就活生に人気の業界の1つが、金融です。
金融業と言っても、銀行や保険会社・信販会社などさまざまな企業があります。
その中の1つである証券会社とは、どのような企業なのでしょうか。
また、証券会社に入社すると、どのような業務を任されることになるのでしょう。
今回は、証券会社の概要や大手5社に関する情報、証券会社で執り行われている業務内容などを解説します。
証券会社への就職を考えている方・証券会社がどんな会社か知りたい方は、ぜひお読みください。
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証券会社について
証券会社に向いている人
証券会社の仕事内容
証券会社に興味がある人
証券会社の業界研究をしたい人
証券会社の仕事内容を知りたい人
【証券会社の業界研究】証券会社とは
この記事を開いてくれている人の多くは、証券会社についてある程度理解ができているでしょうが、簡単におさらいしておきましょう。
証券会社は、証券の発行市場や流通市場において仲介者としての役割を果たす会社です。
例えば、株式会社が新たに株式を発行する際に、会社に代わって投資家へ株式を売り出すなど、株式会社と投資家を結ぶ役割を果たしています。
また、流通市場においては投資家からの株式などの売買注文を受け付け、証券取引所につなぐといった、仲介者としての役割をこなすことが多いです。
・市場規模
・就職難易度
ビジネスモデル
証券会社のビジネスモデルは、金融市場での仲介業務を中心に様々なサービスを提供することで収益を確保しています。
具体的には、株式や債券など金融商品に関する取引の窓口としての役割を果たすことや、資産管理、投資銀行業務など、多岐にわたる業務を行っています。
また近年ではオンライン証券が台頭してきています。
オンライン証券は手数料が一般的に従来の手数料よりも低く設定されていますが、取引量が増えることで収益を得ています。
市場規模
証券会社は過去数年間、市場は安定した成長を送っています。
そして証券会社の2021年度の市場規模は3兆8570億円となっており、この金額は前年度よりも6.2%の減少となっています。
しかし今後も金融技術の進化(フィンテック)や規制緩和、国民の投資への意識の増大などにより、需要増加に伴い市場の成長が見込まれます。
中でもオンライン証券は成長中の市場であり、今後も市場シェア拡大が見込まれます。
就職難易度
証券会社全体の就職難易度は、そこまで高くはありません。
しかし証券会社の大手5社は年収が非常に高く、就活生からの人気も高いため就職難易度は高いといえるでしょう。
また金融の知識も必要になってくるため、証券会社を志望する就活生のレベルは高い可能性があります。
そのため自己分析や業界研究、企業研究などを入念に行い、「なぜ証券会社なのか」、「なぜその企業なのか」を明確にし、ほかの就活生と差別化を図りましょう。
【証券会社の業界研究】証券会社と銀行の違いとは
証券会社と銀行は混同されがちであるため、それぞれの違いについても理解しておきましょう。
証券会社は株式や投資信託、債券などの金融証券の提案を行い、金融証券を取引するための「仲介を行う」仕事です。
一方で銀行は、預金を受け入れ、貸付、送金などの基本的な金融サービスの提供を行います。
それぞれ業務内容は異なるため、混同しないようにしましょう。
【証券会社の業界研究】証券会社の現状
これから証券会社で働くにあたって、どのようなトレンドがあるのか、そしてどのような課題を抱えているのかについて理解しておきましょう。
面接においても業界理解について質問をされることは多いため、スムーズに答えられるよう対策しておく必要があります。
- ネット証券の台頭
- 顧客ニーズに多様化
- テクノロジーの進化
ネット証券の台頭
ネット証券の台頭は、証券業界に大きな変革をもたらしています。
ネット証券はインターネットを通じて取引を行うため、従来の証券会社に比べて手数料が低いことが特徴です。
このコスト構造により、多くの個人投資家がネット証券を利用するようになり、従来の証券会社も手数料を引き下げざるを得なくなりました。
さらに、ネット証券各社はサービスの差別化を目指して競争を激化させています。
例えば、取引手数料の無料化や独自の投資情報の提供、ポイントプログラムの導入など、多様なサービスを展開しています。
この競争の激化により、投資家にとって選択肢が広がり利便性が向上する一方で、証券会社にとっては厳しい市場環境であるといえます。
ネット証券の台頭により、従来の証券会社はビジネスモデルの転換を迫られており、デジタル化の推進や新たな収益源の開拓が重要課題であるといえるでしょう。
顧客ニーズの多様化
顧客のニーズが多様化していることも、証券会社における大きなトピックです。
近年、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資への関心が高まり、持続可能な投資商品への需要が増加しています。
投資家は企業の財務状況だけでなく、その社会的責任や環境への配慮も考慮した投資を行うようになっているのです。
このような動向に対応するため、証券会社はESG関連の商品ラインナップを拡充し、投資家に対して環境や社会に配慮した投資の魅力を訴求しています。
また、個人投資家の投資スタイルも多様化しており、高齢化社会の進展に伴って資産形成や年金運用に関心を持つ人が増えているのも特徴です。
証券会社はこのようなニーズにも対応するために、個別の投資相談やファイナンシャルプランニングサービスを強化しています。
顧客の多様なニーズに応えることこそ、証券会社の競争力を高める鍵となるのです。
テクノロジーの進化
テクノロジーの進化も、証券業界に大きな影響を与えているトピックの1つです。
AIやビッグデータの導入が盛んになり、アルゴリズム取引やロボアドバイザーの活用が強化されています。
これにより、取引の効率化やリスク管理の高度化が進んでいるのです。
例えば、アルゴリズムは大量のデータを分析し、最適な売買のタイミングを自動的に判断することで、人間の感情に左右されない精度の高い取引を実現しています。
また、ロボアドバイザーは個人の投資家に対して資産運用のアドバイスを提供し、手軽に投資を進められる環境を整えています。
さらに、オンラインの取引やモバイルアプリの開発も進んでおり、投資家はいつでもどこでも取引を行えるようになっているのです。
このようなテクノロジーの進化に対応するために、証券会社はデジタルインフラの整備や技術革新に積極的に取り組んでいます。
テクノロジーを活用することで、証券会社は競争力を維持し、新たなビジネスチャンスを創出することが求められているのです。
【証券会社の業界研究】証券会社の将来性
今後働くことになる業界であるため、将来性についても把握しておく必要があります。
将来長きにわたって自分が証券会社でキャリアを築くべきかどうか、判断材料としてください。
また、将来性についても面接で聞かれる可能性があるため、しっかりと確認し質問に答えられるようにしておきましょう。
- 若年層へのアプローチ
- グローバル展開
- 規制強化への対応
若年層へのアプローチ
証券会社の将来性を考える上で、若年層へのアプローチは非常に重要なトピックです。
NISAやiDeCo制度の浸透により、若年層の認知度は年々増加傾向にあります。
このような制度は税制上の優遇を通じて個人投資を促進するものであり、若年層にとっても資産形成の一環として利用しやすい制度です。
また、2022年度から高校の家庭科目に金融に関する内容が盛り込まれたことにより、若い世代の投資への意識も高まっています。
これにより、将来的には、さらに証券会社の顧客基盤が広がる可能性があるのです。
グローバル展開
少子高齢化に伴う人口減少が進む中、国内市場の成長は伸び悩むと考えられています。
これに対して、証券会社はアジアを中心としたグローバル展開を進めることで新たな成長機会を模索しています。
アジア地域は経済成長が著しく、若年層の人口も多いため、投資市場としてのポテンシャルが非常に高いのです。
証券会社は現地の市場ニーズや規制環境に適応した商品やサービスを提供することで、現地の投資家の信頼を獲得することが求められます。
また、現地のパートナー企業との協力を強化し、ネットワークを拡大することも重要です。
グローバル展開を成功させるためには、現地スタッフの育成やクロスボーダー取引の強化、文化や言語の壁を乗り越える戦略が必要です。
これにより、国内市場の成長の限界を補完し、持続的な成長を目指せるようになります。
規制の強化への対応
規制の強化への対応も、証券会社にとって避けては通れない課題です。
リスク管理や顧客の保護、取引規制が強化される中で、これらの規制に適切に対応しなければなりません。
証券会社は法令遵守の体制を整備し、内部監査やコンプライアンス部門を強化しなければなりません。
特に、顧客情報の保護や不正取引の防止、適切なリスク管理を徹底することは特に重要です。
これにより、顧客との信頼関係を構築し、長期的なビジネスの安定性を確保できます。
また、規制対応に伴うコストの増加を効率的に管理するためにデジタル技術の活用も重要です。
AIやビッグデータを活用したリスク分析や取引監視システムの導入により、規制対応を効率化し、コストの削減を目指している企業も多くあります。
【証券会社の業界研究】証券会社の大手5社比較
次に、証券会社の大手5社を比較してみましょう。
現在日本を代表する証券会社大手5社と言えば、野村証券・大和証券・SMBC日興証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、みずほ証券です。
5社の基本データを比較してみましょう。
・野村証券(収益:1兆3,356億円、平均年収:1,090万円、平均年齢:42.4歳)
・大和証券(収益:4,642億円、平均年収:1,219万円、平均年齢:40.3歳)
・SMBC日興証券(収益:2,628億円、平均年収:731万円、平均年齢40.5歳)
・三菱UFJモルガンスタンレー証券(収益:3880億円、平均年収733万円、平均年齢44.5歳)
・みずほ証券(収益:1731億円、平均年収736万円、平均年齢39歳)
どの企業も、日本を代表する大手企業であることは間違いありません。
野村証券
野村証券は国内最大手の証券会社で、大手3社同士で比較しても、規模が頭1つ抜けていると言えるほどの大企業です。
日本で初めて投資信託業務認可を受けた企業でもあり、長く日本の証券業界をけん引してきた老舗(1925年に大阪野村銀行の証券部門が分離する形で設立)と言えるでしょう。
野村證券の親会社・野村ホールディングスは、野村證券以外にも、数多くの金融企業を子会社に持ちます。
日本国内で展開するのは、野村アセットマネジメント・野村信託銀行などです。
さらに、野村ホールディングスはグローバル金融サービスグループとして、世界30か国・地域に拠点を持っていることも大きな特徴です。
野村証券の社員は日本だけでなく、世界中の金融市場に影響を与える仕事をしていると言えるでしょう。
大和証券
大和証券は、日本国内で野村証券に次ぐ、国内2番目の大手証券会社です。
この企業は、1943年に藤本証券・日本信託銀行が合併することにより設立されました。
野村證券・大和証券という国内上位2つの証券企業は、みずほなどメガバンクのフィナンシャルグループに属さない独立系であることが特徴です。
大和証券は、三井住友フィナンシャルグループと資本提携をしていましたが、これが2009年に解消されたことにより独立系になりました。
ただし現在、大和証券グループはネット銀行なども傘下に収めています。
大和証券は、アジアを中心に提供網を拡大している点も大きな特徴です。
もちろん、アメリカなどにも海外拠点を持っています。
社風については、ワークライフバランスの重視を強く打ち出している点が目立つ企業です。
SMBC日興証券
SMBC日興証券は、1920年に創業された日本の大手証券会社です。
これまでいくつもの証券会社と合併し、成長を遂げてきたことが大きな特徴と言えるでしょう。
アメリカ・シティグループの傘下だったこともありますが、その後三井住友フィナンシャルグループが証券事業を買収しました。
2011年、日興コーディアル証券株式会社から、SMBC日興証券株式会社に会社名が変わっています。
親会社に三井住友フィナンシャルグループという、3大金融グループの一角がいる点は、野村證券・大和証券と大きく違う点です。
三井住友フィナンシャルグループでは、三井住友銀行だけでなく、三井住友カード・SMBCコンシューマーファイナンス(消費者金融の「プロミス」)など多様な金融サービスを提供しています。
三菱UFJモルガンスタンレー証券
三菱UFJモルガンスタンレー証券は、三菱UFJファイナンシャルグループとモルガンスタンレーのジョイントベンチャーとして2010年5月に発足した比較的新しい企業です。
三菱UFJファイナンシャルグループの国内基盤とモルガンスタンレーのグローバルなリソースを融合させることで、強力な金融サービスを提供しています。
世界41カ国以上のネットワークを保有しており、グローバルな視点での投資銀行業務を展開しているのが特徴です。
株式、債券の引き受け売買、M&Aアドバイザリー、資本調達支援などを行い、多岐にわたる顧客のニーズに対応しています。
特に、国際的な企業との取引や大規模な資本市場取引において高い評価を得ている企業です。
みずほ証券
みずほ証券は、日本国内でも有数の強力なネットワークと専門性を誇る大手証券会社です。
最近、引き受け業務(国内公募債)では1位の実績を持ち、IPO(新規公開株)の主幹事業務でも2位という特徴があります。
企業の資金調達や市場デビューを強力にサポートしている企業といえます。
国内外に広範囲のネットワークを展開しており、国内には225拠点、海外には19拠点を構えています。
これにより、地域に根ざしたサービス提供と国際的なビジネス展開を両立しているのも特徴です。
特に国内市場において高い評価を受けており、国内外の投資家からの信頼も厚いです。
【証券会社の業界研究】証券会社の仕組み
次に証券会社の業務内容について紹介していきます。
証券会社は独特な業務内容が多いです。
そのためこの記事で主要となっている4つの業務についてみていきましょう。
- ブローカー業務
- ディーリング業務
- アンダーライター業務
- セリング業務
ブローカー業務
ブローカー業務は、企業や銀行と証券取引の仲介をする仕事です。
証券取引所で株を売りたい人・買いたい人の交渉を助け、仲介手数料を得ます。
この仲介手数料は、証券会社の主な収入源です。
なお、過去にこの委託手数料は、どの証券会社でも統一されていました。
しかし、日本版金融ビッグバン以降、この委託手数料は自由化されています。
そのため、今ではオンライン化で経費を削減したインターネット証券会社が、安い手数料をウリに台頭するようになってきました。
個人投資家でも株式の注文をしやすくなったため、この時代の流れを歓迎している方も多いでしょう。
一方、証券会社は、収入の多くを占めていた手数料収入の減少を、その他の手段で補うよう求められる時代です。
ディーリング業務
ディーラーが行うディーリング業務は、自社の資金で株式・債権・為替などを売買する仕事です。
証券会社は当然ながら、個人投資家よりずっと豊富な投資資金を保有しています。
ディーラーはその資金を投資に回し、利益を得るよう求められますが、当然投資に失敗して損をしてしまう可能性も否定できません。
豊富な金融知識・経験が求められるため、新卒で証券会社に入社した方が、いきなりディーリング業務を任されることは考えにくいでしょう。
責任の重いディーラーは、一度に数千万・億単位のお金を動かすこともあります。
ディーラーの仕事をするなら、常に株式市場の動向・世界の経済情勢をチェックしていなければなりません。
業務に就いている時間以外も、ニュースなどに敏感でなければならないでしょう。
アンダーライター業務
アンダーライター業務とは、他社の株式を売買して利益を上げる仕事です。
日本語で、引き受け業務と呼ばれることもあります。
具体的には、株式を発行した企業から株式・債権を買い受け、その売却先を探します。
発行企業は、証券会社に買い受けてもらうことにより、円滑な資金調達が可能です。
もちろん、証券会社は引き受け時に手数料を受け取って、利益を出します。
当然買い受ける際には、自社の資金を使うことになり、引き受けた株式が売れ残れば自社の損になってしまうでしょう。
業務の性質上、アンダーライターは資金力が豊富な大手証券会社でなければ、難しい業務です。
基本的には国内企業の株式を扱うことが多いですが、場合によっては国の債権を買い受けることもあります。
セリング業務
セリング業務もアンダーライター業務と同様に、新規発行された株式を一時的に買い取り、投資家に売る仕事です。
しかし、セリング業務はアンダーライター業務と異なり、他社から委託を受けて株式売買を行います。
そのため、万が一買った株式が売れ残っても、証券会社に損失は生じません。
ブローカー業務・ディーリング業務・アンダーライター業務・セリング業務が、証券会社の四大業務です。
これらのさまざまな方法で、証券会社は利益を上げています。
証券会社に入社したい場合、この金融会社の業務それぞれについて、さらに詳しく学んでおきましょう。
書籍などで勉強するのも良いですが、できれば企業説明会やOB訪問で、実際に働いている現役社員の話を聞くのがおすすめです。
【証券会社の業界研究】証券会社の業務内容
証券会社の中にも様々な部門が存在し、それぞれの業務内容は大きく異なります。
どのような業務が自分に向いているか、自分が将来どのような働き方をしたいかによって異なるため、それぞれの業務内容について理解を深めておきましょう。
- リテール部門
- ホールセール部門
- リサーチ&コンサルティング部門
- インベストメント・バンキング部門(投資銀行部門)
- グローバルマーケッツ部門
リテール部門
リテール部門は証券会社の中で個人投資家や中小企業といった比較的小規模な顧客に対してサービスを提供する部門です。
株式や債券、投資信託などの金融商品を販売し、資産運用のアドバイスを行うことが主な業務です。
顧客のニーズに応じた投資提案を行い、資産を増やすためのサポートを行います。
特に顧客との信頼関係を築くことが重要であり、長期的な視点で顧客の資産形成をサポートします。
また、投資教育やセミナーの開催を通じて、顧客の金融リテラシー向上に貢献することも役割の1つです。
ホールセール部門
ホールセール部門は主に大企業や機関投資家、政府機関など大口の顧客を対象とした取引を行う部門です。
資産運用や大規模な金融商品取引、企業の資金調達支援などを行っています。
ホールセール部門の特徴は大規模な取引であり、顧客のニーズに合わせた高度な金融ソリューションを提供することが役割です。
例えば、企業の株式発行や債券発行をサポートすることで資金調達を支援し、また企業のM&A戦略をアドバイスするなど、顧客の成長を支える重要な役割を果たしています。
高度な金融知識と戦略的な思考が求められる部門であると言えるでしょう。
リサーチ&コンサルティング部門
リサーチ&コンサルティング部門は、証券会社の中で市場や業界、企業分析を行い、その分析結果をもとに顧客に投資戦略や資産運用のアドバイスを提供する部門です。
この部門では経済状況や市場の動向を詳細に分析し、企業の成長の可能性やリスクを評価します。
その結果を顧客に提供し、投資判断の助けとなる情報として活用します。
また、専門知識を活かして企業の戦略や事業計画の策定をサポートし、長期的な成長を目指すアドバイザリー業務も担当するのも仕事の1つです。
他の部門の業務にも大きな影響を与えるため、証券会社全体にとって重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
インベストメント・バンキング部門(投資銀行部門)
インベストメント・バンキング部門は、証券会社の中でも企業や政府などの大口顧客に対して、資金の調達やM&Aなどの高度な金融サービスを提供することが主な役割です。
この部門では、企業の新規株式公開(IPO)や債券発行、企業間のM&Aの仲介、事業再編など、企業の成長や再編を支援する業務が行われます。
また、複雑な財務構造の設計や大規模な資金調達のサポートなど、金融の専門知識を駆使して企業の戦略的目標を実現する役割も担います。
高度な分析力や交渉力など、証券会社の中でも特に高度な専門性が必要とされる分野であると言えるでしょう。
グローバルマーケッツ部門
グローバルマーケッツ部門は、証券会社の中で株式や債券、為替、デリバティブ商品などの取引を行う部門です。
世界中の市場を対象に金融商品の売買やトレーディングを行い、顧客の資産運用をサポートします。
市場動向やリスクを分析し、最適な投資戦略を提案することも重要な役割の1つです。
グローバルマーケッツ部門は、変動の激しい市場で迅速かつ的確な判断が求められるため、マーケティングの深い理解とトレーディング技術が不可欠です。
この部門の成功は、証券会社全体の収益にも大きく寄与するため、非常に重要な役割を果たしていると言えます。
【証券会社の業界研究】証券会社に向いている人
証券会社には、どんな性格の方が向いているのでしょうか。
以下の見出しで、証券会社勤務に適した3つの性格を紹介します。
ただし、以下の見出しで紹介する性格に当てはまっているからと言って、必ずしも証券会社がおすすめになるわけではありません。
- っコミュニケーション能力が高い人
- 金融知識がある人
- 分析力・判断力が優れている人
コミュニケーション能力が高い人
証券会社に入社すると、仕事でさまざまな取引先・投資家の方と関わることになります。
そのため、コミュニケーション能力が高い人のほうが向いているでしょう。
特に営業の仕事をするなら、コミュニケーション能力は絶対に求められます。
顧客が証券会社と契約する場合、高額のお金を預けることが多いです。
営業社員が信頼できる人間でなければ、利回りなどが魅力的に見える商品でも、安心してお金を預けられません。
証券会社におけるコミュニケーション能力は、話し上手・聞き上手であることだけでなく、人から信頼してもらえることも意味しています。
商談などのコミュニケーションだけでなく、総合的な人間力で、顧客に信頼してもらえるように努めなければいけません。
金融知識がある人
証券会社では株式や証券を扱うため、金融知識が求められます。
もちろん、入社後に研修などで金融に関すること・業務に関することを教わる機会はたくさんあるでしょう。
しかし、知識がほとんどない状態で入社すると苦労し、挫折してしまう可能性が高くなります。
もちろん、就職試験でも面接などで金融に関する質問がなされる可能性が高いです。
知識が浅い・勉強していないと判断されれば、面接に落ちてしまうでしょう。
証券会社を志望するなら、先に金融知識を勉強しておくことをおすすめします。
特に、大学の学部・専攻分野が経済・金融関係ではないのに証券会社を志望する場合、なぜ証券会社を志望したか聞かれることも多いです。
自分の志望度の高さを示すためにも、勉強して知識を得ていること・金融に興味があることを示しておく必要があります。
分析力・判断力が優れている人
証券会社で扱う証券・株式は、日々その価値が変化します。
そのため、情報を分析して、どのような取引をするか判断する力が必要です。
株式を売るタイミングを1日逃してしまうだけで、この業界では大損をしてしまう可能性もあります。
商品販売のマーケティングなどと異なり、じっくり時間をかけて分析できない状態で判断を迫られることも多いです。
そのため、証券会社では、分析力・判断力に優れていることが強く求められます。
学生のうちにマーケティングなどの勉強をしていて、ビジネスに通じる情報分析力を磨いていると、良いアピール材料になる可能性が高いです。
大学の授業やアルバイト以外にも、普段の学生生活で分析力・判断力を求められることもあるでしょう。
自分の分析力・判断力が活きたエピソードがあれば、履歴書や面接で説明できるようにしておくのがおすすめです。
【証券会社の業界研究】証券会社に向いていない人
続いて、証券会社に向いていないのがどんな人か、特徴を3つ紹介します。
性格などの弱点は、仕事の進め方・物事の考え方でフォローすることが可能です。
そのため、これらの条件に当てはまる方でも、絶対に証券会社に入社できないわけではありません。
- メンタルが弱い人
- 変化に疎い人
- 考えすぎてしまう人
メンタルが弱い人
メンタルが弱い人は、証券会社の仕事に向いていないと言えます。
具体的には、人から怒られたり、拒否反応を示されたりした際に落ち込みやすい方です。
特に新規開拓の営業は、金融商品を買ってくれる・口座を開設してくれる可能性がある方に電話をかけたり、直接訪問したりします。
しかし、新規開拓営業は、ほとんどが失敗におわるのが当たり前です。
試行錯誤しながら数をこなし、チャンスのある顧客をいかに説得して、契約にこぎつけるかが勝負と言えます。
中には、いきなり電話をガチャ切りされたり、強い言葉で拒否されたりすることもあるでしょう。
メンタルが弱いと、失敗が続いた際に仕事を続けるのが難しくなったり、心身に不調をきたしたりすることが考えられます。
変化に疎い人
次に、変化に疎い人・変化を好まない人も、証券会社勤務に向かない性格と言えます。
証券会社では、日々動き続ける証券・株価の変化を追い続けなければいけません。
また、日々の社会情勢・経済の流れも、業務に影響してきます。
常にニュースや最新のトレンドなどに目を向け、情報収集しなければ生き残れないでしょう。
そのため、毎日変わらないルーティンの業務をしたい方・安定を好ましいと感じる方は、仕事が肌に合わない可能性が高いです。
もちろん、変えないことがマイナスにならない仕事もあります。
伝統を守り続けることが価値を生み出す仕事もあるため、変化を好まないこと自体が悪いわけではありません。
自分がそのような性格と感じる方は、自分に合う業界・企業を探すことが大切です。
考えすぎてしまう人
最後に、考えすぎてしまうタイプの人も、あまり証券会社に向いていません。
金融業界はトレンドの変化が激しく、スピーディーな意思決定が求められる場所です。
1日どころか、数時間で大きく株価が動く可能性もあるでしょう。
考えすぎて決定を下せず、状況が変化してしまったために、大きな損失を生んでしまうことは避けなければいけません。
日常生活で決断力が弱い方・何ごともじっくり考えて動かなければ納得しない方は、他の仕事のほうが向いているでしょう。
世の中には、じっくり考えてリスクを避けることが第一に求められる仕事もあります。
考えすぎてしまう短所は、慎重に考えられる・焦らず行動できる長所の裏返しと言えるので、自分の長所を活かせる仕事を探してみるのが良いでしょう。
【証券会社の業界研究】証券会社に有利に働く資格3選
続いて、証券会社への就職を目指す上で有利に働く資格を3つ紹介します。
これらの資格は「持っていなければ内定を得られない」わけではありませんが「持っていると就活において有利に働く」ことは間違いありません。
また、資格取得に向けて勉強をすることで、知識が深まり、就職後もそのスキルを活かせる可能性があります。
- TOEIC
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 簿記(日商簿記)
TOEIC
先ほども説明したように、証券会社ではグローバル化が進んでおり、TOEICは非常に有利な資格です。
多くの証券会社は、海外のマーケット情報を収集し、海外の顧客とも取引を行う必要があります。
高いTOEICスコアがあるということは、国際的な取引に対応できるコミュニケーション能力を持っていることであり、特に外資系の証券会社や国際業務に関わる部門での就職において非常に有利に働きます。
また、英語を使った市場分析や情報収集が日常業務となることもあり、TOEICのスコアが高ければ、それだけで即戦力として活躍できると期待される可能性が高いです。
特に証券業界においては、速やかに正確な情報を入手し、それをもとに判断を下すことが求められるため、英語力は非常に強力な武器となるのです。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPの資格は、特に個人営業を担当する際に非常に有利です。
証券会社では、個人投資家に対して最適な資産運用や金融商品の提案を行いますが、FPの資格を持っていれば、税制や保険、不動産、相続に関する幅広い知識を活かして顧客に総合的なアドバイスを提供できます。
また、FP資格があることで、説得力も増します。
FP資格は信頼性の証でもあり、顧客からの信頼を得やすくなる点も大きなメリットです。
FPの資格を持っていれば、ただの金融商品販売ではなく、顧客のライフプランをサポートする知識の深いコンサルタントとして信頼されるため、証券会社の業務において重要な武器となるのです。
簿記(日商簿記)
日商簿記資格も証券会社での業務において非常に有利な資格であると言えるでしょう。
証券会社においては、企業分析や財務状況の評価が日常的に求められますが、簿記の知識があれば財務諸表を正確に読み解くことができ、企業の健全性を評価する能力が高まります。
特に投資銀行部門やリサーチ部門においては、企業の財務データを基に投資判断を行うため、この資格が大きな強みとなります。
さらに、日商簿記の資格を持っているということは、金融の専門知識だけでなく、細かな数値分析にも強いことをアピールできるため、信頼性の高い、分析力を持つ人材として採用される確率が高まるでしょう。
【証券会社の業界研究】証券会社に入るためにすべきこと
最後に、証券会社に入社したい方がしておくべきことを3つ紹介します。
就職活動はしっかり準備しておくことが非常に大切で、学歴が高く部活などの活動実績があっても、それを効果的にアピールできなければ意味がありません。
- 自己分析を進める
- 適職診断ツールを用いる
- 業界・企業研究を行う
自己分析を進める
就職活動に臨む前に、しっかり自己分析を進めておくことは大切です。
自分は何をやりたいか、何が好きかを明確にして、業界や職種を選ぶようにしてください。
その際にやっておく自己分析の方法としては、マインドマップ・自分史などが考えられます。
多面的に自分を知り、就職活動で活かせるようにしましょう。
就職活動前の自己分析のやり方については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
自己分析を進める前に、ぜひ参考にしてみてください。
適職診断ツールを用いる
「自分は本当に証券会社に向いているのだろうか」「証券会社の中でも、自分の強みを最も活かせる職種は何だろう」と悩む人は多いでしょう。
そこでおすすめなのは、適職診断ツールを用いることです。
「LINEで適職診断」では、自分に向いている、そして向いていない職業をLINEで、質問に答えるだけで簡単に判断できます。
完全無料のサービスであるため、気になる方はぜひ、以下のリンクから登録してみてください。
業界・企業研究を行う
業界・企業研究を行うことで、自己分析で判明した強みや価値観、やりたいことなどがマッチしているかを図ることができます。
また具体的な業務内容や事業内容、社風なども把握することができ、将来やりたいことができるのかなども照らし合わせることができます。
そして業界・企業研究は、ESの作成時や面接対策にもつながるため、入念に研究を行い他の就活生と差をつけましょう。
詳しくは以下の記事を参照してみてください。
【証券会社の業界研究】就活エージェントに相談する
最後に、就活エージェントに登録しておくのもおすすめです。
就活エージェントは、就活のプロがあなたの就活をサポートしてくれるサービスです。
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【証券会社の業界研究】まとめ
証券業界は金融知識を求められるため、証券会社に入社を希望するなら、事前に勉強しておく必要があります。
また、大手証券会社は非常にレベルの高い学生が応募するため、内定を得るのは簡単ではありません。
証券会社で活躍したいなら、まずはしっかり就職活動の準備を進めておきましょう。
自己分析・業界研究などをやっておくことはもちろん、インターンシップに申し込む・英語を勉強してTOEICで高得点を取るなど、就活のアピール材料を作っておくのもおすすめです。