はじめに
面接において「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」と聞かれることがあります。
もちろん、自己PRや志望動機などのように「100%聞かれる」というわけではありませんが、比較的多く聞かれる質問です。
この質問はその場で即興で答えられるものではないため、具体的な対策が必要です。
本記事では、その対策方法について紹介します。
また、たとえ就活で聞かれることがなかったとしても、このトピックについて考えることで志望動機や自己PRの内容をより深めることもできるため、総合的な就活対策のためにも、ぜひ参考にしてみてください。
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】聞かれる理由
企業側がこの質問をする理由は大きく分けて2つ存在します。
それぞれの理由を理解し、企業側の意図を踏まえた上で回答することで、より良い印象を与えられる回答を作成できます。
ぜひ参考にしてみてください。
チャレンジ精神の有無を測るため
企業が「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」と質問する理由の1つは、応募者にチャレンジ精神があるかどうかを見極めるためです。
現在のビジネス環境は急速に変化しており、新しい課題や状況に直面することが多く、その都度新たな挑戦が求められます。
特に、新入社員として入社したばかりの時期は、新しい業務や社内ルールに適応するだけでなく、既存の枠にとらわれない発想や行動が求められる場面も多々あります。
そのため、チャレンジ精神を持ち困難に立ち向かう姿勢があるかどうかは企業にとって非常に重要な評価基準となるのです。
課題解決能力を測るため
企業が学生時代の最大のチャレンジについて質問するもう1つの理由として「応募者の課題解決能力を測るため」が挙げられます。
仕事においては、問題や障害に直面することが多々あり、それをどのように乗り越えるかが重要なスキルとなります。
チャレンジした経験について語る際に、具体的にどのような課題があったのか、それをどのように分析し、どのようなアプローチで解決を目指したのかを明確に示すことで、自分の問題解決能力を企業にアピール可能です。
ただ努力するだけでなく、現状を的確に把握し、改善策を考え、実行する力が課題解決能力です。
企業は応募者がどのように問題を認識し、それに対してどのような計画を立てて実行し、結果を出すのかを詳しく知ることで、入社後に同様の能力を発揮できるかを確認しています。
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】エピソードの選び方
続いて「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」という質問に対して回答する際のエピソードの選び方についても紹介します。
以下のポイントを踏まえた上でエピソードを選び、より良い印象を与えられるように心がけましょう。
チャレンジした内容や実績の大きさで決めない
チャレンジした内容や成果の大きさのみに焦点を当ててエピソードを選んでしまう人も多いですが、企業が見ているポイントはチャレンジに対する姿勢や、その経験から学んだことです。
「目立つ成果や、大規模な取り組みでなければ評価されないのではないか?」と思うかもしれませんが、そんなことは全くありません。
企業は応募者がどのように問題に立ち向かい、どのように努力したかを重視しており、結果の規模や優秀さだけを評価しているわけではありません。
そのため、たとえ小さな取り組みであっても、自分の中で意義があり、挑戦として真剣に取り組んだものであれば、それをエピソードとして選んでも全く問題ないのです。
例えば、アルバイトでの業務改善やサークル活動での企画運営などの日常的な体験の中にも多くの学びがあります。
それをどのように自己分析し、自己成長につなげたのかが重要です。
企業はその過程を通じて応募者の人柄や成長を見極めようとしているため、他の就活生と比べてエピソードが優れているか、成果が大きいかを気にする必要はありません。
採用担当者がイメージしやすいエピソードにする
エピソードを選ぶ際には、採用担当者が話の内容をイメージしやすいかどうかを考慮することが大切です。
どれほど自分にとって印象深いエピソードであっても、それがあまりに専門的だったり、具体性に欠けたりする場合、相手にはその取り組みの意味や価値が伝わりにくくなってしまいます。
特に、専門的な内容や一部の人にしか理解できない経験は、採用担当者にとって理解が難しく、応募者のチャレンジを正確に評価できないリスクがあります。
そのため、取り組んだ内容を具体的に細かく説明できるエピソードを選び、なぜそれが自分にとってチャレンジだったのかを伝えられるようにしましょう。
企業の求める人物像に合致するエピソードにする
エピソードを選ぶ際には、企業が求める人物像に合致するかどうかを考えることも重要です。
企業は学生時代のチャレンジを通じて応募者がどのような人物であるか見極めようとしています。
そのため、単に自分が印象深いと感じたエピソードを選ぶのではなく、企業が求める特性やスキルに関連するエピソードを選ぶことが面接評価を高めるポイントとなります。
まずは企業がどのような人材を求めているのかをしっかりと把握することが大切です。
企業の採用ページや社員インタビュー、募集要項などから求める人物像を具体的に理解し、自分の経験がそれにどうつながるかを整理してアピールしましょう。
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】基本的な書き方
続いて「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」という質問に対して、おすすめの回答方法について紹介します。
以下の構成を理解しておけば、企業別に異なる回答を求められた場合でもスムーズに回答を思い浮かべることができます。
この基本的な構成は「PREP法」と呼ばれるものであり、就活において非常に活用できるため、自己PRや志望動機などにも応用してみてください。
結論
エピソードを語る際には、まず最初に結論を述べることが基本的な書き方です。
「私が学生時代にした最大のチャレンジは、〇〇をすることです」という結論から始めることで、面接官に話の方向性をすぐに理解してもらえます。
この結論ファーストの形式は、就職活動において論理的な回答をするために非常に有効なテクニックであり、ビジネスシーンでも広く使われているものです。
結論を最初に述べることで話の要点が明確になり、その後の説明が理解しやすくなるため、面接官に対しても強い印象を残すことができます。
具体的にチャレンジの内容を冒頭で提示することで、面接官はそのチャレンジがどのように展開されていくのかに興味を持ち、エピソード全体の理解が深まります。
挑戦に至った経緯・動機
結論を述べた後は、挑戦に至った経緯や動機を詳しく説明することが重要です。
この部分では、なぜそのチャレンジをすることにしたのか、どのようなきっかけで挑戦することになったのかを明確にすることで、エピソードが具体的になり、話の内容が伝わりやすくなります。
「新しい分野に挑戦することで自分の限界を超えたいと考えた」「困難な状況に直面したが、それを克服することで大きな成長が期待できると思った」など、理由を説明することで、面接官に共感を生み出せます。
挑戦の背景や動機をしっかりと述べることで、単なるエピソードではなく、自分の考えや価値観が反映されたものとして伝わるでしょう。
挑戦するうえでの困難
挑戦の経緯について述べた後は、その過程で直面した困難や課題について具体的に説明しましょう。
この部分では、どのような壁があったのか、そしてなぜそれが難しかったのかを詳細に記述することで、エピソードの流れが明確になり、理解しやすくなると同時にチャレンジの意義や難易度が伝わりやすくなります。
困難が具体的であればあるほど、挑戦の大きさが明確になります。
例えば、「初めてのリーダー役を務めることになり、メンバーの意見をまとめることに苦労した」「資金が限られている中でのプロジェクト運営に直面し、リソース管理に難航した」といった具合に、困難を具体的に説明することが大切です。
困難を具体的に述べることで、面接官にとっても応募者がどのような状況で直面し、それを乗り越えたのかがイメージしやすくなります。
困難に対する工夫・結果
困難について述べた後は、それに対してどのような工夫をして、どのような取り組みを行ったかを具体的に説明することが大切です。
ここでは、単に困難を感じたことだけでなく、それに対して自分がどのように考え、行動したのかを詳細に語ることで、課題解決能力や実行力をアピールできます。
例えば「メンバー間のコミュニケーションを改善するために、定期的なフィードバックを取り入れた」「資金不足を補うためにクラウドファンディングを活用し、新たな資金調達の手段を見出した」など、自分の工夫や具体的なアクションを示すことで評価につながります。
学び
最後に、チャレンジを通じて得た学びをしっかりと述べることが、エピソードを締めくくる上で非常に重要です。
挑戦を経験した結果、どのようなスキルを身につけたのか、どのように考え方が変わったのかを具体的に説明することで、単なる過去のエピソードを話すだけでなく、今後の成長や企業での活躍にどうつなげられるのかをアピールできます。
「困難を乗り越える中で、他者とのコミュニケーションの重要性を学んだ」「計画を立てて行動することの大切さを実感し、今後もその姿勢を持ち続けたい」など、自分の成長を示す内容を含めることで、採用担当者に入社後の姿をイメージさせられるでしょう。
学びを述べることで、チャレンジが単なる一過性の経験ではなく、自分自身を成長させ、今後の目標達成にどう活かしていくかを示せます。
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】伝える際のコツ
面接で「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」と聞かれた際に回答することになりますが、その際のコツについても紹介します。
以下のポイントを踏まえた上で回答することで、より分かりやすいエピソードとなり、面接官に対して良い印象を与えることができます。
ぜひ回答の下書きを作成した後、以下のポイントを確認して内容を見直してみてください。
企業が求める人物像を盛り込む
チャレンジ経験を伝える際には、企業が求める人物像を盛り込むことが非常に重要なポイントです。
経験の内容を企業の求める人物像とリンクさせることで、より良いアピールができます。
企業が求めているのは具体的なスキルや経験だけでなく、それに伴う姿勢や価値観です。
例えば、リーダーシップを求める企業であれば、困難な状況でも周囲をまとめ、目標に向かってチームを導いた経験を強調するのが効果的です。
また、協調性が重視される職場では、チームでの連携を通じて成果を上げたエピソードが評価されやすくなります。
このように企業が求める人物像を理解しておき、自分のチャレンジ経験をどのように伝えるかを考えることが大切です。
具体性を意識する
チャレンジ経験を伝える際には、具体性を持たせることも重要です。
どれだけ良い内容を話しても具体性に欠けていると、採用担当者に伝わらず、ただの抽象的な話をしていると受け取られてしまう可能性があります。
具体的な数字や状況を交えて、どのような行動をとったのか、どれほどの努力をしたのかを明確にすることで、話のリアリティが増し、面接官にも理解してもらいやすくなります。
例えば、「チームの売上を増加させた」だけでなく、「3ヶ月で売上を30%向上させるために、具体的な施策として〇〇を導入し、実施した結果、実際に35%の売上増加を達成した」というように、取り組みの過程と結果を具体的に示すことが効果的です。
なぜ「挑戦したこと」だと言えるのかを伝える
チャレンジ経験を語る際、その取り組みが自分にとってなぜ挑戦と言えるのかを明確に伝えることが重要です。
どのような活動であっても、他者から見ればそれは当たり前の取り組みに見えることがあるため、エピソードに説得力を持たせるためには、その理由をはっきりさせる必要があります。
例えば、アルバイト経験やサークル活動、部活動といった一般的な経験でも、自分にとって大きな挑戦となった理由を話すことで、その取り組みの価値が一層伝わります。
「自分にとって挑戦となった理由」を具体的に述べることで、エピソードの深みが増し、聞き手に共感や理解を促せます。
例えば「部活動のキャプテンを務めることは自分にとって大きな挑戦でした。
それまで人前で指示を出すことが苦手でしたが、リーダーとしてチームをまとめるために努力を重ねました」といったように、なぜその経験が挑戦だったのかを具体的に述べることで、エピソードに説得力が生まれます。
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】例文
「私が学生時代にした最大のチャレンジは1年間のイギリス留学です。
私は座学での英語は得意でしたが、人見知りかつリスニングが苦手であったため、英語でのコミュニケーションを改善したいと思い、思い切って留学を決意しました。
当初は授業の内容がほとんど聞き取れず非常に大変でしたが、教授に録音の許可を取り、授業を何度も聞き直すことで徐々にイギリス英語の独特な発音に慣れ、理解できるようになりました。
これにより、重要な内容を理解できるようになり、現地の同級生と円滑にコミュニケーションを取れるようになりました。
留学終了時には問題なく英語でやり取りができるようになり、帰国後はTOEICで920点を獲得するなど、大きく英語力を改善し、気づけば人見知りも解消し、社交的な性格にもなっていました。
この経験を通じて、成長には環境が大きな要素を占めること、そして自分が苦手なことであっても継続して取り組むことで改善できることを学びました。」
【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】選考に自信が無い時は?
就活をする中で、「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」という質問だけでなく、志望動機や自己PRなど、一般的な質問の回答にも自信がない人も多いでしょう。
しかし、1人で就活対策を行うには、時間的にもリソース的にも限界があります。
そこでおすすめなのは就活エージェントを利用することです。
就活のプロと二人三脚で対策を進めることで、より効率的に就活を進められます。
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【あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか】まとめ
今回は、面接において「あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか」という質問に回答する際のポイントや企業側の意図、注意点などについて詳しく説明しました。
この質問は面接において「100%聞かれる」というわけではありませんが、対策することで志望動機や自己PRなど他の回答のクオリティを高められる可能性もあります。
ぜひ本記事を参考に、第一志望への内定を得られるよう、質の高い回答を用意しておいてください。