就活の軸をワークライフバランスと答えるのはアリ?ポイントも合わせて解説

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【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】はじめに

就活をはじめたばかりの就活生のみなさん、「ワークライフバランス」についての理解は十分でしょうか。

ひと昔前の世代を見ると、プライベートの時間などなく、昼夜を問わずに働き通すスタイルが当たり前という話を聞いたことがあるかもしれません。

とくに激務の仕事に追われて大変そうにしている人が身近にいればいるほど、ワークライフバランスを就活の軸に置くことに抵抗を感じる人は少ないでしょう。

果たして「ワークライフバランス」は就活の軸になり得るのか、詳しくお伝えしていきます。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】そもそも就活の軸とは

ワークライフバランスを語る前に、まずは就活の軸について触れておきます。

就活の軸とは読んで字のごとく、就職活動を進めていくうえでの自分の軸となる根拠や考え方のことです。

具体的には、業界や企業、職種を選ぶ際にこれだけは絶対に譲れない条件のことで、この軸をしっかりと持つことが就職活動の第一歩ともいわれています。

仕事を通じて将来自分がどうなりたいのかといった長期的展望と合わせて、考えていく必要があるでしょう。

エントリーする企業選び・業界選びの基準となる条件

就活生の立場から見た就活の軸は、世の中に無数にある企業の中から、実際にエントリーする企業をピックアップするための条件のことです。

建前ではなく、自分の意思がベースとなるため、「本音の就活の軸」と呼ばれることもあります。

最終的に数社の企業を絞り込むにあたって、まずは業界から選んでいく方法が一般的ですが、ある程度やりたいことや具体的な業務内容の方向性が決まっている場合は、職種を先に決めてから業界、そして企業を選定していく方法もあるでしょう。

具体的な項目としては、例えば「原則転勤なし・成果に応じた報酬・30代で年収〇円可能・希望者は海外勤務あり・リモートワーク体制完備」など、待遇や賃金報酬にかかる就業条件が主な内容です。

自身が働く企業に望む条件といっても良いかもしれません。

また、就活の軸は言い換えると、「この条件でなければエントリーしたくない」という自分にとっての最低限の基準であるともいえます。

志望動機や志望度の裏付けのため面接官が質問するもの

一方、企業の立場から見た就活の軸は、就活生の志望動機に対する根拠や裏付けを確かめるために、採用担当者から質問される概念でもあるのです。

自社への志望動機とその理由に整合性がとれているか、また志望度合いは高いか否か、そういったことを確かめるために、面接官は直接的ではないにせよ、就活の軸について質問する傾向が多く見られます。

基本的に、志望動機の根拠となる説明としては、業界や企業に統一性があり、志望理由として説得力のあるものを準備しておく必要があります。

例えば、人材業界における営業職を志望するような場合、

「これまでの人生でさまざまな人からのアドバイスがあって今の自分が成り立っている。これからは自分のスキルが多くの人の役に立てるような業界で働いてみたい。その中でもとくに営業職を希望する理由は、自身の努力が目に見える形で会社や社会に貢献できるのではないかと考えたからです。」

といった回答を用意しておくと、志望動機と就活の軸に一貫性が生まれ、好感触を得られやすいでしょう。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】ワークライフバランスって就活の軸にしてもいい?

ワークライフバランスを就活の軸にしようと考えている人に、お伝えしたいことがあります。

そもそもワークライフバランスは就活の軸になり得るのでしょうか。

さまざまな視点の中で、ワークライフバランスを自身の偽りのない本音として、業界や企業選びの軸にするのは問題ありません。

しかし、ESに記載したり、面接の際に「企業選びはワークライフバランスを最も重視しています」と自信を持って答えたりすることはあまり推奨できません。

その理由を以下で詳しくご説明します。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】なぜ面接でワークライフバランスが軸と答えることをお勧めしないのか

とくに面接などで「ワークライフバランスこそ就活で最も大切にしていることです」と答えるのは、少し考えた方が良いでしょう。

なぜなら、面接担当官はまだしも採用責任者ともなれば、相応の年代の方が多いと考えられます。

就活生よりもかなり上の世代の人たちにとって、ワークライフバランスはなかなか受け入れられない概念であるからです。

採用責任者クラスの世代の人たちが若い頃は、仕事が最優先という風潮が当たり前で、自分の時間も大切にしたいと考える現代の就活生の感覚には同調できない部分があるのでしょう。

新卒の立場でワークライフバランスを重視していることを強調すると、意図せずともこの学生は働く気があまりないと捉えられてしまいかねません。

「労働環境重視」の側面が強いワークライフバランスを企業選びの軸にしてしまうと、そうではないほかの応募者と比較した場合、どうしても企業からは熱意ややる気が不足しているのではと感じられてしまう傾向があるようです。

特にベンチャー企業の場合はオススメしない

優秀な人材を確保するため、快適な労働条件をアピールするベンチャー企業が増えてきたのは否定できません。

しかし、良好な労働条件はあくまで企業側が現従業員の働き方の質を上げたり、採用活動を有利に展開したりするための環境(条件)です。

自らの就活の軸であるワークライフバランスの基準に合っているからと、就活生が志望動機の理由とするのは考えものでしょう。

たとえ労働条件が良いとされていても、やはり基本的にベンチャー企業は自分のプライベートを顧みず、がむしゃらに働いて自己スキルを向上させるとともに、目標を達成するスタンスが主流です。

よってベンチャー企業を志望する場合は、たとえ就活の軸にワークライフバランスを据えていたとしても、別の角度から面接に臨むことをおすすめします。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】面接でワークライフバランスが軸だと答える際のポイント

働くことにおいて、ワークライフバランスを重視するのがダメだというわけではありません。

自分の時間を充実させるために働くという考え方も、一理あって当然です。

要は、考え方と伝え方といえます。

とくに面接でワークライフバランスが就活の軸だと答える際には、「自分なりの定義を述べること」「原体験を合わせて述べること」「その企業でないといけない理由を他に用意しておくこと」「他の質問も含めて働くことに後ろ向きであるというイメージを持たれる回答を避けること」の4つのポイントを意識してみてはいかがでしょうか。

ワークライフバランスの自分なりの定義を述べる

ワークライフバランスという言葉は曖昧で、自分の思い描いているものとはまったく違った意図で相手に伝わってしまうことがあります。

抽象的な側面を持つワークライフバランスについて、自分の考える定義をあらためて整理してみることが非常に大切です。

そして、整理したうえで言語化できるかどうかも確認してみましょう。

例えば、、、、

・「将来結婚して子どもができたとしても、男性の育児休暇を認めてくれるような会社を希望している。そのような会社は社員を大切にしていると考えられるからです」

・「仕事だけをがむしゃらにやるのではなく、自分の時間も大切にすることで心身ともに健康で長く働きたいと考えている。その方が結果的に会社に貢献できると確信している」

といった具合です。

このような具体的な考えを明確に伝えることは、「ワークライフバランスはただ単に自分の時間がほしいだけではないのか」という誤った認識の相違を払拭することにもつながり、ワークライフバランスを就活の軸にする理解も得られやすいのではないでしょうか。

そう考えるに至った原体験を合わせて述べる

面接において、ワークライフバランスこそが最も大事だと答えることはやはりデメリットがあります。

ワークライフバランスを重視する学生の第一印象としては、仕事よりも自分の時間が大事であるとのマイナスイメージを持たれてしまう可能性があるからです。

それでも面接でワークライフバランスが軸だと答えたいのであれば、そこまで思うに至った原体験を合わせて述べるようにしましょう。

例えば、、、、

「私の父は団塊の世代生まれで、とにかく仕事を優先する仕事人間でした。
家に帰ってきても私たち家族と話をする時間はわずかで、休日でも関係なく朝からスーツ姿で会社に向かう父の背中を、どこか寂しげな気持ちで見送っていたのをよく覚えています。
家庭よりも仕事を大事にする父のことを、結局最後まで理解することはできませんでした。
そんな父の影響から、私は温かい家庭、家族があってはじめて仕事も頑張れると考えるようになり、就活ではワークライフバランスを何よりも重視するに至りました。」

と付け加えると、相手にも納得してもらえるでしょう。

その企業でないといけない理由を他に用意しておく

就活の軸をワークライフバランスに据えた場合、業界や企業へのこだわりやどうしてもこの会社でなければならない理由が薄れてしまいます。

企業の採用担当者からすれば、ワークライフバランスだけを重視しているのなら、自社よりも就業環境の良い会社はたくさんあるだろうし、ほかにもワークライフバランスの要望を満たしてくれる企業など山ほどあるだろうと考えるのではないでしょうか。

一番重要視するポイントを軸として持つのは大切なことです。

しかし、その軸がワークライフバランスのみの場合、ほかに代替の効く企業が存在するので、ほかの応募者と比べると志望度合いがそれほど高くないと思われてしまいかねません。

志望度の高さをアピールするには、その企業でなければならない具体的な動機を準備し、第2・第3の軸として追加することをおすすめします。

少なくとも、ワークライフバランスの考えを実現できそうだと感じるには企業研究が必要で、その中で見えてきた企業の特徴を整理すると、新たな追加軸も見つかりやすいでしょう。

他の質問も含めて働くことに後ろ向きであるというイメージを持たれる回答を避ける

ワークライフバランスについて後ろ向きのイメージを持たれないためには、回答の仕方に工夫が必要です。

「入社してやりたいことは?」「自身が将来描く将来像は?」との質問に対し、「仕事やビジョンも大事ですが、まずはワークライフバランスを考えて、プライベートの時間を充実させていきたいと考えています」と答える学生に、働く意欲を見出すことは難しいでしょう。

企業に応募するには、どうしてもその会社で働きたい思いを伝える必要があります。

自分の時間も確保したいという考え方は、働く時間とプライベート時間の優先順位の付け方がやや自分本位になってしまっているのではないでしょうか。

少なくともワークライフバランスを軸にするには、働くことに前向きであることをアピールする必要があります。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】面接でワークライフバランスを軸として答えるかどうかは社風を見て判断する

最終的に、面接でワークライフバランスを軸として答えるかどうかは、社風を見て判断しましょう。

すべての社員ががむしゃらに働くことで、自身のみならず会社も成長していくことを掲げているベンチャー企業などは、ワークライフバランスを軸とする考え方に好印象を持ってもらうのは難しいといえます。

好印象を持たれないばかりか、ワークライフバランスを絶対視する人が仮にそのような会社に入った場合、社内の雰囲気とのギャップに悩んで苦しんでしまうことがあるかもしれません。

会社の考えと自分の考えが大きく異なっていれば、長く働き続けるのは難しいでしょう。

よって、ワークライフバランスに理解が得られないような会社は、そもそも受けないとする取捨選択が必要です。

面接でワークライフバランスが軸であると答えても悪い印象を持たれないようにするには、まずは社員の柔軟な働き方を推奨している企業を選ぶことが大切といえます。

企業風土をしっかりと見極めたうえで、さらにワークライフバランスを軸にした説得力のある理由と、その会社でなければならない強い志望動機を合わせて伝えるようにしましょう。

ワークライフバランスに寛大な社風を判断するポイントの一つは、フレックスタイム制の導入や福利厚生の充実度を確認することです。

【ワークライフバランスを就活の軸にしている人へ】まとめ

働くことに対する考え方は人それぞれです。

仕事が人生の中で一番大切だと感じる人もいれば、プライベートな時間こそが大事だと思う人もいるでしょう。

また、そのバランスを重視したいとする考えがまさに「ワークライフバランス」で、それを軸に就活を進めることは一つの選択肢です。

ただ、伝え方によってはマイナスの印象を与えてしまうこともありますので、これまでにお伝えしてきた「ワークライフバランスの特徴と面接での答え方」をぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。

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