- ESの「実現したいこと」で企業が見ているポイント
- 「仕事を通じて実現したいこと」「当社で実現したいこと」の考え方
- 志望動機・将来の夢・成し遂げたいこととの違い
- 実現したいことが思いつかない場合の見つけ方
- 結論から伝わる5ステップの書き方
- 職種・業界・目的別の例文15選とNG例・面接対策
- ESで「実現したいこと」を聞かれて何を書けばよいか迷っている人
- 「社会に貢献したい」など抽象的な回答から抜け出したい人
- 志望動機との違いが分からず、同じ内容になってしまう人
- 将来やりたいことがまだ明確ではなく、回答を作れない人
結論:ESの「実現したいこと」では、仕事を通じて「誰に・どんな価値を・どう届けたいか」を示し、その理由と志望企業で実現できる根拠までつなげることが重要です。
大きな夢や完成されたキャリアプランが必要なのではなく、現時点の経験と企業理解をもとに、入社後に目指したい方向を具体化できれば問題ありません。
回答は「実現したいこと→原体験→なぜ貴社か→自分の強み→入社後の行動」の順で整理すると、一貫性が出やすくなります。
「成長したい」「新しいことに挑戦したい」だけで終わると自分中心に見えやすいため、顧客・社会・企業へどんな価値を返したいかまで必ず示しましょう。
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ESの「実現したいこと」は何を書く?仕事を通じて実現したいことの考え方
ESの「実現したいこと」では、単に希望する職種を書くのではなく、仕事を通じて誰にどのような価値を届け、どんな状態を作りたいのかを答えることが基本です。まずは設問の意味を整理し、回答の軸を明確にしましょう。
「仕事を通じて誰にどんな価値を届けたいか」を答える
ESの「実現したいこと」で中心になるのは、入社後に仕事を通じてどのような価値を生み出したいかという将来像です。
「海外で働きたい」「企画職に就きたい」のような希望だけでなく、その仕事を通じて誰のどんな課題を解決し、どのような状態を作りたいのかまで考えると具体性が高まります。
たとえば「ITに関わりたい」ではなく、「ITを活用して中小企業の定型業務を減らし、人が本来の仕事に集中できる環境を広げたい」とすると、仕事と提供価値が見えます。
最初から壮大な目標を作るのではなく、自分の経験から感じた課題ややりがいを出発点にすると、無理のない回答になります。
「当社で」「将来」「成し遂げたいこと」も近い設問として考える
「当社で実現したいこと」「将来実現したいこと」「仕事を通じて成し遂げたいこと」は表現が違っても、入社後の方向性と企業との接点を確認する点で近い設問です。
「成し遂げたいこと」は到達点や成果をやや強く意識し、「実現したいこと」は理想の状態や顧客・社会への価値まで含めて考えると整理しやすくなります。
いずれの場合も、目標だけを書いて終わらず、なぜそう考えるのか、その企業で実現できる根拠は何か、自分がどのように動くのかまでつなげます。
設問文が「当社で」となっている場合は企業との接点を厚くし、「将来」となっている場合は短期と中長期の道筋まで示すと答えやすくなります。
ESで「実現したいこと」を書く5ステップ【基本テンプレート付き】
回答を作るときは、思いついた内容をそのまま並べるのではなく、結論から企業との接点、入社後の行動まで順番に組み立てると伝わりやすくなります。以下の5ステップに沿えば、「なぜ実現したいのか」「なぜ貴社なのか」まで一貫して説明できます。
基本テンプレート
私が貴社で実現したいことは、【誰に・どんな価値を届けたいか】です。
私は【原体験】を通じて【課題・価値】を実感し、この目標を持つようになりました。
貴社は【事業・技術・顧客基盤などの強み】を持つため、【自分の目標】を実現できると考えています。
入社後は【自分の強み】を活かし、まず【最初の行動】に取り組みます。
将来的には【目指す状態】を実現し、【顧客・企業・社会への貢献】につなげたいです。
STEP1|最初の一文で「誰に何を実現したいか」を言い切る
冒頭では「私が貴社で実現したいことは〇〇です」と結論を示し、読み手が一文で目標をつかめる状態を作ります。
「社会に貢献したい」のような広い表現ではなく、「地方の中小企業がデジタル化によって本業へ集中できる環境を作りたい」のように、対象と変化を入れましょう。
職種名を入れても構いませんが、「営業職として働きたい」で止めず、その仕事で誰にどんな価値を届けるのかまで示します。
結論を具体化できない場合は、「誰に」「どんな課題があり」「どう変わってほしいか」の3点を先にメモしてから一文へまとめると作りやすくなります。
STEP2|その目標を持った理由を原体験で説明する
次に、なぜ自分がその目標を持つようになったのかを、具体的な経験や問題意識から説明します。
「ニュースを見て興味を持った」だけでは理由が弱い場合があるため、自分が実際に困った、誰かの課題を見た、改善してやりがいを感じたなどの経験を選びます。
原体験は長く説明する必要はなく、「アルバイトで〇〇に困るお客様を見た」「研究で〇〇の非効率を改善した」と、目標につながる部分だけを残します。
この理由が明確だと、同じような目標を掲げる他の就活生と比べても、なぜ自分がそれを実現したいのかが伝わります。
STEP3|「なぜ貴社か」を事業・強みと目標の接点で示す
実現したいことと志望企業の特徴をつなげ、その企業だからこそ目標へ近づける理由を示します。
「貴社は業界大手だから」ではなく、「全国の中小企業へ導入実績があり、現場ごとに業務設計まで支援しているため」のように、自分の目標と関係する特徴を選びましょう。
企業の特徴を複数並べるより、最も関係の深い1〜2点へ絞るほうが因果関係を説明しやすくなります。
競合企業にも同じ表現をそのまま使える場合は、顧客、事業モデル、技術、文化、重点領域のどこに違いがあるかを再確認してください。
STEP4|自分の強みを「実現するための行動」へつなげる
実現したいことへ説得力を持たせるために、自分が持つ強みや経験を入社後の行動へつなげます。
「コミュニケーション力を活かしたい」ではなく、「相手の背景を聞いて課題を整理する力を活かし、顧客の潜在課題を引き出したい」のように、行動まで具体化しましょう。
強みを証明するエピソードを長く書く必要はなく、ESの自己PRと内容が重なる場合は一文で根拠を示すだけでも十分です。
強みが目標達成にどう役立つかが見えると、実現したいことが単なる希望ではなく、本人の過去とつながった将来像になります。
STEP5|入社後の短期行動と将来の貢献で締める
最後は、入社後にまず何を学び、どのように成果を出し、その先で何を実現したいのかを順番に示します。
大きな目標ほど、「まず現場で顧客理解を深める」「専門知識を身につける」など最初の行動を入れると現実性が高まります。
将来の貢献では、自分が成長することだけでなく、顧客の課題解決、チームの成果、企業の事業拡大など、外向きの価値まで示しましょう。
「貴社で成長したい」で終わるのではなく、「成長した力を使って誰に何を返すか」まで書くことで、企業が採用後の活躍をイメージしやすくなります。
【職種別の例文5選】ESで実現したいことの回答例
ここからは、職種別5選・業界別4選・目的別3選・文字数別3選の合計15例文を順に紹介します。例文では「実現したいこと→原体験→なぜ貴社か→入社後の行動」がどうつながっているかに注目してください。
例文はそのまま使わず、自分の原体験、志望企業の特徴、入社後に取る行動へ置き換えてください。
以下の15例文は理解を助けるための架空のサンプルであり、実在する応募者の体験談や特定企業の採用条件を示すものではありません。
同じ「実現したいこと」でも、企業によって顧客、事業、実現方法が異なるため、提出先ごとに「なぜ貴社か」を必ず調整しましょう。
例文1|営業職
私が貴社で実現したいことは、顧客自身も気づいていない課題を引き出し、最適な提案によって事業成長を支えることです。
学園祭実行委員で協賛企業との交渉を担当した際、要望を丁寧に聞いて企画内容を調整することで、双方が納得できる提案につなげた経験があります。
貴社は幅広い業界の顧客へ継続的に提案を行い、導入後まで支援しているため、単発ではなく長期的な課題解決に関われると考えています。
入社後は商品理解と顧客理解を深め、将来的には複数部門を巻き込みながら顧客の成長を支える営業として貢献したいです。
この例文のポイント:協賛企業への提案経験を、顧客の潜在的な課題を見つける営業の目標へ結びつけている点が強みであり、単に営業職へ就きたいと述べるのではなく、相手の要望を聞いて提案を調整した行動から、継続支援という実現したい価値へ自然に話をつなげています。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分が実際に相手の要望を聞き取った経験を一つ選び、どんな質問で本音を引き出したか、意見の違いをどう調整したか、結果として相手の行動や反応に何が変わったかまで置き換え、応募先の営業が新規開拓型か既存顧客支援型かも採用情報から確かめて書きましょう。
例文2|企画職
私が貴社で実現したいことは、生活者がまだ言葉にできていない不便を見つけ、新しい選択肢となる商品を企画することです。
ゼミで消費者行動を研究した際、アンケートの表面的な回答だけでなく、行動の背景を聞くことで課題の見え方が変わる面白さを知りました。
貴社は利用者の声を商品開発へ反映し、複数の事業領域を組み合わせて新しい価値を生み出している点に強みがあります。
入社後は現場と顧客を理解し、将来的にはデータと生活者の声の両方から企画を提案できる人材を目指します。
この例文のポイント:商品企画という職種そのものを希望として掲げるのではなく、生活者が気づいていない不便を解決したいという目的を先に示している点が良く、ゼミで消費者の行動を調べた経験を理由に使うことで、アイデアだけに頼らない企画への関心が伝わる構成です。
自分のESへの置き換え方・注意点:実際に観察した不便やアンケートで印象が変わった場面を探し、誰のどの行動に着目したかを具体化したうえで、応募企業が行う顧客調査や商品改善の事例を公式サイトで確認し、自分がまず現場で学びたい内容と将来企画したい価値をつなげてください。
例文3|エンジニア職
私が貴社で実現したいことは、技術によって利用者の無駄な作業を減らし、本来取り組みたい仕事へ集中できる環境を作ることです。
大学の研究でデータ処理を自動化した際、数時間かかっていた作業を短縮でき、技術が人の時間の使い方を変える力を実感しました。
貴社は利用者の業務を理解したうえで継続的にサービスを改善しているため、技術だけでなく課題起点の開発に携われると考えています。
入社後は開発力と業務理解を高め、将来的にはユーザーの課題から機能を設計できるエンジニアとして貢献したいです。
この例文のポイント:研究でのデータ処理自動化という過去の行動を、利用者の時間を取り戻す技術開発という将来の目的へつないでいるため、技術への興味だけで終わっておらず、利用者にとってどの作業が楽になるのかまで具体的に示せている点が参考になります。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分が書いたプログラムや改善した仕組みについて、改善前に誰が困っていたか、どの工程をどのように変更したか、時間やミスが実際にどう変わったかを事実に沿って整理し、応募先の開発職が扱う製品やユーザー層に合わせて入社後の行動を書き換えましょう。
例文4|マーケティング職
私が貴社で実現したいことは、本当に必要としている人へ商品やサービスの価値が届く仕組みを作ることです。
学生イベントの集客では、参加者アンケートとSNSの反応を分析し、発信内容を改善することで前年より参加者を増やした経験があります。
貴社は顧客データと複数チャネルを活用し、認知から継続利用まで一貫して顧客体験を設計している点に魅力を感じています。
入社後は市場と顧客を理解し、将来的にはデータと現場感覚を組み合わせてブランドの成長を支える施策を生み出したいです。
この例文のポイント:SNSの発信を工夫した経験を、必要とする人へ商品の価値を届けるという目標に転換しており、集客したいという希望だけでなく、参加者アンケートと反応分析という判断材料を示すことで、顧客理解に基づくマーケティングへの適性を伝えています。
自分のESへの置き換え方・注意点:イベント運営や店舗で行った告知改善などを思い出し、対象者の反応を何で確かめたのか、発信内容を具体的にどう変えたのか、事実として確認できる成果は何かを記録し、応募企業が扱う商品と顧客の違いに応じて届けたい価値を調整してください。
例文5|事務・管理部門
私が貴社で実現したいことは、社員が本来の業務へ集中できる仕組みを整え、組織全体の生産性を高めることです。
学生団体で会計と申請管理を担当した際、共有方法を見直すことで確認作業を減らし、メンバーが企画へ使える時間を増やしました。
貴社は部門横断で業務改善を進めているため、正確な処理だけでなく仕組みづくりにも関われると考えています。
入社後は業務の流れを理解して正確性を高め、将来的には部署を越えた連携を支える改善を提案したいです。
この例文のポイント:事務職の目標を「正確な作業をしたい」という一般的な希望で終わらせず、社員が本来の業務へ集中できる状態を作ることとして表現し、学生団体で申請管理の負担を減らした経験を通じて、組織を支える仕事の価値を具体化できています。
自分のESへの置き換え方・注意点:アルバイトやサークルで使った共有表、会計管理、書類確認などから、自分が実際に変えた手順を選び、確認時間やミスの発生など前後の違いを説明し、応募先の管理部門がどの業務を担うかを調べたうえで、どのような仕組みづくりをしたいかまで書きましょう。
【業界別の例文4選】IT・メーカー・金融・人材の実現したいこと
業界別では同じ将来の目標でも、顧客と提供する価値、応募先の事業によって実現方法が異なります。
業界の特徴を並べるだけでなく、志望企業の実際の事業や仕事に結びつくかを確認しましょう。
例文6|IT業界
私が貴社で実現したいことは、ITを活用して中小企業の定型業務を減らし、人が顧客対応や企画へ集中できる環境を広げることです。
長期インターンで業務管理ツールの導入に携わり、手作業だった集計を自動化できた経験から、ITによる業務改善に関心を持ちました。
貴社はシステム提供だけでなく導入後の業務設計まで支援しているため、顧客ごとの課題に合わせた改善を実現できると考えています。
入社後は顧客業務と技術の両方を学び、将来的には複数業界のDXを支援できる人材を目指します。
この例文のポイント:中小企業の定型業務を減らすという対象と課題が明確で、単にIT業界で成長したいとは書かず、インターンでの業務ツール導入経験から顧客の仕事を改善したいという目的へつなげているため、業界理解と原体験が一つの流れになっています。
自分のESへの置き換え方・注意点:実際に触れた業務ツールや集計作業について、導入前の手間、改善のために自分が担当した作業、導入後に分かった課題を整理し、応募企業がソフトウェア販売だけなのか導入支援や運用改善まで担うのかを公式のサービス紹介で確認してから文章を調整してください。
例文7|メーカー
私が貴社で実現したいことは、生活者が毎日感じる小さな不便を減らし、暮らしの選択肢を増やす商品を届けることです。
一人暮らしを始めた際、日用品のわずかな使いにくさが毎日の負担になることを実感し、身近な課題を製品で解決する仕事に関心を持ちました。
貴社は利用者調査を商品改良へ継続的に反映しており、現場の声を起点に製品価値を高められる環境だと考えています。
入社後は営業や市場調査を通じて利用者理解を深め、将来的には開発部門と連携して新しい商品を生み出したいです。
この例文のポイント:一人暮らしで感じた身近な使いにくさを出発点にしているため、メーカーで商品を作りたいという抽象的な志望よりも生活者の困りごとが見え、販売や市場調査から顧客理解を深めて開発につなげるという現実的な道筋も示せています。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分の生活で困った製品や、使う人によって評価が変わる場面を一つ選び、何が不便だったか、誰が特に困るのか、どう変われば便利かを整理し、応募メーカーの製品カテゴリと企画・開発・営業の連携が公開情報で確認できる範囲に合わせて目標を具体化しましょう。
例文8|金融業界
私が貴社で実現したいことは、資金面の不安によって挑戦を諦める企業を減らし、成長の選択肢を増やすことです。
ゼミで地域企業を調査した際、事業の可能性があっても資金や知識の不足から新しい投資へ踏み出せない企業があると知りました。
貴社は融資だけでなく事業承継や経営支援まで幅広い提案を行っているため、企業の状況に応じた長期的な支援ができると考えています。
入社後は財務知識と顧客理解を身につけ、将来的には経営課題まで相談される存在として企業の挑戦を支えたいです。
この例文のポイント:金融の仕事を融資や商品説明そのものとして捉えるのではなく、企業が資金の問題で挑戦を諦めない状態を作りたいと表現し、ゼミで地域企業の実態を調査したというきっかけと、長期的な経営支援へ関心を持った理由を結びつけています。
自分のESへの置き換え方・注意点:実際に企業の資金や経営課題を知った授業・調査・アルバイト経験を挙げ、課題をどのように理解したかを書いたうえで、銀行・証券・保険・リースなど応募先が提供する具体的な支援手段を調べ、制度や扱っていないサービスを架空の強みとして書かないよう注意しましょう。
例文9|人材業界
私が貴社で実現したいことは、本人が気づいていない強みを言語化し、自分に合う仕事へ挑戦できる人を増やすことです。
サークルで後輩の相談に乗った際、経験を整理することで本人が自信を持ち、新しい役割へ挑戦した姿を見て、人の可能性を広げる支援にやりがいを感じました。
貴社は求人紹介だけでなくキャリア面談と入社後支援まで行っているため、短期的な内定ではなく長期的な選択を支えられると考えています。
入社後は業界理解と面談力を磨き、将来的には企業と求職者の双方に納得感のある採用を増やしたいです。
この例文のポイント:後輩への相談対応という身近な行動を、強みの言語化と仕事選びの支援という人材業界の提供価値へ発展させており、採用人数を増やすことだけではなく、本人が納得して新しい選択へ踏み出せる状態を目標として示している点が特徴です。
自分のESへの置き換え方・注意点:友人や後輩の相談に乗った経験があるなら、相手がどんなことで迷い、何を聞き取り、本人がどのような選択をしたかを事実に沿って整理し、応募先が新卒紹介・派遣・求人広告・採用支援のどれを中心に扱うかを調べて、貢献したい相手を具体化してください。
【目的別の例文3選】海外展開・社会課題・キャリアアップ
明確な職種よりも「どんな未来を実現したいか」が先にある人は、海外・社会課題・キャリアアップなど目的別の例文を参考にしてください。
大きな目標も、きっかけになった実体験と入社後の具体的な第一歩を組み合わせれば説得力が高まります。
例文10|海外・グローバル
私が貴社で実現したいことは、日本で生まれた商品やサービスの価値を、地域ごとの生活や文化に合う形で海外へ広げることです。
留学中、同じ商品でも文化や生活習慣によって評価される点が異なることを知り、現地の価値観を理解して届け方を変える仕事に関心を持ちました。
貴社は複数地域に拠点を持ち、現地の顧客ニーズを反映して商品展開を変えているため、自分の目標を実現できると考えています。
入社後は国内で商品と顧客を理解し、将来的には海外拠点と連携して市場ごとの提案を行いたいです。
この例文のポイント:海外で働くこと自体をゴールにせず、日本の商品を現地の生活や文化に合う形で届けるという価値を明確にし、留学で地域によって商品の評価が異なると気づいた経験を根拠にしているため、異文化理解と事業への関心が伝わる例文です。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分が異文化に触れた経験から、食習慣、購入方法、言葉の受け止め方など何が違ったのかを一つ具体化し、応募先に海外事業が実際にあるか、どの国や地域でどのような商品・サービスを扱うかを公式資料で確かめて、将来実現したいことを修正しましょう。
例文11|社会課題の解決
私が貴社で実現したいことは、住む地域によって受けられるサービスの差を小さくし、地方でも必要な支援へアクセスできる環境を作ることです。
祖父母が地方で暮らす中、移動距離の長さからサービス利用を諦める場面を見たことが、この課題へ関心を持つきっかけでした。
貴社はオンラインと地域拠点を組み合わせてサービスを提供しているため、場所に左右されにくい仕組みを広げられると考えています。
入社後は利用者の声を学び、将来的には地域ごとの課題に合わせたサービス設計へ関わりたいです。
この例文のポイント:地方に暮らす家族がサービス利用を諦めたという原体験から、住む場所で生じる不便を小さくしたいという課題意識を示しており、社会貢献という大きな言葉だけではなく、誰のどの状況を変えたいのかまで具体的になっている点が強みです。
自分のESへの置き換え方・注意点:身近で見聞きした困りごとを使う場合は、本人の希望を勝手に代弁せず、実際に何が利用の障害だったかを確認し、交通・医療・行政・ITなど応募先が関わる事業で改善できる範囲を調べ、入社後にまずどの立場の声を聞きたいかまで一歩目を描いてください。
例文12|キャリアアップを軸にする場合
私が貴社で実現したいことは、顧客の課題解決を自らリードできる人材へ成長し、将来的にはチーム全体でより大きな価値を提供することです。
サークルで後輩育成を担当した際、自分一人で成果を出すだけでなく、周囲が力を発揮できる状態を作ることにやりがいを感じました。
貴社は若手が顧客対応からプロジェクト推進まで段階的に経験できるため、専門性とマネジメントの両方を高められると考えています。
入社後はまず担当業務で成果を出し、その経験を後輩育成やチームの成果向上へ還元したいです。
この例文のポイント:キャリアアップを自分だけの利益として書くのではなく、顧客課題を自ら解決できるようになり、その経験をチーム全体の成果へ還元するという目的へ変換しており、サークルで後輩育成にやりがいを感じた経験と将来の役割がつながっています。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分が成長したいと感じた理由を深掘りし、どの能力を磨いて誰の役に立ちたいのかを具体化したうえで、応募企業の育成制度や若手に任される仕事を確認し、根拠なく「入社3年で管理職」のような約束を前提にせず、最初の業務と将来の貢献を整理しましょう。
【文字数別の例文3選】200字・300字・400字以内の実現したいこと
文字数が変わっても、実現したいことの結論、理由、企業との接点、入社後の行動という基本要素は同じです。文字数が短いほど結論と「なぜ貴社か」を優先し、長いほど原体験や将来までの道筋を具体化しましょう。
200字|原体験を短くし、結論・企業との接点・行動を優先する
200字前後では、実現したいことを最初に一文で示し、原体験は目標につながる部分だけに絞ります。
企業説明を長くすると自分の行動が入らないため、企業の強みは自分の目標と最も関係する一点だけを選びましょう。
最後は「まず何をするか」と「将来的に何を実現するか」を短くつなげると、限られた文字数でも現実性を出せます。
200字では細かなキャリアプランまで詰め込まず、「何を実現したいか」「なぜそう考えるか」「なぜ貴社か」「どう動くか」の4点が読み取れることを優先してください。
例文13|200字以内(本文実測188字)
私が貴社で実現したいことは、ITで店舗スタッフの事務作業を減らし、接客へ集中できる環境を広げることです。
アルバイト先で発注や集計に多くの時間を使う姿を見て、業務効率化に関心を持ちました。
貴社は店舗向けシステムを導入後まで支援しているため、現場ごとの課題に合う改善ができると考えています。
入社後は顧客理解と商品知識を深め、将来的には複数店舗の業務改善を支える提案を行いたいです。
この例文のポイント:200字以内の短い回答でも、店舗スタッフの業務負担という対象と課題、アルバイトで見た原体験、応募先のシステムと入社後の行動が順番に入っており、企業の説明を長くせず「実現したい価値」を中心に据えている点が参考になります。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分の体験から一つだけ課題を選び、関係の薄い背景や形容詞を削って、誰の何を変えたいかと応募企業ならではの理由を優先し、本文は188字なので、200字以内の設問では余白があるものの、無理に文字数を埋めずに入力画面のカウント方法で最終確認しましょう。
300字|「なぜ貴社か」と自分の強みを一段深く説明する
300字前後では、200字の基本構成に加えて、原体験で感じたことと企業の特徴をもう一段具体化できます。
自分の強みを入れる場合も、自己PRのように長いエピソードを書くのではなく、「相手の話を整理する力を活かし」など入社後の行動へ直結させます。
企業の強みは複数並べるより、「顧客基盤」「技術」「事業モデル」など、自分の目標を実現する理由として最も重要な点を選びましょう。
最後に短期と将来の行動を分けると、目標を持ちながらも目の前の仕事へ向き合う姿勢を伝えやすくなります。
例文14|300字以内(本文実測261字)
私が貴社で実現したいことは、地域企業が自社の強みを活かして新しい顧客へ挑戦できる仕組みを作ることです。
ゼミで商店街の調査を行った際、良い商品を持ちながら情報発信や顧客分析へ十分な時間を使えない店舗が多いことを知り、企業の魅力が届かない課題に関心を持ちました。
貴社はデータ分析だけでなく販促施策の実行まで支援しているため、課題発見から成果まで伴走できると考えています。
私は相手の話から課題を整理することが得意です。
入社後は顧客理解と分析力を高め、将来的には企業ごとの魅力を最適な形で市場へ届け、地域企業の成長を支えたいです。
この例文のポイント:地域企業への集客支援を目標にし、ゼミで気づいた課題と企業の販促支援の特徴を結びつけているため、単なるマーケティングへの興味だけでなく、誰に何を実現したいかを示せており、自分の強みを短い一文で添えている点も300字以内の回答で参考になります。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分が調査やアルバイトで実際に見た課題を起点に、応募先の事業がどこまで支援するかを確認し、会社の説明をそのまま写す代わりに「自分の目標になぜ必要か」を書き、本文は261字で300字以内に収まるため、残りの字数は必要な事実を補足する場合だけ使ってください。
400字|試行錯誤と中長期の道筋まで入れて説得力を高める
400字前後では、原体験の中で何を感じたか、なぜその企業の方法が必要なのか、入社後の成長ステップまで説明できます。
文字数が増えても企業の事業説明を長くするのではなく、自分の問題意識と企業の特徴がどこでつながるかを具体化しましょう。
将来像が大きい場合は、最初の配属で身につけたいこと、中期的に担当したい役割、その先で実現したい価値の順に書くと現実性が高まります。
400字でも一文を長くしすぎず、結論、原体験、企業との接点、強み、短期行動、将来像の順で段落を分けると読みやすくなります。
例文15|400字以内(本文実測347字)
私が貴社で実現したいことは、高齢者が住む場所に左右されず、必要なサービスを選べる環境を作ることです。
地方で暮らす祖母が、移動距離の長さから利用したいサービスを諦める姿を見たことが、この課題へ関心を持つきっかけでした。
大学では地域交通について学び、サービスが存在していても、情報・移動・手続きの負担が利用を妨げる場合があると知りました。
貴社はオンラインサービスと地域拠点の双方を持ち、自治体や企業とも連携しているため、一つの手段だけでは解決できない課題へ取り組めると考えています。
私はゼミ活動で、複数の立場の意見を整理して共通点を見つける力を培いました。
入社後はまず現場で利用者の声と事業の仕組みを理解し、将来的には自治体や他社とも連携しながら、地域ごとの状況に合ったサービス設計を進めたいです。
この例文のポイント:地域サービスへのアクセスという社会課題について、祖母の経験、大学での学び、企業の事業、ゼミで培った力、入社後の取り組みが段階的につながっており、長めの回答でも話題が散らばらず、最初の問題意識に戻って締めている点が強みです。
自分のESへの置き換え方・注意点:自分の原体験を具体化するときは、家族の事情を誇張せず、事実として話せる状況と自身の学びを区別し、本文は347字で400字以内のため、残りの字数で無関係なエピソードを増やすより、応募企業が関わる事業や入社後の具体的な一歩が正しいかを確認してください。
ESの「実現したいこと」が思いつかない場合の見つけ方
実現したいことがすぐに浮かばなくても、無理に大きな夢を作る必要はありません。過去の経験で感じた不便・悔しさ・やりがいから「誰の何を変えたいか」を考え、志望企業の事業と結びつけると見つけやすくなります。
自己分析をさらに深めたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
STEP1|過去の経験から「もっとこうしたい」と感じた瞬間を探す
実現したいことが思いつかない場合は、いきなり将来像を考えるより、過去に感じた不便、悔しさ、やりがい、感謝された経験から出発します。
アルバイトで高齢のお客様が注文に困っていた、ゼミで情報共有が非効率だった、留学で日本の商品が十分知られていなかったなど、感情が動いた場面を書き出しましょう。
その場面で「誰の何が変わればもっと良いと思ったか」を考えると、自分が仕事で実現したい価値の方向が見えやすくなります。
立派な原体験を作る必要はなく、日常の小さな違和感でも、自分がなぜ気になったのかを説明できれば回答の軸になります。
STEP2|「誰に・どんな状態になってほしいか」を言葉にする
原体験が見つかったら、次は対象者と理想の状態を具体化します。
「人を笑顔にしたい」ではなく、「忙しい共働き世帯が家事へ使う時間を減らし、家族と過ごす時間を増やしたい」のように、誰の何を変えたいかまで考えます。
対象は個人だけでなく、中小企業、医療従事者、地域住民、海外の顧客、社内の従業員などでも構いません。
この段階では企業名を無理に入れず、自分が本当に価値を届けたい相手と変化を先に整理すると、他社にも当てはまる抽象的な表現から抜け出しやすくなります。
STEP3|志望企業の事業・顧客・強みから「実現方法」を探す
自分が届けたい価値を整理したら、志望企業の事業を使ってどのように実現できるかを調べます。
企業研究では理念だけでなく、主要事業、商品、サービス、顧客層、販売方法、技術、今後の重点領域まで確認しましょう。
「高齢者の移動を便利にしたい」という目標でも、自動車メーカーなら製品、IT企業なら配車システム、金融企業ならサービス設計など実現方法は変わります。
自分の目標と企業の強みが交わる部分を見つけると、「なぜ貴社なのか」と「何を実現したいのか」を同時に具体化できます。
STEP4|入社直後・数年後・将来の3段階で行動を置く
実現したいことが大きすぎて現実味を持たせにくい場合は、時間軸を3段階に分けます。
入社直後は商品知識や顧客理解を深める、数年後は担当領域で成果を出す、将来は新しいサービスや仕組みを作るという流れにすると、目標までの道筋が見えます。
具体的な年数を無理に固定する必要はなく、「まず」「その後」「将来的に」と順序を示すだけでも十分です。
現在の自分が持つ強みを最初の行動へつなげ、必要な力は入社後に学ぶ姿勢を示すことで、夢物語ではない回答に整えられます。
実現したいことに根拠を持たせる公的情報の確認方法
目標がまだぼんやりしている場合は、自分の経験と実際の仕事内容を別々に確かめると、事実に基づいたESに近づけられます。
自己分析には厚生労働省のマイジョブ・カード、職種の一般的な仕事内容の確認には同省のjob tagを活用し、応募企業固有の内容は公式採用ページで照合してください。
マイジョブ・カードで経験・強み・大切にしたい価値観を整理する
厚生労働省のマイジョブ・カードの自己診断には興味・スキル・価値観を振り返る機能があり、ESで実現したいことが思いつかない場合に「自分は何をしたいのか」を考える手掛かりとして使えます。
たとえばアルバイトでお客様の不便を解消したときに喜びを感じたなら、その経験について自分が何をしたか、なぜ印象に残ったか、どのような相手に同じ価値を届けたいかをメモし、志望企業で実現したいことの原体験へつなげると考えやすくなります。
診断結果がそのまま正解の志望動機になるわけではないため、実際の経験と一致する部分だけを選んで、自分の言葉で表現することが大切です。
job tagと企業の採用情報を比較して実現方法を確かめる
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では職種ごとの仕事の内容や求められる知識・スキルを調べられるため、将来やりたいことに対してどのような業務経験が必要そうかを考えるときに役立ちます。
ただし、job tagに載っているのは職業一般の情報なので、応募先で実際に担当できる仕事や制度を断定する根拠にはならず、企業の公式採用サイト、事業紹介、社員インタビューなどの一次情報と照らし合わせて、目標に向けた最初の行動が現実的かを確認しましょう。
架空例文の「貴社は〇〇を支援している」という一文は、そのまま提出せず、志望企業で確認できた事実に必ず置き換えてください。
関連テーマは、エントリーシートで挑戦したいことの例文と、ESのキャリアプランの書き方も参考になります。
企業がESで「実現したいこと」を聞く3つの理由
企業は「実現したいこと」から、応募者の将来像だけでなく、自社との相性や企業研究の深さ、入社後に行動できる人かどうかを確認しています。質問意図を理解すると、単なる夢ではなく採用担当者が評価しやすい回答へ整えられます。
自社が目指す方向と就活生の価値観が合っているか確認するため
企業は、応募者が目指している方向と、自社の事業・顧客・社会への提供価値が大きくずれていないかを確認しています。
たとえば地域密着を重視する企業に対し、国内事業へ関心を示さず海外事業だけを希望すると、入社後のミスマッチを懸念される可能性があります。
反対に、自分が実現したいことと企業が取り組む事業の方向が自然につながっていれば、長期的に納得感を持って働く姿をイメージしてもらいやすくなります。
企業理念の言葉をそのまま繰り返すのではなく、自分の経験から生まれた価値観と企業の事業がどこで重なるのかを示すことがポイントです。
志望度と企業・仕事への理解度を確認するため
その企業で実現できる内容を具体的に話せるかどうかは、企業研究と仕事理解の深さにもつながります。
どの会社にも当てはまる「多くの人を笑顔にしたい」だけでは、なぜその企業なのかが分からず、志望度が伝わりにくくなります。
商品・サービス、顧客層、技術、事業領域、営業方法、今後注力する領域などを調べ、自分の目標を実現するうえで活かせる企業の特徴を選びましょう。
企業の強みを褒めることが目的ではなく、「その強みがあるから、自分はこの価値を届けられる」という因果関係を作ることが重要です。
入社後に成長し、成果へつなげる姿をイメージするため
企業は最終的な目標だけでなく、その実現に向けて応募者がどのように学び、行動し、企業へ貢献するのかも見ています。
「将来は新規事業を立ち上げたい」と大きな目標を示す場合も、まず顧客理解を深める、専門知識を身につける、現場で成果を出すなどの段階を示すと現実味が増します。
過去の経験で発揮した強みが入社後の行動につながっていれば、単なる願望ではなく、本人なりの根拠を持った目標として受け取られやすくなります。
「実現したいこと」と「そのために今から何をしているか」がつながる場合は、現在の学習や行動も短く加えると説得力が高まります。
「実現したいこと」と志望動機・将来の夢・やりたい仕事の違い
「実現したいこと」は志望動機や将来の夢と内容が重なることがありますが、設問ごとに中心となる答えは異なります。同じES内で回答が重複しないよう、何を中心に伝える質問なのかを整理しておきましょう。
| 設問 | 中心に答えること | 意識するポイント |
|---|---|---|
| 実現したいこと | 仕事を通じて作りたい価値・状態 | 原体験、企業との接点、入社後の行動 |
| 志望動機 | なぜその企業を選ぶのか | 企業への魅力、企業選びの軸、入社理由 |
| 将来の夢 | 将来的にどうなりたいか | 職業だけでなく生き方や理想像も含み得る |
| やりたい仕事 | 担当したい業務・職種 | 具体的な仕事内容と興味 |
| 成し遂げたいこと | 最終的に達成したい成果・状態 | 到達点と実現までのプロセス |
志望動機は「なぜこの企業か」、実現したいことは「何を作りたいか」が中心
志望動機は「なぜその企業へ入りたいのか」が中心で、実現したいことは「その企業で働くことで何を実現したいのか」が中心です。
内容は重なっても問題ありませんが、志望動機で企業への魅力だけを述べ、実現したいことでも同じ説明を繰り返すと、ES全体から新しい情報が得られません。
志望動機では企業を選んだ理由を厚くし、実現したいことでは顧客や社会へ届けたい価値、入社後の行動、将来の状態を厚くすると役割を分けられます。
両方の設問がある場合は、志望理由と将来像に矛盾がないかを最後に確認し、同じ軸の別角度として見せることを意識しましょう。
将来の夢は広く、実現したいことは企業の仕事へ接続する
将来の夢は「どのような人になりたいか」「どんな人生を送りたいか」まで含められますが、ESの実現したいことは仕事との接点を明確にする必要があります。
「世界中を旅したい」「経済的に余裕を持ちたい」といった個人的な夢だけでは、企業が採用後の活躍をイメージしにくくなります。
夢の背景に仕事で実現したい価値があるなら、「海外で異文化を経験したい」ではなく、「異なる市場のニーズを理解し、日本の商品を現地に合う形で届けたい」と変換しましょう。
個人の理想を否定する必要はなく、仕事を通じて誰にどんな価値を返すのかを一段加えることが大切です。
やりたい仕事は「手段」、実現したいことは「その先の目的」と考える
「営業をしたい」「商品企画に携わりたい」はやりたい仕事であり、その仕事を通じて何を実現したいかまで書くと設問により深く答えられます。
営業なら「顧客の潜在課題を引き出して事業成長を支えたい」、企画なら「生活者の不便を減らす商品を作りたい」のように、業務の先にある価値を考えましょう。
希望職種だけを強く書きすぎると、配属が異なる場合に柔軟性がない印象を与える可能性もあります。
最終的な目的を軸にしておけば、「まずは別部署で顧客理解を深め、その経験を将来の企画へ活かしたい」と道筋を柔軟に説明できます。
ESの「実現したいこと」を高評価につなげる4つのコツ
基本構成ができたら、対象者や提供価値を具体化し、企業の強みを「実現方法」として使うことで回答の説得力を高めます。自分の成長だけでなく、顧客・企業・社会へ返す価値まで示すことが評価につながります。
「誰に・何を・どう変えるか」の3点を具体化する
抽象的な回答を避けるには、対象者、提供する価値、実現したい変化の3点を具体化します。
「人の役に立ちたい」なら、どのような人がどんな場面で困っているのか、その人が最終的にどうなれば価値を提供できたと言えるのかまで考えましょう。
たとえば「働く人を支えたい」より、「店舗スタッフの事務作業を減らし、接客へ集中できる時間を増やしたい」とすると、仕事内容まで想像しやすくなります。
企業の事業や顧客とつながる範囲で具体化し、細かすぎて一部署でしか実現できない内容には固定しすぎないことも大切です。
企業の強みは「褒める材料」ではなく「実現方法」として使う
企業研究で見つけた強みは、「魅力を感じた」と褒めるためではなく、自分の目標を実現するための手段として使います。
「貴社は技術力が高いので魅力を感じます」ではなく、「貴社の〇〇技術を活用し、これまで解決できなかった△△を改善したい」とつなげましょう。
企業の特徴と自分の目標を接続すると、志望動機と実現したいことの両方に一貫性が生まれます。
公開情報だけで具体化しにくい場合は、説明会、社員インタビュー、OB・OG訪問などから、実際の仕事やキャリアの進み方を確認して現実性を高める方法もあります。
今すでに取り組んでいることがあれば短く入れる
将来の目標に関連して、現在すでに学習や行動を始めている場合は、回答へ短く入れると実行力を示せます。
IT分野ならプログラミング学習、海外事業なら語学学習、金融なら資格勉強、商品企画なら市場調査やゼミ研究などが考えられます。
ただし、「資格を取っているから志望しています」という順序にせず、実現したい価値が先にあり、そのために必要な力を身につけているという流れにします。
まだ具体的な準備をしていなくても問題はなく、入社後に何を学ぶ必要があると認識しているかを示せれば、目標への理解を伝えられます。
大きな目標は「短期・中期・将来」の順で現実性を作る
社会課題の解決や新規事業など大きな目標を掲げる場合は、入社直後から実現できるように書くのではなく、段階を示します。
まず既存事業で顧客理解を深め、中期的に担当領域を広げ、将来的に新たな価値を生むという流れにすれば、企業の育成や配属の現実とも合わせやすくなります。
具体的な年数は企業によって異なるため、根拠がない「3年で管理職になる」といった断定は避けたほうが安全です。
目標の大きさより、現在の自分から実現までの道筋を理解し、一歩目を具体的に考えていることを伝えることが重要です。
ESの「実現したいこと」で避けたいNG回答4つ
内容が具体的でも、企業と関係のない目標や自分の成長だけを語る回答では評価されにくくなります。よくあるNGパターンを確認し、自分の回答が企業での仕事や貢献へつながっているか見直しましょう。
NG1|「社会に貢献したい」など抽象的な目標だけで終わる
「社会に貢献したい」「多くの人を笑顔にしたい」だけでは、どの企業でも言えるため、仕事内容や本人の問題意識が伝わりません。
抽象的な言葉を使う場合は、「誰に」「どんな課題があり」「どう変えたいか」を一段具体化しましょう。
たとえば「人を笑顔にしたい」なら、「子育て中の家庭が家事へ使う時間を減らし、家族で過ごす時間を増やしたい」のように状態まで示します。
目標を細かくしすぎる必要はありませんが、採用担当者が入社後の仕事をイメージできる程度の具体性は必要です。
NG2|やりたい職種や事業を複数並べて軸が見えない
「営業も企画も海外事業も経験したい」と希望を並べると、結局何を実現したいのかが分からなくなります。
複数の仕事へ興味がある場合は、それらをつなぐ上位の目的を一つ決めましょう。
「顧客の課題を商品へ反映して新しい価値を作りたい」という目的があるなら、まず営業で顧客理解を深め、その後企画へつなげるという順番で説明できます。
職種そのものを目的にするのではなく、最終的に誰へどんな価値を届けたいかを軸にすると、配属の可能性を考慮した柔軟な回答になります。
NG3|企業を褒めるだけで自分の原体験や行動がない
「貴社は技術力が高く、社会貢献性も高いため魅力を感じています」だけでは企業説明になり、自分が何をしたいのかが見えません。
企業の特徴を書いたら、必ず「その強みを使って、自分は誰の何を変えたいのか」まで続けましょう。
さらに、自分がその目標を持つようになった経験を一文入れることで、同じ企業を受ける他の就活生との差が出ます。
企業理解は深さを見せるための材料ですが、回答の主語はあくまで自分であり、目標・理由・行動が中心になるように構成してください。
NG4|「成長したい」「キャリアアップしたい」で自分の利益だけを語る
スキルを身につけたい、早く昇進したいという目標自体が悪いわけではありませんが、自分の成長だけで終わると企業側の採用メリットが見えません。
キャリアアップを扱うなら、身につけたい力、その力で担いたい役割、最終的に顧客やチームへ返したい価値までつなげましょう。
「マネジメントを学びたい」なら、「メンバーが力を発揮できる環境を作り、チームでより大きな成果を出したい」と外向きの目的を加えます。
成長は実現したいことそのものではなく、価値を届けるための手段として位置づけると回答が強くなります。
NG回答を改善する例|「成長したい」を実現したい価値へ変える
「貴社で成長したい」という目標は意欲を示せますが、何のために力を伸ばし、誰のどのような課題を解決したいのかが分からないと、ESの「実現したいこと」への答えとしては弱くなります。
改善するときは、成長したい能力を目的にせず、その能力を使って生み出したい価値を結論に置き、原体験・企業との接点・最初の行動を添えましょう。
改善前:私が貴社で実現したいことは、自分を成長させて一人前の社会人になることです。
貴社には充実した研修制度があるため、さまざまな知識を身につけたいと考えています。
改善後:私が貴社で実現したいことは、地域の小規模店舗がデジタル化によって事務作業を減らし、接客に集中できる環境を広げることです。
アルバイト先で在庫確認に時間がかかる様子を見た経験から、現場の負担を仕組みで解決したいと考えるようになりました。
貴社は店舗向けシステムを導入後の運用まで支援しているため、入社後は商品と店舗業務への理解を深め、現場に合った改善策を提案したいです。
改善後の例では、「成長」は仕事の目的ではなく、店舗への価値提供を実現するための手段として扱っています。
なお、「貴社」の事業や支援範囲は応募先の公開情報で確認してから記載し、実際に経験していないエピソードを自分のものとして使わないようにしてください。
面接で「実現したいこと」を深掘りされたときの対策
面接ではESに書いた内容をそのまま読むのではなく、「なぜそう思うのか」「なぜ当社なのか」「希望部署でなくても実現できるか」などを深掘りされます。目標の背景と実現までの道筋を自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。
「なぜそれを実現したいの?」には原体験と価値観で答える
面接では、ESに書いた目標よりも「なぜあなたがそれを実現したいのか」を詳しく聞かれることがあります。
原体験について、何が起きたのか、そのとき何を感じたのか、なぜ今もその課題へ関心が続いているのかを整理しておきましょう。
「ニュースを見たから」「授業で知ったから」だけで終わる場合は、その情報に触れたとき自分がなぜ強く反応したのかまで掘り下げます。
実現したいことが自分の価値観とつながっていれば、言葉を丸暗記しなくても質問に合わせて自分の言葉で説明しやすくなります。
「なぜ当社なの?」には競合との違いではなく実現方法の違いで答える
「なぜ同業他社ではなく当社なのか」と聞かれたら、会社の規模や知名度ではなく、自分の目標を実現する方法との接点で答えます。
同じ業界でも、顧客層、技術、販売方法、支援範囲、海外展開、企業文化などに違いがあります。
「貴社は導入後の支援まで行うため、顧客の変化を長期的に見ながら改善できる」のように、自分の目標へ最も関係する違いを選びましょう。
競合を否定する必要はなく、「自分のやりたいことにとって、貴社のこの特徴が特に重要だ」と説明する形が自然です。
「希望部署でなかったら?」には目標を維持しつつ柔軟性を示す
特定の部署や職種を希望している場合、面接で「希望どおりでなかったらどうしますか」と確認されることがあります。
ここでは目標をすぐ諦めるのでも、希望部署以外では働けないと答えるのでもなく、配属先で得られる経験を将来の目標へどうつなげるかを説明しましょう。
「まずは配属先で顧客と事業を理解し、目の前の仕事で成果を出したうえで、その経験を将来の商品企画へ活かしたい」のように答えます。
職種より上位の目的を持っておくと、企業側の配属事情にも対応しながら一貫した回答を作れます。
「5年後・10年後は?」には役職より担いたい役割を答える
将来像を聞かれたとき、根拠なく「5年後に管理職」と役職だけを答えるより、どのような役割や価値を担いたいかを示すほうが自然です。
たとえば「顧客の課題を自分で整理して提案できるようになり、その後は複数部署を巻き込む案件を担当したい」と段階で答えます。
年数は企業や職種によって異なるため、制度を確認したうえで無理のない範囲にとどめましょう。
実現したいことを時間軸で分け、短期に身につける力、中期に担う役割、長期に生み出したい価値を整理しておくと深掘りへ対応しやすくなります。
ESの「実現したいこと」に関するよくある質問
最後に、将来像がまだ固まっていない場合や、成し遂げたいこと・キャリアアップとの違いなど、ES作成時に迷いやすい点を整理します。設問の言い方が変わっても「誰にどんな価値を届けたいか」を軸にすると回答を調整しやすくなります。
Q. 「仕事を通じて実現したいこと」には何を書けばいい?
仕事を通じて「誰に・どんな価値を・どう届けたいか」を答え、その背景となる原体験と、志望企業で実現できる理由までつなげましょう。
職種名や「成長したい」という希望だけで終わらず、その仕事によって顧客や社会をどのような状態にしたいのかを示すことがポイントです。
さらに、入社後にまず何を学び、どのように行動するかを加えると、実現可能性のある回答になります。
Q. 実現したいことがまだ明確に決まっていなくても大丈夫?
現時点で将来像が完全に決まっていなくても問題ありません。
企業が確認したいのは未来を正確に予言できるかではなく、自分の経験と企業理解をもとに、現在の時点でどの方向へ進みたいかを考えられているかです。
まず「誰にどんな価値を届けたいか」を決め、具体的な職種や役割は入社後の経験を通じて広げる形でも構いません。
ただし「まだ分かりません」で終わらせず、現時点で関心がある課題、そう考える理由、入社後に確かめたいことまで示すと前向きな回答になります。
Q. 「成し遂げたいこと」と聞かれた場合も同じ書き方でいい?
基本的な構成は同じで問題ありません。
「成し遂げたいこと」は最終的な成果や到達点をやや強く意識し、何を達成した状態にしたいのかを冒頭で明確にします。
その後に原体験、なぜその企業なのか、自分の強み、実現までの行動を続ければ、一貫した回答になります。
「成し遂げたいこと」と「実現したいこと」を別物として無理に作り分けるより、設問文のニュアンスに合わせて到達点と提供価値のどちらを少し強めるか調整する程度で十分です。
Q. キャリアアップを実現したいことにしてもいい?
キャリアアップ自体をテーマにしても構いませんが、自分の成長だけを最終目的にしないことが重要です。
身につけたい専門性、将来担いたい役割、その結果として顧客・チーム・企業へどのような価値を返したいかまで書きましょう。
たとえば「マネージャーになりたい」ではなく、「顧客課題を解決できる専門性を身につけ、その経験をチームへ共有し、複数人でより大きな成果を出せる状態を作りたい」とします。
成長を目的ではなく貢献のための手段として位置づけると、企業側にも納得感のある回答になります。
Q. 「貴社で実現したいこと」と「入社後にやりたいこと」は同じ?
近い設問ですが、「入社後にやりたいこと」は担当したい業務や挑戦したい仕事へやや焦点が当たりやすい質問です。
一方、「貴社で実現したいこと」は、その仕事を通じて最終的にどのような価値や状態を作りたいかまで答えると深みが出ます。
「法人営業を担当したい」がやりたいことであれば、「法人営業を通じて中小企業の業務改善を支え、成長へ使える時間を増やしたい」が実現したいことです。
同じESに両方の設問がある場合は、前者で仕事内容、後者でその先の目的を中心にすると重複を減らせます。
Q. 企業ごとに「実現したいこと」を変えたほうがいい?
自分の価値観や目指す方向まで企業ごとに大きく変える必要はありません。
ただし、同じ目標でも企業によって事業、顧客、実現方法が異なるため、「なぜ貴社か」と入社後の行動は提出先に合わせて調整しましょう。
たとえば「企業の業務効率化を支えたい」という軸は同じでも、IT企業ならシステム、コンサルなら業務設計、金融なら経営支援という形でアプローチが変わります。
核となる価値観は固定し、企業ごとの特徴と接続方法を変えると、使い回し感を抑えながら一貫した就活軸を保てます。
まとめ|「実現したいこと」は仕事を通じて生み出したい価値から考えよう
ESの「実現したいこと」では、入社後にどの職種へ就きたいかだけでなく、仕事を通じて誰にどんな価値を届けたいのかを示すことが重要です。
回答は「実現したいこと→原体験→なぜ貴社か→自分の強み→入社後の行動」の順で整理すると、一貫性を作りやすくなります。
思いつかない場合は、過去に感じた違和感ややりがいから「誰の何を変えたいか」を考え、その後に志望企業の事業と接点を探してください。
「社会に貢献したい」「成長したい」だけで終わらせず、企業の強みを使ってどのような状態を実現し、自分がどう動くのかまで具体化しましょう。
例文は文章をそのまま使うのではなく、自分の原体験、志望企業の特徴、入社後の一歩へ置き換え、面接でも自分の言葉で説明できる回答に仕上げてください。
