明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
- ・業界の絞り方
- ・業界を絞ることのメリット
- ・業界を絞るときの注意点
- ・業界の絞り方がわからない人
- ・業界を絞るべきか悩んでいる人
- ・行きたい業界が決まらない人
はじめに
就活を進めるにつれて、希望する業界を絞っていく必要が出てきます。
いくつも候補があればさまざまな企業にチャレンジできますが、その分一つひとつに注力しにくくなるでしょう。
この記事では、就活で業界を絞ったほうが良い理由や業界を絞る前にするべきこと、どのように業界を絞ったら良いのかについて紹介しています。
業界の絞り方が分からない人や業界を絞るメリットが分からない人、効果的に業界を絞りたい人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
【業界の絞り方】業界を絞ったほうがいいの?
現在就活を進めている人の中には、本当に業界を絞ったほうが良いのか懐疑的な人もいるでしょう。
業界を絞ってしまうと、将来の選択肢が狭まってしまうのではないかという危惧はもっともです。
しかし、業界を絞らず手広くやろうとすると、効率的な情報収集が難しくなります。
行きたい業界を絞っておけば、情報収集や選考対策など就活の効率化を推し進められます。
ピンポイントで注力することにより、ほかの就活生との差別化を図れるのです。
選択肢が狭まるなどのマイナス面もありますが、プラスの面が圧倒的に多いため、業界は絞っていくほうが良いでしょう。
【業界の絞り方】業界を絞る前にするべきこと
ここでは、業界を絞る前にしておくべき準備について、見ていきましょう。
業界を絞るためには、まず自分がどのような人間なのか、何ができるのか、どのような強みがあるのかをまとめておく必要があります。
そして、これまでに調べた興味深い業界の特徴についてあらかじめまとめておくと、絞りやすいでしょう。
事前の準備を怠ると、業界を絞るのに無駄な時間がかかったり、いつまで経っても絞れなくなったりします。
それぞれの準備について、より詳しく見ていきましょう。
- 自己分析をする
- 他己分析をする
- 業界・企業分析をする
- 説明会・セミナーに参加する
- インターンシップに参加する
- OB訪問をする
自己分析をする
業界を絞る際は、まず入念な自己分析が必要になります。
自己分析を行えば、自分の強みや就活の軸を決めることが可能です。
自分はどのような性格で、どのようなことが得意で、どういった影響を周囲に与えられるのか、どんな仕事がしたいのか、職場に求める条件は何かなどを深掘りしていきましょう。
自己分析にはいくつか手段がありますが、なるべく複数の手段を併用すると、自分を多面的に見られておすすめです。
また、業界を絞っている途中に行き詰まった際は、自己分析をやり直すなど自分を見つめ直したり、前回の分析から変化した心境などをチェックしたりすると、より効果的に就活を進められます。
自己分析だけでは不十分だと感じたら、他己分析も実施して、ほかの人の意見も聞いてみましょう。
他己分析をする
業界を絞る上で自分の適性や価値観を把握することは欠かせませんが、自分自身のことは案外見えづらいものです。
そこでおすすめなのが、友人や家族、バイト先の同僚など、他人の目線を借りる他己分析です。
他己分析を通じて、自分では気づいていなかった行動の癖や人との接し方、長所が浮かび上がることも少なくありません。
何気なく人をまとめていた経験や、冷静に状況を判断している姿は他人から見ると「協調性が高い」「判断力がある」といった強みとして映るものです。
このように、客観的な視点から自分を見つめ直すことで、自分に向いている業界を明確にできます。
特に他己分析を受けた内容に共通点が多い場合、自分の核となる価値観や強みとしてアピールする材料にもなるでしょう。
業界・企業研究をする
就活を進める際、業界を絞る前に必ず行うべきことの1つが業界と企業の研究です。
業界研究を通じて、特定の業界がどのようなビジネスモデルを採用しているのか、どのような業務が行われているのかを理解することで、あなたがどの業界に入りたいのかが見えてきます。
また、企業研究を進めることで、どの企業ならば自分の成長に最適な環境を提供できるか、自分がやりがいを持って働けるかもわかるでしょう。
これらの情報をもとに、自分に合った業界と企業を見つけることが、効率的で満足度の高い就活につながります。
業界や企業の研究方法については、以下の2つの記事で詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
説明会・セミナーに参加する
業界を絞る前には、実際の業界の理解を深めるために企業の説明会やセミナーに参加することも重要です。
インターネット上の情報だけでは把握しきれない、現場のリアルな声を直接聞ける重要な機会であり、業界の構造や成長性、企業が求める人物などを具体的にイメージできるようになります。
複数の業界や企業の説明会に足を運ぶことで、表面的な情報だけで判断するのではなく、自分が本当に興味を持てる業界や働くイメージを描けるかどうかも見えてきます。
また、登壇する社員の話し方や雰囲気、実際の仕事内容に触れることで「この業界で働きたいかどうか」が明確になるケースも少なくありません。
参加後に印象に残った内容や気になった点を文章などで記録しておけば、後の業界比較や志望動機作成にも役立ちます。
インターンシップに参加する
業界がなかなか絞り込めないならば、インターンシップを利用して現場に飛び込んでみるのも選択肢の1つです。
インターンシップは業界や企業についての理解を深めるだけでなく、実際にその業界で働くことが自分に合っているかを体感する貴重な機会です。
企業の公式サイトやパンフレットだけでは得られないリアルな業務内容や職場の雰囲気、チームの働き方などを直接体験できるため、業界研究の延長線上でより深い理解を得ることができます。
特に、学生時代に学んできた知識やスキルが、実際のビジネスの現場でどのように活かされるかを知ることができるため、将来のキャリア選択にも役立つでしょう。
インターンに参加するべきかどうか、どのようなメリットがあるのかについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
OB訪問をする
OB訪問は業界や企業の内部情報を知るために非常に有効な手段です。
OB訪問を通じて、実際にその業界で働いている先輩社員から、業務のやりがいや苦労、さらには入社前には想像していなかった業界特有の課題などを聞くことができます。
このような情報は企業の採用説明会や公式資料には記載されていないことが多いため、実際にその業界で働く人々から直接話を聞くことで、より深い理解が得られます。
特に、自分が興味を持っている業界や企業が、自分の価値観やキャリアプランに合っているかを確認するためにも、ぜひOB訪問を行ってみてください。
OB訪問をする際は丁寧にメールを送る必要があります。
良い印象を与え「この人をサポートしてあげたい」と思ってもらうためにも、以下の記事で押さえておきたいメールマナーを確認しておいてください。
【業界の絞り方】業界の絞り方5選
ここでは、具体的な業界の絞り方を5つ見ていきましょう。
業界を絞る際は「就活の軸と照らし合わせる」「将来像と照らし合わせる」「大学時代に学んだ専攻を基にする」「自分に合わない業界を除外する」「業界の募集時期を参考にする」を意識するのがおすすめです。
そのためには、就活の軸や将来像などを自己分析によって把握しておく必要があります。
自分に合わない業界かどうかを知るためには、自己分析と業界研究の2つが重要です。
それぞれの絞り方について、詳しく見ていきましょう。
- 就活の軸と照らし合わせる
- 将来像と照らし合わせる
- 大学時代に学んだ専攻を基にする
- 自分に合わない業界を除外する
- 業界の募集時期を参考にする
- 業界の将来性で判断する
- 適職診断を利用する
- 業界診断ツールを利用する
就活の軸と照らし合わせる
業界を絞る際は、自分の就活の軸と照らし合わせることが大切です。
自己分析で明らかにした就活の軸に照らし合わせれば、自分の価値観に合う業界を選べる可能性が高まります。
「こういう仕事がしたい」「この技術に興味がある」「キャリアを大切にしたい」「ライフワークバランスの取れた職場で働きたい」など、職場や仕事に求める希望条件を整理し、優先順位を決めてどうしても譲れない就活の軸を打ち立てましょう。
就活の軸からブレた業界を選んでしまうと、入社してから「こんなはずではなかった」と落胆する可能性が高まり、モチベーションの低下につながります。
就活を成功させるには、内定をもらうだけでなく、その後も楽しく働き続けられる仕事を選ぶ必要があるため、就活の軸が重要です。
将来像と照らし合わせる
業界を絞る際は、自分が将来どうなっていたいのか、将来像を基準にするのもおすすめです。
「将来的にこういった仕事がしたい」「将来のキャリアではこうなっていたい」といった将来像と照らし合わせれば、選考での具体的なアピールにもつながります。
将来はどうなりたいかを考えるためには、しっかりその業界でできることを知っておく必要があるでしょう。
具体的なイメージを持てなければ、将来像についても明確なものは描けません。
また、将来像において「こうなっていたい」ことだけではなく「将来こうはなっていたくない」といったマイナス方面のイメージも、明確にしておくのがおすすめです。
入社から何年目の社員がどのような働き方をしている場合が多いのか、しっかりチェックしていきましょう。
大学時代に学んだ専攻を基にする
大学時代に専攻した内容の専門性が高ければ、それを基に業界を絞れます。
たとえば、経済学や法学を学んでいるのであれば、これらの学問を活かせる業界や職種を絞っていけるでしょう。
また、化学系の研究や情報系の技術における実績などがあれば、業界を絞れるだけでなく、就活自体も有利に進められます。
手に職をつけられるような専攻内容であったり、看護師免許や保育士免許など特殊な免許や資格を取得できる学校であったりすれば、より業界を絞りやすいです。
ただし、業界によっては、専門知識や資格を持っている人であっても、狭き門である可能性があります。
専攻した内容に加え、同様のスキルを持っている人に対して、自分が抜きん出てアピールできるところはあるかも考えてみましょう。
自分に合わない業界を除外する
自分に合わない業界を除外していく形で、業界を絞るのもおすすめです。
自己分析では、自分のさまざまな特徴が明らかになります。
明らかになった特徴の中には、長所や強みもあれば、短所や興味のない分野なども含まれているでしょう。
そうした特徴と照らし合わせて、自分に向いていないと思われる業界を除外していくと、仕事へのモチベーションが低い業界を選ぶリスクを低減できます。
自分に合っていない業界を選んでしまうと、内定を得られる可能性が低くなり、仮に就職できても楽しく働けない可能性が高いです。
そうなると、早期退職につながる場合もあるので、自分のためにも選考を受ける企業のためにも、自己分析によってしっかり自分に合った業界を選ぶことをおすすめします。
業界の募集時期を参考にする
業界を絞る際は、業界ごとの募集時期を参考にするのもおすすめです。
国内の企業であっても、業界ごとに就活における募集時期が異なります。
大学3年生の夏から募集が始まる業界や、大学4年生の春からしか始まらない業界といったように、業界ごとに募集時期に差があるため、その業界に合わせた準備が必要です。
募集時期が異なる業界を選択すれば、各業界に対して対策を練る時間を確保できます。
募集時期が複数の業界で被ってしまうと、あれもこれもと準備しなければならなくなり、スケジュール管理が億劫です。
焦って書類の内容を間違えるなど、致命的な失敗にもつながりやすくなるため、なるべく募集時期の異なる業界を選ぶと良いでしょう。
- 外資系企業:3年生の夏ごろ
- ベンチャー企業:3年生の秋ごろ
- そのほかの企業:3年生の冬ごろ
業界の将来性で判断する
業界を絞る際には自分の適性や興味だけでなく、その業界の将来性にも目を向けることが欠かせません。
どれほど魅力的に感じる業界でも、今後縮小していく可能性がある場合、長く働くことはできません。
特に近年は少子高齢化やAI技術の進化、国際情勢などの要因により、様々な業界が再編や改革を迫られています。
IT業界や再生可能エネルギー分野などは成長が見込まれますが、衰退傾向にある業界も少なくありません。
将来性を判断するには、業界の市場規模や政府の方針、社会課題との関係性など、複数の視点で調べておくことが大切です。
適職診断を利用する
業界選びに迷った時は自分にどのような仕事が向いているか客観的に知る手段となる適職診断がおすすめです。
様々な適職診断ツールがあり、就活のプロがあなたと面談をして適職診断をしてくれるものから、AIで適職診断をスムーズに行えるものもあります。
しかし、プロと面談するものは就活に詳しい人の目線からあなたを分析できるものの、主観的な意見が入り込むことも少なくありません。
そこでおすすめなのは弊社が提供している適職診断ツールです。
LINEで52個の質問に答えるだけで、あなたの特徴や強み、向いている業界が明確になります。
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業界診断ツールを使用する
適職診断だけでなく、業界診断ツールを活用することも選択肢の1つです。
いくつかの質問に回答するだけで、自分の志向性や関心に合った業界をおすすめしてくれるため、客観的な情報をもとに、あなたに向いている業界が明確になる場合もあります。
また、自分では候補に挙げていなかった業界にも目を向けるきっかけにもなりますし、自分が絶対に向いていると思っている業界への適性を再度考え直す機会にもなります。
ただし、大切なのは診断結果をそのまま鵜呑みにするのではなく「なぜその業界が自分に合っているという判定が出るのか」を自分なりに振り返りながら分析することです。
業界への理解を深める際に見るべきポイント
続いて、業界の理解を深める際に見るべきポイントについて紹介します。
以下の2点を意識しながら業界を選べば、あなたに向いている業界を絞り込みやすくなるでしょう。
選考開始の時期だけでなく、どのような業務を行うのか、給与はどのくらいであり、福利厚生はいくらかなど、様々な視点から考えることで、自分がどの業界で働きたいのかをより明確に判断できるようになります。
- 選考開始時期
- 仕事内容
- 年収
- 福利厚生
- 平均勤続年数
- 労働時間
- 転勤の有無
- 離職率
- 今後の動向
- 現状の課題
- 就活の倍率
【業界の絞り方】業界を絞るメリット
続いて、業界を絞るメリットについて見ていきましょう。
業界を絞るメリットは、就職活動の効率が良くなること、主張の一貫性が出てくることです。
いくつもの業界を掛け持ちしていると、幅広く情報収集する必要があり、1つの業界や企業に注力できません。
また、それぞれの業界に合わせて、志望動機などを使い分ける必要が出てきます。
あっちではこう言ったけれど、こっちでは別のことを言うといったように、一貫した主張ができなくなります。
それぞれのメリットについて、より詳しく見ていきましょう。
- 就職活動の効率が良くなる
- 主張の一貫性が出てくる
- 選考の通過率が上がる
就職活動の効率が良くなる
業界を絞るメリットは、就職活動全体の効率が良くなることです。
ピンポイントで業界を絞ることで、その業界に対してより深く情報収集を行えます。
そのため、業界に適した就活の軸や自分の強みをピックアップして、面接官にアピールすることが可能です。
まったく業界が異なる企業に応募して、その都度発言を大きく変える必要がなくなるため、どこで何を言ったか分からなくなることはないでしょう。
また、求められる人材として必要なスキルは、業界ごとに異なります。
業界を絞れば、その必要なスキルも絞れます。
就活と並行して身につける効果的なアピール方法を模索する面でも、効率化を図れるでしょう。
これにより、志望先1社1社への就活の精度が高まります。
主張の一貫性が出てくる
業界を絞るメリットは、発言に一貫性が出ることです。
行きたい業界を絞っておけば、アピールするべき自分の特徴を業界ごとに変える必要性がありません。
そのため、自分の強みや希望について、主張の一貫性が出てきます。
複数の業界にまたがって就活をしていると、あっちの業界に合わせて強みを捻出し、こっちの業界に合わせてまた別の強みを探し出すなど、アピールすることを逐一切り替えなければなりません。
そうなると主張の一貫性が失われ、場合によってはどこで何についてアピールしたか分からなくなり、二次面接での受け答えが危うくなります。
一貫性が出れば主張の内容を統一でき、どこの企業で何を言ったのか、アピール内容を忘れてしまうリスクを下げられるでしょう。
選考の通過率が上がる
選考の通過率が上がることも見逃せないメリットの1つです。
準備にかける時間とエネルギーを目指す業界に集中できるため、質の高い対策ができるようになります。
際限なく業界を選んで対策するよりも、本当に興味のある業界に絞った方が当然、アピールのクオリティも高まりますし、選考の通過率も向上する可能性が高いです。
複数の業界を目指すことは悪いことではありませんが、どうしても一つひとつの対策がおろそかになりがちであるため、優先度が低い業界は一旦、選択肢から外しておきましょう。
まずは優先度が高い業界の研究を入念に進めることを推奨します。
【業界の絞り方】業界を絞るデメリット
続いて、業界を絞ることで発生するデメリットについても見ていきましょう。
業界を絞ると得られるメリットは大きいですが、少なからずデメリットも存在します。
それは、企業の選択肢が狭くなること、内定ゼロの可能性が高まることです。
業界を絞ることは、ほとんど企業を絞ることと同じであり、業界内に含まれる企業の数によって選択肢が決まります。
受けられる企業の数も少なくなるため、滑り止めのような形で選考を受けられる企業もなくなるでしょう。
それぞれのデメリットについて、詳しく紹介します。
- 企業の選択肢が狭くなる
- 内定ゼロの可能性が高まる
- 入社後のリスクが高まる
企業の選択肢が狭くなる
業界を絞るデメリットは、企業の選択肢が狭くなることです。
すべての企業は、ある程度自社が所属する業界を定めています。
複数の業界にまたがって事業を行っている企業は、余程の大企業でない限り、そう多くはありません。
行きたいと感じて絞った業界と、もともと行きたいと考えていた企業が合っていないと、その企業に合わせた就活の効率化を図ることは難しいです。
業界によっては、企業の規模を絞ると、さらに選択肢が少なくなる場合もあります。
選べる企業はここしかないが、致命的に相性が合わない点があるといった状態になる可能性があります。
選択肢が狭ければ、その分ディープな情報収集や選考対策ができるようになりますが、その分1社に落ちたときの影響も大きくなるでしょう。
内定ゼロの可能性が高まる
業界を絞るデメリットは、内定ゼロの可能性が高まることです。
求められる人材像は業界によって一定の傾向があるため、業界を絞ると同じような人材を求めている企業を受けることになっていきます。
そのように似たような人材を求めている企業を受け続けると、ある程度求められる人物像が具体的にイメージできるようになっていくでしょう。
それを自分自身に当てはめてアピールに応用できれば、複数の内定を得られる可能性があります。
その一方で、その人物像にうまく自分のイメージを合致させられないと、いつまで経っても内定を得られない可能性があるのです。
そのため、業界を絞る際は1つだけにしてしまうのではなく、ある程度傾向の異なるいくつかの業界を選択肢として残しておくと良いでしょう。
入社後のリスクが高まる
業界を早い段階で絞って就活を進めることは効率的ではありますが、リスクが比較的高いです。
特定の業界にしか目を向けないまま就活を終えてしまうと「思っていた仕事内容と違った」「社風が合わない」といったミスマッチを感じることも少なくありません。
業界の表面的な情報だけを見て判断してしまった結果、リアルな働き方や価値観に対する理解が不十分なまま入社してしまう人も多いです。
もし転職を考える場面が訪れた時も、業界特有のスキルや経験が他の業界では評価されづらいこともあり、選択肢の幅が狭まってしまうこともあります。
したがって、業界を絞る際は将来のキャリアも見据えて、多角的に情報を集めることが大切です。
業界を絞った方がいい人の特徴
続いて、業界を絞った方が良い人の特徴についても紹介します。
以下の2つの特徴に当てはまる人は早い段階で業界を絞って就活を進めた方が、効率的に進められる可能性が高いです。
自分が業界を絞った方が良いのか、それとも広く見た方が良いのかを検討するためにも、確認しておいてください。
- 就活が本格化している人
- やりたいことが明確な人
就活が本格化している人
エントリー解禁後、本格的に選考が始まると、説明会やエントリーシート、面接の対応など、やるべきことが一気に増えていきます。
その中で多くの業界を並行して志望していると、1社にかけられる準備時間が限られてしまい、企業ごとに深い志望動機を考える余裕がなくなってしまいます。
中身の浅い志望動機になってしまったり、あまり企業が求めていない自己PRをしてしまったりする可能性が高いです。
就活が本格化している段階では時間もエネルギーも限られているため、志望業界はある程度絞り込み、1社ごとの対策に十分な時間をかけることを心がけましょう。
業界研究や企業理解を深めた上で応募でき、説得力のあるアピールができるようになります。
やりたいことが明確な人
やりたいことが明確な人も、業界を絞った方がスムーズに就活を進められます。
業界を幅広く見続けるよりも、関連する業界に絞って深く調べる方が有益です。
業界によって取り扱う商材やサービス、求められるスキル、働き方などが大きく異なるため、自分のビジョンに一致した業界を選ぶことで、志望理由にも一貫性が出ます。
また、自分のやりたいことと業界が明確に結びついていれば、その熱意や理解度が企業に伝わりやすくなり、面接でも深い内容で語れるようになります。
業界を絞ることで企業分析にも時間をかけることができ、自分の目指すキャリアに近い企業を見つけやすくなるでしょう。
明確な目的を持っている人ほど、対象を絞って質の高い就活を進めることが成功への近道です。
業界を絞らない方がいい人の特徴
続いて、業界を絞らない方が良い人の特徴についても紹介します。
以下の2つの特徴が当てはまる場合は無理に業界を絞り込まず、広い範囲でまずは就活を進めることを推奨します。
特に、就活を始めたばかりの人は無理に業界を1つや2つに絞り込む必要は全くありません。
- 就活を始めたばかりの人
- 自己分析が苦手な人
就活をはじめたばかりの人
就活を始めたばかりの段階では、まだ自分の価値観や向いていることが明確になっていない人が多いため、企業や業界を絞ってしまうと選択肢を狭めてしまう可能性が高いです。
この時期は広く様々な業界に触れることで、自分にとって何が大切なのか、どのような働き方ができるのかを見極める機会が重要です。
まだ情報も少なく、企業や業界に対する先入観で判断してしまうこともあるため、早い段階で決めつけるのは避けましょう。
興味の有無にかかわらず、まずは複数の説明会やインターンに参加し、実際の話を聞いてみることが大切です。
その過程で初めて見えてくるものも多く、業界の理解が深まっていくにつれて、自分なりの軸が明確になるでしょう。
自己分析が不十分な人
自分が何をしたいのか、どのような仕事にやりがいを感じるのかが曖昧なまま業界を絞ると、入社後に「思っていたものと違った」と感じる可能性が高まってしまいます。
自己分析が不十分な状態では自分の強みを活かせない企業に就職してしまい、ミスマッチを感じる可能性が高いでしょう。
特に、周囲の意見やイメージだけで業界を選んでしまうと、本来の自分に合っていない方向に進んでしまう可能性が少なくありません。
まずは自己分析をじっくりと行い、自分の興味や得意なこと、譲れない価値観を洗い出してから業界を検討することが重要です。
その過程で「自分はこういう働き方がしたい」といった方向性が見えてきた段階で、徐々に業界を絞る流れに移るのが望ましいでしょう。
【業界の絞り方】業界を絞る目安とは?
続いて、業界を絞る際の時期や数の目安について見ていきましょう。
就活の始まりから業界を絞るわけにはいかず、とにかく数を減らせば良いというものでもありません。
何事にも目安があり、これは就活や業界の絞り方でも同様です。
就活全体のスケジュールや、能力的に受けられる企業の数なども考えながら、業界を絞る時期や数を決めていくと良いでしょう。
業界を絞る時期や数、それぞれの目安について詳しく紹介していきます。
- 3年生の夏以降
- 3つ程度の業界に絞る
3年生の夏以降
就活を進めるにあたり、業界を絞っていく時期の目安は、大学3年生の夏以降です。
3年生の夏には、外資系企業のエントリーシートなどの書類提出があります。
外資系企業の就職活動は、国内資本の企業と比べて早いものが多いです。
そのため、業界を絞る際は、外資系企業の書類提出に間に合うように行わないと、貴重な機会を逃してしまいます。
外資系企業の選考を受けるつもりがないのであれば、興味がある業界内の企業の書類提出に間に合うように、業界を絞っていくのがおすすめです。
したがって、3年生の夏までに、ある程度広く浅くの業界研究を終わらせて、情報を集めておく必要があります。
早めにノートにまとめるなど、効率良く業界を絞れるように準備を進めておきましょう。
3つ程度
業界を絞る際の数の目安は、3つ程度です。
自分が情報収集に注力できる程度まで業界を絞ることは大切ですが、極端に絞りすぎてしまってもいけません。
業界を絞るときは、なるべく傾向の異なる業界を3つ程度に絞るのがおすすめです。
1つの業界に絞りすぎてしまうと、自分が思った業界ではなかったなと思ったときに、また一から情報を集めて就活をやり直さなければなりません。
また、選べる企業も少なくなり、将来的な選択肢も狭まってしまいます。
理想と現実のギャップに対応できるように、またある程度の選択肢を確保できるように、1つではなく3つ程度に絞ることが大切です。
同じ傾向の業界を選んでしまうと、自分の性質がコミットしていなかった場合に就活の成功率が下がってしまうため、なるべく違う傾向の業界を選びましょう。
【業界の絞り方】業界を絞る時の注意点
続いて、業界を絞る際に気を付けるべき注意点について、見ていきましょう。
業界を絞る場合は、その業界が「好き」という気持ちだけで決めないこと、業界ごとの実情を知ってから絞ること、絞った業界にこだわりすぎないことが大切です。
業界の絞り方を間違えると、自分の就活の軸に合った業界や、働きやすい業界を選べない可能性があります。
また、業界を絞った後も、きっかけ次第で柔軟に考え方を変える必要があるのです。
それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
- 「好き」という気持ちだけで決めない
- 業界ごとの実情を知ってから絞る
- 絞った業界にこだわりすぎない
- 先入観を持たない
「好き」という気持ちだけで決めない
業界を絞る際は、その業界に対する「好き」という気持ちだけで決めるのは、おすすめできません。
もちろん、そのサービスをよく利用する、興味深い分野であるなど、業界への親しみやすさや「好き」の気持ちを蔑ろにする必要はないでしょう。
しかし「好き」という気持ちだけで業界を決めてしまうと、その業界が持つマイナス面に目を向けにくくなってしまいます。
その結果、ほかの業界とプラス面やマイナス面を比較するのが困難になってしまうのです。
特定の業界の良い面に惹かれて志望したものの、就職後に思ってもみなかったような欠点が出てくることもあるでしょう。
仕事を続けられなくなってしまったり、場合によってはその業界が嫌いになってしまったりする可能性があります。
業界ごとの実情を知ってから絞る
業界を絞る際は、業界ごとの実情を知ってから絞る必要があります。
実情を知らずに業界を絞ってしまうと、絞った後に「思っていたのと違う」とギャップに悩まされてしまう可能性が高いです。
そうなると、結局は情報収集をやり直すハメになり、就活の効率化を図れなくなってしまいます。
企業が運営している公式サイトなどで、表層的な情報をなぞるだけでは不十分です。
OBOG訪問で実際にその業界に身を置いている人の話を聞く、ネットの口コミサイトをチェックする、就活関連の情報をまとめた本やコラムを読む、大学のキャリアセンターや就活エージェントに相談するなどして、情報を集めましょう。
事前に情報を集めておけば、業界選びに失敗する可能性も低くなります。
絞った業界にこだわりすぎない
業界を絞った後は、その絞った業界にこだわりすぎないことも大切です。
絞った後にその業界の良くない面を知り、理想とのギャップに悩まされたら、潔くその業界を除外するようにしましょう。
せっかく選んだからと絞った業界にこだわってしまうと、本来できるはずだった就活の効率化ができなくなってしまいます。
早めに切り替えて別の業界を選び直せば、その業界に力を注げる時間は長くなるでしょう。
途中で「思ったよりこの業界との相性は良くないかもしれない」「予想していた働き方ができないかもしれない」などと感じた場合は早めに見切りをつけ、より相性の良い業界に乗り換える必要があります。
気付くのが終盤にならないよう、事前の情報収集が大切です。
先入観を持たない
業界選びに特に気をつけたいのが、最初から強い先入観を持って判断してしまうことです。
「この業界は自分には向いていない」「なんとなく堅そう」「ブラックと聞いたことがある」といったイメージだけで選択肢から外してしまうと、自分に向いている業界を見逃してしまうこともあります。
企業や業界に対するイメージは就活を始めたばかりの段階では断片的な情報に左右されやすく、実態と異なるケースも少なくありません。
そこで、業界研究や説明会、OB訪問などを通じて、自分の目で見て、耳で聞いた情報をもとに判断することが大切です。
また、最初は興味がなかった業界でも、調べるうちに「仕事の進め方や価値観が自分に合っている」と感じるケースも少なくありません。
【業界の絞り方】適職診断ツールを用いる
「どの業界なら自分の強みを活かせるのだろうか」「志望している業界の中で、自分の強みを活かせる職種は何か」と悩みを抱えている就活生は多いでしょう。
そこでおすすめなのは、弊社が提供している適職診断ツールを用いることです。
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エージェントに相談しよう
ここまで業界の絞り方について紹介しましたが、ツールなどを活用してもなかなか業界が絞れない人も多いでしょう。
そこでおすすめなのは、就活のプロであるエージェントに相談することです。
ジョブコミットでは、ESの添削や面接対策など、一般的な就活エージェントが行うサービスだけでなく、あなたに合った業界を一緒に探すお手伝いも行っています。
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まとめ
業界を絞るのは、就活を効率良く進めていくためにも必要なプロセスです。
多少選択肢が狭まるリスクはあるものの、限られたリソースを本当に進みたい業界につぎ込めるようになります。
業界を絞るためには、自分についてよく理解し、さまざまな業界の情報を集めておく必要があるでしょう。
必要な準備を入念に行い、就活を成功させられるように、業界を選択してみてください。