- 鉄道業界の仕組み
- 志望動機の書き方
- 鉄道業界の志望動機の例文
- 鉄道業界に興味がある人
- 志望動機の書き方がわからない人
- 鉄道業界の志望動機の例文を見たい人
はじめに
日常的な電車の利用や、就職活動における業界研究によって、鉄道業界に入りたいと感じた就活生もいるでしょう。
鉄道業界は表から見える業務以外にも、実にさまざまな仕事が存在する業界です。
この記事では、鉄道業界を志望する就活生や、はっきり志望するほどではないものの興味がある就活生に向け、鉄道業界の仕組みや鉄道業界向けの志望動機の書き方を解説していきます。
鉄道業界についてもっと知りたい、就活に役立つ志望動機の例文が知りたいと考えている人は、ぜひ読んでみてください。
また、志望動機の書き方について徹底解説した記事があるので、そちらも参考にすることをおすすめします。
【鉄道業界の志望動機】鉄道業界とは?
普段電車に乗りながら、駅の位置や乗り換えの路線以外で、鉄道業界にある企業の違いについて考える機会はあるでしょうか。
鉄道業界は、JR、私鉄や地下鉄、第三セクターの3タイプに大きく分けられます。
タイプによって、経営母体や取り扱っているサービスが異なる点に注意が必要です。
一般的なのは人を運ぶための電車ですが、それ以外にも貨物列車や線路が1本のモノレールなど、さまざまな列車を取り扱っています。
それぞれのタイプについて、詳しく見ていきましょう。
JR
JRは、日本国有鉄道、すなわち国鉄の分割民営化により誕生した鉄道です。
人を輸送するための鉄道だけでなく、貨物輸送も行っています。
在来線や新幹線などさまざまなサービスを提供しているのが特徴です。
エリアごとに管轄する中核企業があり、JR東日本、JR西日本などと呼び分けられています。
こうした企業の正式名称は、東日本旅客鉄道、西日本旅客鉄道などです。
貨物輸送を担当しているのは、日本貨物鉄道になります。
JRグループとしては、不動産事業や高速バスの運営など、さまざまな事業を取り扱っています。
グループ全体を見ると、交通事業以外にもさまざまな事業に進出しているのが特徴です。
- 中央線
- 山手線
- 総武線
- 横須賀線
- 埼京線
- 東海道本線
- 常盤線
私鉄・地下鉄
私鉄とは、私有鉄道の略称です。
私鉄や地下鉄は、はじめから民間の内に勃興した民間企業が運営する鉄道になります。
管轄エリアこそ分かれているものの、全国規模で事業を行っているJRに比べ、企業がある地域によりコミットしたタイプの鉄道です。
近隣の都市間をつなぐ路線が多く、県をまたぐような企業から、県内のみに事業を展開する企業など規模はさまざまです。
グループ企業として、不動産事業や観光業などに力を入れている場合もあり、地域住民向けの鉄道業務と、全国や海外にも向けた業務なども手がけている傾向にあります。
どれだけ地域に密着しているか、それとも広範囲に手を広げているかによって、企業を選ぶのも良いでしょう。
- 東京メトロ
- 西武線
- 京王電鉄
- 小田急小田原線
- 近畿日本鉄道
第三セクター
第三セクターは、官民の共同出資による鉄道のことです。
第一セクターと呼ばれる「地方自治体」と、第二セクターと呼ばれる「民間企業」が共同で運営しています。
民間企業という扱いにはなりますが、税金を投入して維持されている企業であるため、高い安定性があります。
福利厚生はしっかりしているものの、企業体質が古い価値観に影響を受けている企業も少なくありません。
民間企業の柔軟な発想力と、自治体の信頼性や安定性を融合させて相乗効果をもたらすことが期待されており、私鉄や地下鉄よりさらに地域密着型の事業を行っています。
そのため、第三セクターには、ローカル線の運営企業が多いです。
- 多摩都市モノレール
- ゆりかもめ
- 横浜シーサイドライン
- 大阪モノレール
【鉄道業界の志望動機】鉄道業界の職種
続いて、鉄道業界で就ける職種について見ていきましょう。
鉄道業界は、鉄道現業職、営業職、総合職、技術職の4つに分類できます。
グループ全体で見ればもっとさまざまな職種がありますが、電車の運行や駅に関わる職種は、この4種類に集約するといえるでしょう。
それぞれの職種について、解説していきます。
自分がどのように鉄道業界に関わっていきたいかを考えながら、入社後に就きたい職種をイメージしてみましょう。
鉄道現業職
鉄道現業職とは、車両や駅など、顧客が利用する現場で働く職員のことです。
車掌や電車運転士などの列車の乗務員や、駅職員のことを指します。
車掌は電車内でのさまざまな業務を請け負っており、乗客の切符の確認や精算、車内放送、列車の発着時の安全確認などを行うのが仕事です。
電車運転士は、人や貨物を載せた電車を安全に運転するための人員になります。
運転士になるためには、国家資格である「動力車操縦者運転免許」が必要です。
駅業務を行っている職員を駅務員または駅員と呼び、乗車券の販売や改札での業務、乗り越し精算への対応、忘れ物対応などを行っています。
また、乗客と列車の安全確保も請け負っており、ドアの開閉時や列車の発車後まで、しっかりチェックするのが仕事です。
営業職
営業職はさまざまな業界に設けられている職種ですが、鉄道業界にも営業職は存在します。
鉄道業界における営業職の仕事は、電車内広告の作成や鉄道商品の開発、駅のある地域のPR活動などです。
たとえば、広報、ホテルなどの関連事業を担当しています。
自社で行っているさまざまな事業の売り込みや、ビジネスや観光でその駅を利用する人に向けて、観光案内などを行っているのです。
企業の魅力や利便性を売り込み、より多くの利用者を獲得できるように宣伝しています。
PRの仕方によって、鉄道を運営している企業の印象が変化するため、企業イメージを作る大事な職種です。
そのため、世相による市場の価値観の変化や流行などを押さえて、顧客に良い印象を持ってもらえるようにする必要があります。
総合職
鉄道業界の総合職は、電車の運行に関わるさまざまな業務を行っている職種です。
現行の車両の運行ダイヤ改正など、快適に鉄道を利用してもらうための仕組み作りを行っています。
一般事務、財務、人事、法務、総務など、ほかの企業にもあるような企業の運営をとりしきる部署と、設備計画、輸送計画のように、鉄道に関する業務を執り行う部署に分かれているのが特徴です。
現場からは離れるので、直接電車に関わる機会は少ないですが、電車を安全かつ計画的に運行するために重要な役割を担っています。
企業全体のマネジメントに関わる業務を引き受けているため、総合職がなければ企業が立ち行かなくなってしまいます。
間接的に現場の業務を助けたいと考えている人におすすめの仕事です。
技術職
鉄道業界の技術職は、列車の技術に関する仕事を一手に引き受けている職種です。
車両やレール、踏切といった建築物の製作やメンテナンスを行います。
また、新型列車の導入に携わることも少なくありません。
車両整備士、線路建設、制御システムの管理などがこれにあたります。
車両整備士は、定期的に列車の仕様や機能、重要な部位の検査と整備を行っています。
正式な整備士として認められるためには「鉄道車両製造・整備技能士」の資格が必要です。
こうした技術職は、安全に電車を運行し、人や物の運搬を円滑に進めるために欠かせません。
身体的な労力は大きいですが、やりがいのある仕事といえます。
人々の安全を守ることを自覚できて、責任感のある人でないとできない職種です。
【鉄道業界の志望動機】鉄道業界に向いている人
続いて、鉄道業界に向いている人の特徴についてご紹介します。
鉄道業界は、今や多くの人にとって欠かせない交通インフラの1つです。
そのため、自分の仕事に責任を持って携われる人、多くの人と協力して業務にあたれる人を求めています。
つまり、ルールや時間を厳守できる、コミュニケーション能力が高いなどの特徴や能力が必要です。
どのような人が鉄道業界に向いているのか、どのような能力が求められるのかについて見ていきましょう。
ルールや時間を厳守できる人
鉄道業界に向いているのは、ルールや時間を厳守できる人です。
電車の運行には厳密な時間が決められており、出発時刻と到着時刻は綿密に管理されています。
鉄道は多くの人が利用しており、移動時間をスケジュールに組み込んでいる人も多いため、1分の遅れも許されません。
また、猛スピードで走る鉄の塊である電車を安全に運行させるためには、さまざまなルールを守る必要があります。
1つのルール違反が重大な過失につながり、非常に多くの人々の命や財産に関わる事故を引き起こす可能性もあるのです。
そのため、鉄道業界におけるルールや法律は、絶対に守られなくてはなりません。
時間どおりに仕事ができ、また決められたルールにしたがって行動できることが求められます。
コミュニケーション能力が高い人
鉄道業界に向いているのは、コミュニケーション能力が高い人です。
すでに紹介したとおり、鉄道業界にはさまざまな職種が存在します。
そのため、1つの職種に就いた後も、異なる職種の人と連携して仕事をするケースは少なくありません。
また、鉄道自体が多くの人々が利用する業種であることから、駅や電車内で利用者のサポートをすることもあります。
とくに車掌として電車に乗る場合や、駅務員として働く場合は、企業の顔ともいえるほど利用者と直接関わるでしょう。
そのため、人と円滑なコミュニケーションが取れると円滑に働けます。
これは技術職であっても同様で、多くの人々と関わりながら仕事をする必要があるため、業務上必要なコミュニケーションが取れないと厳しいでしょう。
【鉄道業界の志望動機】志望動機の構成
ここからは、鉄道業界に入るための志望動機の書き方について紹介します。
まずは、志望動機を書くための構成について見ていきましょう。
文章の構成次第で、相手の受け取り方は大きく変わります。
基本の構成は、結論、具体的なエピソード、どう貢献できるかの3点です。
あまりいろいろな要素を詰め込みすぎると、読んでいて何がいいたいのか分からなくなってしまいます。
なるべくシンプルで効果的な構成を心がけ、自分の武器が伝わる志望動機に仕上げましょう。
結論
まず、志望動機の結論を述べるようにしましょう。
結論とは「なぜその企業を志望したのか」という一番重要な部分です。
結論を最初に述べることで、聞き手は「この人の志望動機は○○なのか」と納得でき、話の展開がつかみやすくなります。
逆に、結論を述べずに過去のエピソードから話し始めると、どの部分が結論なのかを理解するのに時間がかかる可能性が高いです。
要件を真っ先に伝えられないのは、社会人として望ましくないため、構成によっては相手からの印象が大きく下がってしまいます。
最初に結論のメモを取り、後から情報を付け足す人が多いため、結論の後に詳細な説明をするのがおすすめです。
「私が貴社/御社を志望する理由は○○です」といったように、簡潔に志望動機をまとめるようにしましょう。
具体的なエピソード
結論の次に、過去の経験から具体的なエピソードを持ってきましょう。
自分が鉄道業界やその企業を志望するきっかけになった、具体的なエピソードを語ります。
具体的なエピソードがあれば、志望度の高さに説得力が増し、より採用担当者を納得させられる可能性が高いです。
どのような経験から、どれだけその企業に入りたいと感じているかを述べれば、入社への強い熱意を伝えられます。
逆にエピソードが曖昧だったり、採用担当者を納得させられるようなつながりがなかったりすると「本当にそのような経験をしたわけではないのではないか」「自社への入社意欲は低いのではないか」と思われてしまうのです。
自己分析でどのようなエピソードが使用できるかを見極め、志望動機に活用しましょう。
どう貢献できるか
最後に述べるのは、自分ができる貢献です。
鉄道業界の一員として、企業に自分がどのように貢献できるかを述べましょう。
自分の強みをどう仕事に再現できるか、どのような仕事をするつもりなのかについて、具体的に述べると効果があります。
この部分で、企業に求められていない強みを挙げたり、その企業でできないことを述べたりすると「企業研究が足りない」と見なされる可能性があるため、注意が必要です。
鉄道業界の場合、とくにその鉄道が管轄しているエリアに関する下調べを忘れないようにしましょう。
また、大きな企業の場合は、グループ会社に業務の一部を委託している場合もあります。
どのような業務がどこの担当になっているかも、しっかり調べておく必要があります。
【鉄道業界の志望動機】志望動機作成のポイント
ここでは、志望動機を作成するうえで意識したいポイントについて紹介します。
志望動機を分かりやすくまとめるためには、適切な長さに抑えること、抽象的な表現や専門的な表現は避けることが大切です。
基本的には、どのような文章であれば読み手や聞き手にとって分かりやすいかを意識して、まとめるようにしましょう。
一文一文を簡潔に、誰でも分かりやすい表現にすると効果的です。
それぞれのポイントについて、どのような点に気をつけたら良いか、より詳しく見ていきましょう。
適切な長さにまとめる
志望動機を作成する際のポイントは、適切な長さにまとめることです。
選考書類や面接で答える場合の志望動機の文字数の目安は、とくに企業側から指定がなければ300字となっています。
あまり短すぎると熱意が低いと受け取られますが、長すぎるとごちゃごちゃして何を伝えたいかが分かりにくくなるため、注意が必要です。
少なくとも8割、300字であれば240字は埋めるようにしましょう。
ただし、企業側から文字数の指定がある場合は、その限りではありません。
企業によっては、志望動機を作成する際に400字、場合によっては800字といった指定をしてくる可能性があります。
その場合は、企業の指定する文字数にしたがって、志望動機を作成するようにしましょう。
エピソードは抽象的すぎず専門的すぎないように
志望動機を作成する際のポイントは、抽象的な表現や専門的な表現を避けることです。
エピソードが抽象的すぎると、相手から見た志望動機の解像度が落ちてしまいます。
そうなると、志望動機全体を理解しにくくなり、説得力も落ちるのです。
しかし、具体的すぎて専門用語などを多用すると、そもそも相手に伝わらないこともあります。
人事として採用に携わっている人は、必ずしもあなたが就きたい職種に関する仕事を経てきたわけではなく、専門知識を有していない場合もあるのです。
専門用語や専門知識がないと分からない話題はなるべく噛み砕いて伝えるか、そうした用語自体を用いないようにしましょう。
鉄道業界について何も知らない人が読んでも、理解できるくらいの内容にするのが望ましいです。
【鉄道業界の志望動機】鉄道の志望動機例文
続いて、鉄道業界を目指す際の志望動機例文を紹介します。
志望動機の内容は、どのような職種を志すかによって、適したエピソードなどが異なります。
作成した志望動機は、清書する前に内容を自分でチェックして、誤字や脱字の修正が必要です。
さらに、さまざまな相手に読んでもらって、内容も修正するのがおすすめです。
ここでは3つの例を提示しますが、あくまでも一例であるため、実際には自分の言葉で作成しなければなりません。
嘘のエピソードを盛り込んでも相手にはバレてしまうため、絶対にやらないようにしましょう。
例文1: 乗務員
私は列車の運転士として、より安全で安心できる移動手段を地域の皆様に提供したいと考え、貴社を志望いたしました。
学生時代は旅行が好きで、国内だけでなく、海外にも何度か訪れたことがあります。
その際に、日本の鉄道ほど安全で、安心して移動できる電車はないと感じました。
そのため、私も将来は、日本の鉄道で安全と安心を届けたいと思うようになりました。
貴社では、運転士に対して手厚い研修制度を設けており、現役の運転士が安全に列車を操縦できるような制度も多数設けています。
したがって、貴社でなら、私の安全で安心できる移動手段を提供したいという思いを実現できると考えております。
貴社への入社後は、出発時刻と到着時刻を厳密に守って地域の人の役に立てるよう、運転士の仕事に励みたいです。
例文2: 広報
私が貴社を志望したのは、貴社が手がける魅力的な事業について、より多くの人に伝えたいと感じたためです。
学生時代、私は鉄道で国内旅行をすることを趣味としており、貴社が運営する路線を何度も利用したことがあります。
貴社では、旅行のために貴社の路線を利用する人向けに、さまざまな割引サービスを提供しています。
しかし、ホームページなどでも見つけにくいところにサービスの記載があり、知名度が低い状況です。
私はそのサービスを発見して利用しましたが、利用者が少ないことが非常にもったいないサービスだと感じました。
貴社への入社後は、学生時代のゼミで培ったマーケティング能力を活用し、より効率的に貴社のサービスを周知できるよう、広報に力を入れたいと考えております。
例文3: 車両整備士
私は、車両整備士の立場から社会的なインフラとしての鉄道を支えたいと考え、貴社を志望しました。
貴社は3県に跨って路線を運営しており、近隣に路線を持つ鉄道会社の中でも、とくに多くの人に交通インフラを提供しています。
その分、運行している電車の数も多いものの、本数が多く、1台の電車を長い間利用している状況です。
多くの人に鉄道の安全性と利便性を提供するためにも、車両の整備は非常に重要な業務だと考えております。
私は大学で工業系の学部に通っており、ゼミでも精密機器の組立を何度も行っています。
貴社への入社後は、大学での経験を活かして電車の整備を行い、地域の皆様に安全な交通インフラを提供できるよう努めたいです。
就活エージェントを利用してみよう
鉄道業界の会社に入社するための志望動機の作成にまだ自信がない人は、就活エージェントを利用してみると良いでしょう。
「ジョブコミット」なら、専属のエージェントがあなたの就活を二人三脚で最後までサポートしてくれます。
自分に合った企業選びや選考書類作成、面接対策、内定後の入社準備まで、包括的なサポートが受けられるのが特徴です。
就活エージェントは無料で利用可能なので、就活で迷ったらすぐにチェックしてみましょう。
ジョブコミットへの登録は、こちらからどうぞ。
まとめ
ここまで、鉄道業界の仕組みや、志望動機の作成方法について解説してきました。
最後まで記事を読んだ就活生の人は、鉄道業界に対する疑問や不安が減ったのではないでしょうか。
鉄道業界の会社は、タイプによって管轄するエリアの規模や業務の内容が異なります。
また、職種によって、鉄道や電車との関わり方も変化するため、どのように働きたいかを考えて選ぶのがおすすめです。
この記事を参考に、自分の強みや熱意が伝わる志望動機を作成しましょう。