専門性を就活の軸として定めたいと考えている人は多いでしょうが、同じくらい、どのようにアピールすれば良いのか悩んでいる人も多いでしょう。
そこで今回は、専門性を就活の軸としてアピールする際のポイントや、抽象的になってしまう際の対策などについて紹介します。
ぜひ本記事の内容を参考にし、あなたの専門性を積極的にアピールできるようなESや面接での回答の下書きを作成してください。
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・専門性は就活の軸になるのか
・専門性を就活の軸にするときの注意点・ポイント
・専門性を就活の軸にした時の例文
・専門性を就活の軸にしたいと考えている人
・就活の軸が決まらなくて悩んでいる人
・専門性を就活の軸にした例文を参考にしたい人
就活の軸とは?
まず、専門性について触れる前に、就活の軸とは何なのかについて理解しておきましょう。
就活の軸とは、一言で言うと「就職活動において最も譲れない条件や価値観」を指す言葉です。
業界研究や企業選びの際の判断基準となります。
この軸を明確にすることで、就職活動を効率的に進められ、自分に最適な企業や職種を見つけやすくなります。
例えば働く環境、給与、成長機会、企業の文化、勤務地、仕事のやりがいなどが就活の軸となります。
また、面接においても就活の軸について尋ねられることが多いため、聞こえの良い就活の軸を用意することも重要です。
専門性は就活の軸になる?
本記事の主題である「専門性を就活の軸とすること」ですが、まず結論として、専門性を就活の軸とすることは全く問題ありません。
専門性とは主に大学で学んだ専門的な知識やスキルを指す言葉です。
例えば、理工学部の学生がエンジニア職を目指す場合や、経済学を学んだ学生が金融業界を目指す場合など、学んだ内容を活かせる職業に就きたいと考えている人がこの就活の軸を設けることが多いです。
専門性を就活の軸にすることで、自己PRや志望動機が具体的かつ説得力のあるものとなります。
例えば「大学で学んだデータ分析のスキルを活かして、マーケティング戦略の策定に貢献したい」「専門的なプログラミング技術を駆使して、新しいソフトウェアの開発に挑戦したい」といった具体的な目標を示すことができます。
専門性を就活の軸としてアピールしやすい職業
続いて専門性を就活の軸としてアピールしやすい職業にはどのようなものがあるのかについて一緒に確認しましょう。
もちろん、以下の3つ以外にも専門性をアピールできる職業はありますが、代表的なものは以下の3つです。
ぜひ興味がある職業があれば、就活の選択肢に含めてみてください。
ITエンジニア
ITエンジニアは専門性を就活の軸としてアピールしやすい職業の代表例であると言えます。
ITエンジニアはシステム開発やITインフラの設計・構築など、情報技術に関する専門的なスキルを活用して業務に取り組むことが多いです。
したがって、専門性が大いに評価される職業であるといえます。
例えば、プログラミング言語を学んだことや、データベースの管理、ネットワーク設計などの技術的な知識は、企業が求める即戦力として大きなアピールポイントとなります。
ITエンジニアの職種は多岐にわたりますが、共通して求められるのは高度な専門知識と技術力です。
システムエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアなど、各専門分野に特化したスキルを持つことで自分の強みを明確に打ち出せます。
また、プロジェクト管理経験や問題解決能力などもアピールできるならば、ぜひ積極的にアピールするようにしましょう。
IT業界の就活の軸について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
研究・開発職
研究職や開発職も、専門性を就活の軸としてアピールしやすい職業です。
研究職や開発職として働くためには、専門的な知識や高度な技術が必要不可欠です。
例えば、化学やバイオテクノロジー、工学などの分野では、大学や大学院で学んだ専門知識を直接業務に活かすことが求められます。
したがって、自分の専門性をアピールすることは非常に効果的なのです。
また、研究職や開発職では具体的な研究テーマやプロジェクトでの経験が重要なアピールポイントとなります。
例えば大学での研究の成果や発表した論文、学会での発表経験などを分かりやすく説明すると良いです。
これにより、自分の専門性とその実績を企業にわかりやすく伝えられます。
また、問題解決能力や新しい技術の開発に自信があるならば、それらも積極的にアピールするようにしましょう。
クリエイティブ職
クリエイティブ職も、専門性を就活の軸としてアピールしやすい職業の1つに当てはまります。
イラストレーターやWebデザイナー、ゲームや動画のクリエイターなど、様々なクリエイティブな職業が存在します。
しかし、いずれも発想力や独創性が必要な職業であるため、専門性を強くアピールできます。
クリエイティブ職を目指す際は、具体的な作品やプロジェクトの実績を通じて自分のスキルやセンスを示すことが重要です。
例えばデザイン職の場合、ポートフォリオを作成し、自分の作品を具体的に紹介することが大切です。
これにより、企業に対し自分のスタイルや技術力を視覚的にアピールできます。
また、ゲームクリエイターや動画制作の職業では、具体的なプロジェクトの役割や成果を示すことで自分の専門性を強調できます。
技術だけでなく、アイデアや発想力も重要な要素です。
プロジェクトでどのように創造性を発揮したかを具体的に説明し、自分の専門性がどのように業務に活かされるかアピールすることで、企業に対してより強い印象を与えられるでしょう。
専門性を就活の軸にするときの注意点
続いて、専門性を就活の軸にする時の注意点についても理解を深めておきましょう。
以下の3点を念頭に置かずに就活の軸の回答を作成してしまうと、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
ぜひ、より良い印象を与え、企業の採用担当者にあなたを採用したいと思わせるためにも、以下の3つは意識しておいてください。
抽象的で伝わりにくい文章になりやすい
専門性を就活の軸としてアピールする際は、抽象的で伝わりにくい文章になりやすいことを忘れてはいけません。
専門性をアピールするとき、具体的なエピソードや実績を交えて説明しなければ、単に「私は専門的なスキルを活かしたいです」と言っているだけの、何ができるのかよくわからない人材という印象を与えてしまいます。
したがって、背景にある具体的な経験を明確にすることが大切です。
例えば「大学での研究活動を通じてデータ分析のスキルを磨きました。
この経験を活かして企業のマーケティング戦略に貢献したいと思っています」など、具体的なエピソードを交えることで、専門性のアピールが具体的かつ説得力のあるものとなります。
また、具体的に数字や成果を説明できるならば、ぜひ含めてみましょう。
これにより、専門性をどのように業務に活かすかを、さらに明確に伝えられます。
自分の専門性が企業にとってどのような価値をもたらすか明確にすることも重要です。
専門的な知識やスキルをどのように活用し、具体的にどのような成果を出すことができるか示すことで、抽象的な文章にならないよう工夫しましょう。
多くの企業に当てはまる
専門性は多くの企業が求めているものであるため、なぜその企業を選んだのかを明確にしづらいという点もマイナス点であるといえます。
専門性が広く通用するスキルである場合、特にどの企業でも役立つと考えられがちです。
「他の企業でも良いのではないか?」と突っ込まれる可能性もあるでしょう。
そこで、その企業でなければならない理由を明確にする必要があります。
企業ごとの特徴やニーズに合わせて、具体的なアピールをしましょう。
例えば分析が得意ならば「御社のデータ分析チームは先進的な手法を用いており、自分の専門性を最大限に活用できると感じました」といった具体的な理由を説明すると良いです。
これにより他の企業ではなく、その企業を選ぶ理由をさらに明確にできます。
また、企業のプロジェクトや取り組みに関連付けて自分の専門性がどのように貢献できるか具体的に示すことも重要です。
企業の公式サイトやプレスリリース、業界ニュースなどを活用して企業が現在取り組んでいるプロジェクトや課題をリサーチしましょう。
そして、自分の専門性がそれにどのようにフィットするかをアピールすることが大切です。
企業理解を深めておく必要がある
就活において企業分析は非常に重要であるため、皆さん取り組んでいるでしょうが、専門性をアピールする際は特に企業理解をしっかりしておかなければなりません。
専門性を就活の軸にする場合、その企業が求める専門知識やスキルを正確に理解しておくことが不可欠です。
企業の業務内容やプロジェクトに関して深く理解していなければ、選考の際に説得力のある回答ができなくなります。
例えば、いくらあなたの専門性が高かったとしても、その企業が求めているものとアピールが微妙に違うスキルであった場合、「リサーチを行っていない、やる気のない学生である」と思われてしまう可能性もあります。
したがって、企業の公式サイトや採用ページ、時間に余裕があるならば説明会なども活用してリサーチしましょう。
これにより、あなたが目指す企業がどのような企業であり、どのような能力が求められているのかについて明確になります。
専門性を就活の軸にするときのポイント
専門性を就活の軸にする際にはいくつかのポイントが存在します。
以下の3点を踏まえた上で作成することで、より質の高いESや面接の下書きを用意できます。
ぜひ、これらのポイントを踏まえた上で、採用担当者があなたを迎え入れたいと思うような回答を用意しましょう。
具体性を持たせる
専門性を就活の軸にする際は、とにかく具体性を持たせなければなりません。
なぜ就活の軸として専門性を大切にしているのか、その理由を明確にすることで、面接官の印象に強く残ります。
具体的に説明することで、他の企業と比較して志望企業のどの部分に魅力を感じたのかも明確にできます。
具体的なエピソードや経験を交えることで、説得力のあるアピールをすることが大切です。
例えば「大学時代に取り組んだプロジェクトで、データ分析を通じて顧客のニーズを把握し、製品開発に反映させた経験がある」などと話しましょう。
このように、あなたの能力が実際に活用できるものであるということをアピールしなければなりません。
将来どう活かしたいのかを伝える
将来その専門性をどのように活用したいと考えているのかについても、説明しなければなりません。
あなたが持っている将来のビジョンを明確にし、それを具体的に説明することで、企業に対して自分の成長意欲やキャリアプランを示せます。
例えば「データサイエンスの知識を活かして、マーケティングの分野でデータドリブンな戦略を立案し、企業の成長に貢献したいと考えています」などといったビジョンを話すことが大切です。
将来のビジョンを明確にするためには、自己分析を深め、自分がどのようなキャリアを築きたいのかを理解することも重要です。
自己分析を通じて自分の強みや価値観を明確にし、それをもとに将来の目標を設定しましょう。
以下の記事で自己分析のやり方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
専門性の定義を明確にする
「専門性」という言葉の定義が曖昧だとなかなかうまくアピールすることができないため、言葉自体の定義を明確にする必要もあります。
したがって、「自分が考える専門性とは何か」を再確認し、明確に定義することが大切です。
例えば「データ分析のスキルやプログラミングの知識」といった具体的なスキルを挙げることで、面接官に対して明確なイメージを持たせることができます。
専門性の定義を明確にするためには、まず自分がどの分野でどのような知識やスキルを持っているかを整理しましょう。
その上で、その専門性がどのような業務に役立つのか具体的な事例を用いて説明するのです。
例えば「Pythonを用いたデータ分析に強みがある。これまでに行ったプロジェクトではデータから有益なインサイトを引き出し、ビジネスの意思決定に貢献した。」といった具合です。
このように「専門性」の定義を明確にすることで、自分のスキルや知識が企業にどのように役立つかを明確に伝えることができ、就活の軸としてより分かりやすくアピールできます。
専門性を就活の軸にした例文
続いて、本記事の内容を踏まえた上で作成した専門性を就活の軸として紹介する例文を2つ紹介します。
おさらいという意味でも、ぜひ両方確認し、あなたの能力に置き換えた上でどのようにアピールするのか検討してみてください。
自身の専門的なスキルを活かしたい
例文
私の就活の軸は「自身の専門的なスキルを活かしたい」です。
私は大学でデータサイエンスを専攻し、特にデータ分析と統計学を学びました。
貴社の先進的なデータ分析手法を用いて顧客のニーズを正確に把握し、マーケティング戦略に反映させている点に魅力を感じました。
私のデータサイエンスの知識と貴社の取り組みは非常に共通している部分が多く、専門性を最大限に発揮できる環境であると考えています。
入社後は、データ分析チームの一員として、蓄積されたデータをもとに顧客の動向を分析し、新たなマーケティング戦略を提案することで、貴社の成長に貢献したいと考えています。
また、日々の業務を通じて、自分のスキルをさらに磨き、将来的にはプロジェクトリーダーとしてチームを牽引する存在になりたいと考えています。
専門的な能力を身に付けたい
例文
私の就活の軸は「専門的な能力を身に付けたい」です。
私は情報技術を専攻しており、特にサイバーセキュリティに強い関心を持っています。
貴社は先進的な技術を導入し、企業全体のセキュリティを強化するための取り組みを行っています。
私のサイバーセキュリティの知識と貴社のセキュリティ戦略には共通する部分が多く、貴社での業務を通じて、自分の専門性をさらに高められると感じています。
入社後はセキュリティチームの一員としてセキュリティ対策の設計・実装に携わりながら、実践的なスキルを習得し、エキスパートとして貴社のセキュリティ体制を強化できる人材を目指す所存です。
まとめ
今回は就活の軸に専門性を据える場合の対策やアピールしやすい職業、注意点などについて紹介しました。
専門性は多くの企業が求めるスキルではありますが、より具体的に説明するためにはいくつかのポイントが存在します。
ぜひ、あなたの能力が企業にとって魅力的に映るようなアピールをするためにも、本記事の内容を参考にし、就活の軸を作成してください。