はじめに
最終面接は選考における最後の段階であり、ここまでくれば内定獲得まであと一歩です。
しかし、選考の終わりが近いからといって油断してはいけません。
最終面接は経験を積むのが難しいため、予想外の事態が起こる可能性もあるでしょう。
そこで今回は、そもそも最終面接で落ちる可能性はあるのか、どういった理由で落ちるのか、最終面接を通過するためにはどんな対策が可能なのかといった点について解説します。
現在就職活動を進めている方だけでなく、今後就職活動を始める方もぜひ参考にしてください。
【最終面接に落ちてしまった】最終面接は落ちる?
そもそも、最終面接まで選考が進んだうえで落とされてしまう可能性はあるのでしょうか。
もしかしたら、「最終面接はあくまで形式的なもので、最終面接まで進んだ時点で実質的な選考はすでに終わっている」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
そういった噂を全面的に信じるのは少々危険です。
書類審査や一次面接・二次面接に比べると、最終面接の情報はやや集まりにくい傾向にあるため、信ぴょう性に欠ける内容になっている可能性も考えられます。
十分に下調べを行い、決して油断をせず最後まで気合いを入れて選考に臨むことが大切です。
まずは、最終面接でも落ちる可能性はあるのかという根本的な点について確認していきましょう。
最終面接でも落ちる可能性はある
結論から言うと、最終面接でも落ちる可能性はあります。
最終面接はあくまで選考のひとつであり、内定を告知する場や入社後の研修ではありません。
選考の一環として設けられている以上、最終面接にもそれまでの選考と同じスタンス、それ以上の気合いで臨むべきでしょう。
また最終面接の場合、それまでの面接とは重視されるポイントが少々異なります。
これまでの面接で好感触だったとしても、最後に落とされてしまう可能性があるということをしっかり意識しておきましょう。
企業によって通過率は異なる
先述のとおり落とされる可能性もある最終面接ですが、その通過率はどの程度なのでしょうか。
残念ながら、最終面接の通過率は企業ごとに異なるため明確な指標はありません。
これは、企業によって最終面接に求めている役割が異なることが大きな原因です。
最終面接の通過率が高い企業の中には、最終面接を入社意思の確認の場として活用しており、回答次第ではその場で内定を出すケースも見られます。
そういった企業においては、「最終面接まで進めば実質内定を確定したもの」という認識は間違っていないでしょう。
しかし一方で、最終面接においても就活生を厳しく審査し、一定数を落としていく企業も存在します。
重要なのは「最終面接の情報」を集めるのではなく、「志望企業の最終面接の情報」を集めて必要な対策を考えることです。
【最終面接に落ちてしまった】最終面接に落ちてしまう人の特徴
次は、最終面接で落ちやすい人の特徴を見ていきましょう。
最終面接の役割や通過率は企業によって異なりますが、ある程度の傾向は存在します。
面接が複数段階存在する選考においては、後半になるほどスキルや実績より内面的な部分が重視されるのが一般的です。
選考の締めくくりとなる最終面接においては、特にその方向性が強まると考えて良いでしょう。
そのため、最終面接で落ちやすい方にも一定の共通点が存在します。
以下のポイントに当てはまる方は、最終面接に臨む際に何らかの対策が必要になるかもしれません。
自信がない
就職活動とは、「企業に自分を採用するべきだ」と伝える自己アピールの場です。
そのため、質問の回答や行動から自信がないように見えてしまうと、それだけで低評価となってしまいます。
最終面接では就活生の内面的な部分が重視されるため、自信の有無は特に重点的にチェックされるポイントです。
就活の序盤ではなかなか面接に慣れず自信が持てなかったとしても、最終面接までにはしっかりと自信を持てるようにしておかなくてはいけません。
自信を得るためには、面接練習や他者の面接によって経験を積むことが役に立ちます。
また、実際は自信があったとしても、それが採用担当者に伝わらなくては意味がありません。
話し方や目線なども意識し、どうすれば自信がある振る舞いに見えるかを考えておくことが大切です。
企業の方向性と合わない
企業との相性は、スキルや性格と並んで就職活動で重視されるポイントのひとつです。
企業は採用活動に大きなコストをかけているため、その費用を無駄にしないためにもすぐに退職してしまうような人材の採用を避けたいと考えています。
企業と就活生の相性はすでにこれまでの面接でチェックされていますが、最終面接でもあらためて確認されると考えておいた方が良いでしょう。
最終面接における受け答えで就活生のキャリア設計と、企業の環境などに大きな乖離があると判断された場合は、能力的に問題がなくても落とされてしまう可能性があります。
かといって、嘘をつくなどして無理に企業に合わせても、お互いにとって良い結果にはなりません。
企業とのミスマッチが起こらないように、就活の初期段階からしっかりと企業研究を進めておきましょう。
採用の決め手にかける
明確な強みがなく、採用の決め手に欠ける就活生も最終面接で落とされる可能性があります。
この点は本人だけでなく、ほかの就活生の存在も大きく関わるため、運による要素も大きいかもしれません。
最終面接に進んだ中にスキルや相性が同程度と判断された人材が複数いた場合は、可もなく不可もなくといった人材の採用は後回しにされてしまうでしょう。
独自の強みやアピールポイントがすぐに思い浮かばない場合は、採用後のビジョンを明確に伝える方法が有効です。
内定をすぐあとに控えた最終面接では、入社後のことも現実的な未来像として考えておく必要があります。
入社後に自身がどのように活躍できるのかしっかりとイメージし、それを採用担当者に伝えましょう。
具体的な採用のメリットが伝えられれば、ほかの候補者に差をつけることができます。
【最終面接に落ちてしまった】最終面接に落ちてしまう主な理由
次は、最終面接で落ちてしまう具体的な理由を見ていきましょう。
落ちてしまう理由がわかれば、より具体的な対策が立てやすくなります。
以下で紹介するような理由は多くの企業の採用面接において当てはまるため、まずはこれらの要素の不安点を解消していくと良いでしょう。
最終面接に限らず、面接で落ちてしまう理由を考える際は、企業側の視点に立ちどういった人材を採用したくなるか考えてみることも大切です。
また、自身の弱点に気づくためには、模擬面接などでアウトプットの練習をすることも重要になってきます。
入社意欲が見られなかった
内定を出したあとに辞退されてしまうと、企業はそのまま採用活動を続けなければいけません。
そういった事態を避けるために、企業は面接を通じて就活生の熱意を注意深くチェックしています。
入社意欲が低いと判断された場合は、スキルや実績が十分で企業との相性が問題ない場合でも、最終面接で落とされてしまう可能性があるでしょう。
そのため、最終面接ではそれまで以上に自身の熱意を採用担当者に伝えられるように意識することが大切です。
入社意欲を伝える方法は「ぜひ入社したい」と熱心に述べるだけではありません。
「思い描いている入社後のキャリアパスのビジョンを伝える」「しっかりと企業研究を行っていることをアピールする」などさまざまな手段が考えられるでしょう。
偶然落ちた
身も蓋もない話になってしまいますが、特に理由がないのに偶然落ちる可能性もあります。
これは最終面接に限った話ではなく、運の要素は就職活動全体において少なからず関わってくるポイントです。
たとえば採用人数2人の企業で3人が最終面接に残った場合、自身にネガティブな要素がなくスキルや相性が基準以上だったとしても、ほかの2人がそれ以上の評価を受けていた場合は落とされてしまうでしょう。
落ちた原因が自分自身ではなく、ほかの就活生との兼ね合いや採用計画の都合にあるケースは少なくありません。
逆質問を有効活用できていない
逆質問とは、主に面接の終盤に設けられている就活生から企業への質問が可能なフェーズです。
「特に質問はない」と流してしまう方もいるかもしれませんが、逆質問はなるべく有効に活用することをおすすめします。
逆質問は通常の面接と異なり、就活生が主体となって企業にアピールができる貴重な機会です。
また、企業への関心度や熱意を示す手段としても活用できるでしょう。
むしろ、逆質問が何もないと答えてしまうと、入社意欲があまり感じられないと判断されてしまう可能性があります。
逆質問の内容はさまざまなものが考えられますが、最終面接の段階であれば、入社後のことや企業の将来に焦点を当てた質問がおすすめです。
5年後、10年後のビジョンについてなど、長期的に働く気持ちがあることをアピールできる質問内容を用意しておきましょう。
情報収集が不十分
基本的に面接では、段階が進むほど企業内で役職の高い人物が面接官となります。
最終面接では、企業の役員クラスや社長が面接官となるケースも多いでしょう。
そういった高い役職の面接官は、質問内容や着目するポイントがこれまでとは異なっている可能性があります。
企業の生い立ちや事業展開、競合企業、業界における立ち位置などについて質問されるケースも少なくありません。
そのため、最終面接に臨む際は、今までの面接以上に深く広く情報収集をすることが求められます。
これらの質問に対する回答を用意するための情報収集は、逆質問の内容や将来のビジョンを考える際にも役立つでしょう。
社会人や社員の視点から一歩進み、役員や社長の視点からどのような情報が必要になるのかを考えることが大切です。
【最終面接に落ちてしまった】最終面接前にやるべきこと
次は、ここまで解説してきた内容を踏まえて、最終面接前にやるべきことを確認しておきましょう。
ただし最終面接だからといって、それまでまったく触れてこなかったような新しいことにチャレンジする必要はありません。
ここまで積み重ねてきたことをあらためて整理し、より深掘りしていくことが重要です。
以下のような活動をあまり行ってきていなかった場合、最終面接で落とされてしまう可能性もあるでしょう。
これまでの就職活動を振り返り、自分が何をやるべきか考えてみてください。
業界・企業研究
業界研究や企業研究は、就職活動のすべての段階において重要な役割を果たす活動です。
業界や企業を選ぶ際にも必要になるため、最終面接まで進んでいる方であれば、すでにある程度の業界・企業研究は済ませてあるでしょう。
しかし先述したように、最終面接ではそれまでの面接とは異なる情報が必要な質問をされる可能性があります。
また、入社後のキャリアパスや実際の業務に関する情報については、これまであまり情報を集めていないという方もいるかもしれません。
OBOG訪問を実施していれば特に問題ありませんが、そうでなければ説明会でもらった資料や企業のホームページなどを再度チェックしてみてください。
可能な限りの方法を用いて業界・企業研究を深めておきましょう。
近年ではSNSで情報発信をしている企業も多いため、そちらも忘れずに活用するのがおすすめです。
自己分析を再度行う
自己分析は、就職活動において業界・企業研究と並ぶ重要な作業です。
これまで以上に就活生の内面が重視される最終面接に臨む際は、再度自己分析を行うと良いでしょう。
まず重要なのは、自身のことについてであれば、何を聞かれてもスムーズに適切な答えができるよう、準備をしておくことです。
やりがいを感じることや将来の目標などについてあらためて見つめ直すことで、より自分自身の理解が深まります。
次は、自分について把握したうえで、それをもとに志望動機の言語化や熱意の表現について考えてみましょう。
最終的には「自己分析の結果、御社がベストな選択肢です」という主張を述べられれば、最終面接も通過しやすくなります。
企業研究と組み合わせることで、社風とミスマッチな人材と判断される可能性も減らせるでしょう。
第一志望の理由を詰める
「なぜ弊社を選んだのか」という質問は、選考過程で何度も聞かれる重要な質問です。
すでにしっかり答えを用意し、自信を持って回答できる方も多いでしょう。
しかし内定を目前に控えた最終面接では、それまでの面接以上に深く鋭く回答内容が吟味されます。
特に役員や社長が面接官となった場合は、経営者の視点からよりシビアな回答が求められるでしょう。
単にその企業の良い点を述べるだけではなく、なぜほかの企業ではダメなのかを論理的に伝えなければいけません。
そのためには企業分析よりも広い視点に立って業界を分析し、自己分析によって自身のやりがいや将来設計についても明確にしておくことが大切です。
最終面接に向けた業界・企業研究や自己分析を行う際は、第一志望の理由を明確にすることをひとつの目標とすると良いでしょう。
逆質問を考える
先述したように、逆質問はうまく活用できれば自身の熱意や人柄をアピールできる機会となる一方、スルーしたり的外れな質問をしたりすると自分の評価を下げてしまいます。
場当たり的にその場で考えるのではなく、あらかじめ適切な質問内容を考えておきましょう。
最終面接における逆質問では、自身がその企業で働くことを念頭においた質問内容が適しています。
具体的には働くうえで必要な能力や、内定をもらってから準備をしておくべきことなど、内定をもらった際に役立つ質問がおすすめです。
役員や社長が面接官の場合は、その立場だからこそ答えられる質問をすると良い印象を与えます。
一方でホームページに載っている情報や、面接の中ですでに話された情報については質問しないように注意しましょう。
【最終面接に落ちてしまった】最終面接で不安なときには
これまで十分に準備してきたとしても、最終面接に不安を感じる方は多いかもしれません。
内定が近いプレッシャーから、「何か行動しなくては」と焦ってしまう方もいるでしょう。
そこで最後に、最終面接で不安なときにするべきことについて解説します。
以下でご紹介する方法は、すでにある程度最終面接の対策が終わっている場合も、準備が整っていない場合にも有効です。
ほかの人の協力が必要なため自身だけで完結する対策より多少の手間はかかりますが、最終面接通過の可能性を高めたい方は、ぜひ挑戦してみてください。
OBOG訪問をする
最終面接の前にはOBやOGを訪問し、実際に働いているからこそわかる企業の情報をあらためて確認しておきましょう。
あまり情報が出回っていない最終面接についても、実際に体験し通過したOB・OGの先輩方なら正確なコツや対策などを知っている可能性が高いと言えます。
最終面接に向けて行っている企業研究や自己分析、志望動機の作成がうまくいっているか、確認してもらえるとなお良いでしょう。
企業と自分のマッチ度を把握する際にも、実際に勤務している先輩の視点は大いに役立ちます。
ただし、当然ながらこの方法は、条件に合ったOB・OGがいなければ使えません。
また、OB・OG訪問を行うには、早い段階から準備が必要な点、マナーや礼儀に気をつけなければいけない点にも注意しましょう。
友達と面接対策をする
友達や家族、教員などの他者に協力してもらって行う面接対策も、最終面接を通過するためには有効です。
喋り方や行動の癖は自分自身では気づきにくく、他人から指摘されて初めて把握できるケースも少なくありません。
今の自分が面接官にどういう印象を与えるかについても、他人に見てもらうことでより正確に分析できるでしょう。
また、自己分析に行き詰まった際も、家族や友人の意見が役に立ちます。
自分のことをよく知る相手の他己分析と自己分析を組み合わせることで、より精度の高い分析が可能です。
ただし、遠慮するあまり問題点をぼかされてしまっては意味がないので、忌憚のないフィードバックをくれる相手を見つけておきましょう。
同時期に就職活動をしている友達であれば、情報交換もできるのでおすすめです。
就活エージェントに頼る
ここまでさまざまな対策について解説してきましたが、業界・企業分析や自己分析、OB・OG訪問には少なからず時間がかかります。
学業やほかの企業の選考も並行する場合、どうしてもまとまった時間が作れないという方もいるでしょう。
そういったケースでより効率的に就職活動を進めるためには、就活エージェントを活用するのもおすすめです。
就活エージェントにはさまざまな企業の情報、選考に関する情報が蓄積されているため、最終面接に関してもより正確な情報が得られます。
面接練習や他己分析の相手が見つからない方も、就活エージェントを利用すればさまざまな面接対策が可能です。
無料で使えるエージェントもあるため、就活の成功率を高めたい方は、一度利用してみてはいかがでしょうか。
おすすめはこちらです。
おわりに
最終面接は、内定を目前に控えた選考の最終段階です。
ただし、ここで落とされてしまう可能性もあるので、長い就職活動の締めくくりとして油断せずにしっかりと対策をして臨みましょう。
また、最終面接の扱いは企業ごとに幅があるため、情報を集める際はOBOG訪問などを通じてその企業独自の特徴について調べることが大切です。
利用できる手段をすべて活用しても、準備しすぎるということはありません。
自己分析や企業研究、志望理由の言語化をしっかり行い、ぜひ内定を勝ち取ってください。