はじめに
自己PRに悩む就活生の中には、「笑顔はアピールポイントになるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
笑顔は話しやすいアピールポイントのため、自己PRの選択肢に笑顔を入れる就活生も多いようですが、実際に効果的なアピールになっているのでしょうか?
そこで今回は、「笑顔は自己PRになるのか」といった疑問のほか、笑顔が評価される企業、笑顔を自己PRにする際のポイントなどについて解説します。
例文もご紹介しますので、自己PRで笑顔をアピールしたいと考えている方は参考にしてみてください。
【笑顔は自己PRになる?】笑顔は自己PRになる?
自分の強みやスキル、特技を企業側にアピールする自己PRは、企業の面接やエントリーシートで頻出の質問・項目です。
そんな自己PRで笑顔が強みになるかどうかですが、笑顔も十分自己PRとして使えると言えます。
自己PRの笑顔を評価してもらうためのポイントは、コミュニケーション能力のアピールにつなげることです。
たとえば、接客や営業など対人関係が重要視される職種では、コミュニケーション能力の高さは採用の決め手にもなり得る大事な要素になります。
逆に言えば、コミュニケーション能力よりも個人のスキルや実績を重視する業種や企業では、笑顔が自己PRとして不十分になる可能性があります。
接客や営業など、笑顔でのコミュニケーションが活きる職種にエントリーする際は、笑顔を自己PRとして活用してみましょう。
【笑顔は自己PRになる?】企業が自己PRを聞く理由
企業は自己PRを通じて、採用の可否に重要な要素を見ています。
笑顔を自己PRにするかどうか検討する前に、そもそもなぜ企業が自己PRを就活生に質問するのかを知っておくと良いでしょう。
自己PRが聞かれる理由や評価ポイントを押さえておくと、高評価を得るためにどのような自己PRを伝えれば良いかを逆算して考えるのに役立ちます。
ここでは、自社とのマッチ性・人柄・スキルや適性の3つの観点から、企業が自己PRを質問する理由を解説します。
自社とのマッチ性を知るため
企業が自己PRを聞く理由として、自社とのマッチ性を知ることが挙げられます。
企業としては、入社後に自社で活躍できる人材を採用したいと考えるのが一般的です。
また、どんなにすばらしい強みを持っていても、企業の雰囲気や価値観に合っていなければ、入社後にすぐ退職してしまうなどのリスクが生じます。
そのため、自社の雰囲気や価値観、求める人物像にマッチし、入社後にいきいきと働ける人材であるかを判断するために自己PRを聞いていると言えるでしょう。
自己PRを考える際には、いかに自分が企業の雰囲気や価値観に合った人材であるかアピールできる内容に仕上げることが重要です。
採用担当者に「この人なら自社とマッチするので、入社後に活躍してくれるはず!」と思ってもらえるような自己PRを考えていきましょう。
人柄を判断するため
その人がどのような性格や雰囲気なのかといった人柄を判断することも、企業が自己PRを聞く理由です。
自社と似た価値観の人かどうか、入社後自社でいきいきと働いていけるかを判断するために企業側は就活生にさまざまな質問を投げかけますが、短い面接の中で、企業側が就活生の人柄を理解するのは決して容易なことではありません。
しかし自己PRは、自分の強みやこれまでの経験など、その人の人柄や個性が表れるため、この部分を重点的に聞くことで「自社に合う人材かどうか」の判断が可能です。
人柄が企業の雰囲気や価値観と合っていれば高評価が期待できるため、自己PRの際は、応募する企業の価値観や風土と自分が合っている点もアピールできると良いでしょう。
スキルや適性を見ている
自己PRを聞くことで、その人が持つスキルや、自社への適性をチェックできます。
そのため、多くの採用担当者は就活生の持つ強みや経験を聞き、入社後に自社へ貢献できる人材であるかを考えています。
自己PR以外の質問項目から資格やスキル、適性について知ることもできますが、具体的にそれらがどう仕事に活かせるのかまではなかなかわかりません。
自己PRでは、より具体的なエピソードから、その人のスキルや適性が自社とマッチするのかを判断しようとしています。
そのため、自己PRを考える際は、企業が求めているスキルや現場の業務で必要になりそうな要素とリンクするエピソードがないか探してみましょう。
また、「この人なら自社に貢献してくれるはず!」と思ってもらえるようにブラッシュアップしていくことも重要です。
【笑顔は自己PRになる?】笑顔が評価されやすい企業の特徴
笑顔が強みであることは、コミュニケーション能力のアピールにもつながります。
そのため、笑顔によるコミュニケーションが仕事に活きるような業種や企業では、笑顔の自己PRが評価される可能性が高いと言えます。
不動産を扱う会社や洋服を販売する会社などは、イメージしやすい代表例です。
逆を言えば、笑顔でのコミュニケーション能力が重視されない業種や企業では、笑顔が自己PRとして不十分になる可能性があります。
自己PRを考える前に、選考を受ける業種や企業が笑顔を評価する企業の特徴に合致するかどうかチェックしましょう。
社外交流が多い企業
笑顔が評価される企業として代表的なのが、社外交流の多い企業です。
スーパーやホームセンターなどは、笑顔で仕事をしているイメージが湧きやすいでしょう。
一般的に笑顔で人と話せる能力は、顧客との対人業務においてほぼ必須とされています。
たとえば営業職の場合、自社の商品やサービスを利用してもらうために企業を訪問してプレゼンする場面が多々あります。
もちろんプレゼン能力が必要になりますが、「営業の人」というだけで相手が身構えてしまうケースもあるため、まずは相手の緊張を解き、信用して話を聞いてもらうようにするスキルも重要です。
相手の緊張を解くには、険しい表情ではなく笑顔で優しい表情の方が良く、強みである笑顔が活きると言えます。
社外交流の多い企業では、笑顔が評価されるケースも多いため、笑顔の良さやコミュニケーション能力の高さをアピールしていきましょう。
社内調整が多い企業
社内調整が多いことも、笑顔が評価されやすい企業の特徴です。
笑顔で仕事というと接客や営業がイメージされますが、社内での業務調整においても笑顔でのコミュニケーションが求められます。
社内の複数の部署間でやり取りが必要な仕事や、上司や役員から決裁をもらうシーンでは、笑顔でのコミュニケーションが必要になるでしょう。
特に相手に依頼をする場面では、不愛想にお願いしてくる人よりも、笑顔でハキハキと内容を伝えてくれる人の方が好印象です。
不愛想だからといって依頼を断られることはなくても、笑顔で依頼をされる方が相手も気持ちが良いですし、「この人の依頼なら」と快諾してくれることもあるでしょう。
笑顔でのコミュニケーションが、社内での仕事を円滑に進める手助けをしてくれるのです。
そのため社内調整の多い企業では、笑顔でのコミュニケーションが評価される傾向にあります。
出社勤務が多い企業
オフィスへの出社勤務が多い企業では、笑顔が良い評価につながる可能性が高まります。
コロナ禍でテレワークも広がりましたが、そんな中で出社を推奨する企業は、社員同士の対面でのコミュニケーションを重視していると言えます。
また、業界や職種の特性上、オフィスや店舗、施設などに足を運ばなければならない場合もあるでしょう。
出社勤務の場合、同僚と顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が多く、笑顔での挨拶・会話が欠かせません。
社内調整が多い企業と同様に、笑顔でのコミュニケーションが社内での仕事を円滑に進める手助けをしてくれます。
希望する企業が出社を求めるケースでは、笑顔の自己PRが高い評価を受ける可能性が高いと言えます。
【笑顔は自己PRになる?】自己PRで笑顔をアピールしたいときのポイント
先述したように、笑顔によるコミュニケーションが評価される企業や業界を志望する場合には、自己PRでの笑顔のアピールが高評価につながる可能性があります。
しかし、ただ「笑顔が強みです」と伝えるだけでは説得力がなく、残念な自己PRになってしまうため注意が必要です。
「強みである笑顔を活かし、入社後に活躍できる人材である」と伝え、内定を勝ち取りましょう。
ここでは、自己PRで笑顔をアピールするときに押さえるべきポイントを2つご紹介します。
具体的なイメージを持たせる
自己PRで笑顔をアピールしたいときには、笑顔が強みと言える具体的なエピソードを伝えましょう。
「私の強みは笑顔」だけでは具体的なイメージが湧かず、説得力のある自己PRだとは言えません。
笑顔を活かし、どのような場面でどれくらいの成果が得られたかを話すことが大切です。
具体的なエピソードを話すことで、採用担当者に「入社後の姿」をイメージしてもらえるようになります。
これまで笑顔について褒められた経験や成果を振り返りながら、「笑顔で接客したおかげでリピーターを獲得できた」などのエピソードを伝えましょう。
採用担当者に具体的なイメージを持たせることができれば、他者との差別化が叶い、より高い評価を受けることができます。
仕事へどのように活かすのかを伝える
笑顔が仕事にどう活かされるのかは、自己PRで笑顔をアピールするときの大切なポイントです。
一般的に良いとされる人柄であっても、入社後の仕事に活かされなければ、企業に評価される強みであるとは言えません。
企業は自社とのマッチ性や人柄などを自己PRからチェックしているため、いかに企業の求める人物像に合致しているのか、笑顔を切り口に伝えられると良いでしょう。
入社後に笑顔を活かしてどのように働きたいと考えているのか、今後の活かし方を伝えると、実際に企業で活躍するイメージが採用担当者の中で膨らむようになります。
笑顔が求められるのは具体的にどのような場面かを考えつつ、これまで笑顔が強みとして活きた経験を振り返っていくのがおすすめです。
【笑顔は自己PRになる?】自己PRを伝えるときのおすすめ構成
自己PRは、主に企業とのマッチ性や人柄など、ほかの質問ではわからない就活生の強みを理解するために求められます。
しかし、自己PRを伝える際、具体的にどのような構成で話を組み立てるのが良いのでしょうか。
自己PRの構成としては、結論→理由→エピソード→結論の順で話すのが良いと言われています。
話に一貫性を持たせ、より高評価をもらえる自己PRを考えていきましょう。
ここでは、笑顔を自己PRでアピールする例を用いながら、自己PRの構成ポイントを解説していきます。
結論
自己PRでは、「自分の強みは笑顔です」と結論から伝えましょう。
どのような強みについて話すのかを最初に伝えると、採用担当者もその後に続く話を理解しやすくなります。
笑顔をアピールする場合は「自分の強みは笑顔です」「笑顔で人とコミュニケーションすることを常に意識しています」などの結論から話し始めましょう。
笑顔以外の場合でも、自分の強みを簡潔かつ具体的に伝えることが重要です。
具体的でない内容を長々話してしまうと「結局あなたの強みは何?」と採用担当者も混乱するため、一言で自分の強みを説明できるよう準備しておくと良いでしょう。
理由
結論の後は、なぜ笑顔が自分にとって強みなのかを説明しましょう。
ただ「笑顔が強みです」とだけ伝えても、具体的な理由がなければ説得力がありません。
周囲から褒められたことや笑顔によって出した成果など、強みと言えるだけの理由を考えてみましょう。
たとえば、「アルバイト先のお客様に笑顔での接客を褒めてもらった」「笑顔で明るく振る舞いチームの士気を高めた」などが理由になります。
なぜ結論の強みが強みと言えるのか、これまで人にかけられた言葉や経験を振り返りながら考えていきましょう。
経験
自己PRの結論と理由の後は、具体的な経験やエピソードを紹介します。
強みがどのような場面で発揮されたのかは、仕事で活躍するイメージを抱いてもらうために重要です。
たとえば、「お客様に笑顔で丁寧に接客をした結果、自分と話すのを楽しみに来店してくれるリピーターを獲得できた」など、強みによってどのような成果があったのかを伝えましょう。
企業側は、自社で活躍できる人材かどうか判断するために自己PRを聞いているので、入社後の仕事に活きると思ってもらえる経験を述べるようにしてください。
再度結論
自己PRは、自分の強みを再度伝えて締めくくりましょう。
自己PRは話す内容が多くなる分、採用担当者も受け取る情報が多くなりますが、最後に結論を強調して伝えると、大切なポイントが採用担当者の記憶にも残りやすくなります。
笑顔が自己PRの場合には、「自分の強みである笑顔を活かして仕事をしていきたいです」などが結論になります。
最初の結論と同じく、自分が最もアピールしたい内容を簡潔かつ具体的に伝えることがポイントです。
【笑顔は自己PRになる?】自己PRを伝えるときの注意点
笑顔によるコミュニケーションが仕事に活きるような職種や企業では、笑顔の自己PRが効果的に働く傾向が強いです。
接客や営業などお客様と接する職種や、社内調整が多い企業を志望する場合、笑顔が仕事に活きるとアピールできれば高評価が期待できるでしょう。
しかし、笑顔を自己PRとしてアピールする際には注意点もあります。
スキルや経験は、選考中にその真偽を直接的に確認するのが難しいですが、本当に笑顔でコミュニケーションが取れるかどうかは選考中ならいつでも確認できます。
たとえ完成度の高い内容であったとしても、選考中に「この人の強みは本当に笑顔なの?」と疑問を持たれてしまっては、せっかくの自己PRが台無しです。
注意点を押さえて、説得力のあるアピールをしましょう。
面接中も笑顔を意識する
自己PRで笑顔を伝える注意点として、面接中も笑顔をキープし続けることが挙げられます。
日常生活では常に笑顔を絶やさない人であっても、面接など緊張する場面では顔が強張ってしまう可能性もあります。
しかし、笑顔でのコミュニケーションが求められる営業や接客では、緊張する場面も多いでしょう。
そのような環境下で笑顔が発揮できないと、仕事で活かせる強みであるとは言えません。
スキルや経験の話など、採用担当者が真偽をたしかめづらい話題がある一方、笑顔はその場で評価しやすいのが強みです。
面接中に緊張や難しい質問で真顔になってしまい、笑顔で受け答えができないと、あなたの評価が落ちてしまう可能性があるため注意しましょう。
活かし方を説明する
自己PRで笑顔をアピールする際には、笑顔が仕事のどのような場面で活かされるのか具体的に説明しましょう。
ただ「常に笑顔を心がけている」だけの説明では、ただのチャームポイントで終わってしまうリスクがあります。
企業が自己PRを聞く背景には、自社とのマッチ性やスキル面などを知る目的があります。
自己PRでは、強みである笑顔が入社後の仕事にどう活きるのかを伝える工夫が必要です。
これまで強みである笑顔が活きた経験を踏まえて、笑顔でいると仕事にどれだけ良い影響を与えるのか、笑顔を活かしてどのようなことに挑戦したいのかを具体的に伝えましょう。
活かし方を伝える際のポイントは、入社後に活躍するイメージを採用担当者に持ってもらえるような説明をすることです。
【笑顔は自己PRになる?】自己PRの例文
自己PRを考える際には、笑顔が強みである理由や経験、エピソードをしっかりと深掘りしておくことが重要です。
笑顔でのコミュニケーションを重視する企業では、高評価も期待できる笑顔の自己PRですが、説得力が弱いと残念な自己PRで終わってしまうリスクが高まります。
「私の強みは笑顔です」と結論付ける場合には、具体的にどのような経験からそう言えるのか、笑顔によってどのような成果があったのかなど具体的なエピソードを必ず用意しましょう。
アルバイトの経験
塾講師のアルバイトでは、笑顔と明るさのおかげで担当生徒との信頼関係を早期に構築でき、生徒の成績向上に貢献しました。
塾講師をするうえで意識していたのは、まずは生徒から学校の様子や勉強の得意不得意について話を聞くことです。
私が笑顔で話しかけていくと、生徒もすぐに多くの話をしてくれるようになります。
そこからそれぞれの生徒に合った教え方や勉強方法を検討し、指導に反映していきました。
その結果、赤点ばかり取っていた男子生徒が、約3ヶ月で平均点を超えるほどまで成長しました。
笑顔と明るさで相手と良い関係を構築し、課題解決へのアプローチができることは、仕事にも活きる長所であると考えています。
この笑顔と明るさを活かし、貴社の売上に貢献していきたいと考えています。
部活の経験
学生時代、バレーボール部に所属しキャプテンを務めましたが、当時のメンバーから「キャプテンの笑顔に救われた」と声をかけてもらったことが印象的です。
私が所属しているバレー部は練習量が多く、疲れが溜まってくるとチーム全体のモチベーションが下がってしまう場面が多々ありました。
しかし、そんなときでも笑顔で前向きな言葉を発すると、チーム全体に前向きな雰囲気が広がっていくと感じていたため、自分が率先して笑顔でメンバーと話すようにしまた。
このような取り組みがあったからこそ、チーム全員でつらい練習を乗り越えられたと実感しています。
また、学生最後の大会では、県大会出場と過去最高の成績を残すことができました。
貴社の業務においても、自分が率先して笑顔でコミュニケーションを取り、求められている結果を残したいと考えています。
【笑顔は自己PRになる?】おわりに
笑顔でのコミュニケーションが活きる企業にエントリーする際は、笑顔も自己PRでのアピールポイントとなります。
一方で、「笑顔を入社後の仕事にどう活かすか具体的に説明できていない」「面接中に難しい質問をされて真顔になってしまう」など、やや説得力に欠ける内容では思うような評価は得られないため注意しましょう。
自己PRで笑顔をアピールしようと考えている方は、具体的なエピソードを交えながら、「入社後に笑顔を活かして活躍できる人材だ」と思ってもらえるように工夫してみてください。