はじめに
就職活動の面接で「あなたの好きな言葉は何ですか?」と聞かれ、答えに詰まってしまった経験はありませんか?この一見シンプルな質問には、あなたの価値観や人となり、仕事への姿勢を知りたいという面接官の意図が隠されています。
単に有名な言葉を挙げるだけでなく、なぜその言葉を選ぶのか、あなた自身の経験や考えと結びつけて語ることが重要です。
この記事では、面接で使える「好きな言葉」の例を一覧で紹介するとともに、自分らしい言葉の選び方、そして面接官に響く効果的な伝え方まで、具体的に解説していきます。
面接官が好きな言葉を聞く意図は?
面接で「好きな言葉」を尋ねるのには、単なる興味だけでなく、いくつかの明確な評価意図があります。
それは、学生の表面的なスキルや経験だけでは見えにくい、内面的な要素や潜在的な能力を探るためです。
主に「人柄や価値観」「社風とのマッチ度」「伝える力」の3つの側面から、自社で活躍できる人材かを見極めようとしています。
それぞれの意図を理解し、的確な回答を準備することが重要です。
学生の人柄や価値観を知るため
面接官は、あなたが選ぶ言葉とその理由を通して、あなたの本質的な人柄や大切にしている価値観を探ろうとしています。
どんな言葉に心を動かされ、それを自身の行動指針や信条としているのかを知ることで、あなたの物事に対する考え方、仕事への向き合い方、困難に立ち向かう姿勢など、履歴書だけでは分からない内面的な特性を理解しようとします。
あなたのモチベーションの源泉や、どんな時に喜びややりがいを感じるかを知る手がかりにもなります。
社風にマッチした人材か判断するため
企業にはそれぞれ独自の文化や大切にしている価値観、いわゆる「社風」が存在します。
面接官は、あなたの「好きな言葉」からうかがえる価値観が、自社の社風や企業理念、行動指針と合っているかを見ています。
例えば協調性を重んじる会社か、挑戦を奨励する会社かで、評価される言葉の傾向は変わる可能性があります。
あなたの回答から、組織にスムーズに溶け込み、他の社員と協力しながら目標達成に向けて努力できる人材か、入社後のミスマッチがないかを判断しています。
伝える力があるか知りたいため
「好きな言葉」という比較的自由度の高い質問に対して、あなたがどのように考えをまとめ、相手に分かりやすく伝えられるか、その「伝える力」も評価対象です。
なぜその言葉が好きなのか、具体的なエピソードや自分の経験とどう結びついているのかを論理的に、かつ簡潔に説明できるかが重要になります。
話の構成力、表現力、そして自分自身を客観的に理解しているか。
社会人として必須となる基本的なコミュニケーション能力が備わっているかを測っています。
面接で使える好きな言葉の選び方
面接で「好きな言葉」を聞かれた際に、あなたらしさや強みを効果的に伝えるためには、言葉選びが重要です。
単に響きの良い言葉を選ぶのではなく、なぜその言葉が好きなのか、自分の経験や価値観とどう結びついているのかを明確に説明できる言葉を選びましょう。
ここでは、自分に合った「好きな言葉」を見つけるための4つのアプローチを紹介します。
インターネットや辞書で意味を調べながら言葉を探す
自分の考えや感情を正確に表現したいとき、言葉がうまく見つからないことは誰にでもあります。
そんな時、類語辞典や類語検索は、思考を広げる強力なツールとなります。
例えば、自分の強みを具体的に表現したいとしましょう。
強みを直接的に表す一言だけでは、ありきたりな印象を与えてしまうかもしれません。
そこでその言葉を類語検索にかけると、その言葉に関連したより具体的な言葉が見つかります。
さらに、これらの言葉からより具体的で説得力のある文章に展開できます。
このように、類語辞典は単に似た言葉を探すだけでなく、言葉の持つニュアンスや響きの違いを比較することで、自分の伝えたい内容に最もふさわしい言葉を見つけ出す手助けをしてくれます。
映画や本、漫画の名言を参考にする
多くの人に感動や気づきを与えてきた映画、本、漫画には、心に響く名言が散りばめられています。
これらの言葉は、普遍的なテーマや価値観を端的に表現していることが多く、面接官にも意図が伝わりやすいでしょう。
自分が感銘を受けた作品の言葉から、特に共感できるもの、自分の経験や考え方に通じるものを選んでみましょう。
なぜその言葉に惹かれたのかを具体的に語ることで、あなたの価値観を伝えることができます。
例
「諦めたらそこで試合終了ですよ」(漫画『SLAM DUNK』より) - 困難な状況でも最後までやり遂げる粘り強さをアピール
「Stay hungry, stay foolish.」(スティーブ・ジョブズ) - 現状に満足せず、常に挑戦し続ける姿勢を示す
「千里の道も一歩から」(ことわざ) - 大きな目標達成のために、地道な努力を継続する大切さを示す
「事実は小説より奇なり」(バイロン) - 既成概念にとらわれず、現実から学ぶ柔軟性や探求心を示す
「希望は良いものだよ。多分最高のものだ。良いものは決してなくならない」(映画『ショーシャンクの空に』より)- 逆境の中でも前向きさを失わない強さを示す
身近な人の言葉から探す
家族、恩師、先輩、友人など、あなたの人生に影響を与えてくれた身近な人の言葉も、「好きな言葉」の良い候補になります。
尊敬する人から受けたアドバイスや、心に残っている教えは、あなた自身の価値観や行動指針となっている場合が多いでしょう。
誰から、どんな状況で言われた言葉なのか、そしてその言葉が今の自分にどう活きているのかを具体的に語ることで、オリジナリティと説得力のある回答になります。
例
祖母から教わった「常に感謝の気持ちを忘れずに」という言葉。(感謝、謙虚さ)
部活動の顧問に言われた「結果よりも、そこに至る過程が大切だ」という教え。(プロセス重視、努力)
アルバイト先の先輩がくれた「失敗を恐れず、まずはやってみること」というアドバイス。(挑戦、行動力)
両親がいつも言っている「どんな時も正直に、誠実であること」。(誠実さ、倫理観)
友人との会話で気づいた「一人でできることには限界がある、だから周りを頼ることも大切」ということ。(協調性、チームワーク)
アピールしたい強みから探す
面接は自分自身をアピールする場です。
自分の強みや、入社後に活かしたい能力を明確にし、それを象徴するような言葉を選ぶという戦略的なアプローチもあります。
例えば、「粘り強さ」をアピールしたいなら、継続や努力に関する言葉を、「協調性」を伝えたいなら、チームワークや協力に関する言葉を探してみましょう。
言葉とその理由、そして強みが一貫していると、あなたの人物像がより明確に伝わります。
例
粘り強さ・継続力: 「七転び八起き」「雨垂れ石を穿つ」「継続は力なり」
挑戦・行動力: 「当たって砕けろ」「思い立ったが吉日」「まず隗より始めよ」
協調性・チームワーク: 「One for all, all for one.」「三人寄れば文殊の知恵」
誠実さ・正直さ: 「正直は最善の策 (Honesty is the best policy)」「天知る、地知る、我知る、子知る」
向上心・成長意欲: 「昨日の自分に勝る」「学び続ける者に失敗はない」
自分の価値観を言葉にする
有名な言葉や誰かの言葉を借りるのではなく、自分自身の経験や考え、大切にしている信念をオリジナルの言葉で表現するのも非常に効果的です。
これまでの人生で何を大切にしてきたか、どんな時にやりがいを感じるか、将来どうありたいかを深く掘り下げ、それを短いフレーズに凝縮してみましょう。
あなた自身の言葉で語ることで、最も強く、正直に、あなたの個性や価値観を伝えることができます。
例
「常に相手の立場で物事を考える」 (共感力、顧客志向)
「できない理由ではなく、できる方法を探す」 (問題解決能力、前向きさ)
「日々の小さな改善を大切にする」 (改善意欲、成長志向)
「どんな仕事にも、誠意をもって取り組む」 (誠実さ、責任感)
「周囲への感謝を忘れず、謙虚に行動する」 (謙虚さ、協調性)
「経験したことすべてを、自分の糧にする」 (学習意欲、ポジティブ思考)
面接での好きな言葉を選ぶ時の注意点
「好きな言葉」は、あなたの人柄や価値観を伝える有効な手段ですが、選び方や伝え方を間違えると逆効果になる可能性もあります。
面接という場にふさわしく、かつ効果的に自分をアピールできる言葉を選ぶためには、いくつかの注意点があります。
単に好きなだけでなく、戦略的な視点も持って言葉を選びましょう。
受けている企業や社風と関連する言葉を選ぶ
あなたの個性を示すことは大切ですが、同時に、面接を受けている企業の社風や価値観との相性も考慮に入れるべきです。
事前に企業のウェブサイトなどで理念やビジョン、行動指針などを確認し、企業がどのような価値観を大切にしているかを理解しましょう。
例えば、チームワークを重んじる企業に対して、過度に個人主義的な言葉を選ぶのは避けた方が無難かもしれません。
自分の価値観と企業の方向性が大きくずれていないか、選んだ言葉が企業の求める人物像とどう関連するかを意識することで、より説得力が増し、企業への理解度も示すことができます。
言葉の意味を正しく理解したうえで選ぶ
特に有名な格言やことわざ、歴史上の人物の言葉などを選ぶ際には、その言葉が持つ本来の意味や背景、ニュアンスを正確に理解しておくことが不可欠です。
意味を取り違えていたり、表面的な理解だけで使っていたりすると、かえって準備不足や浅い印象を与えかねません。
なぜその言葉が生まれたのか、どのような文脈で使われるのかを調べ、自分の解釈が本来の意味から大きくずれていないかを確認しましょう。
自信を持って、言葉の真意を踏まえた上で自分の考えを述べられるように準備しておくことが大切です。
自分の行動に影響を与えている言葉を選ぶ
面接官が知りたいのは、単なる「好きな言葉」そのものよりも、「なぜそれが好きなのか」「その言葉があなたにどう影響を与えているのか」です。
そのため、選んだ言葉が、実際にあなたの考え方や行動に影響を与えた具体的なエピソードと結びついていることが重要になります。
学業や部活動、アルバイトなどの経験の中で、その言葉を指針として困難を乗り越えたり、目標を達成したりした経験などを具体的に話せるようにしましょう。
抽象的な説明だけでなく、実体験に基づいた話は、言葉に重みと信憑性をもたらし、あなたの人物像をより深く伝えることができます。
面接で使える好きな言葉一覧
ここでは、面接でアピールしたい自身の強みや特性に合わせて使える「好きな言葉」をカテゴリー別に紹介します。
言葉そのものだけでなく、なぜその言葉が好きなのか、具体的なエピソードを交えて話せるように準備しておきましょう。
粘り強さや忍耐力の強さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は「雨垂れ石を穿つ」です。
この言葉は、どんなに小さな力でも、絶え間なく続ければ大きな成果を生み出せる、という意味を持っています。
これは、大学時代に企画した地域活性化プロジェクトで、最初は協力者が一人も見つからなかった時の経験と重なります。
何度も断られ、諦めかけましたが、この言葉を胸に、一軒一軒、粘り強く足を運び続けました。
その結果、少しずつ賛同してくれる人が増え、最終的には地域全体を巻き込む大きなイベントを成功させることができました。
この経験から、困難な状況でも、地道な努力を続けることの大切さを学びました。
向上心や努力に関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「努力は決して人を裏切らない」です。
この言葉は、高校時代に野球でレギュラーになれず、悔しい思いをした時に出会いました。
周りとの差を感じ、落ち込むこともありましたが、この言葉を信じ、誰よりも早くグラウンドに出て練習し、誰よりも遅くまで素振りを続けました。
結果として、最後の大会ではレギュラーの座を掴み取り、チームの勝利に貢献することができました。
この経験から、努力した分だけ必ず自分自身の力となり、成長に繋がることを学びました。
社会に出ても、この言葉を胸に、どんな困難にも粘り強く取り組み、自分自身を常に高め続けたいと考えています。
明るさやポジティブさに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「顔を上げれば必ず道は開ける」です。
これは、困難に直面したときでも、悲観的にならず、前向きに考えることの大切さを教えてくれます。
大学の文化祭実行委員として、イベントの企画が難航し、チームの雰囲気が沈んでしまったことがありました。
その時、私が率先して明るく声かけをし、チームメンバーの意見を一つひとつ丁寧に聞き出すことに努めました。
その結果、メンバーから新しいアイデアが生まれ、困難を乗り越えることができました。
この経験から、どんな状況でも諦めずに明るく振る舞い、周囲を巻き込みながら課題を解決する力が身についたと感じています。
社会人になっても、この言葉を胸に、どんな困難も前向きに乗り越えていきたいです。
思いやりや気遣いに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「相手の立場になって考える」です。
これは、アルバイト先のカフェで、お客様が注文に迷っている時に、声をかけるタイミングや言葉選びに悩んだ経験から、より深く心に刻まれました。
その時、単に何か探しているのかと尋ねるのではなく、お客様の表情や様子を注意深く観察し、飲み物提案や、状況に合わせた一言を添えることを心がけました。
その結果、お客様に安心して注文していただけるようになり、私自身も心温まる感謝の言葉をいただくことが増えました。
この経験から、思いやりや気遣いは、言葉や行動の前に、まず相手の気持ちに寄り添うことなのだと学びました。
臨機応変さや適応力の高さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「柳に雪折れなし」です。
この言葉は、柔軟性やしなやかさがあれば、どんな困難な状況にも耐え、乗り越えられるという意味です。
大学時代、サークルで大規模なイベントを企画した際、直前に会場が使えなくなるというトラブルに見舞われました。
当初の計画に固執するのではなく、すぐにチームで代替案を話し合い、オンラインでの開催へと切り替えました。
予期せぬ変更に戸惑うメンバーもいましたが、一人ひとりの意見を尊重し、状況に合わせた役割分担をすることで、最終的には当初の予想を上回る成功を収めることができました。
この経験から、変化の激しい現代社会において、この言葉が持つ柔軟な姿勢と適応力がいかに大切かを学びました。
継続力や計画性の高さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「千里の道も一歩から」です。
これは、どんなに大きな目標も、最初の一歩を踏み出し、地道な努力を続けることで達成できるという意味です。
大学時代、難関資格の取得を目指した際、膨大な学習範囲に圧倒されそうになりましたが、この言葉を胸に、毎日必ず1時間、と決めて計画的に勉強を続けました。
日々の小さな積み重ねを大切にした結果、着実に知識が身につき、目標としていた期間内に資格を取得することができました。
この経験から、大きな目標を達成するためには、日々の小さな努力と継続が不可欠であることを学びました。
今後もこの言葉を胸に、目標に向かって着実に歩み続けたいです。
責任感の強さや真面目さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「言行一致」です。
これは、言葉と行動が一致していることの大切さを示しています。
大学時代にカフェのアルバイトで新メニュー開発を任された際、自分が提案した計画の実現が難しい状況に直面しました。
その時、安易に計画を変更するのではなく、自分が掲げた目標に責任を持ち、最後までやり抜くことを決意しました。
具体的には、営業時間外に試作を重ね、コストと効率を両立させる方法を徹底的に模索しました。
その結果、チームの協力も得て、無事に新メニューを世に出すことができました。
この経験から、言葉にしたことには責任を持ち、真摯に行動することの重要性を学びました。
冷静さや慎重さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「急がば回れ」です。
これは、焦って行動するよりも、慎重に、そして着実に物事を進めることの重要性を教えてくれます。
大学時代、サークルでイベントの予算管理を任された際、初期の計画では予算が不足することが判明しました。
安易に規模を縮小するのではなく、まずは各項目を徹底的に見直し、無駄がないか慎重に検討する時間を設けました。
その結果、新しい資金源を発見し、イベントの質を落とすことなく、当初の計画通りに開催することができました。
この経験から、どんな状況でも冷静さを保ち、一歩引いて全体を見渡すことの大切さを学びました。
リーダーシップに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「人を動かすのは理屈ではなく、感動だ」です。
この言葉は、単に論理的に指示するだけでは人はついてこない、ということを教えてくれます。
大学時代、私が所属するサークルの新歓イベントを企画した際、メンバーの意見がまとまらず、計画が停滞したことがありました。
そこで、私は企画の意義や楽しさをメンバーに熱心に語り、彼らの心に火をつけることを試みました。
結果として、メンバーは自ら積極的に動き出し、企画は大成功を収めました。
この経験から、リーダーとして大切なのは、人を動かす情熱やビジョンを共有し、共感を生み出すことだと学びました。
チャレンジ精神や行動力の高さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「案ずるより産むが易し」です。
これは、あれこれ心配するよりも、まず行動を起こしてみることが大切だという意味です。
大学時代、ボランティア活動で海外に行くチャンスがありましたが、語学力や現地の生活に不安を感じていました。
しかし、この言葉を胸に、思い切って参加を決意しました。
実際に行ってみると、想像していたよりも言葉の壁は高くなく、身振り手振りや現地の人の優しさに助けられ、多くの貴重な経験をすることができました。
この経験から、どんな困難なことでも、まず行動してみることの重要性を学びました。
社会人になっても、この言葉を胸に、新しいことにも臆することなく挑戦し続けたいです。
コミュニケーション能力の高さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「心は言葉を宿る」です。
この言葉は、単に情報を伝えるだけでなく、相手の心を理解し、寄り添うことの重要性を教えてくれます。
大学時代、文化祭の企画で意見の対立が起こり、チームの雰囲気が悪化したことがありました。
その時、私は一方的に自分の意見を主張するのではなく、一人ひとりと個別に話す時間を設け、それぞれの不満や不安に耳を傾けました。
その結果、メンバーは本音を話してくれるようになり、互いの立場を理解し合うことができました。
この経験から、言葉の裏にある相手の気持ちを汲み取ることこそが、本当の意味でのコミュニケーション能力だと学びました。
好奇心の旺盛さに関する好きな言葉の例
OK回答例文
私の好きな言葉は、「知的好奇心こそ、人生の羅針盤である」です。
この言葉は、新しい知識や経験への探求心が、自分の進むべき道を照らしてくれる、という意味を持っています。
大学でプログラミングを学んだ際、授業で与えられた課題だけでなく、その技術の応用方法はなにか、常に疑問を持つようにしていました。
その結果、関連技術の書籍を読み漁ったり、自作のアプリケーション開発に挑戦したりと、自ら学習範囲を広げることができました。
この経験から、好奇心を持つことこそが、自律的な成長に繋がるのだと学びました。
社会人になっても、この言葉を胸に、常に新しい知識やスキルを積極的に吸収し、成長し続けたいです。
好きな言葉の伝え方4ステップ
面接で「好きな言葉」を効果的に伝えるためには、話の構成が重要です。
単に言葉と理由を述べるだけでなく、相手に分かりやすく、かつ印象に残るように伝える工夫が求められます。
ここでは、論理的で説得力のある伝え方として、以下の3つのステップを紹介します。
1. 結論ファーストで述べる
まず、質問に対して「結論」である「好きな言葉」そのものを最初に明確に述べましょう。
「私の好きな言葉は〇〇です」とはっきりと伝えることで、面接官は何についての話が始まるのかをすぐに理解でき、その後の説明がスムーズに入ってきやすくなります。
ビジネスコミュニケーションの基本である結論ファーストを意識することで、簡潔で分かりやすい回答という印象を与えることができます。
2. 選んだ言葉の背景や理由を語る
次に、なぜその言葉が好きなのか、その言葉があなたにとってどんな意味を持つのかについて、具体的なエピソードや背景を交えて説明します。
この部分が、あなたの人柄や価値観を伝える上で最も重要です。
過去の経験(学業、部活動、アルバイトなど)の中で、その言葉に支えられたり、その言葉を実感したりした具体的な場面を語ることで、話に説得力とオリジナリティが生まれます。
「〇〇という経験をした際に、この言葉の〇〇という意味が身に染みて、以来大切にしています」のように、具体的なストーリーを簡潔に盛り込みましょう。
3. エピソードで説得力を出す
自分の言葉に説得力を持たせるためには、具体的なエピソードを加えることが非常に効果的です。
なぜなら、抽象的な主張だけでは、聞き手や読み手にとって共感しにくく、心に響きにくいからです。
自分の強みを単に主張するだけでは、漠然とした印象しか与えません。
しかし、そこにその強みの根拠となる具体的なエピソードを添えることで、自分の強みがどのように発揮されたのか、そしてどのような成果を生み出したのかが明確に伝わります。
このように、エピソードは単なる事実の羅列ではなく、主張を裏付ける証拠となります。
それは、あなたが経験した課題、そこでの行動、そして得られた結果を物語として語ることで、聞き手の心に深く刻み込まれます。
4. 入社後にどのように活かすかを語る
最後に、その「好きな言葉」の精神や教訓を、入社後どのように仕事に活かしていきたいかを述べて締めくくります。
これにより、単なる個人の信条としてだけでなく、仕事への意欲や貢献意欲を示すことができます。
「この〇〇という言葉を胸に、貴社でも〇〇のような場面で△△のように粘り強く取り組みたいと考えております」といった形で、仕事への向き合い方や将来の抱負に繋げることで、面接官はあなたが自社で活躍する姿を具体的にイメージしやすくなります。
自己PRと企業への貢献意欲を結びつける重要なステップです。
面接で好きな言葉の伝え方の注意点
「好きな言葉」を効果的に伝える3ステップを実践する上で、避けるべき注意点も存在します。
せっかくの自己アピールの機会を活かすためにも、以下の点に気を付けて回答を準備しましょう。
好きな言葉だけを答えない
面接官から「好きな言葉は何ですか?」と聞かれた際に、「〇〇です」と、言葉だけを答えて終えるのは避けましょう。
面接官が知りたいのは、言葉そのものよりも「なぜその言葉が好きなのか」「その言葉があなたにどう影響しているのか」という背景や理由、価値観です。
言葉だけではあなたの考えや人柄は伝わりません。
必ず、選んだ理由や関連するエピソード、仕事への活かし方をセットで伝えるようにしましょう。
「特にありません」と答えない
「特にありません」という回答は、絶対に避けるべきです。
この回答は、自己分析が不足している、自分の価値観や信念について深く考えていない、あるいは面接への準備が不十分であるという印象を与えかねません。
また、自己アピールの貴重な機会を自ら放棄することにもなります。
もし明確な「好きな言葉」が思い浮かばなくても、これまでの経験で大切にしてきた考え方や、心に残っているアドバイスなどを事前に準備し、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
面接で聞かれる「好きな言葉」に似た質問と違い
面接では、「好きな言葉」以外にも、似たような角度からあなたの価値観や人柄を探る質問がされることがあります。
代表的なものとして「座右の銘」や「キャッチフレーズ」がありますが、それぞれニュアンスが異なります。
違いを理解しておくと、質問の意図に沿った的確な回答がしやすくなります。
「座右の銘」との違い
「座右の銘(ざゆうのめい)」は、一般的に、常に自分の心に留めておき、行動や判断の指針とする言葉や、自分自身を戒めるための言葉を指します。
「好きな言葉」よりも、より人生の指針や行動規範としての意味合いが強い傾向があります。
もちろん、「好きな言葉」がそのまま「座右の銘」である場合もありますが、「好きな言葉」は、感動した言葉、勇気づけられた言葉など、より幅広い意味で捉えることができます。
座右の銘は、好きな言葉の中でも特に自分の行動哲学として定着しているもの、という位置づけに近いでしょう。
「キャッチフレーズ」との違い
「自分を表すキャッチフレーズを教えてください」といった質問で使われる「キャッチフレーズ」は、「好きな言葉」とは目的が異なります。
「キャッチフレーズ」は、あなた自身の個性や強みを短い言葉で要約し、相手に印象付けるための「自己PR用の短いフレーズ」です。
多くの場合、自分自身で作成することが求められます。
一方、「好きな言葉」は、既存の言葉(ことわざ、名言、誰かのアドバイスなど)の中から、あなたが共感し、大切にしているものを指します。
キャッチフレーズは「自分をどう見せたいか」を表現する外向きの言葉、好きな言葉は「自分が何を大切にしているか」を示す内向きの価値観を表す言葉と言えます。
おわりに
面接で聞かれる「好きな言葉」は、あなたの人柄や価値観、仕事への姿勢を伝えるための重要な質問です。
単に言葉を選ぶだけでなく、なぜその言葉に惹かれるのか、自身の経験とどう結びついているのかを深く考え、自分の言葉で語ることが大切です。
この記事で紹介した選び方や伝え方のポイント、注意点を参考に、あなたらしい「好きな言葉」を見つけ、自信を持って面接に臨んでください。
あなたの就職活動が実りあるものになるよう応援しています。