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はじめに
ESは就職活動において、企業に応募者を知ってもらうための第一歩です。
しかし応募者が多い人気企業だと、ESがいきなり最初の審査を兼ねていることもあります。
就活生の中には、ESがなかなか通らず困っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、ESがなかなか通らない方には何らかの悪い理由があることが多いです。
今回は、ESが通らない場合に考えられる理由や、ESの作成ポイント・例文を紹介します。
なかなかESが通らず悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。
【ESが通らない理由とは】ESが通らない理由
まずは、ESが通らない場合に考えられる理由を見ていきましょう。
倍率が高い企業だとESで落とす割合も高いので、仮にESが通過しないからといってその方の文章に問題があるとは限りません。
しかし、何度も落ちてしまう方、人気企業でなくても落ちてしまう方は、文章そのものに問題がある可能性が高いです。
悩んでいる方は、自分のESを一度見直しましょう。
そして、以下の項目で紹介するポイントに当てはまっていないかどうかチェックしてみてください。
誤字脱字が多い
まずは基本的な部分で、日本語がおかしくないか注意しなければなりません。
誤字・脱字が多いと、それだけで「注意力が散漫なのではないか」「日本語のスキルに問題があるのではないか」と思われてしまいます。
文章を作るのは事務系のイメージを持つ方もいるかもしれませんが、職種を問わずメールなどで文章を作成しなければいけないシーンは多いです。
基本的な日本語力ができていないと思われてしまうと、ESの段階で落とされてしまっても仕方ないでしょう。
また、誤字・脱字が多いと「短時間で作った文章ではないか」「自社の志望度がそれほど高くないのではないか」と思われる可能性もあります。
入社意欲を示すうえで、提出書類を丁寧にミスなく作ることは非常に大切です。
文章にまとまりがない
1つの文が長すぎたり、主語述語の関係がおかしかったりする文章を作っていないかも要注意です。
1つの文で読点(、)が4つも5つも出てくる文章は、2つの文に区切った方が読みやすいでしょう。
最近のESはweb経由で提出することも多いですが、キーボードで文章を作ると手入力より早く文章を作れます。
急いで文章を作って読み返さずにいると、主語述語の関係がおかしい文章になっていることが少なくありません。
たとえば、「私が貴社を志望するのは、貴社が○○に力を入れていることを魅力に感じ志望しました」というような、主語と述語がねじれている文章です。
少し読み返せばおかしいことにすぐ気づくのですが、何枚もESを書いているうちにこうしたミスが起きがちなので注意しましょう。
設問の意図と回答が異なっている
ESにはさまざまなスタイルがあり、企業によっては非常に多岐にわたる設問を設けているケースも少なくありません。
そこで設問の意図と回答が異なっていると、通過率が下がってしまうおそれがあります。
たとえば、「あなたの長所を教えてください」という設問があるとします。
これはESだけでなく、面接でもよく質問されることでしょう。
しかし、ここでいう「長所」とは仕事に通じるものを意味しています。
仕事にまったくつながらなそうな長所や特技を書いても意味がありません。
もちろん、一見仕事と関係なさそうなことでも、それがどのように自分の仕事や学業に活きているか、今後どう活かしたいかを説明することはできます。
ESの質問が何を意図しているか考え、どうすれば良いアピールになるか考えてから文章を書き始めてください。
企業の採用の方向性とマッチしていない
多くの企業は、自社に求める人材の方向性というものを設定しています。
そこで、企業のホームページやパンフレットなどから「求める人物像(社員像)」といった項目がないかチェックしてみましょう。
多くの企業では、どんな人材が欲しいかを明確に説明しています。
文章自体が良い内容でも、企業が採用したいタイプではないと判断されるとESで落ちてしまう可能性があるので注意してください。
企業とのミスマッチで落とされてしまうことを防ぐために、事前に説明会に出席したりホームページで情報収集したりしておくことをおすすめします。
なお、自分を偽って企業の求める人物像に近づけるのは好ましくありません。
自己分析を行い、自分自身のことを振り返りながらどんな文章にするのかを考えましょう。
具体性に欠ける内容である
ESで企業がチェックしたいと思っていることのひとつに、学生の個性や熱意があります。
自分の人柄を際立たせるためには、文章を具体的にすることが大切です。
たとえば志望動機にしても、「貴社が○○で業界ナンバーワンであるためです」だけでは個性を示すことが難しいでしょう。
しかしこれを「自分はXXのアルバイトを通じて○○に興味を持ち」「○○の中でも特に質の高い貴社のサービスをより多くの人に使ってほしいと思い」といった文章につなげれば、より具体性が増します。
また、自分の過去の経験を書いたり、企業に対する自分なりの想いを書いたりするのも有効です。
できる限りの工夫を行い、面接官に自分の人物像をイメージしてもらうようにしましょう。
【ESが通らない理由とは】ESの内容以外で通らない要因
次に、ESの文章に大きな問題がなくても落ちてしまう場合について考えます。
どの企業を受けてもほとんど不合格にならず、引く手あまたで内定先を選び放題という人はほとんどいません。
多くの方は、就職活動をする中で何度も面接に落とされる経験をします。
そのため、落ちてしまったこと自体を恥じたり落ちた自分をダメな人間だと感じたりする必要はありません。
次の企業との縁をつなぐために何ができるかを考えるなど、未来に向かって行動を起こしていくことが大切です。
倍率が高い企業にのみエントリーしている
ESを提出した企業が、倍率の高い人気企業だけだったということはないでしょうか。
倍率の高い企業は、ES通過率がどうしても低くなります。
特に大人数の面接となれば、どうしても多くの時間・面接官が必要になるので、面接までの筆記試験と書類選考で多くの人を落とさざるを得ません。
特に人気企業だと、基本的なポイントを守って良いESを書けていても、同じくしっかりしたESを書けている人がたくさん応募しているため、倍率は高くなりがちです。
企業とのマッチ度・学歴などでふるいにかけられ、惜しくも落ちるということはたくさんあるでしょう。
しかし、しっかりした文章を書けていれば、いずれ自分を評価してくれる企業から「次の選考に進んでほしい」という連絡が来るものです。
就職活動序盤で倍率の高い企業に落とされても、焦ることなく就職活動を続けましょう。
学歴フィルターにかけられている
就職活動において、ESは最初の関門という側面を持っています。
応募数が多く全員を試験に呼べない企業では、応募者の学歴を見て判断する傾向が強いです。
そのため学歴が高くない方は、就職活動の序盤で次々とESで落とされてしまうということが起こり得ます。
それは「学歴フィルター」にかけられているせいもあるので、必ずしもESが悪かったとは言えません。
「学歴フィルターにかかっているかどうか不安」という方は、OB訪問やインターンなどでその企業と積極的に接点を持ちましょう。
学歴フィルターをかけても、過去に縁のあった方は特別に次に進めるといった措置をしてくれる可能性がないとは限りません。
志望度の高い企業でES落ちはもったいないので、ES提出前にできることをしておくべきです。
自己分析が不十分
「自己分析が不十分で個性が見えにくい」「ほかの人と似通ったESになっている」という場合も落ちてしまう可能性が高まります。
特に志望動機は、どうしても自分と同じことを書くライバルが出てくるものです。
しかし、志望したきっかけにつながる過去の経験は十人十色で、具体的なエピソードを書くことで差別化できます。
具体的なエピソードを書いて自分らしさをアピールするためには、事前にきちんと自己分析をしておく必要があります。
どうして自分がその職種に就きたいと思ったのか、自分の強み・弱みはどこかなど多角的に分析しましょう。
自己分析の仕方はいくつもあり、どれも数十分程度で終えられるものではありません。
また、自分自身で気づかなかった長所を知るために、家族や友人に話を聞いてみるのも良いでしょう。
企業分析が不十分
自己分析と並んで大切なのが、企業分析です。
まずは最低限企業が求める人物像を把握し、それに適した内容を書かなくてはいけません。
さらに調べておくべきポイントは、「応募する企業がどんな事業をしているか」「どんなビジョンを持っているか」です。
こういったポイントは、企業のホームページやIR、説明会でもらったパンフレットなどで簡単にチェックできます。
より詳しく企業について知りたいなら、OB訪問やインターンで現役社員の方と会って話を聞くのがおすすめです。
また、業界の中でなぜその企業を志望したかまで踏み込んで書きたいなら、業界全体の研究もしておきましょう。
志望先企業が業界の中でどのような立ち位置か、他社にない魅力は何かなどを知っておくとESを書きやすくなります。
【ESが通らない理由とは】ESを書くときのポイント
次に、ESを書くときのポイントを4点紹介します。
これから紹介する4つのポイントは、志望動機・ガクチカ・長所などどの記入欄でも共通して使えるものです。
いきなりESを書き始めるのではなく、まずはこうしたポイントを満たす文章を書けるよう何度か練習してみることをおすすめします。
特に第一志望の企業にESを提出するときは、入念に準備を進めなければいけません。
不安な方は、いくつか文章を作り、ほかの方に文章を読んでもらってアドバイスを受けると良いでしょう。
話に一貫性を持たせる
多くの人がESを書いていて失敗してしまうことのひとつに、各記入欄の間に一貫性がないことが挙げられます。
たとえば長所を「1つのことをコツコツ続けられる」としているのに、学生時代に力を入れたことに「○○やXX、■■などあらゆることに挑戦してきました」と書いては矛盾していると思われるでしょう。
もちろん人の長所は1つではないため、記入欄ごとに違う長所や個性が出ること自体は悪くありません。
しかしES全体を読んでもらったとき、その人に一本通った軸があると感じてもらうことは重要です。
採用担当に「スポーツが大好きな熱血漢」「トップに立つリーダーより参謀的な立ち位置が合う聞き上手」など、わかりやすいイメージを持ってもらえると良いでしょう。
結論ファーストを徹底する
ESや履歴書では、最初に「結論は○○です」と結論から書き始めることが大切です。
そして、その後に理由や具体的なエピソードを付け加えていき、最後にもう一度結論を強調させる方法は、PERP法と呼ばれます。
この方法を使う目的は、「何の話をしたいかわかりにくい」という状況を防ぐためです。
誰が見てもわかりやすい文章を書ければ、「文章力が高い」「論理的な話ができる」といった印象を与えられます。
また、結論が最初に短く書いてあると、採用担当者は書類をちらっと見ただけで一番重要な部分を読むことができます。
人気企業の採用担当者は何百枚ものESを読まなければならず、隅々まで細かく時間をかけて読むのは難しいでしょう。
最初に結論が書いていないと、大事な部分を読んでもらう前に落とされてしまう可能性さえありますので、できる限り結論ファーストの書き方を実践するようにしてください。
具体的な経験を用いて話す
文章の最初に書いた結論を補足する際に書く「理由」や「強み」では、具体的な経験を用いて話すことが大切です。
たとえば自分の長所なら、自分の強みがどんな場面で(アルバイト・部活)どのような結果をもたらしたか(売上○%アップ・優勝)まで書きましょう。
特に数字(TOEIC○点・大会で○位)を具体的に書けると、説得力が高まります。
しかしESの記入スペースは限られており、文章が長すぎてはいけません。
採用担当者に各項目1~2分程度で読んでもらえるボリュームに抑えつつ、具体的なエピソードを盛り込んでまとめるのはなかなか大変です。
慣れないうちはどこを省略できるか吟味する必要がありますし、文章力自体を上げてより短く論理的な文章にまとめる練習をする必要もあります。
企業で活かせることを強調
結論ファーストの文章を書くときは、最後にもう一度結論を書いて文章を結びます。
しかし、単に最初に書いた文を繰り返すのは好ましくありません。
今までの経験や自分の強みが、入社後どのように活かせるのかを端的に書くことが大切です。
たとえば「自分の長所は分析力です」という書き出しなら、「入社してからもこのような経験で培った分析力を○○の分野で活かしたい」とつなげられるでしょう。
入社後に自分の経験や強みを活かせることを書くのは、企業に入社したいという熱意をよりはっきり示すためです。
多くの企業は、自社への志望度の高さ(本当に第一志望かどうか)を重要な評価項目にしています。
ここで合否が分かれることもあるので、ESでも自分の入社意欲をしっかり伝えていきましょう。
【ESが通らない理由とは】ESの例文紹介
続いて、ESの例文を2パターン(志望動機・自己PR)紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
2つの例文はいずれも結論から書き始めており、その後具体的な経験につなげている点が共通しています。
また、最後に自分の強みや経験を入社後にどのように活かしたいか、どのように自分が活躍したかを書いている点も同じです。
この文章構成はどのような業種・職種でも使えるうえに、履歴書を書く際も役立つので、ぜひこの基本的な構成をマスターしておきましょう。
志望動機
私は将来○○からXXというキャリアプランを考えており、そのためには貴社のように向上心が強く互いに競争できる社員がそろう環境の方が良いと思っています。
実際にOB訪問をした際も、話を伺った■■様から同期と良いライバル関係になっていることを話していただけました。
私は大学時代○○部に所属しており、1年生のときはベンチ外でしたが、猛練習をした結果、3年生のときにレギュラーになっています。
厳しい練習に耐えられたのは、同学年に絶対的エースがいたために競争心を煽られたことが大きいです。
社会人になってからも良きライバルに恵まれる貴社で仲間と切磋琢磨し、部署内で一番の成果を出せる社員になれるよう、努力していきたいと思います。
自己PR
この強みを最も活かせたのは、昨年開催された美術サークルの発表のときで、私はポスターの製作を担当していました。
パートナーを組む上級生は、とりあえず先に行動してから考えるタイプなのに対し、私は慎重に計画を練ってから動きたいタイプで、まったく真逆の性格です。
そのため衝突することも多くありましたが、私はその上級生が行動してみたいという気持ちを尊重し、短時間で実行できることは一緒に行動に移すよう心がけました。
その結果、相手も自分の慎重な計画に耳を傾けてくれることが増えました。
このような努力が実り、最終的に入賞を果たすことができたのです。
貴社に入社後も自分のこの強みを活かし、相手の意思や性格を尊重しながら仕事をすることで貴社に貢献したいと考えています。
【ESが通らない理由とは】困ったら添削をしてもらおう!
ESがなかなか通らないと悩んでいる方や、良い文章を書けないと困っている方は、自分だけでESを作るのではなくほかの方に見てもらうのがおすすめです。
多くの大学では、就職サポートとしてESや履歴書の書き方を指導していることでしょう。
しかし、いつでも大学のサポートを利用できるわけではありません。
幸いなことに、ESのチェックは面接対策と違い、相手に時間や場所を合わせる必要がありません。
相手が承諾してくれればメールなどで原稿を送り、都合の良いときに添削してもらうことも可能です。
友達
比較的気軽にESのフィードバックをもらう方法は、友達に添削してもらうことでしょう。
ほかの人から指摘されないと気づかないことはたくさんありますし、思わぬイージーミスが見つかる可能性もありますが、文章の細かい添削や就活のアドバイスまで友達に求めるのは難しいでしょう。
しかし、あえて人生経験豊富な社会人ではなく、同年代の友達にESのチェックを依頼することにはメリットもあります。
たとえば、「自分の長所を正しく把握しているか」を確認できることが挙げられます。
これは、普段から一緒の時間を過ごしている友達の方が、自分について深く知っている可能性があるためです。
特に自分の強みをどのように書けば良いか困っている方は、まずは一度友達に相談してみてはいかがでしょうか。
OBOG
友達に依頼するよりも緊張するとは思いますが、社内のことをよく知っているOB・OGにESの添削を依頼するのもおすすめです。
人によって異なるものの、「もしかしたら○○のようなアピールの仕方の方が良いよ」など、より的確なフィードバックを受けられる可能性があります。
ただし友達に頼むのとは違い、ビジネスマナーを守って依頼しなければなりません。
たとえば原稿をメールで送る際、「時間のあるときに添削してください」といったメッセージを添えるなど、相手に配慮する工夫が必要です。
また、添削をしてもらった後、お礼の電話やメールをすることも忘れてはいけません。
同じ大学のゼミやサークルにOB・OGがいたりOB・OG訪問でお世話になった方がいたりするなら、ぜひES添削の依頼も検討してみてはいかがでしょうか。
就活エージェント
最後におすすめするのは、就活エージェントサービスの活用です。
就活エージェントを利用すると、専属の就活アドバイザーがさまざまな相談を受け付けてくれます。
ESや履歴書の添削だけでなく、面接対策・就活生が希望する条件にマッチする企業の紹介などもできるのが魅力です。
しかも、就活エージェントサイトは無料で利用できます。
就活のプロのサポートを得たいなら、ぜひ登録しておきましょう。
登録直後の相談から内定獲得まで、専属のアドバイザーが手厚くフォローしてくれます。
就活エージェントに興味を持った方は、ぜひ以下のサイトをチェックしてみてください。
こちらは3年連続で「就活相談に本気で向き合ってくれる会社第1位」に選ばれています。
おわりに
ESは、就活における最初の関門と言えます。
人気企業だと、ESの段階で多くの就活生を落とすことも珍しくありません。
そのためESがまったく通らず、一次面接や筆記試験さえ受けさせてもらえない状況になっている方は多くいます。
しかしESは、文章の構成や内容を工夫することで通過率を高められます。
本記事で紹介したテクニックやポイントを押さえながらESを作成すれば、これまで通らなかった書類選考を突破できるかもしれません。