【例文あり】ESのゼミに関する設問の書き方とは?おすすめ構成やポイントを解説

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はじめに

就職活動のESでは、志望動機やガクチカなどさまざまな内容の設問に、自分なりの答えを記入しなくてはいけません。

具体的な設問の内容は、企業や選考段階によって異なります。

忙しい就職活動の時間を効果的に使うためには、あらかじめどのような質問についても答えられるように、準備をしておくことが大切です。

今回は、ESでしばしば見かけるゼミに関する設問に焦点を当て、聞かれる理由やおすすめの構成、作成のポイント、例文などを解説します。

ESの作成で悩んでいる方やクオリティをアップさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・ESでゼミについて聞かれる目的
・ES作成時のポイント
・ゼミについてのES例文

この記事をおすすめしたい人

・ESでゼミについて聞かれる目的を知りたい人
・ES作成時のポイントを知りたい人
・ESに自信がない人

【ESのゼミに関する設問の書き方】ゼミについて聞かれる理由

まずは、企業が就職活動のESで、ゼミについて尋ねる理由を確認しておきましょう。

就職活動におけるESや面接の設問は、すべて何かしらの狙いがあって尋ねられています。

企業の意図や狙いをしっかり汲み取れれば、同じ内容について回答する場合でも、より適切な書き方で自身の強みをアピールすることが可能です。

逆に、企業の意図と自身の考えがズレていた場合は、せっかくの経歴や実績が十分に活用できない場合もあるでしょう。

ゼミに関する設問の回答を作成する際は、以下の3つの理由を意識しながら、内容を考えてみてください。

興味のある分野を知りたい

ゼミについて尋ねる1つ目の理由は、就活生が興味のある分野を知るためです。

就職活動は、就活生に少なからぬ負担をかけるのと同様に、企業側も採用活動に一定のコストを支払っています。

早期退職されてしまうと、採用活動にかけたコストが無駄になるので、企業はなるべく自社と相性が良く、長く働いてくれそうな人材を採用するのです。

大学在学中の長い時間をかけて取り組むゼミの選択、活動内容には、その就活生の人柄や興味関心といった内面が色濃く表れます。

そのため、ゼミに関して尋ねることによって、就活生と企業のマッチ度をある程度判断できるのです。

企業が知りたいのは、ゼミそのものではなく、就活生自身です。

単にゼミの活動内容を述べるだけでなく、自身の内面が伝わるような書き方を意識すると良いでしょう。

取り組む姿勢が知りたい

ゼミについて尋ねる2つ目の理由は、就活生が物事に取り組む姿勢や、モチベーションについて知るためです。

ゼミは、教員と学生が協同して進める研究活動のことです。

専門性の高い分野にフォーカスした、長期的なプロジェクトの一種と捉えられます。

そのため、ゼミの活動にどのように取り組んでいるのかを知ることによって、入社後に業務に取り組む姿勢がある程度は推測できるのです。

また、ゼミに対する取り組みの姿勢からは、仕事のどのような点にモチベーションを感じるのかについても、ある程度の予想ができるでしょう。

企業側は、なるべく入社後に真面目に勤務してくれそうな人材をほしがっています。

ゼミの活動に真面目に取り組んだことは、それ自体が大きなアピールポイントとなるでしょう。

入社後に活躍できそうかを知りたい

ゼミについて尋ねる3つ目の理由は、就活生が入社後に活躍できる人材かどうかを判断するためです。

ゼミは、大学における学びの中でも、とくに専門性の高い活動です。

企業で実施されている業務やプロジェクトに、直接つながるような分野に取り組んでいるケースも見られます。

そのため、ゼミについて尋ねることによって、自社に入社した後の活躍がある程度イメージできるのです。

専門性の高い業界や業種の採用活動では、ゼミに関する設問の回答が、就活生の専門的な知識や、業務への適性を判断する材料として用いられる場合もあります。

大学の専攻分野と関連性が高い企業を志望する場合は、できるだけ知識のレベルや実績が伝えられるような書き方を意識して、回答を作成すると良いでしょう。

【ESのゼミに関する設問の書き方】おすすめ構成

次は、ESのゼミに関する設問を書く際に、おすすめの構成について解説します。

ゼミに関する設問の回答を作成する場合も、基本の構成は、ガクチカや自己PRに関する設問の回答を作成する場合とほとんど同じです。

そのため、PREP法やSDS法を知っていると、回答が作成しやすいでしょう。

今回はおすすめの構成として、回答を結論、理由、エピソード、貢献の4つに分割しました。

それぞれの分量は、指定の文字数や書くべき内容によって変わってきます。

自身の書くべき内容が、どのように当てはめられるかを考えてみてください。

結論

ESに関する設問の回答として最初に書くべき内容は、結論部分です。

ここでは、自身がどんなゼミに所属し、どのような勉強をしてきたかについて簡潔に伝えましょう。

最初に結論を伝えることによって、採用担当者は、その後の内容のどこに着目すれば良いのかが判断しやすくなります。

回答のインパクトを強めるためには、聞き慣れない印象的なフレーズを用いる方法も有効です。

しかし、専門的になりすぎると、内容が採用担当者に伝わりません。

内容や分量のバランス感を意識し、必要であれば、理由以降の部分でしっかり補足するようにしましょう。

理由

2番目に書くべき内容は、最初に述べた結論に至った理由です。

具体的にはそのゼミを選んだ理由や、その分野に興味を持ったきっかけなどを述べることになるでしょう。

この部分を明確に伝えるためには、当時の状況をしっかり思い出し、あらかじめ自己分析を深めておくことが大切です。

ただし就活生の中には、友だちに誘われたから、スケジュールの都合が良かったからなどの理由で、ゼミを決めた方もいるかも知れません。

その場合は、無理して取り繕うのではなく、ゼミ所属後の感情や意識の変化に焦点を当てるのがおすすめです。

エピソード

3番目に書くべき内容は、そのゼミで体験した具体的なエピソードについてです。

多くの場合は、具体的な研究内容や活動の中で生じた課題と解決、実績などについて述べることになるでしょう。

エピソードを書く際に重要なのは、自分だけでなく、相手にも理解できる内容を意識することです。

特定の分野でしか通じない難解な用語は、なるべく簡単な言葉に言い換えましょう。

身内しか知らないような固有名詞の使用は、できるだけ避ける必要があります。

印象的で理解しやすいエピソードを作成するためには、具体的な数字などを用いて、定量的に伝えることが大切です。

貢献

最後に書くべき内容は、入社後に可能な貢献についてです。

そのゼミで得た知識や経験が、入社後にどのように活用できるのか、なるべく具体的に伝えましょう。

自身に可能な貢献を考えるためには、入社した後の明確なビジョンを持たなければいけません。

そして、入社後の業務やキャリアパスを正確にイメージするためには、自己分析だけでなく、企業研究も必要不可欠です。

そのため、この貢献部分がしっかり書けていれば、それだけで就職活動に対する熱意や志望度の高さをアピールできます。

【ESのゼミに関する設問の書き方】ポイント紹介

次は、ゼミに関する設問について、採用担当者に好印象を与え、内定につながるような回答を作成するためのポイントを解説します。

先述した構成を用いれば、最低限の内容は採用担当者に伝わるようになります。

よりクオリティを上げるためには、細かい工夫やテクニックが必要です。

今回解説するポイントは、回答の方向性や語句の選択にも大きく関わってくる、根本的なものです。

作成に着手する前からしっかり内容を把握しておき、作成中や完成後も適宜確認してみてください。

専門用語は使わない

ゼミで取り組む研究や実験は、大学の一般的な授業科目で学ぶ内容以上に、専門性が高くなるケースがほとんどです。

そのため、取り組んだ内容を詳しく説明しようとすると、特定分野に一定以上の知識がなければ知らないような用語や、難解な表現を使ってしまうケースも少なくありません。

ゼミのメンバーや、教員に話すのと同じ意識で回答を作成すると、採用担当者にゼミの内容がほとんど伝わらなくなってしまう場合もあるでしょう。

そういった事態を避けるためには、なるべく難解な専門用語の使用は避け、中学生でも理解できるような平易な表現や、一般的な言い換えを用いる対策が有効です。

自分だけでは専門用語かどうかを判断できない場合もあるので、可能であれば、知識のない友人や家族にも意見を求めることをおすすめします。

結果が出ていなければ経過を書く

ゼミで取り組む内容は、学部や学科、研究室単位でそれぞれ異なります。

なかには、最終的に明確な結果が出ないタイプの研究や、自身が在学中に完結しないような大規模プロジェクトに参画する場合もあるでしょう。

就職活動の時期によっては、まだゼミで結果が出ていない時点で、設問の回答を考えなければいけない場合もあるかもしれません。

そういったケースでは、現時点までの経過に焦点を当てることをおすすめします。

先述したとおり、企業側は就活生の興味・関心や、取り組む姿勢を知るためにゼミについて尋ねているので、必ずしも結果は必要ではないのです。

ただし、過程部分は、結果以上に内容を伝えるのが困難なケースも少なくありません。

そのため、過程において自身が取り組んだ活動や頑張りについて、より伝わりやすさを意識する必要があるでしょう。

企業の求める人物像を知る

ゼミに関する設問において重要なのは、企業の求める人物像を把握し、それを意識して内容を考えることです。

ESに記載する内容や面接で伝える内容は、採用担当者に自身を採用に足る人材だと思わせて、内定を得ることを最終目標にしています。

ゼミについて伝えることはあくまで手段の1つであり、それ自体が目的ではありません。

そのため、企業の求める人物像や質問の意図が把握できていなければ、どれだけゼミの活動について正確に伝えても、それが内定に結びつかない可能性があります。

企業がどんな人材を求めているのかを理解していれば、同じゼミの活動について伝える場合でも、より適切なアプローチが可能になります。

この回答でどんなことが伝わるのか、それは企業の求める人物像にマッチしているのかを意識して、内容を作成すると良いでしょう。

嘘をつかない

就職活動における代表的なNG事項として、自身を良く見せようとして嘘をつくことが挙げられます。

嘘をついたり成果を誇張したりすると、整合性が取れずにどこかでボロが出て、採用担当者にバレてしまう可能性もあるでしょう。

何より嘘をつくことは、入社のミスマッチを引き起こす原因となります。

選考を通過して入社できたとしても、心身への大きな負担や早期退職につながるケースも少なくありません。

そのため、自身にとって答えにくい質問であっても、正直に述べることをおすすめします。

とくに、話を盛って経歴や実績を誇張することは、うっかりしてしまいがちです。

自身を過度に良く見せるのではなく、自身の強みを分かりやすくアピールすること、企業に合わせた適切なアピールポイントを選択することを意識しましょう。

【ESのゼミに関する設問の書き方】例文紹介

次は、ESのゼミに関する設問に回答する際の例文をご紹介します。

今回は5つの例題をピックアップし、それぞれ違った内容のゼミや取り組みについて焦点を当てました。

ただし、ゼミに関するシステムや研究業内容は、大学ごとに大きく異なるのが一般的です。

そのため、例文と同じようなテーマについて学んだ場合でも、あまり参考にしすぎると、不自然な点が出てきてしまう可能性が高いでしょう。

以下の例文は、あくまで1つのサンプルケースと捉え、どうすれば自身の経験や取り組みがしっかり相手に伝わるのかを考えて、作成を進めてみてください。

地方創生についてのゼミ

例文

私は、社会学部で地方創生について研究するゼミに所属しています。

私自身、地元に強い愛着を持っており、近年の過疎化には寂しい思いを抱いていたので、活性化について関われるこのテーマを選びました。

同じゼミで複数のプロジェクトが動いており、私が担当しているのは、地元特産品のブランド化とメディア発信を振興する活動です。

具体的には、地元野菜をモチーフにしたマスコットキャラの作成、素材を活かしたレシピの開発などを行いました。

地元ブランド野菜を全国に届けるポータルページの開設も行い、それまでは地元で消費されていた野菜に、全国で根強いファンがつきました。

現状の問題点を分析し、そこから理論的に解決策を導き出して実行する能力は、御社に入社後も、プロジェクトの立ち上げで活かせると考えています。

マーケティングについてのゼミ

例文

私は、経済学部のマーケティングに関するゼミに所属し、テクノロジーの発達が市場に与える影響について研究しています。

このテーマを選んだ理由は、もともと自分が新しいガジェットに興味があり、それらが市場に出るタイミングと価格の変化について、より深く知りたいと考えていたからです。

当初は日本の市場のみを分析するつもりでしたが、現代では世界規模の調査が必要だと感じて、方針を転換しました。

日々新しいテクノロジーが生み出されるため、明確な結論が出せる研究ではありません。

しかし、ゼミの発表会では、プレリリース公開のタイミングと価格設定の関連性について発表し、高い評価を得ています。

流動的な社会において、つねに最新の情報を把握してそれを分析してきた経験は、御社のマーケット事業部で活かせると考えています。

日本文学のゼミ

例文

私は現在、文学部の国文学研究室に所属し、ゼミでは大正期の日本文学について研究しています。

この研究テーマを選んだのは、自身が幼い頃に読んで影響を受けた、夏目漱石や芥川竜之介などの作家についてより理解を深め、他の人にも魅力を伝えたいと考えたためです。

社会背景が色濃く反映される文学作品の研究では、作品そのものだけでなく、当時の政治、物価、生活様式など多角的な視点で調査をすることが求められました。

また、執筆当時に、作家が居住していた土地を尋ねるフィールドワークも実施しています。

この研究を通して学んだのは、対象に興味を持ち、積極的に調査やアプローチの手段を考えることの重要性です。

ゼミで学んだこのスキルは、御社でクライアントのコンサルタントを行い、解決策を導き出すために活用できると考えています。

協調性をアピール

例文

私は大学において、映像作品の制作について学ぶゼミに所属しています。

ゼミに所属したきっかけは友人の誘いでしたが、自身で作成に携わるうちに、その奥深さとやりがいに惹かれていきました。

活動の最終目標は短編映画の作成であり、そのためには30人を超えるスタッフが一丸となって動かなければいけません。

私はサブリーダーの役職に任命され、各種話し合いの議長やスタッフのスケジュール管理を担当し、その結果指定の期間内に映画製作を成功させました。

この映画製作を通して私が学んだのは、1つの目標のためにチームで動くことの難しさと、積極的にコミュニケーションを取ることの重要性です。

ゼミで学んだ協調性を活かし、御社に入社した後は、営業職と他の部署をつなぐ営業事務として貢献できると考えています。

粘り強さをアピール

例文

私は大学で生命科学部に所属しており、マウスの品種改良を行うゼミに所属しています。

この研究は、将来的に末期がんや難病治療への活用を期待されている分野です。

自身も身近に病で苦しんでいる知人がいるので、このテーマについて研究することを決めました。

バイオ分野の研究は、先進的でスマートなイメージを求められることもあります。

しかし、実際は、トライアンドエラーを根気強く繰り返す、地味な作業が大部分です。

実際、自分も何百回と失敗を重ねては、その問題点を分析して次の実験につなげてきました。

現状、ゼミの大目標である品種の開発は成功していませんが、目標まで距離は少しずつ縮まっています。

何度失敗しても諦めずに挑戦し、成果を出すまで進み続ける粘り強さは、御社に入社した後も、新製品開発の現場で活かせると考えています。

【ESのゼミに関する設問の書き方】NG例文紹介

次は、ESのゼミに関する設問に回答する際のNG例文について解説します。

正解例だけでなく、相応しくない例を知ることによって、視点が立体的になります。

書くべき内容と書いてはいけない内容について、正確な判断がしやすくなるでしょう。

そのため、ESを作成する際は、正解の例文だけではなく、失敗例にも目を通しておくことをおすすめします。

今回ご紹介する3つのNG例は、いずれも内容や構成の面で問題を抱えている例文です。

それぞれダメな理由についても触れているので、ESでゼミについて書く際の参考にしてみてください。

今後への活かし方が書かれていない

例文

私は、大学で文化人類学科に所属し、ゼミではフィリピンの宗教観について研究しています。

この研究テーマを選択したのは、私自身が父方の祖父がフィリピン人のクォーターであり、自身のルーツを探りたいと考えたためです。

また、先行研究を現代でも通じる資料として、あらためて編纂したいという思いもありました。

フィリピンに留学して現地でフィールドワークを始めた際、そこで大きな壁となったのは、自身のアイデンティティの問題です。

現地での死生観や宗教的な価値観を調べるほど、日本人でもフィリピン人でもない自身が、この問題に踏み込んで良いのか不安になりました。

しかし、教授からのアドバイスや、自身と同じように複雑なルーツを持つ仲間との話し合いを経て、調査を完遂できました。

この例文では、研究のテーマや自身との関わりについて丁寧に記述されている一方、ゼミの活動で学んだことや、入社後の貢献については触れられていません。

人柄や取り組む姿勢については伝わりますが、ESの設問に記述する内容としては不十分です。

ゼミについて伝えるのはあくまで手段であり、重要なのは自身を採用に足る人材であるとアピールすることです。

ゼミの活動によって生じた変化と自身を採用するメリットについて、研究テーマや調査活動と関連させてアピールすると良いでしょう。

当たり前のことをアピールしている

例文

私は大学で、中世ヨーロッパの宗教の変遷について研究する、西洋史のゼミに所属しています。

この研究テーマを選んだ理由は、自分の家がキリスト教を信仰しており、あらためてそのルーツや変遷を知りたいと考えたためです。

このゼミは、大学の中でも単位の取得が厳しいことで有名であり、自分もついていくのには苦労しました。

しかし、欠席することなくゼミに出席し、しっかり予習復習をすることによって、期間内に研究結果をまとめて発表できました。

ゼミの活動に取り組んだ結果、私が身につけたのは、決められた課題をしっかりこなす忍耐力と継続力です。

この忍耐力と継続力は、御社に入社した後も、地道な作業を正確に続けていくことが求められる会計事務の仕事で、活かせると考えています。

この例文では、忍耐力と継続力をアピールポイントに設定しています。

それ自体は有力なアピールポイントですが、その根拠となっているのは「休まずにゼミに出席」「予習復習をしっかり行う」といった学生として当然の行動です。

そのため、この回答では説得力が薄いと感じられ、逆に悪印象を与える可能性があるでしょう。

同じポイントについてアピールする場合でも、より説得力のあるエピソードを用いるか、さらに深堀りして継続できたモチベーションについて触れると良いでしょう。

取り組む姿勢が書かれていない

例文

私は大学で心理学を学び、大衆向けのマーケティング戦略について研究するゼミに所属しています。

もともと人間の内面と経済の関連性に強い興味があったのに加え、社会に出てからも活かせる機会が多いと考えて、この研究テーマを選択しました。

実験と調査の結果判明したのは、大衆向けの広報において、インパクトと単純接触回数が購買意欲に大きく影響し、商品自体の情報が占めるウェイトが非常に少ないという事実です。

一見すると、商品の機能について説明しているような情報であっても、そのフレーズを汎用的なものに変更すると、売上は大きく減少しました。

御社に入社した後は、ゼミの活動を通して学んだマーケティングのスキルと、人間心理に関する知識を活かし、営業活動で貢献したいと考えています。

この例文における問題点は、ゼミの説明と研究結果だけを提示し、取り組む姿勢や過程がほとんど書かれていないことです。

専門的な分野について比較的分かりやすく説明し、ゼミの内容と入社後の貢献についてもしっかり関連付けられていますが、これでは就活生の個性や内面が見えてきません。

自身の専門性や学んだ知識をアピールすることは重要です。

しかし、企業がゼミについて尋ねる意図を考慮すると、自身がどのようにその課題に取り組んだのかについて、記述を増やしたほうが良いでしょう。

【ESのゼミに関する設問の書き方】ゼミに入っていない場合は

ここまでは、大学でゼミに所属していることを前提に、ESに書くべき内容やポイントを解説してきました。

しかし、なかには何らかの理由で、大学時代にゼミに所属していなかったという方もいるでしょう。

ガクチカや自己アピールと異なり、ゼミ所属の有無は、自己分析や企業研究でも解決できない問題です。

ESで聞かれた際に、どうすれば良いか不安に感じているかもしれません。

そこで次は、ゼミに入っていない場合において、ゼミに関する設問にどのように回答すれば良いのかを解説します。

正直に述べる

先述のとおり、嘘をつくことは、就職活動において必ず避けるべきNG事項の1つです。

これは、ESでゼミについて聞かれた場合も同様です。

しかし、ゼミについて質問されているのに、まったく書くことがない場合、それだけで選考を落とされてしまうのではないかと不安に感じる場合もあるでしょう。

結果から言うと、ゼミに入っていないことを理由に、選考を落とされることはありません。

ゼミへの加入は、あくまで大学生が自身で選ぶ選択肢の1つです。

大学や学部によっては、ゼミのシステムが存在しないケースもあります。

また、ここまで何度か触れてきたように、企業がゼミについて尋ねるのは、就活生のことを深く知るためです。

ゼミについて知ることが主目的ではないので、変にごまかさず、ゼミに入っていないこととその理由を正直に伝えましょう。

他でアピールする

ゼミに入っていない場合、ESのゼミに関する設問には書くことがありません。

先述のとおり、正直に述べることが大切なので、これが正しい対応です。

しかし、ESにおいて、自身をアピールする機会を1つ失ってしまったと感じる方もいるでしょう。

そこで重要になるのが、ESにおけるほかの質問で、しっかり自身の個性や強みをアピールすることです。

具体的には、志望動機やガクチカ、自己PRなどで、アルバイト、インターン、サークルなどのゼミ以外の活動を積極的にアピールしましょう。

ゼミについての設問を補足するためには、ゼミについて質問した企業側の意図を把握しておくことが大切です。

序盤に解説した「興味のある分野」「取り組む姿勢」「入社後の活躍」の3点を採用担当者に伝えることを意識して、を作成すると良いでしょう。

【ESのゼミに関する設問の書き方】完成度を高めるには

最後に、ESのゼミに関する設問の完成度を高める方法について解説します。

ここまで解説してきた内容にもとづいて、どれだけ注意深く設問の回答を作成しても、人間である以上、細かいミスや見逃しは発生してしまいます。

そして就職活動では、わずかなミスによる完成度の差が、その後の人生に大きく影響を与えるケースも少なくありません。

後悔しないためにも、可能な限り完成度を高めて、就職活動に臨みましょう。

なかには、自分1人ではできない方法もあるので、なるべく早い段階から準備を始めることをおすすめします。

声に出して読んでみる

完成度を高める1つ目の方法は、作成した文章を声に出して読んでみることです。

人間の脳は、過去の経験をもとに、文章を自然に補正する機能を持っています。

そのため、多少のミスがある文章でも、自然に読めてしまうのです。

しかし、就職活動などの重要な場では、この機能がマイナスに働きます。

何度確認しても、明らかなミスに気付けない事態を引き起こすケースも少なくありません。

一語一語声に出して読み上げることによって、視覚以外にも、さまざまな感覚を使うことになります。

黙読しているだけでは気付かなかった誤字や脱字、文章のねじれ、用語の誤った用法などに気付ける場合があります。

この方法は道具などを必要としないため、自分1人でも可能です。

回答の完成度を高める方法として、最初に実施してみると良いでしょう。

他の人に添削してもらう

声に出して読み上げる方法は、誤字脱字を始めとする、ケアレスミスを発見するために有効な対策です。

しかし、中には、自分1人で気付くのが難しいミスも存在します。

こういったミスの具体例としては、使い方を間違って覚えている用語や、論理の飛躍などが挙げられます。

また、自身の専門分野については、知識のない人間にも理解できるかどうかの判断が難しく、難解な用語や表現を使ってしまう場合もあるでしょう。

こういったケースへの対策としておすすめなのは、他の人に添削を依頼することです。

他の人の意見を聞くことによってミスが少なくなり、さらに完成度や説得力が高められます。

視点の偏りをなくすためには、なるべく多くの人数、かつ自身と専門が異なる相手に添削を依頼すると良いでしょう。

就活エージェントに相談してみよう

他の人に添削を依頼する方法は、ESの完成度を高める有効な対策の1つです。

その欠点として、信頼性が不安定な点が挙げられます。

当然ながら、家族や友人は就職活動のプロフェッショナルではありません。

そのため、添削の結果、逆に完成度が下がってしまったり、企業の意図する方向性とズレてしまったりする可能性もあります。

また、すぐに添削を依頼できる相手が身近に見つからない場合は、十分な対策ができないまま、ESの提出を余儀なくされることもあるでしょう。

そういったリスクを避けたい方におすすめなのが、就活エージェントの利用です。

ジョブコミットの就活エージェントを利用すれば、就活のプロから無料でESの添削が受けられます。

ESの完成度を高めたい方は、ぜひジョブコミットの就活エージェントを利用してみてください。

おわりに

ゼミは、大学において、教授と学生が協働して進めていく研究活動のことです。

通常の授業よりも、専門的なテーマについて理解を深めていくことになります。

大学生活で重要な位置を占めることになるゼミは、就職活動においても、企業が注目する重要なポイントです。

一方で、内容が専門的すぎると、知識を共有していない相手には、エピソードや成果が伝わりにくい可能性もあります。

自身の頑張りやアピールポイントがどうすれば採用担当者に伝わるかどうかを意識し、じっくり時間をかけて設問の回答を考えましょう。

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