【例文あり】コミュニケーション力はガクチカに使える？おすすめの構成や作成のコツも詳しく解説！

はじめに

これから就職活動を始めようとしている学生の中には、人当たりの良さやコミュニケーション力に自信を持っている人もいることでしょう。

そこで今回は、自分の長所をどのように活かせば良いのか、相手に伝わりやすい文章の書き方を中心に詳しく解説していきます。

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】ガクチカとは

ガクチカというのは、学生時代に特に力を入れたこと、またはそれに対する質問という意味を持つ就活用語です。

聞くのが初めてという人がいるかもしれませんが、活動をするうえで避けて通れない質問といって良いでしょう。

エントリーする段階で、あるいは面接でどの企業からも聞かれるはずで、うまく答えられなければその先に進むことができません。

直前になって慌ててしまうことがないように、できるだけ早めにしっかり対策を練っておきましょう。

自己PRとの違い

ガクチカを作成する前に、自己PRとの違いが何なのかについても理解を深めておきましょう。

ガクチカは学生時代に力を入れたことを伝えるものであり、モチベーションの根源や物事への取り組み方、どのような工夫ができるかなどを伝えるものです。

一方で、自己PRは長所や強みを伝えるものであり、学生の人柄や特性、企業にどのような能力を活かして貢献できるかを伝えるものです。

自分の強みに説得力を持たせ、自分が企業に利益をもたらせる人物であると伝えることが大切であると言えるでしょう。

自己PRとガクチカの違いについては以下の記事でさらに詳しく紹介しているため、時間に余裕のある方はぜひ参考にしてみてください。

自己PRとガクチカは何が違う？作成ポイントや対処法を例文を用いて解説！

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】なぜ企業はガクチカを聞くのか？

ガクチカは、志望動機などとともにほぼ頻出の質問と言われていますが、それにはいったいどのような理由や背景があるのでしょうか。

そのあたりの目的や事情を正しく把握しておかなければ、個人的な出来事をただ語るだけに終わってしまうでしょう。

企業としては、どんなことに興味があって熱中していたのか、得意なことや特殊なスキルなどを具体的に知りたいわけではありません。

質問の意図を本質的に理解しておかなければ、ライバルと差がつくようなアピールにつなげられないでしょう。

企業で活躍できる人材かを判断するため

たとえば、在学中に難関と言われる資格を取得したことなど、それを伝えるだけでは選考を勝ち抜くことはできません。

あるいは部活動に在籍し、そこで華々しい成績を残したことも良いアピールにはつながらないと言われています。

たしかに難関資格の取得や大会での入賞などは誇れる経歴ですが、入社してからの活躍を決定するものではありません。

あくまでも、活躍できそうな人材かを見極めるための判断材料にすぎず、それをアピールしないと好評価にはつながらないのです。

裏を返せば、仮に誇れるような経歴がないと思っていても、しっかり対策しておけば内定を得るのは十分に可能と言えます。

どんな仕事が向いているのか

もちろん、資格を持っていることや部活動で活躍したことがまったく評価されないというわけではありません。

しかし選考の段階においては、あくまでも入社してから仕事を任せられる人材かどうかが問われていることを忘れてはなりません。

学生時代にどのような経験を積んだのかというエピソードを通じて、どんな仕事が向いている人なのかを判断するのです。

また、企業の適した人材かどうかを見極めて、ミスマッチを防ぐという意図も含まれています。

どのくらいの熱量で仕事ができるのか

問われるのは適性だけではなく、これまでの取り組みなどから透けて見える熱意も同様です。

何か1つの物事に対してどれほど熱心に向き合ってきたのか、それを知ることにより入社してどれくらい活躍できるのかを見極めます。

そのような質問の目的や意図を明確に理解すれば、たとえば同じアルバイトを何年も続けたという事実だけを伝えてもアピールにならないことがわかるのではないでしょうか。

過去の事実を深く掘り下げて、どれほど主体的に取り組んできたのかを伝えなければ選考を突破することはできません。

きっかけは何か

熱量とともに見られているのは、どうしてそれに取り組もうとしたのかというきっかけの部分です。

題材としては、サークル活動においてリーダーシップを発揮したことや、ボランティアで少年野球の指導をしてきたことなどどんなことでも構いません。

そこでなぜグループをまとめようと思ったのか、わざわざ指導役を買って出た理由は何かなどを採用担当者に説明する必要があります。

これにより、目の前にある物事に対して目的を明確にして取り組める人材かどうかをアピールできます。

人間性を判断するため

ガクチカでは、任せられたプロジェクトに対して主体的に取り組めるかだけが問われているわけではなく、そもそも仕事に向いているかどうか性格を含めて見極められています。

特に、組織が大きくなればなるほどグループの中で助け合う協調性などが求められるため、そうした内面的な性質を早い段階で判断したいという目的もあってガクチカを聞くのです。

ですから、どんなに勉強や研究に励んでいたとしても、良い成績や成果を残していたとしても独りよがりだと思われてしまえば意味がありません。

一人で黙々と取り組んだことをアピールするにも、「周囲と協力できる」「気配りができること」を伝えなければならないケースもあるでしょう。

企業にマッチした人柄かを判断するため

他者への気遣いができるかどうかといった人間性とともに、どんな人柄であるのかを見られています。

なぜなら、職場の雰囲気などに合っていなければ、うまく馴染めずに早期退職につながってしまいかねないからです。

比較的フランクな職場で上下関係も厳しくない明るい雰囲気なのに、寡黙なタイプが入ってきてもうまく打ち解けられないかもしれません。

そんなミスマッチを防ぐ目的もあることを知っておけば、社風などを調べながら準備することも可能です。

モチベーションの根源を知るため

企業が就活においてガクチカを聞く理由の1つとして、学生のモチベーションの根源を理解することが挙げられます。

ガクチカを通じて、その学生が何に対して一生懸命になれるのかを見極めようとしているからです。

学生がどのような場面で自ら進んで行動し、何に挑戦してきたかを知ることで、企業はその学生の内面的な動機や価値観を把握し、仕事に対する姿勢を予測します。

例えば、学生が学業やクラブ活動、アルバイトでどのように自分を奮い立たせ、目標達成に向けて努力してきたかを通じて、その人の持つモチベーションの方向性や強みを明確にしようとしています。

企業は自社で働く社員に対しても同様に高いモチベーションを求めています。

したがって、学生時代にどのようなことに力を入れてきたかを知ることで、その学生が自社の仕事に対しても同じように熱意を持って取り組んでくれるかを評価できるのです。

また、学生が困難な状況でもモチベーションを維持し、目標に向けて努力する姿勢を持っているかどうか確認することも企業にとって重要です。

課題解決力を知るため

企業がガクチカを聞くもう1つの理由は、学生の課題解決力を知るためです。

社会で働く際、どのような職種でも必ず何らかの課題や困難に直面する場面はあります。

その際に学生時代に経験した問題や壁をどのように乗り越えたかを教えることで、その人の問題解決能力を評価できます。

具体的にどんな課題があったか、どう対処してその結果どうなったかを詳しく聞くことで、その学生が問題に対してどのような工夫をして乗り越えたかを判断しようとしているのです。

例えば、ガクチカで「部活動の中でチームの意見が割れたが、自分が中心となってまとめ上げた」というエピソードがあれば、コミュニケーション能力やリーダーシップを発揮し、周囲と協力して課題を解決する力を持っていると判断できます。

また、ただ結果を出すだけでなく、課題を解決することも多いです。

その過程で、どのように自分の考えを組み立ててどのような行動を取ったかが明確になるため、企業はその能力が入社後の業務でも発揮できるかを見極めようとしています。

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】コミュニケーション力はガクチカになる！

どうしてどの企業でも同じような質問をされるのか、ここまでで理由や目的を大まかにでも理解できたのではないでしょうか。

ここからは、コミュニケーション力に自信がある人がどのようなアピールをすべきなのか、より具体的に解説していきます。

そもそも、コミュニケーション能力というのはどの企業でも重視しているもので、オリジナル性のある話題を添えることで説得力が増すことになるでしょう。

しかし、同じような長所を持っている人も少なくはないはずで、しっかり対策をしなければ差をつけられないかもしれません。

信頼関係が築ける

それでは、いったいなぜ成績が良い人よりもコミュニケーション力が高い人の方が評価につながるのでしょうか。

その理由は、シンプルに仕事を進めるための必須のスキルであるからで、周りと上手に会話ができなければ業務が円滑に回らないからです。

社会人になれば、任された仕事の進捗状況を報告したり上司に相談したりするなど、他者と関わることが多くなります。

それらをこなさなければ、成果を残せないばかりか職場で悪目立ちしてしまうことになるでしょう。

効率が良くなる

周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めれば、自分の能力以上の成果を出すことも決して難しくありません。

わからないことや迷うことがあっても、同僚や上司に相談すれば適切なアドバイスがもらえるほか、予定よりはやく作業を終えることができるかもしれないからです。

逆に、困っていることを切り出せずに黙っていれば、締め切りの期限が迫って周りに迷惑をかけることにもなりかねません。

つまり、周囲と連携できる人ならば仕事を効率的に進められるため、企業から評価されやすいというわけです。

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】ガクチカのおすすめの構成

続いて、ガクチカを作成する上でおすすめの構成について紹介します。

こちらの構成はコミュニケーション能力を主題としたガクチカを作成する場面以外にも、汎用的に活用できるものです。

したがって、企業によってガクチカの内容やアピールする能力を変える場合でも、ぜひ活用してみてください。

結論

ガクチカの最初では、学生時代に力を入れた具体的な取り組みを端的に述べることが重要です。

結論を冒頭で明確にすることで、読み手が内容を把握しやすくなり、全体のイメージがスムーズに伝わります。

例えば「私が学生時代に力を入れたことは大学のサッカー部でのチームマネジメントです」というように、活動の内容を簡潔に示しましょう。

ここでのポイントは、活動の概要だけでなく、その取り組みが自分にとってどのような意義を持っていたのかを簡単に説明することです。

動機

次に、その活動に取り組んだ動機や背景を説明します。

なぜその活動を選んだのか、どのような目標を持って取り組んだのかを明確にすることで、説得力を持たせることができます。

例えば「私はチームの成績向上に貢献したいと考え、サッカー部のマネジメントに挑戦しました」と述べることで、自分の意図が読み手に伝わります。

動機の部分では、個人的な理由だけでなく社会的な意義や周囲に与えた影響などを含めると、より深みが増します。

具体的な目標や挑戦した背景を明確にし、その活動に対する真剣さや情熱を感じ取ってもらえるようにしましょう。

また、動機がはっきりしていると、その後の行動や結果にも一貫性が生まれ、全体の説得力が高まります。

課題

活動に取り組む中で直面した課題や困難について、具体的に述べることも問題解決力をアピールする上で非常に重要です。

課題はできるだけ具体的に記述し、その難易度や複雑さを強調しましょう。

例えば「チーム間のコミュニケーション不足が原因で、試合のパフォーマンスに影響が出ていました」と、具体的な問題を挙げると良いでしょう。

ここでは単に問題を羅列するのではなく、なぜそれが問題であったのか、その問題がどのようにチームやプロジェクト全体に影響を与えていたかを説明することで、課題の重要性が伝わります。

このように課題を明確にすることで、その後に述べる行動の意味がより明確になり、読み手に強い印象を与えることができます。

行動

次に、その課題に対して自分がどのような行動をとったのか、具体的なアクションを詳細に述べます。

この部分では、自分の主体性や工夫した点、アピールしたい能力、つまり今回はコミュニケーション能力を強調することが大切です。

例えば「私はチームメンバーとの個別ミーティングを開催し、コミュニケーションの円滑化を図るための新しいルールを導入しました」と述べることで、問題解決に向けてどのように自分が関わったかをアピール可能です。

この段階では、どのような手法や戦略を用いたか、何に注意を払ったのか、何が目的だったかを示すことが求められます。

単に「努力した」「頑張った」「良い結果が得られた」という表現ではなく、行動の詳細を描写することで、自分の取り組みの真剣さや実行力、再現性をアピールすることができます。

結果

行動の結果としてどのような成果が得られたのかについても、具体的に説明しましょう。

数字や具体的なエピソードを用いて、実際に達成したことを示すことで説得力を与えられます。

例えば「試合終わりにミーティングを実施した結果、チーム全体のコミュニケーションが改善され、セットプレーでの失点数が約半分になりました」など、具体的な成果を述べることを推奨します。

結果の部分では、できるだけ定量的な成果を示すことが望ましいですが、定量的なデータがない場合は、質的な成果やチームの雰囲気の変化などを説明することが有効です。

成果をしっかりと伝えることで、自分の行動が実際に効果をもたらしたことを証明し、企業に対して信頼感を与えることができます。

学び

ガクチカで取り組んだ活動や経験から得た学びを説明する際には、具体的な教訓を示し、それが今後の成長にどうつながるかを明確にすることが大切です。

例えば「この経験を通じて、メンバー間のコミュニケーションの重要性を学び、チーム全体の目標達成に向けて統率力を発揮する方法を身につけました」といったように、具体的な学びを述べましょう。

学びの部分では、自分がどんなスキルを身につけたか、またその過程でどのように成長したかを具体的に示すことが求められます。

ただ単に「リーダーシップを学びました」と言うだけではなく、具体的なエピソードを交えて、自分の成長プロセスを詳細に説明することが重要です。

貢献

ガクチカを通して得た強みやスキルを、入社後にどのように企業で活かせるのかを具体的に述べることは非常に重要です。

ただ経験を語るだけでなく、その経験で得たスキルが企業にどう役立つかを明確に示す必要があります。

例えばチームでのコミュニケーション能力やリーダーシップを磨いた経験がある場合は「この経験で培ったリーダーシップと調整能力を活かし、御社のプロジェクト運営やマネジメントに貢献したいと考えています」と述べることで、自分が企業の中でどのように貢献できるのかを具体的にアピールできます。

貢献の部分を説明する際には、企業が求めるスキルや人物像に合わせて自分の強みを関連付けることがポイントです。

企業ごとに求めるスキルや姿勢は異なるため、企業の事業内容や求める人物像をよく理解した上で、自分の経験がどのようにその企業に還元されるのかを明確にすることが大切です。

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】ガクチカの完成度を上げるために

続いて、ガクチカの完成度を上げるために、ぜひとも取り組んで欲しい対策について紹介します。

以下の対策にしっかりと取り組むことができれば、ガクチカの完成度は確実に上がります。

ぜひ、それぞれの対策にしっかりと取り組み、企業の採用担当者の目に留まるような質の高いガクチカを提出してください。

結果よりも過程を伝える

先述したように、どれほど輝かしい成績を残したか、これまで誰も達成できなかったような成果がなくても特に問題はありません。

思うような結果が出せなかったとしても、それまでにどのような努力を積み重ねてきたのかが問われているのです。

そこで重要となってくるのが行動力や思考力で、自らどのような考えのもと行動したのかをまとめなければなりません。

ただ活発に動き回ったことだけではなく、どうしてそのような行動を取ったのか具体的な根拠を論理的に示すことも大切です。

企業が求める人物像を把握する

ガクチカの完成度を上げるためには、企業が求める人物像をしっかりと把握しなければなりません。

企業ごとに求める人物像や価値観は大きく異なります。

例えば、革新や創造性を重視する企業であれば、チャレンジ精神や柔軟な発想を持って行動できる人材が求められており、伝統を重んじる企業では慎重な判断力や安定した行動力を持つ人物が好まれる傾向にあります。

したがって、企業の文化や経営方針、ビジョンを把握した上で、その企業がどのような人材を求めているかを確認することが大切です。

企業の公式サイトや採用ページ、会社説明会に掲載されている「求める人物像」や価値観などを参考にすることをおすすめします。

また、OB・OG訪問やインターンシップなどで、実際にその企業で働く社員の話を聞くことで、企業がどのような人材を評価し、どのような働き方を推奨しているかを把握することも可能です。

この情報をもとに、自分のガクチカを志望企業の求める人物像に寄せて書くことで、企業に対して力強いアピールができます。

どのように企業で活かせるかを伝える

これまでの出来事を振り返りつつ人間性をアピールするには、エピソードを1つに絞って結論から書くだけでは足りません。

入社してからの活躍をイメージしてもらうためにも、自分の強みがどのような場面で活かせるかを強調しなければならないからです。

たとえば、「誰とでも打ち解けられる性格です」というだけでは漠然としすぎていて、結局どのポジションを任せれば良いのか判断に迷います。

それよりも、「性格は内向的で聞き上手な面があるため、粘り強く交渉する場面で能力を活かせます」と伝えると印象も良くなるでしょう。

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】例文

文章を作成するうえで意識しておきたいポイントを確認したところで、ここから先は具体例を見ていきましょう。

以下の例文をじっくりと読んでみて、これから自分の強みをどのようにまとめるべきかの参考にしてみてください。

例文①

例文②

例文③

【コミュニケーション力をガクチカに活かすコツ】就活エージェントに相談しよう

これまでの自分を振り返りながら強みを深掘りし、相手に伝わりやすい構成にすれば難関企業の選考を突破することも難しくありません。

しかし、どんなにうまく書けたとしても、これで評価されるかどうか不安に思うこともあるでしょう。

そんなときに有効なのがエージェントを利用することで、就活のプロの視点から的確なアドバイスをもらえるため安心して選考に臨むことができます。

たった一度しかないチャンスを後悔しないためにも、気になる方は一度サポートを受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

コミュニケーション力はどの企業でも求められるスキルであり、それを強みとして打ち出すことは有効かつ適切であると言えるでしょう。

例文などを参考にしつつ自分らしい文章をまとめたうえで、エージェントに相談するなどして成功を手に入れましょう。