はじめに
これから就職活動を始めようとしている学生の中には、人当たりの良さやコミュニケーション力に自信を持っている人もいることでしょう。
そこで今回は、自分の長所をどのように活かせば良いのか、相手に伝わりやすい文章の書き方を中心に詳しく解説していきます。
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】ガクチカとは
ガクチカというのは、学生時代に特に力を入れたこと、またはそれに対する質問という意味を持つ就活用語です。
聞くのが初めてという人がいるかもしれませんが、活動をするうえで避けて通れない質問といって良いでしょう。
エントリーする段階で、あるいは面接でどの企業からも聞かれるはずで、うまく答えられなければその先に進むことができません。
直前になって慌ててしまうことがないように、できるだけ早めにしっかり対策を練っておきましょう。
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】なぜ企業はガクチカを聞くのか?
ガクチカは、志望動機などとともにほぼ頻出の質問と言われていますが、それにはいったいどのような理由や背景があるのでしょうか。
そのあたりの目的や事情を正しく把握しておかなければ、個人的な出来事をただ語るだけに終わってしまうでしょう。
企業としては、どんなことに興味があって熱中していたのか、得意なことや特殊なスキルなどを具体的に知りたいわけではありません。
質問の意図を本質的に理解しておかなければ、ライバルと差がつくようなアピールにつなげられないでしょう。
企業で活躍できる人材かを判断するため
たとえば、在学中に難関と言われる資格を取得したことなど、それを伝えるだけでは選考を勝ち抜くことはできません。
あるいは部活動に在籍し、そこで華々しい成績を残したことも良いアピールにはつながらないと言われています。
たしかに難関資格の取得や大会での入賞などは誇れる経歴ですが、入社してからの活躍を決定するものではありません。
あくまでも、活躍できそうな人材かを見極めるための判断材料にすぎず、それをアピールしないと好評価にはつながらないのです。
裏を返せば、仮に誇れるような経歴がないと思っていても、しっかり対策しておけば内定を得るのは十分に可能と言えます。
どんな仕事が向いているのか
もちろん、資格を持っていることや部活動で活躍したことがまったく評価されないというわけではありません。
しかし選考の段階においては、あくまでも入社してから仕事を任せられる人材かどうかが問われていることを忘れてはなりません。
学生時代にどのような経験を積んだのかというエピソードを通じて、どんな仕事が向いている人なのかを判断するのです。
また、企業の適した人材かどうかを見極めて、ミスマッチを防ぐという意図も含まれています。
どのくらいの熱量で仕事ができるのか
問われるのは適性だけではなく、これまでの取り組みなどから透けて見える熱意も同様です。
何か1つの物事に対してどれほど熱心に向き合ってきたのか、それを知ることにより入社してどれくらい活躍できるのかを見極めます。
そのような質問の目的や意図を明確に理解すれば、たとえば同じアルバイトを何年も続けたという事実だけを伝えてもアピールにならないことがわかるのではないでしょうか。
過去の事実を深く掘り下げて、どれほど主体的に取り組んできたのかを伝えなければ選考を突破することはできません。
きっかけは何か
熱量とともに見られているのは、どうしてそれに取り組もうとしたのかというきっかけの部分です。
題材としては、サークル活動においてリーダーシップを発揮したことや、ボランティアで少年野球の指導をしてきたことなどどんなことでも構いません。
そこでなぜグループをまとめようと思ったのか、わざわざ指導役を買って出た理由は何かなどを採用担当者に説明する必要があります。
これにより、目の前にある物事に対して目的を明確にして取り組める人材かどうかをアピールできます。
人間性を判断するため
ガクチカでは、任せられたプロジェクトに対して主体的に取り組めるかだけが問われているわけではなく、そもそも仕事に向いているかどうか性格を含めて見極められています。
特に、組織が大きくなればなるほどグループの中で助け合う協調性などが求められるため、そうした内面的な性質を早い段階で判断したいという目的もあってガクチカを聞くのです。
ですから、どんなに勉強や研究に励んでいたとしても、良い成績や成果を残していたとしても独りよがりだと思われてしまえば意味がありません。
一人で黙々と取り組んだことをアピールするにも、「周囲と協力できる」「気配りができること」を伝えなければならないケースもあるでしょう。
企業にマッチした人柄かを判断するため
他者への気遣いができるかどうかといった人間性とともに、どんな人柄であるのかを見られています。
なぜなら、職場の雰囲気などに合っていなければ、うまく馴染めずに早期退職につながってしまいかねないからです。
比較的フランクな職場で上下関係も厳しくない明るい雰囲気なのに、寡黙なタイプが入ってきてもうまく打ち解けられないかもしれません。
そんなミスマッチを防ぐ目的もあることを知っておけば、社風などを調べながら準備することも可能です。
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】コミュニケーション力はガクチカになる!
どうしてどの企業でも同じような質問をされるのか、ここまでで理由や目的を大まかにでも理解できたのではないでしょうか。
ここからは、コミュニケーション力に自信がある人がどのようなアピールをすべきなのか、より具体的に解説していきます。
そもそも、コミュニケーション能力というのはどの企業でも重視しているもので、オリジナル性のある話題を添えることで説得力が増すことになるでしょう。
しかし、同じような長所を持っている人も少なくはないはずで、しっかり対策をしなければ差をつけられないかもしれません。
信頼関係が築ける
それでは、いったいなぜ成績が良い人よりもコミュニケーション力が高い人の方が評価につながるのでしょうか。
その理由は、シンプルに仕事を進めるための必須のスキルであるからで、周りと上手に会話ができなければ業務が円滑に回らないからです。
社会人になれば、任された仕事の進捗状況を報告したり上司に相談したりするなど、他者と関わることが多くなります。
それらをこなさなければ、成果を残せないばかりか職場で悪目立ちしてしまうことになるでしょう。
効率が良くなる
周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めれば、自分の能力以上の成果を出すことも決して難しくありません。
わからないことや迷うことがあっても、同僚や上司に相談すれば適切なアドバイスがもらえるほか、予定よりはやく作業を終えることができるかもしれないからです。
逆に、困っていることを切り出せずに黙っていれば、締め切りの期限が迫って周りに迷惑をかけることにもなりかねません。
つまり、周囲と連携できる人ならば仕事を効率的に進められるため、企業から評価されやすいというわけです。
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】企業にささるガクチカ作成のポイント
重視されていて注目されやすい長所も、しっかりとした内容で伝えなければ良いアピールにはつながりません。
内容も特に奇抜なものにする必要はなく、全体の構成を工夫するといった方が良いかもしれません。
せっかく良いことが書かれていても、それが最後に隠れてしまっているようでは読まれずに終わってしまう可能性が高いです。
しかし、これは新たにテクニックを身に付けるという難しいものでもなく、例などを参考にすれば比較的簡単にできるものでもあります。
作成ポイント①結論ファーストで書く
これはエントリーシートを書くときだけではなく、社会人になってからも報告書などを作成する際に役立つ手法です。
作文では主に起承転結という構成で書き進めていきますが、小論文やビジネス文書においては好ましい手法ではありません。
特に数多くの応募書類に目を通す採用担当者にアピールするためには、結論を先に述べてわかりやすくすることが重要です。
この書き方に慣れるためにも、何を強調したいのかをあらかじめ整理しておくべきことは言うまでもないでしょう。
作成ポイント②エピソードを振り返る
どれほど自己肯定感が高くて楽観的な人だとしても、人に自慢できる長所や誰にも負けない強みなどをすらすら述べることは難しいでしょう。
それでも最終的にはそれらをまとめなければならないので、最初に自分がこれまでどのようなことをしてきたのか振り返ってみてください。
日記をつけていればそれを読み返すのも良いでしょうし、スマホのスケジュールアプリを使っていれば過去の出来事を見返すのでも良いでしょう。
箇条書きのような形式でも構いませんので、できるだけ多く書き出しておきましょう。
作成ポイント③エピソードを1つに絞る
これまでの出来事を多く書き出してみた後は、それらを分類しながら1つに絞り込む作業をしなければなりません。
なぜなら、いくつもの事柄を題材にした文章にしてしまうと、まとまりがなく主張が伝わりにくくなってしまうからです。
同じようなことでも、誰かに言われて仕方なくこなしたことや、自らが率先して実践したことなどの違いがあるはずです。
そうした仕分けをするうちに、自分はどのようなことが不得手で、どんなことに向いているのかなども見えてくるでしょう。
作成ポイント④結果よりも過程を伝える
先述したように、どれほど輝かしい成績を残したか、これまで誰も達成できなかったような成果がなくても特に問題はありません。
思うような結果が出せなかったとしても、それまでにどのような努力を積み重ねてきたのかが問われているのです。
そこで重要となってくるのが行動力や思考力で、自らどのような考えのもと行動したのかをまとめなければなりません。
ただ活発に動き回ったことだけではなく、どうしてそのような行動を取ったのか具体的な根拠を論理的に示すことも大切です。
作成ポイント⑤どのように企業で活かせるかを伝える
これまでの出来事を振り返りつつ人間性をアピールするには、エピソードを1つに絞って結論から書くだけでは足りません。
入社してからの活躍をイメージしてもらうためにも、自分の強みがどのような場面で活かせるかを強調しなければならないからです。
たとえば、「誰とでも打ち解けられる性格です」というだけでは漠然としすぎていて、結局どのポジションを任せれば良いのか判断に迷います。
それよりも、「性格は内向的で聞き上手な面があるため、粘り強く交渉する場面で能力を活かせます」と伝えると印象も良くなるでしょう。
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】例文
文章を作成するうえで意識しておきたいポイントを確認したところで、ここから先は具体例を見ていきましょう。
以下の例文をじっくりと読んでみて、これから自分の強みをどのようにまとめるべきかの参考にしてみてください。
例文①
例文②
例文③
【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】効果的なガクチカを作るためにエージェントに相談しよう
これまでの自分を振り返りながら強みを深掘りし、相手に伝わりやすい構成にすれば難関企業の選考を突破することも難しくありません。
しかし、どんなにうまく書けたとしても、これで評価されるかどうか不安に思うこともあるでしょう。
そんなときに有効なのがエージェントを利用することで、就活のプロの視点から的確なアドバイスをもらえるため安心して選考に臨むことができます。
たった一度しかないチャンスを後悔しないためにも、気になる方は一度サポートを受けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
コミュニケーション力はどの企業でも求められるスキルであり、それを強みとして打ち出すことは有効かつ適切であると言えるでしょう。
例文などを参考にしつつ自分らしい文章をまとめたうえで、エージェントに相談するなどして成功を手に入れましょう。