『業界研究・建設業界完全ガイド』建設業の事業内容や動向などポイント解説

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就職活動の業界研究をしていて、建設業界はどんなところなのか・どんな仕事をするのかと興味を持った方もいらっしゃるでしょう。

建設業界は、歴史のある大企業・有名企業も多く、志す学生も多い業界の1つです。

この記事では、建設業界に興味がある方や就職・転職を考えている方向けに、建設業界について詳しく解説します。

建設業界とは何か・どんな企業や仕事があるか・現状や課題は何か・将来性はどうかなどを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること  
  • 建設業界とは
  • 建設業界に向いている人とは
  • 建設業界の問題や課題
この記事をおすすめしたい人  
  •    
  • 建設業界を目指している人
  • 建設業界に興味がある人
  • 建設業界についてもっと知りたい人

【業界研究|建設業界編】建設業界の概要

まずは、建設業界全体の概要を確認していきましょう。

一口に建設業界と言っても、さまざまな企業があります。

建設業界とは

建設業界とは、土木・建築工事を行う企業や組織の総称です。

大企業から少数精鋭で動く専門性の高い事務所まで、さまざまな規模の企業があります。

私たちが住む住宅や学校・オフィスビルなどの建物を作っているのも、建設業界です。

道路・鉄道・上下水道・電線などのライフラインも、建設業界の助けなしには稼働しません。

社会インフラや住宅・オフィス・商業施設などの建造物を提供し、国民生活や経済活動に欠かせない重要な役割を果たす存在と言えます。

生活と身近な仕事をしたい方は、建設業界も就職先候補の1つになるでしょう。

業種について

建設業界には、ゼネコン(総合建設会社)・サブコン(専門工事会社)・マリコン(海洋工事会社)・建設コンサルタント(計画・設計・監理会社)など、さまざまな種類の企業があります。

それぞれの企業がどんな仕事をしているか、チェックしましょう。

ゼネコン

ゼネコンとは「ゼネラルコントラクター」=総合建設業者のことを指します。

マンションやビル・大型施設など、あらゆるプロジェクトに関わる業者です。

大林組・竹中工務店・大成建設など、規模の大きい企業はスーパーゼネコンと呼ばれます。

サブコン

サブコンは専門工事会社で、ゼネコンから専門分野の建設工事を請け負って仕事をする業者です。

電気工事・空調工事・杭基礎工事など、さまざまな分野のサブコンがゼネコンの仕事を支えています。

下請けとは言え、電気工事の企業などでは規模の大きな企業も珍しくありません。

マリコン

マリコンは海や川など、水関連の工事を専門に行う建設会社です。

とくに日本は、島国で台風の影響を受けやすい地域であるため、海洋工事や河川工事の重要性が高い国と言えるでしょう。

陸上工事とは違ったノウハウが必要になる業種です。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、直接現場の施工に関わるのではなく、計画・設計・施工管理・調査などの業務をする企業です。

主に国や自治体の要請に応じ、社会インフラの問題解決に取り組んでいます。

こちらも交通・電気・水道など、生活を支える大切な仕事と言えるでしょう。

職種について

続いて、建設業界の社員が任される職種について確認してみましょう。

代表的な建設業界の職種としては、営業・企画・提案・設計・施工管理・技術開発・研究開発などが挙げられます。

営業・企画・提案

営業・企画・提案の仕事は、建設プロジェクトを生み出すために、クライアントや関係者との交渉や提案を行う仕事です。

市場調査や見積もり、契約書作成なども、営業職の方が担当します。

これらの仕事に従事する社員の実績が、直接企業の売上に繋がるため、とても重要な仕事です。

設計

設計は、建物や構造物の形やデザイン、強度や安全性などを図面に落とし込む仕事です。

もちろん、建築や造形に関する専門知識がなければ務まりません。

建築系の学生ではない方が、いきなりこの仕事を任されることはないでしょう。

設計はさらに、意匠設計・構造設計・設備設計などの専門分野があります。

施工管理

施工管理は、建設現場で工事の進捗や品質・安全などを管理する仕事です。

工事に携わる職人・作業員への指示や連絡、工程表や日報などの書類作成も行います。

現場の職人と信頼関係を築き、工事が遅れなく実現できるようにする必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。

技術開発・研究開発

技術開発・研究開発は、建設業界の技術革新や問題解決のために、新しい技術や材料を開発する仕事です。

建設業界でも、現在はドローンやAIなどの最新技術を活用しています。

より災害に強い建築物・より環境に優しい建築物が作れないか研究するのも、この職種の方の重要な役割です。

【業界研究|建設業界編】向いている人

建設業界について、ある程度事業内容や自分のやりたいことは確認できたでしょうか。

次に、この業界が向いている人の特徴を確認します。

美的センスがある人

建物のデザイン・設計などをするには、どうしても芸術的な感性が必要です。

個人が住む住宅であっても、見た目が悪いとそこに住みたいと思う方が少なくなるでしょう。

とくに立体的な造形・デザインが得意な方は、建設業界との相性が良いと言えます。

ただし、建築はデザインだけでなく、安全性・快適性の確保が必要なため、美的センスだけでは仕事ができません。

理系が得意な人

建築は建物の強度・面積・体積など、物理・数学といった理系知識を駆使したり、計算したりする必要が多い仕事です。

実際、工学系は文系ではなく、理系学部に分類されます。

理系分野が得意な方のほうが、建設業界に向いているでしょう。

ただ、建設会社には、理系の学生しか入社できないわけではありません。

職種によっては、文系学生でも十分に活躍の余地があります。

コミュニケーション能力が高い人

営業職の方・施工管理の方は、コミュニケーション能力の高さが求められます。

毎日商談や打ち合わせなどの機会がある仕事なので、円滑に意思疎通できる人でなければいけません。

とくに施工管理の方は、仕事を進めるために、現場の職人に「お願い」することが多い仕事です。

相手に要求を受け入れてもらえるよう、事前に信頼関係を築いておく必要があります。

体力・腕力がある人

現場で働く職人でなくても、建設業界に勤めていると、現場でさまざまな手伝いをする可能性があるでしょう。

現場では重い資材や工具を扱ったり、高所で作業したりするため、フィジカル的な強さも求められます。

一方、安全な建物を建設するには丁寧な作業が求められるため、体力・腕力だけでなく、手先の器用さ・繊細さも必要です。

【業界研究|建設業界編】建設業界の現状

続いて、日本の建設業界の現状を見ていきましょう。

建設業界は規模が大きく、多くの方が従事しているかなり大きな業界です。

今後も、日本経済の重要な位置を占め続けることは間違いないでしょう。

業界規模

建設業界の市場規模は約60兆円で、日本経済のおよそ10%を占めています。

スーパーゼネコンや超大手住宅建設会社ともなれば、その売上高は単独で兆単位になるほどです。

他の業種と比べ、かなり規模の大きい業界と言えるでしょう。

建設業界の動向

建設業界の動向は、社会や景気に影響されやすいと言えます。

近年は、東日本大震災や東京オリンピックなどの復興・イベント需要で、全体的に好調でした。

しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、直近は業界全体で減少傾向にあります。

とはいえ、今後も生活をより豊かにするのに、建設業界の仕事は欠かせません。

建設業界の主要なプロジェクトや事例として、リニア中央新幹線や首都高速道路の地下化・新国立競技場や東京スカイツリーなどが挙げられます。

今後も重要なプロジェクトはたくさんあり、急激に業界規模が小さくなる可能性は低いでしょう。

建設業界の競争環境と収益性

日本国内建設業界の特徴として、スーパーゼネコン5社(鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店)がすでに明確に優位な地位を築いていることが挙げられます。

しかし海外では、中国や韓国などの企業と激しく争っており、これら大企業でも競争で圧倒的優位に立っているとは言えません。

収益性に関しては、工事費の上昇や人件費の高騰などで低下傾向にあります。

平均営業利益率はおよそ3%と低水準で、利益を上げるために、より多くの仕事を受注しなければいけない状況です。

【業界研究|建設業界編】建設業界の抱える問題や課題

建設業界は、昔から日本経済を支えてきた主要な業界の1つですが、問題点や課題は決して少なくありません。

例えば、労働力の減少が深刻な問題になっています。

少子高齢化などで建設業界の労働力が減少しており、2025年には約120万人の人材不足が予想されています。

建設業界以外にも、ITベンチャー企業など人気の業種がある中で、就職先として建設業界を選ぶ若者が減っていることも、労働力減少の理由です。

営業利益率の低さからもわかる通り、労働時間やコストに対して生産性が低いのも、業界全体の課題と言えます。

また、建設業界はいくら安全に配慮していても、事故や労働災害などが発生しやすい業界です。

死亡事故が起きる割合も高いため、より一層の安全管理徹底が求められます。

建設業界は環境に与える影響が大きく、温室効果ガスの排出量も多いため、環境保護が叫ばれる現代では、環境負荷の低減や省エネルギー化も大きな課題です。

【業界研究|建設業界編】建設業界の将来展望

建設業界の将来展望で重要なエッセンスの1つが、社会インフラの維持管理・更新コストの増加です。

水道管など、日本の社会インフラの老朽化が進んでいることを、ニュースで見聞きした方は多いでしょう。

今後、維持管理や更新に多額の費用がかかると予想されています。

次に、人口減少などにより国内市場が縮小する中で、各企業が海外展開を積極的に推進・強化していることも見逃せません。

今後は建設業界でも、グローバルに活躍できる人材が重宝される可能性が高いでしょう。

ICTやIoTを活用したスマートシティも、今後の建設業界でキーワードになる可能性が高いです。

スマートシティ化が進めば、エネルギーや交通などの都市機能を効率的に運用できるようになることが期待されており、建設業界にとっては大きなビジネスチャンスになるでしょう。

最後に、再生可能エネルギーへの参入も重要なポイントです。

環境問題への対策として注目される再生可能エネルギーには、建設業界の仕事が不可欠な太陽光発電や風力発電が含まれます。

【業界研究|建設業界編】就活のプロに相談

建設業界に興味を持ったのなら、ぜひ就活のプロに相談できるよう、就活エージェントサービスに登録しておきましょう。

業界の中で、自分の性格・スキルに合った企業を探すのは、自分一人でやると効率が良くありません。

就活は、いかに無駄なものを省きながら進めるかが大切なので、ぜひ就活のプロに相談することを考えましょう。

とくにおすすめの就活エージェントサイトは、ジョブコミットです。

詳しいサービス内容を知りたい方は、ぜひこちらのサイトもご確認ください。

【業界研究|建設業界編】まとめ

この記事では、建設業界の概要や業務内容・将来展望などについて詳しく解説しました。

建設業界は、土木・建築工事を行う企業や組織の総称です。

ゼネコン・サブコン・マリコン・建設コンサルタントなど、さまざまな種類の企業が含まれます。

社会インフラ・住宅・オフィス・商業施設などの建造物を作ることで、国民生活や経済活動に欠かせない重要な役割を果たしてきました。

これからも、私たちの生活をあらゆる面で支えてくれる業界であり続けるでしょう。

しかし、建設業界の動向は社会や景気に影響されやすく、決して盤石・安泰とまでは言い切れません。

建設業界に入社した方は、自分の貢献で企業や業界に利益をもたらせるよう、努力し続ける必要があります。

この記事を通して、少しでも建設業界について理解が深まったでしょうか。

業界に興味が出た方は、ぜひ企業説明会などに出席し、業界研究を掘り下げてみましょう。

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