変わってきます。
たとえ考えのまとめられた答えであっても、ぼそぼそと不明瞭な話し方をしていると、自信なさげな印象になってしまいます。
あなたの熱意や決心が面接官にもしっかりと伝わるよう、口調や語気には気をつけるべきでしょう。
また、オンライン面接の場合は、マイクやスピーカーなどの機器によって声がこもりやすくなり、相手に聞こえにくくなることがあります。
事前にマイクの感度や場所を調整することはもちろん大切ですが、話す際も相手が聞き取りやすいトーンや速さを意識し、スピーカー越しでも聞き取りやすい口調で答えるようにしましょう。
志望度の高さをアピール
複数企業の採用選考を受けていると、どうしても第一志望とそうでない企業とで熱意に差が生まれてしまうものです。
しかし、企業側としては内定を出して、確実に入社してくれる学生であることが一番望ましいと考えています。
面接官は、あなたが本気でこの会社に入りたいかどうかを真剣にチェックしているため、生半可な熱量で面接に臨んでいれば、簡単に見抜かれてしまうでしょう。
また、どの企業でも同じことを答えていないか見るために「他社と比較して何が魅力的か」「どうしてこの企業でないといけないのか」といった質問の掘り下げをしてくる場合があります。
きちんと企業と本気で向き合い、お互い納得したうえで内定を受けるためにも、常に第一志望に応募しているつもりで相手を分析し、万全の状態で面接に臨みましょう。
面接前に事前に準備しておくべきこと
面接ではよくある質問以外にもさまざまなことをたずねられるため、なんの準備もなく挑むと回答に詰まってしまったり、意味不明な答え方をしたりしてしまう可能性があります。
また、会場までのルートや集合時間の把握をしておくことは、精神的な余裕やトラブル回避の点で重要です。
こういった面接前に準備しておくべきことを事前に知っておくのも、大切だと言えるでしょう。
当記事では代表的な3つのポイントについて解説するので、面接に挑む前にチェックしておきましょう。
企業や業界のリサーチ
面接では、その業界や企業に応募するにあたって、調べているであろう情報をふまえた質問が出てくることもあります。
また、志望動機や就活の軸を答える際には、あなたが業界をどうリサーチし、どのように理解しているかといった視点も大切になってきます。
その業界に対する理解や、志望する企業の理念やビジネスモデルへの理解を深めておけば、そうした質問に対してもはっきりと回答できるでしょう。
面接時に「きちんと深い知識をもって挑んでいる」と判断されれば、あなた自身の業界や、企業に対する熱意の強さも一緒に伝えられるのです。
調べておいて損はないので、さまざまな媒体から業界をリサーチし、手に入れた情報をまとめておきましょう。
入念な自己分析
あなた自身の強みや弱みを冷静に見つめ、客観的な立場から伝えるためには、しっかりと自己分析を行っておくことが大切です。
企業側も診断テストや書類選考を通してあなたの特徴をチェックしていますが、強みを具体的にどう活かしていけるのか、弱い部分をいかにして克服しているのかといった情報は、あなた自身が言葉を使って答えなければ伝わりません。
あなた自身の特徴が今どのように活用されているのか、あらためて見つめ直してみると良いでしょう。
また、弱みについて正直に答えて良いか悩む方もいますが、改善に向かって取り組んでいることをあげれば、決してマイナスな印象にはなりません。
自分の強みを活かし、あるいは弱みを克服して、志望企業や職種で貢献したいと答えられるとなお良いでしょう。
時間や場所の確認
面接の内容に直接絡むことではありませんが、事前にどの場所でいつ行われるかの情報は、前もって確かめておきましょう。
直前に行き先や開始時間の認識が間違っていると、時間通りに開始できないトラブルが発生したり、精神的な余裕を確保できないまま挑むことになったりしてしまいます。
特に、今日ではオンライン面接を実施している企業も多いため、面接試験がオフラインなのかオンラインなのかはきちんと確認しておきましょう。
また、面接会場まで距離がある場合は、当日に交通機関のトラブル等で遅れる可能性も考え、余裕のあるスケジュールを立てておいたほうが安心です。
当日までの天気予報や交通機関各社からのお知らせもチェックしながら、万全の状態で面接に臨めるよう準備しましょう。
おわりに
当記事では面接の質問について、よく聞かれる内容への回答例と、押さえるべきポイントを解説しました。
企業によって個別の質問もありますが、志望動機やガクチカについては、どの業界や企業でも同様にたずねられる内容です。
前もってどう答えるべきか考えておくことで、十分な面接対策になるでしょう。
また、想定していなかった質問について対応するために、業界研究や自己分析を行っておくことは大切です。
よくある質問への対策だけに留まらず、面接練習などを通して、実際の受け答えに慣れておくとより良いでしょう。