・自己PRでピアノはアピールになるのか
・自己PRで企業が見ているポイント
・ピアノの経験でアピールできる強みの例
・ピアノの経験をアピールする自己PRの構成
・ピアノ経験がある就活生
・ピアノ経験を就活で活かしたい人
・自己PRの作り方を知りたい人
・例文を見て参考にしたい人
はじめに
就職活動における自己PRでは、自身の強みや長所を採用担当者にアピールし、自身が採用に足る人材であることを主張しなければいけません。
しかし、自身の経験が仕事と直接関係のないものだった場合、それをアピールポイントとして活用して良いのか迷ってしまう方もいるでしょう。
そこで今回は「ピアノの経験」に焦点を当て、自己PRでの活用は可能なのか、どういった強みと関連付けられるのかについて解説します。
おすすめの構成や例文もご紹介するので、ピアノの経験をアピールしたい方は、ぜひ参考にしてください。
【自己PRでピアノ経験をアピール】自己PRでピアノはアピールになる?
まずは、ピアノの経験が自己PRとして使えるかどうかについて確認しておきましょう。
結論からいってしまうと、ピアノ経験は自己PRのアピールポイントとして、十分に活用可能です。
ただし、ピアノ経験がどの程度有用なアピールポイントとして受け取られるのかは、志望する業界や業種、アピールの方法によって異なってきます。
場合によっては、ほかのアピールポイントと組み合わせる、より直接的に好印象を与えられるアピールポイントをメインにするといった対策も必要になるでしょう。
保育・音楽業界では強力
ピアノの経験は、仕事のなかでピアノを演奏する機会がある業界を志望する場合は、そのままでも強力なアピールポイントとして機能します。
具体例としては、子ども相手にピアノを演奏したり、歌を歌ったりする機会が多い保育業界、音楽の演奏そのものが主要な業務である音楽業界などが挙げられるでしょう。
とくに保育士などを目指す際は、ほかの就活生と自信を差別化する強みとして、ピアノ経験が活かせる可能性があります。
音楽業界に関しては、強みとして活かせる水準が高いケースが多く「経験がある」程度ではあまり有利にはならないかもしれません。
ピアノ経験があるからといって、必ずしも良い結果が得られるわけではありませんが、興味がある場合はきちんと分析したうえで挑戦してみる価値はあるでしょう。
それ以外でも十分OK
前述した保育業界や音楽業界を除くと、仕事で直接ピアノ経験が活かせる業界はそこまで多くありません。
しかし、保育業界・音楽業界以外を目指す場合でも、ピアノ経験は自己PRにおける効果的なアピールポイントとして十分に活用できます。
なぜなら、自己PRは自身の特技を発表する場ではなく、自分が仕事をする際に役立つ人材であることを人事担当者に伝えるための場だからです。
ピアノ経験を通して何を学んだのか、どのような強みが得られたのかをしっかり伝えられれば、人事担当者に自身が採用に足る人材であると思ってもらえます。
詳細は後述しますが、ピアノ経験は汎用性が高い複数の強みに関連付けられます。
自分の長所や企業が求める人材を考慮して、どの強みをアピールするか決めると良いでしょう。
【自己PRでピアノ経験をアピール】自己PRで企業が見ているポイント
次は、自己PRで企業が見ているポイントについて確認していきましょう。
自己PRやガクチカ、志望動機など、就職活動における質問にはすべて、企業の意図や目的が隠されています。
そのため、企業の狙いがしっかり把握できていれば、同じアピールポイントを用いる場合でも、採用担当者により良い印象を与えられる自己PRが作りやすくなります。
自己PRと、業界ごとに求められている人材の傾向についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらのページも確認してみてください。
志望度の高さ
企業が自己PRで見ている1つ目のポイントは、志望度の高さです。
自己PRには、自己分析や企業研究の完成度がそのまま反映されます。
自己分析や企業研究にどれだけ時間をかけたのかによって、自己PRのクオリティは目に見えて変わるケースも少なくありません。
つまり、その企業への就職に対する熱意が低かった場合や、就職活動そのものへの意欲が低かった場合は、自然と自己PRの完成度も低くなるのです。
自社への志望度が低い就活生は内定を蹴ってしまったり、入社後に早期退職したりする可能性が高いため、企業はなるべく採用を避けたいと考えています。
そのため企業は自己PRを尋ねることによって、その就活生がどの程度高い志望度を持って選考に臨んでいるのかを判断しようとしているのです。
応募者の人柄
企業が自己PRで見ている2つ目のポイントは、応募者の人柄です。
自己PRの内容や話し方からは、学歴や資格の有無といったデータだけではわからない応募者の人柄が見えてきます。
企業にはそれぞれ独自の社風や文化があり、実際に働くうえでは業務で必要とされるスキル以上に、社風や文化への相性が重要になるケースは少なくありません。
そのため人事担当者は、自己PRを通して早い段階で応募者の人柄を確認しようとしているのです。
また、自己PRによってその人の内面の適性や強みを正確に把握し、採用後にどの部署に配置するのが適切なのかを考えながら選考をおこなっている場合もあります。
ピアノの経験と関連する強みを伝えるだけでなく、自身の人柄を表現することを意識すると、人事担当者に良い印象を与えやすいでしょう。
活躍できそうか
企業が自己PRで見ている3つ目のポイントは、入社後に仕事で活躍できそうかどうかです。
自己PRは、自身が企業にとって役立つ人材であることをアピールするための場であり、その内容から入社後に仕事で活躍できるかどうかがある程度判断できます。
たとえ独自の強みや高度なスキルを持っている人材であっても、その強みが企業の求める人物像とズレていたり、業務で活かせないスキルだったりする場合は、入社しても活躍することは難しいでしょう。
また、前述した人柄も企業と就活生がマッチしているか、入社後に活躍できるかを判断するためには重要なポイントです。
マッチしていない企業への入社は早期退職につながるケースが多いので、人事担当者は自己PRの内容を注意深くチェックしています。
【自己PRでピアノ経験をアピール】ピアノの経験でアピールできる強みの例
次は、ピアノの経験でどのような強みがアピールできるのかについて解説します。
ピアノ経験がそのまま仕事で役立つ業種は少ないので、多くの場合はピアノ経験をほかの実務上で役立つ強みと関連付けてアピールしなければいけません。
今回は、ピアノ経験と関連付けられる汎用性の高い強みとして「継続力」「集中力」「正確さ」「緊張に強い」の4つをピックアップしました。
自己分析を通して見つけた自身の長所や、志望する業界・業種に応じて、どの強みをアピールするか決めると良いでしょう。
継続力
楽器の演奏を習得するためには、毎日コツコツ練習を積み重ねることが大切です。
とくにピアノは専門の先生に習うケースが多いので、経験の長さがそのままコツコツ練習を重ねてきた長さと判断できるケースが多いでしょう。
そのためピアノ経験は、毎日の積み重ねを長期的に継続できる能力、すなわち継続性と関連付けてアピールすることが可能です。
さらに、大会での優勝経験など何かしら成し遂げた実績があれば、努力が結果につながった実例として、より説得力のある形で継続力がアピールができるでしょう。
社会人としての仕事は、毎日同じような業務を少しずつ積み重ねていくものも少なくありません。
また、自身の成長のために少しずつ新たなスキルを学んだり、資格の取得のために勉強したりする際にも継続力は大切です。
集中力
ピアノの演奏では、練習でもコンクールなどの本番でも、楽譜通りに演奏をおこなう集中力が要求されます。
そのためピアノの経験があることは、自身の集中力の高さ、あるいは集中した状態を長時間維持できることを証明するエピソードとして自己PRで活用できるでしょう。
他のことに気を取られず、ひとつの物事に一心不乱に取り組める集中力は、多くの業界・業種において重要度が高いスキルです。
高い集中力を維持することは、業務を短時間で終わらせたり、仕事のクオリティを高めたりするために役立ちます。
ただし、集中力は表現の仕方を誤ると、視野が狭いといった印象を与えてしまうケースも少なくありません。
アピールポイントとして活用する際は、長所として印象付けられる伝え方を意識しましょう。
正確さ
ピアノをうまく演奏するためには、楽譜に従って一定のテンポで指や足を動かし続ける正確性が求められます。
そのためピアノ経験が長いことは、自身の高い正確さをアピールするためのエピソードとして活用可能です。
コンクールでの優勝経験など、客観的に正確さを証明するような実績があれば、より説得力のある自己PRが作成できます。
ただし、実際にピアノを弾く機会がある保育・音楽業界以外では、ピアノを弾く手先の正確さは、そのままアピールしても業務に活かせるケースは少ないでしょう。
自己PRにおいては、ピアノ以外にも範囲を広げて全体的な手先の器用さをアピールする、正確な演奏を完遂できる精神面での正確さや仕事の丁寧さをアピールするといった工夫を考えることが大切です。
緊張に強い
人前でピアノを演奏した経験は、緊張に負けずに本来の実力を発揮できる強みとしてアピールすることが可能です。
また、重要な場面において緊張を克服し、精神的なストレスを管理・発散する方法がある場合は、自身のメンタルをコントロールするスキルとしてアピールできるでしょう。
社会人として働く際には、会議やプレゼンなど、多数の人の目にさらされることも少なくありません。
重要な場面で生じた緊張による失敗が大きな損失につながるケースも多いため、緊張に強いことはさまざまな業界・業種において重宝されます。
ただし、この強みをアピールする場合は、コンクールなどの大きな舞台で演奏した経験が必要不可欠です。
中途半端な実績では良い印象を与えられない可能性もあるので、アピールポイントにするかどうかは慎重に考えましょう。
【自己PRでピアノ経験をアピール】ピアノの経験をアピールする自己PRの構成
次は、ピアノ経験で自己PRを作成する際のおすすめの構成について解説します。
同じ強みについてアピールする場合でも、構成や伝え方によって印象が大きく変わるケースは少なくありません。
とくに、直接的に仕事に役立つ強みとして受け取られにくいピアノ経験のようなアピールポイントを用いる場合は、なるべく採用担当者に良い印象を与えられるような自己PRの構成を考えることが重要です。
今回は、自己PRの構成を4つにわけ、それぞれの段階でどのような内容を伝えれば良いのかについて解説します。
結論
自己PRの冒頭では、自身のアピールポイントが何なのかを、まず端的に述べましょう。
最初に結論を述べる構成は、相手に何らかの情報を伝える文章を作成する際のセオリーであり、社会人として働くなかでもさまざまな場面で役に立ちます。
要点がすぐにわからず、しばらく読み進めないと内容の骨子が読み取れないような文章は、良い文章とはいえません。
最初に結論がわかっていれば、その後の文章でどこに注目すれば良いのかがわかりやすくなります。
また、自分自身にとっても結論から書き始めると、文章の方向性を制御しやすくなるでしょう。
なお、ここで述べる結論はピアノ経験を通して得た強みであり、ピアノ経験そのものではありません。
「継続力」や「正確さ」などの強みを端的に伝えましょう。
具体的なエピソード
最初に結論を伝えた後は、続けてその内容に説得力を持たせるためのエピソードを述べていきましょう。
今回は、ピアノ経験が具体的なエピソードに該当することになります。
ただし、ピアノ経験と一言でいっても、その期間や内容は人によってさまざまです。
そのため、アピールしたい強みに合わせて、ピアノ経験のどの部分に焦点を当てるかを考えると良いでしょう。
エピソードについて述べる際は、ピアノを演奏するなかでどのような困難があり、どうやってそれを乗り越えたのか、最初に述べた強みがどのように発揮されたのかを具体的に伝えることが大切です。
ピアノを習っていた期間や練習時間などの具体的な数字を用いて、自分を知らない相手でも状況がしっかりイメージできる伝え方を心がけましょう。
仕事でどう活かすか
エピソードの次に述べる内容は、強みをどのように仕事で活かすかについてです。
自己PRは、自身が採用に足る人材であることをアピールするための場なので、このプロセスが欠如していると本来の目的が達成できません。
入社後に強みを活かしてどのような貢献が可能なのかを、できる限り具体的に伝えましょう。
具体性のある貢献内容を考えるためには、志望する企業の業務内容やキャリアパスについても熟知していなければいけません。
そのため、ここをしっかり伝えることによって、自身が企業研究をしっかりおこなっていること、高い熱意を持って就職活動に臨んでいることがアピールできます。
説明会やOB・OG訪問、インターンなどを活用して、企業についての情報を可能な限り集めておきましょう。
再度結論
自己PRの最後では、冒頭に述べた結論、自身の強みが何なのかを改めてもう一度伝えましょう。
繰り返し再度アピールすることにより、人事担当者に自身の強みを強く印象付けられます。
また、冒頭と最後で伝える内容が一致する構成になるため、途中で趣旨が変わっていたり、論理展開がねじれていたりした際に、ミスに気づきやすくなります。
2度目の結論は、自己PRの終わりをわかりやすくする締めのパートとしての役割も持っていますが、文章量自体はそこまで多くなくても問題ありません。
大切なのは、短い文章であっても、相手の頭のなかにしっかり残る伝え方を意識することです。
前述した「仕事でどう活かすか」も最後のまとめ的な役割を持つパートなので、全体のバランスを考えて文字数を調節すると良いでしょう。
【自己PRでピアノ経験をアピール】ピアノの経験をアピールする自己PRの例文
次は、ピアノ経験を活用した自己PRの例文を4つご紹介します。
今回は、それぞれ異なる強みである「読解力」「集中力」「正確さ」「緊張に強い」にフォーカスした例文をご用意しました。
ただし、同じ強みについてアピールする場合でも、一人ひとりの経験してきたエピソードや志望する企業の傾向によって、適切な自己PRの内容は変わってきます。
以下の例文はあくまでもサンプルケースとしてとらえ、自身の経験やエピソードを当てはめてオリジナルの自己PRを作ってみてください。
例文1: 継続力
例文2: 集中力
例文3: 正確さ
例文4: 緊張に強い
【自己PRでピアノ経験をアピール】自己PRが完成したら
最後に、自己PRが完成した後にやっておいたほうが良い仕上げの方法について解説します。
就職活動は人生における大きな転機であり、どれだけ入念に準備をしても備えすぎるということはありません。
少しでも自己PRの完成度を上げて内定をゲットするためには、完成した自己PRをそのまま使用するのではなく、できる限りの対策を実行しておくことが大切です。
今回ご紹介する対策には自分一人ではできないことも含まれているので、なるべく早く自己PRを完成させ、協力者を見つけておくようにしましょう。
自分で読んでみる
自己PRの完成度を高めるための対策として、もっとも簡単かつ効果的なのは、自分で声に出して読んでみることです。
一文字一文字をしっかり読み上げ、耳で聞くことによって、作成している際には気づけなかった誤字脱字や内容の矛盾に気づきやすくなります。
全体を通して振り返ることによって、構成がしっかりできているかも確認できるでしょう。
また、実際に声に出して読むことは、そのまま面接の練習としても役立ちます。
誤字脱字などの明確なミスだけでなく、口に出してみて言いにくい言葉や違和感がある言葉はないか、相手に自身の強みが伝わる内容になっているかを確認しておくと良いでしょう。
後述する対策に比べて手軽で手間もかからないので、自己PRが一通り完成したら最初に取り組むことをおすすめします。
周りの人に読んでもらう
自分だけで作成した自己PRには、自身の勘違いや先入観による偏った意見が含まれているケースも少なくありません。
その場合、自分で読み返してみても不適切な部分に気づかず、スルーしてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにおすすめなのが、家族や友人、就活経験のある先輩といった周りの人に自己PRを読んでもらう対策です。
他人に読んでもらうことによって、エピソードの状況がしっかり理解できるか、強みが強みとして伝わっているかといった点について、客観的なアドバイスがもらえます。
また、自分自身で読み上げてほかの人に聞いてもらう場合は、面接練習としても効果的です。
自分以外の人間が必要になる対策なので、できるだけ早い段階で協力者を探しておくと良いでしょう。
就活エージェントに相談する
自分で読み返す対策は手軽ですが、ミスや問題点を見逃してしまう可能性があります。
ほかの人に聞いてもらう対策は、周囲に適切な協力者がいなければ実行できません。
就職活動は人生における重要な転機なので、できる限り自己PRの完成度を高めたい、専門的なアドバイスを受けたいと考える方もいるでしょう。
そういった方におすすめなのが、就活エージェントの利用です。
就活エージェントを利用すれば、就職活動のプロから自己PRの添削や面接対策といった幅広いサポートが受けられます。
また、志望する業界の方向性や自己分析の方法などについても相談できるので、効率的な就職活動が可能になります。
良い自己PRを作成して就職活動を有利に進めたい方は、ぜひ就活エージェントの利用も検討してみてください。
まとめ
ピアノ経験は、一見すると保育・音楽業界を目指すケース以外では活用しにくいアピールポイントに思えるかもしれません。
しかし、継続力や集中力、正確さ、緊張に強いといった汎用性の高い強みと関連付けることができれば、さまざまな業界の就職活動で十分に強いアピールポイントとして機能します。
また、自己PRを作成する際は、採用担当者の意図や適切な構成を把握しておくことも大切です。
家族や友人といった周囲の協力者、就活エージェントなども利用して完成度の高い自己PRを作成し、いち早く志望する業界の内定を勝ち取りましょう。