はじめに
皆さんは「OB訪問」をご存じでしょうか。
OBはOld Boy(卒業生、先輩)の略であり、OB訪問とはすなわち、業界や企業で活躍されている先輩社員の方々を訪問し、直接お話を伺うことです。
実際にOB訪問を検討している皆さんの中には、OB訪問がどのように選考に関係してくるのか、気になっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、OB訪問が選考にどう関係してくるのかについて、ベンチャー企業の場合に焦点をあてて解説していきます。
【OB訪問ってベンチャーの選考に影響する?】あくまでOB訪問したという事実自体は選考でプラスになる
さて本題ですが、OB訪問はベンチャーの選考に影響するのでしょうか。
結論ですが、OB訪問をしたという事実自体は、選考でプラスになるでしょう。
一般的に、OB訪問をする場合は、就活生側からアプローチをかけなければなりません。
そのため、OB訪問をしたという事実が、志望度の高さを裏付けることになります。
採用担当者としては当然、より志望度の高い学生を取ろうと考えるわけですから、OB訪問をしたという事実をプラス評価するでしょう。
また面接において志望動機などを述べる際に、
「御社の○○さんからお話を伺ったのですが~」
「御社の○○さんから、~という印象を受けた」
「御社の社風が~」
などと話を展開することが可能となります。
面接時のアピール内容に幅が出るという点でも、OB訪問の参加の有無は、選考に影響を与えるといえるでしょう。
【OB訪問ってベンチャーの選考に影響する?】OB訪問は評価の対象であることを念頭に入れておこう
上記では、OB訪問を行ったこと自体が選考にどう影響するかを解説しましたが、OB訪問での「パフォーマンス」も、評価の対象であることを念頭に置きましょう。
企業としては、OB訪問の際、学生に自社の人員を割いているわけですから、コストをかけていることになります。
コストをかけてOB訪問に応じている以上、OB訪問で知りえた情報を社内で共有していると考えるのが自然です。
OBが人事と仕事の関わりがあろうがなかろうが、OB訪問での様子は担当者に報告され、記録されているものと考えましょう。
これは、あなたにとって有利か不利かに関わらず、社内共有されることになります。
高評価であれば、今後の選考で有利になる可能性もありますが、逆に低評価であれば、今後の選考で不利な評価からスタートする可能性もあることに注意してください。
【OB訪問訪問ってベンチャーの選考に影響する?】OB訪問が選考に好影響を与える場合の例
ここからは、OB訪問がその後の選考に好影響を与える場合について紹介します。
先ほど解説した通り、OB訪問でのパフォーマンスが高評価であれば、その後の選考で有利に働くことがあります。
選考で優遇される
結論から申し上げると、OB訪問で優秀な学生であると判断された場合、選考フローにおいて優遇されることがあります。
これは、OB訪問をしていない就活生よりも情報などの点で優位に立てるということではなく、選考そのもので特別待遇が受けられるというものです。
実際の優遇の例としては、
・早期選考に呼ばれる
・序盤のフローがスキップされる
などがあります。
ここからは、この二つのパターンについて解説していきます。
早期選考に呼ばれる
まず、早期選考という優遇措置です。
企業の採用担当者としては、より優秀な学生を、より早期に囲い込んでおきたいという心理が働きます。なぜなら、就活が長期化すると、学生が他の企業に流れてしまうリスクが高まるからです。
そのため、就活生を囲い込むために早期に内々定を出す企業が存在します。
そのような採用方針を取っている企業の場合は、特に優秀な学生を逃さないようにするため、早期に選考フローに招待し、学生の囲い込みを行います。
逆に言えば、学生としても早期に内々定を得られるので、そのまま就職活動を終了させることもできますし、滑り止めとしてキープしたうえで本命の企業の選考に参加するということも可能となります。
このため、早期選考に呼ばれ内々定を得ておくことは、就活生にとって非常に有利であると言えるでしょう。
序盤のフローがスキップされる
次に、序盤の選考フローがスキップされるという優遇措置があります。
OB訪問において優秀な学生であるという印象を与えることができた場合、書類選考、動画選考、一次面接などの序盤の選考がスキップされ、そのまま次の選考に招待されるというケースがあります。
選考の序盤がスキップされることで、選考突破率が上がりますし、就活生にとってはメリットが大きいといえるでしょう。
中には「OB訪問で高評価を得るためには、それなりの時間、労力がかかるのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、それなりの労力や時間、心的負荷がかかることは否定できないでしょう。
しかし、ESや序盤の選考が一時期に集中しやすい新卒就活において、選考の時期をずらすことができるというのは、非常に大きなアドバンテージになります。
以上のように、OB訪問で高評価がもらえた場合、その後の選考フローで優遇されるケースがあります。
しっかりと準備してOB訪問に挑みましょう。
【OB訪問訪問ってベンチャーの選考に影響する?】OB訪問が選考に悪影響を与える場合の例
先ほども少し触れましたが、OB訪問での言動や振る舞いが悪い評価になってしまうと、その後の選考で不利になってしまう場合があるので注意しましょう。
・最低限のマナーが悪かった
・常識はずれの行動や言動が目立った
など、あなたにとって不利な情報も、当然人事に共有されてしまいます。
序盤の選考を突破することができても、その後の選考ではマイナスの印象からスタートすることになってしまいます。
就活生にとって、非常に不利となってしまうので、十分注意しましょう。
【OB訪問訪問ってベンチャーの選考に影響する?】OB訪問する際に悪い印象を持たれないためには
ここからは、OB訪問の際に、悪い印象を与えてしまわないためのマナーについて紹介いたします。
新卒就活において、会社側は学生側にそこまで厳密なマナーを求めているわけではありません。
社会人としての本格的なマナーは、入社後のマナー講習などで身に着けさせるためです。
それでも、社会通念上、最低限のマナーを備えておかなければ、悪い印象を与えかねません。
どこの企業のOB訪問を行うにしても共通する基本的なマナーを紹介するので、しっかりと身に着けておきましょう。
遅刻しない
第一に、「遅刻をしない」です。
OB訪問は、社会人の皆さんの貴重なお時間を頂いて、無償で協力していただくものです。
忙しい中で会っていただくので、遅刻をすると相手に迷惑をかけてしまいます。
また、OB訪問という場だけではなく、実際の業務においても遅刻は厳禁とされています。
日々の出社や、ミーティングの開始、営業回りなどにおいても、遅刻は信頼を損なう行為として
批判の対象となります。
会社としても、遅刻癖の強い人を入社させたいとは思いません。
かなり悪い印象を与えてしまうので、しっかりと注意しましょう。
OB訪問の際は、開始時刻の10分前にはいつでも開始できるように準備を完了させておきましょう。
実際に対面でお会いする場合は、それよりも早めに現地に到着し、場所を確認しておき、開始時刻の10分前に集合場所に行くようにしましょう。
言葉遣いなどのマナーをしっかりする
第二に、「言葉遣いなどのマナーをしっかりする」です。
言葉遣いも非常に基本的なマナーの一つです。
ここであえて「敬語」ではなく、「言葉遣い」としているのは、
敬語ほどの厳密さは求められていないためです。
「敬語」では、尊敬語、謙譲語、丁寧語の使い分けが必要ですが、OB訪問ではそこまで厳密なマナーは求められていません。
さん呼びや、です・ます調の丁寧な口調などの丁寧な口調を徹底すれば十分です。
多くの方が、学校、部活、バイト、ゼミなどあらゆる場面で経験している言葉遣いなので、ほとんど無意識にできるレベルのことでしょう。
ただし、たとえ会話が弾んで距離が縮まったとしても、呼び捨てやため口は絶対にやめましょう。
事前準備を入念に行う
第三に、「事前準備を十分に行う」です。
OB訪問では社員の方々に、ざっくばらんにあらゆる質問をすることができますが、「自分で調べればわかるようなこと」は聞くべきではありません。
業界の一般的なビジネスモデル、サプライチェーン、競合他社、相手の企業の業務内容に関する情報などは、就活生向けの業界本やネット、企業HPなどで集めることができます。
聞きたい場合は、それらの基本情報を把握したうえで質問するようにしましょう。
例えば、営業職の社員の方にOB訪問した場合、「営業とはどのような仕事ですか」や「競合他社はどこですか」と聞くのは適切ではありません。
それら基本情報は把握したうえで、
「一日の業務の流れと、どのようなことをしているのか」や、「競合他社やライバルと差をつけるために、どのようなことに注意していますか」などの一歩踏み込んだ質問をするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。
ここまでで、
・OB訪問が選考にどのように関係してくるのか
・OB訪問の際の注意点
について解説してきました。
OB訪問は、社員の方から「生の声」を聞くための非常に貴重な機会であると同時に、自分を売り込みに行く機会でもあります。
しかし、悪い印象を与えてしまうと、その後の選考では不利になってしまうこともあるので、しっかりと対策をしておくことが大切です。
以上の点を踏まえて、積極的にOB訪問を行っていきましょう!