就活において避けて通れないのが「一次面接」と「二次面接」です。
「一次面接は通ったけど二次面接で落ちた」「一次面接と同じ気分で二次面接を受けたら内容が大きく異なっていた」という失敗談を耳にすることもあるでしょう。
通過するために対策をしようと思っていても、そもそも何を狙いとして面接を2回にわけているのかわからないという人も多いかもしれません。
今回は、一次面接と二次面接の違いと傾向について解説します。
それぞれの内容を踏まえて、具体的な対策をしていきましょう。
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【一次面接と二次面接はどう違う?】一次面接と二次面接の違い
そもそも、一次面接と二次面接は何が違うのでしょうか。
一次面接に通過した人だけが二次面接に進めるということはわかっていても、なぜ段階を踏むのかは知らない人も多いと思います。
企業はなぜ段階を踏んで面接を行うのか、その狙いは何なのかを知っておく必要があるでしょう。
それぞれ重視するポイントが違うため、準備する内容も変えなければなりません。
大事なポイントを押さえて適切な対策を講じるために、まずは具体的な違いを一つひとつ見ていきましょう。
目的
一般的に、一次面接は「応募者をふるいにかける」ために実施されると言われています。
そもそも社会人としての素質に欠けている人や、一般常識のない人をここで落としていくのです。
また、書類選考では見ることのできない「人柄」や「コミュニケーション能力」なども、ここでは大きな判断材料となります。
社会人としての基本的な素養を持った人材だけを通過させることにより、企業は効率的に人材を精査することができるのです。
一方の二次面接では、本当に採用しても良い人、自社に来てほしい人を積極的に選びます。
その人の個性を見極め、自社に貢献できる人材かどうかを評価するのが狙いです。
そのため、質問内容や評価ポイントもより具体的になり、面接の難易度は大きく上がります。
通過のしやすさ
二次面接の後、そのまま最終面接に進むという企業も少なくありません。
基本的に、二次面接には採用に値する人しか通過させないからです。
一次面接は「採用したくない人」を選ぶ面接、二次面接は「採用したい人」を選ぶ面接とも言われています。
選考の中で、二次面接が最も通過するのが難しいと言われているのはそのためです。
逆に言えば、一次面接はさほど厳しく精査されるわけではないということなので、その段階で気負いすぎるのもあまり良くないでしょう。
二次面接は実質的な最終面接と考え、緊張感を持って臨むことが求められます。
それぞれ目的が異なることを理解して、緊張感のレベルを切り替えていけば、モチベーションを保ったまま就職活動を進められます。
面接官の年次
一次面接は、比較的若手の社員や人事担当者が受け持つことが多いです。
基本的な素質や社会人としてのマナーなど、一次面接は判断基準が明確であるため、比較的経験の浅い社員でも見極めることができるからです。
ここでは実務能力よりも、あくまで社会人としてふさわしい振る舞いができるかどうかを判断されます。
一方の二次面接では、面接官の年次や役職が上がってきます。
管理職クラスの方が担当することも多く、日頃から現場に立って部下を見ている目線で評価されることも珍しくありません。
実務能力やこれまでの経験、企業人としてのビジョンなど具体的な質問をされるので、「将来自分の上司になるかもしれない相手と面接をしているのだ」ということを念頭に置いて本番に臨みましょう。
質問内容
一次面接では、比較的形式的な質問をされることが多いでしょう。
社会人としてのコミュニケーション能力をきちんと持っているか、状況を見て適切に振る舞えているかどうかを判断するのが狙いなので、変化球の質問はさほど多くありません。
質問の意図をしっかりと捉え、ハキハキと答えられれば問題ないでしょう。
一方、二次面接は面接者の能力を見極めることが目的なので、突っ込んだ質問をされることがあります。
自己理解が不十分だと答えにくいような質問をされることもあるので、自身の強みや個性について頭の中で整理しておきましょう。
また、その企業の理念を理解しているかどうかも判断基準とされることがあります。
企業理念や社風について研究しておき、きちんと答えられるようにしましょう。
面接形式
一次面接は集団形式、またはオンラインで行われます。
あくまで最初の選考なので、一度に多くの人数を面接して効率的に対応したいと企業は考えています。
個別の質問への対策というよりも、集団面接の流れを妨げないよう、スムーズに振る舞えることが重要です。
一方の二次面接では、個人面接や少人数での集団面接へと形式が変わります。
集団面接から個人面接、あるいはWebから対面に変わるなど、その人のことをより深く知ることができるような形式に変化していく傾向にあります。
仮に集団面接だったとしても、一次面接に比べると学生の人数が減っているので、心構えを大きく変える必要があると言えるでしょう。
一人ひとりの素質をじっくりと見極めようとする企業の狙いを理解し、自身の強みを積極的にアピールできるよう、準備してください。
【一次面接と二次面接はどう違う?】二次面接で見られているポイント
重要なのは、やはり二次面接です。
「ふるいにかける」という要素が強い一次面接とは違い、二次面接では企業側も面接者の個性や能力を見極めようとするからです。
一つひとつの回答に「なぜそうなったのか」「その経験で得られた結果は何か」などと、深掘りされることも多くあります。
逆に言えば、自分をアピールできるチャンスですので、質問されても慌てずに答えられるよう、前もって対策をしておきましょう。
二次面接で企業側から重要視される項目について、ここから詳しく解説していきます。
志望度
多くの面接官は、学生の志望度がどれほど高いかを見極めようとしています。
学生の熱意や志望動機、併願企業などを複合的に見て、志望度が高いかどうか確認しようとするのです。
同業他社ではなくなぜ自社なのか、具体的に説明を求められることもあるでしょう。
そのため、企業の特色や理念、力を入れている事業の内容や同業他社との違いなどについて、事前に下調べをしておく必要があります。
ホームページをチェックし、その企業が大事にしていることをメモしておき、それに自分の考えを含めて答えるようにすると良いでしょう。
また、「自社が第一志望ですか?」と聞かれる場合もあるので、堂々と胸を張って答えられるよう、あらかじめ心構えをしておくようにしましょう。
求める人物像に沿った人物か
応募者が企業側の求める人物像に沿っているかどうかも、二次面接においてチェックされるポイントです。
多くの場合、企業で必要とされる強みや行動特性を持っているかどうかが確認されます。
この点が企業側と学生側で一致していないと、せっかく採用しても早期離職のリスクを負うことになります。
企業が重視しているのは、社員の積極性なのか、それとも柔軟性なのか、求められる人物像を事前にリサーチしておきましょう。
その企業の社風を調べ、どういう人物像が歓迎されるのか把握する必要があります。
自分がその人物像にマッチすると考えるならば、ぜひとも二次面接でアピールしていくべきです。
逆に言えば、一次面接ではさほど重視されない部分なので、その段階ではアピールする必要はありません。
【一次面接と二次面接はどう違う?】二次面接に向けて行うべき対策
一次面接と二次面接、それぞれの狙いの違いについては、これまでの説明で十分に理解できたかと思います。
続いて、二次面接に臨む際の具体的な対策について説明します。
一般的なマナーや社会人スキルが求められる一次面接とは違い、状況に合わせて臨機応変に対応していくことが求められるのが二次面接です。
就職活動全体を通して最も大事な通過点と言えるので、入念な準備が必要です。
一次面接だけでなく、二次面接の対策も進めていきましょう。
志望動機の深掘り対策
二次面接で特に苦労するのが、「志望動機の深掘り」です。
面接者の志望度が高いかどうか、本当に自社に入りたいと思っているのかどうかを見極めるため、志望動機を深掘りされることが非常に多いのです。
一次面接より一人あたりに割く時間が長いので、踏み込んだ質問をされると覚悟しておいた方が良いでしょう。
ここで良い返答ができないと、面接者の印象は大きく下がります。
いくら個人の能力が高くても、志望動機があいまいなら「本気ではない」と判断されてしまうことになるでしょう。
また、あまりにも的外れなことを述べると、「企業研究が足りない」と指摘されてしまうこともあります。
それまでの当たり障りのない問答とは違い、より具体的なやり取りが必要になってきます。
志望動機の対策はOB訪問がおすすめ
どのような志望動機が歓迎されるかは、企業によってさまざまです。
社員のスキルアップを歓迎している企業もあれば、何より会社に貢献したいという気持ちを重視する企業もあります。
歓迎される志望動機が何なのか確認するためには、実際にその企業で働いている社員に聞くのが一番でしょう。
社員と面接官は感覚が近いため、その志望動機で本当に志望度が高く感じられるかをたしかめることができます。
OB訪問を行って企業の内情を探り、そこで自分がどう働きたいのか、どこに魅力を感じたのか説明できるように準備しておきましょう。
また、志望動機を簡潔に説明できるよう、事前に整理しておくことも大事です。
結論ファーストで述べながら、具体的なエピソードや背景も交えて説明できるよう、模擬面接などで練習しておくと良いでしょう。
ほかに受けている企業の回答内容の準備
二次面接では、併願している企業の名前を聞かれることもあります。
併願は当たり前のことなので、特に隠す必要はありません。
しかし、ここでその企業より大手の会社を挙げてしまうと、「自社は本命ではないのだろう」と思ってしまうかもしれません。
そのため、基本的には業界内でも同じくらいのレベルの社名を挙げるのがベターです。
また、なぜその企業を受けているのか説明できるように準備しておくことも大切です。
面接官が確認したいのは、あくまで自社への志望度の高さなので、「こういう理由により他社も併願している」と明確な理由があれば、併願自体がマイナスになることはありません。
志望動機に一貫性を持たせ、正直に答えるようにしましょう。
【一次面接と二次面接はどう違う?】二次面接で聞かれやすい質問例とその意図
一次面接と似た質問であっても、二次面接ではより深く掘り下げられることが多いです。
質問の表面だけにとらわれず、どんな切り返しにも対応できるよう、事前に質問の種類や特徴を把握しておくことが望ましいです。
面接官から受ける質問にはどんな意図があるのかを理解し、前もって返答の内容を考えておきましょう。
ここからは、二次面接で実際に聞かれやすい質問の例を紹介していきます。
なお、以下に挙げているのはあくまでも一例です。
受ける企業によって変わるため、多くの面接をこなして「実際はどんな聞き方をされるのか?」を確認するようにしてください。
就活の軸・企業選び・業界選びの軸を教えてください
「あなたにとって就活や企業・業界選びの「軸」は何なのかを教えてください」と聞かれることがあります。
「軸」と言われるとイメージがつかみにくいかもしれませんが、要するに「基準」のことです。
この質問をしてきた面接官は、あなたが就職活動において何を基準として企業を選んでいるかを確認しようとしています。
業界選びや企業選びの基準を問うことであなたが持っている価値観を聞き出し、志望度の高さをチェックしようとしているのです。
他社の選考状況を教えてください
併願している企業の選考状況について聞かれることもあるでしょう。
自社以外の選考状況を知ることで、その就活生の優秀さや、自社の志望順位をたしかめようとする質問です。
他社の内定をすでにもらっている場合は、その通りに答えることに引け目を感じるかもしれませんが、正直に答えて差し支えありません。
他社の面接も熱心に受けていることは、言い換えればその業界への志望度が高いということです。
ただし、あくまで今面接を受けている企業が第一志望であることを忘れずに伝えるようにしましょう。
自社の志望度・志望順位はどのくらいですか
面接を受けている企業の志望順位について確認される場合があります。
「本当に自社に入社してくれるか」「内定を出した際に辞退しないか」をたしかめるのが狙いです。
せっかく面接を通過させて内定を出しても、辞退されては企業としても困るわけです。
この質問には、「第一志望です」と答えるのが基本と考えましょう。
第一志望ではないのに第一志望と答えることに抵抗がある場合は、「第一志望群です」と答えることもできますが、その場合はやや印象が下がることを覚悟しておきましょう。
併願している他社ではなくて自社に魅力を感じているポイントはどこですか?
併願している場合、「他社ではなく自社のどういった部分に魅力を感じるのか?」という質問を受けることもあります。
自社の魅力を聞き出すとともに、学生の志望度が本当に高いかどうかを確認する質問です。
また、自社の理念や社風などについて具体的に理解しているかどうかもこの質問で見極められてしまいますので、「なぜその会社に入りたいのか」を原点に立ち返って考える必要があります。
併願企業との違いについてあらかじめ整理しておき、しっかりと答えられるように準備しておきましょう。
入社後に携わりたいことは何ですか?
「入社後にどんな仕事に携わりたいか?」という問いかけは、ほぼ定番の質問と言われています。
入社後のビジョンを確認することで、自社への理解の深さをチェックしようとする質問です。
また、どのような分野に携わりたいかを確認し、それを通じて志望度を確認しようとする狙いもあります。
「面接さえ通ってしまえばいい」というその場しのぎの考えを持った学生は、企業も採用したくはありません。
その企業にどのような部門があるのか、自分がどういった方向で活躍できそうなのかを事前に確認して質問に答えられるようにしておきましょう。
【一次面接と二次面接はどう違う?】二次面接に不安がある人はエージェントの活用がおすすめ
一次面接と二次面接の違いについての大まかな説明は以上です。
それぞれの違いや重視されるポイントなどがわかったかと思います。
しかし、大事な注意点を踏まえても、二次面接に臨むにはまだまだ不安が大きいという人は多いと思います。
また、集団面接から個別面接に変わるなど、プロセスが大きく変わって「これまでのやり方は通じないのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。
二次面接は言わば就活の「山場」なので、緊張するのも無理はありません。
そのような方は、より踏み込んだ内容の指導を受けると良いでしょう。
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まとめ
今回は、一次面接と二次面接の違いについて詳しく解説しました。
一次面接は「ふるいにかけるため」、二次面接は「志望度を確認するため」に実施されていると理解すれば、どのように振る舞うのが適切かわかるはずです。
それぞれ内容が違うので、気持ちを切り替えて入念に準備しましょう。
また、異なる局面に合わせて必要な対策を講じることは、就活全体を通して求められるスキルです。
一次面接も二次面接も、最終面接に向けての前準備と考えて、着実に自分のやるべきことをこなしていきましょう。