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・志望動機の使い回しは本当にNGなのか
・企業が志望動機を重視する理由
・バレないように使い回すための工夫とポイント
・複数社に効率よくエントリーしたい就活生
・志望動機をいちから毎回書くのが大変な人
・どこまでなら使い回していいのか迷っている人
はじめに
就職活動では、企業ごとにエントリーシートや面接で動機を問われる場面が多くあります。
初めての就活では、どのように志望動機を考えれば良いのか悩むことも多いはずです。
特に複数の企業に応募する際、毎回一から文章を考えるのは負担が大きく、効率的に進める方法を探している方も多いのではないでしょうか。
そこで浮かぶのが、志望動機の使い回しという選択肢です。
この記事では、使い回すことは問題ないのか、どこまでなら許容されるのか、そして企業に好印象を与えるための工夫について詳しく解説していきます。
志望動機は使い回してもいい?
すべての企業に同じ志望動機を提出するのは避けるべきです。
なぜなら、企業ごとに理念や事業内容、働き方の特徴が異なるためです。
一律の内容では、採用担当者に熱意が伝わらず、興味関心が薄いと判断される可能性があります。
とはいえ、すべてを一から考える必要はありません。
業界や職種に共通する強みや経験がある場合は、それを軸にしてある程度内容を流用することは可能です。
営業職であればコミュニケーション能力や提案力、企画職であれば論理的思考力や発想力といった要素は多くの企業で求められるため、自分のエピソードを組み替えて活用することで効率よく対応できます。
ただし、企業名や事業の特徴、応募動機となるポイントは必ず個別に調整しましょう。
たとえ同じ業界であっても、企業のビジョンや扱うサービスに違いがあります。
これらに触れずに使い回しを行うと、表面的な動機に見えてしまいます。
また、使い回す際は企業ごとの情報を確認し、他社名を誤って記載するようなミスがないように注意が必要です。
このようなミスは一目で使い回しと気づかれ、評価を大きく下げる原因となります。
志望動機の使い回しを避ける理由
- 企業に合わせた内容でないと通過率が下がる
- 熱意・志望度が伝わらず印象が薄くなる
- 他社との差別化ができなくなる
志望動機を一部使い回すことは効率的な面もありますが、やみくもに同じ内容を使い回すことには大きなリスクがあります。
特に、新卒採用では応募者の熱意や理解度が重視されるため、雑な印象を与えてしまうと選考の通過率が下がる可能性があります。
ここでは、なぜ志望動機の使い回しを避けるべきなのか、その理由を3つの観点から解説します。
企業に合わせた内容でないと通過率が下がる
企業ごとに求める人物像や重視するスキルは異なります。
にもかかわらず、どの企業にも同じような志望動機を提出してしまうと、相手のニーズに合っていないと判断されてしまう可能性があります。
採用担当者は、自社の事業内容や方針を理解した上で応募しているかを見ており、そこに合致しない内容はすぐに見抜かれてしまいます。
特に人気企業や大手企業では、志望動機の内容でふるいにかけられることも珍しくありません。
つまり、使い回しが見抜かれると、その時点で評価が下がり、書類選考の通過率に大きく影響するということです。
熱意・志望度が伝わらず印象が薄くなる
就活においては、どれだけその企業で働きたいかという熱意が伝わることが重要です。
志望動機が曖昧だったり、他社でも使えそうな内容ばかりだったりすると、本気度が伝わりません。
企業は、入社後の定着や活躍を期待して採用を行っているため、志望度が低そうな応募者には魅力を感じにくくなります。
たとえスキルや経験がアピールされていても、なぜその企業なのかが見えなければ、印象に残ることはありません。
限られた枠に入るためには、他の応募者との差を明確にし、強い印象を残すことが必要です。
使い回した文章では、その目的を果たすことが難しくなります。
他社との差別化ができなくなる
多くの企業が似たような業界や職種に属していても、それぞれに独自のビジョンや文化、働き方があります。
志望動機にそれらを反映させることで、「なぜその企業なのか」という明確な理由を示すことができます。
しかし、使い回しの文章ではこうした差別化ができず、どの会社でも通用しそうな内容になりがちです。
結果として、採用担当者からは「この人はどこでもいいと思っているのでは」と受け取られてしまう恐れがあります。
せっかくのエントリーシートや面接の機会を活かすためにも、その企業にしか通じない具体的なエピソードや理由を加えることが重要です。
使いまわしがバレる志望動機の特徴
- 企業名・事業内容に一切触れていない
- 誰にでも当てはまる表現ばかり
- 内容に一貫性がなく矛盾している
就職活動では、多くの企業にエントリーする中で、志望動機を効率よく書こうとするあまり、つい使い回してしまうことがあります。
しかし、明らかに使いまわしたとわかる志望動機は、採用担当者にすぐに見抜かれてしまいます。
ここでは、使い回しがバレる志望動機に共通する特徴を解説します。
企業名・事業内容に一切触れていない
志望動機の中で、その企業の名前や事業内容に一切言及していない場合、非常に目立ちます。
どの企業にも提出できるような文章は、具体性が欠けており、企業への理解や関心が感じられません。
採用担当者は、自社にどれだけ関心を持って調べてくれたのかを重視しています。
にもかかわらず、企業に関する情報がまったく含まれていない志望動機は、他の企業にも同じ内容を使い回していると判断されやすくなります。
せっかく応募しても、最初の数行で評価が下がってしまう恐れがあります。
誰にでも当てはまる表現ばかり
「人と関わることが好き」「成長したい」「社会に貢献したい」といった、就活でよく使われる表現は便利ですが、どの企業にも通用してしまうため、個性が伝わりにくくなります。
これらの表現は一見ポジティブに見えますが、裏を返せば誰にでも当てはまるため、志望動機の内容が薄くなりがちです。
特に、新卒の就活では応募者が似たような内容を話しがちなため、オリジナリティや具体性のない志望動機は印象に残りません。
こうした誰にでも使える言葉ばかりで構成された志望動機は、使い回しを疑われやすくなります。
内容に一貫性がなく矛盾している
複数の企業向けに用意した内容をそのまま組み合わせると、文章に一貫性がなくなり、矛盾が生まれることがあります。
志望動機の前半では事務職に向いていると書いていたのに、後半で営業職の話を展開していたりすると、説得力が失われてしまいます。
このような内容のズレは、使い回しの結果であることが多く、読んでいて違和感を覚える原因となります。
採用担当者は、文脈や内容の整合性にも注目しているため、整っていない文章はすぐに見抜かれます。
使い回しをしているかどうかを見分ける際のポイントとして、文章の一貫性は重要なチェック項目です。
NGワード9選|使い回し感が出るフレーズ
- 常に学びたい
- 働きやすい環境
- 大手企業として
- 何でも頑張ります
- サービスに感動した
- ステップアップできる
- 福利厚生に魅力を感じた
- 大きな仕事をしてみたい
- ともに成長していきたい
志望動機を作成する際、無意識のうちに多くの人が使いがちなフレーズがあります。
しかし、それらの表現は誰にでも当てはまりやすく、使い回しをしている印象を与えてしまう原因となります。
以下に、特に避けた方がよいNGフレーズを9つ紹介します。
これらをそのまま使うのではなく、自分の言葉で具体的なエピソードを交えることが重要です。
成長意欲を伝えるつもりでも、曖昧すぎて何を学びたいのかが伝わりません。
どの企業でも通じる内容のため、志望動機の使い回しを疑われやすくなります。
働きやすさを理由にするのは悪くありませんが、それだけでは説得力が弱くなります。
どの企業も働きやすさをアピールしている中で、具体性がないと差別化できません。
企業の規模を評価するだけでは、数ある大手の中でなぜその企業なのかが見えてきません。
単なる知名度目当てと受け取られてしまう可能性もあります。
やる気を見せたい気持ちは伝わりますが、具体性がなく、どの職種にも当てはまる表現です。
採用担当者にとっては、志望動機としての意味が薄く感じられます。
サービスに対する好印象を伝えるのは良いアプローチですが、感動した理由や体験が曖昧だと、誰でも言える表現になってしまいます。
個人的な経験や背景を添えることが大切です。
成長意欲を伝える場合も、何をどうステップアップしたいのかを明確にしなければ、他社と区別がつきません。
ただの前向きな言葉として流されてしまいます。
福利厚生は多くの就活生が気にする点ですが、あくまで補足的な理由にとどめるべきです。
動機の主軸にしてしまうと、待遇目的と思われるリスクがあります。
スケールの大きな業務に関心を持つのは良いことですが、それだけでは志望理由としては弱い印象を与えます。
なぜその企業でそれができると思ったのか、裏付けが必要です。
抽象的で便利な言い回しですが、何を通じて成長したいのか、企業とどう関わっていくのかが不明確です。
意欲だけでなく、具体的なビジョンが求められます。
志望動機をアレンジして使い回すコツ
- 考え方や就活軸だけを再利用する
- 企業研究で「なぜこの会社なのか」落とし込む
- 自分の体験談やエピソードを盛り込む
- 強みを使い回す
志望動機を一からすべて書き直すのは、エントリーする企業が多いほど大きな負担になります。
しかし、すべてを別々に用意する必要はありません。ポイントを押さえれば、核となる部分を上手に使い回しながらも、それぞれの企業に合わせた説得力のある志望動機を作ることが可能です。
ここでは、志望動機をアレンジして活用するための具体的なコツを紹介します。
考え方や就活軸だけを再利用する
就職活動では、自分の価値観やキャリアの方向性といった「就活の軸」を持つことが重要です。
この考え方はすべての企業で一貫していて問題ありません。
「挑戦できる環境を重視している」「チームで成果を出す仕事がしたい」といった軸は、企業ごとに表現を変えながら使い回すことができます。
ただし、その軸がその企業とどう重なるのかは、個別に説明を加える必要があります。
あくまで考え方の再利用にとどめ、表現や事例は企業ごとに調整しましょう。
企業研究でなぜこの会社なのかを落とし込む
使い回しの志望動機に説得力を持たせるためには、その企業独自の要素を組み込むことが不可欠です。
企業の理念、事業展開、強み、社風などを調べ、それが自分の志向や経験とどう結びつくのかを言語化しましょう。
同じ業界でも、企業ごとに方向性や特徴は異なります。
企業研究を通じて得た情報を、動機の中に自然に盛り込むことで、テンプレート的な印象を与えずに済みます。
自分の体験談やエピソードを盛り込む
説得力のある志望動機には、個人的な経験やエピソードが欠かせません。
実際の体験は、他の応募者と差別化できる強力な武器になります。
学生時代のプロジェクト、アルバイトでの経験、ボランティア活動などを通じて得た学びを具体的に示すと、その動機が自分だけのものであると伝わります。
使い回しをする場合も、このエピソード部分はできるだけ活用する価値があります。企業ごとに強調する点を変えることで、内容に新鮮さを持たせることができます。
強みを使い回す
自分の強みは、志望動機の中でもっとも汎用的に使える要素のひとつです。
責任感、協調性、課題解決力など、どの企業でも評価される資質は、そのまま複数の志望動機に使うことができます。
ただし、企業ごとにどの強みがよりマッチしているかを見極め、アピールするポイントを選ぶことが大切です。
さらに、その強みをどう活かせるかについても、企業の特徴や職種に合わせて具体的に語ることで、使い回し感を薄めることができます。
使い回してOK・NG部分
志望動機は、すべてを一から作る必要はありません。
重要なのは、使い回せる部分と、企業ごとに調整すべき部分を正しく見極めることです。
これを意識するだけで、作業の効率が上がるだけでなく、選考通過の確率も高めることができます。
使い回しても問題ない就活軸や強み
自分が大切にしている価値観や、働くうえで重視している考え方は、多くの企業に共通して伝えられる要素です。
これらの就活軸は、志望動機の中で繰り返し使っても問題ありません。
挑戦を恐れず行動する姿勢や、協調性を大切にしているといった価値観は、さまざまな業界や職種に当てはまります。
また、自分の強みとして挙げることが多い継続力や責任感なども、基本的には変えずに複数の企業で活用できます。
このように、自分の核となる部分は使い回す前提でベースを作っておくと、毎回一から考える手間を省くことができ、就職活動全体の負担を大きく減らすことができます。
必ず企業ごとに調整が必要な志望理由
一方で、企業を志望する理由は、最も注意が必要な部分です。
ここが曖昧なままだと、どの企業にも通用しそうな内容になってしまい、志望動機の使い回しが簡単に見抜かれます。
社会貢献に興味がある、成長できる環境に魅力を感じた、というような表現だけでは、企業に対する理解や共感が伝わりません。
企業ごとに異なる理念や事業内容、社風などを把握し、それが自分とどう関係しているのかを具体的に説明する必要があります。
企業研究をしっかり行い、自分の経験や考え方と結びつけることで、同じ軸を使いながらも企業ごとに適した志望動機を作ることができます。
志望動機を効果的に仕上げる5ステップ
- 企業情報を徹底リサーチ
- 自分の強みとエピソードを明確に
- 企業との接点(共通点)を見つける
- 抽象ワードを具体的に言い換える
- ツールや例文を使ってブラッシュアップ
志望動機を使い回す場合でも、企業ごとに調整することで完成度の高い内容に仕上げることができます。
ただ何となく表現を変えるのではなく、しっかりとした手順に沿って進めることで、相手に伝わる志望動機が作れます。
ここでは、志望動機を効果的に仕上げるための5つのステップを紹介します。
企業情報を徹底リサーチ
まずは企業の情報を徹底的に調べることが基本です。
公式サイトのほか、プレスリリースやニュース記事、社員インタビューなども参考になります。
企業理念、事業内容、今後のビジョン、社風などを把握することで、その会社ならではの魅力や特徴が見えてきます。
このリサーチが甘いと、志望動機が他社でも通じるような表面的な内容になり、使い回しがバレる原因になります。
自分の強みとエピソードを明確に
自分の強みが何か、どのような経験を通じてそれを身につけたのかを明確にしておくことが大切です。
強みは使い回しがしやすい要素のひとつですが、実際の体験やエピソードと結びつけることで、説得力が格段に増します。
エピソードは、企業に合わせて焦点の当て方を変えることで、同じ経験を複数の志望動機に効果的に活用できます。
企業との接点(共通点)を見つける
企業との共通点を見つけ、それを志望動機に落とし込むことで、個別性の高い内容になります。
自分の価値観と企業の理念が重なる点、過去の経験と企業の取り組みに通じる部分などを見つけると、自分自身とその企業のつながりが自然に表現できます。
この接点こそが、「なぜこの会社なのか」を明確にする要素です。
抽象ワードを具体的に言い換える
志望動機の中でよく使われる表現の中には、あいまいで印象に残らないものも多くあります。
「成長したい」や「社会に貢献したい」などは、具体的にどういうことなのかが伝わらないと、ただの使い回しと受け取られてしまいます。
抽象的な言葉は、自分の行動や思考と結びつけて言い換えることで、より説得力のある内容に仕上がります。
ツールや例文を使ってブラッシュアップ
一通り内容がまとまったら、他人の目を通すつもりで文章を見直しましょう。
就活支援サービスが提供している志望動機のテンプレートや、AIツール、例文集なども参考になります。
客観的な視点で確認することで、表現のバランスや抜け落ちている情報に気づけることもあります。
ただし、例文をそのまま使うのではなく、自分の経験や志向に置き換えて活用することが前提です。
まとめ
志望動機を複数の企業で使い回すことは、時間を有効に使う上で有効な手段です。
しかし、すべてをそのまま使うのではなく、企業ごとの特徴をしっかりと捉え、個別に調整を加えることが成功の鍵となります。
就活軸や強みといった一貫性のある部分は再利用しつつ、志望理由は企業ごとにリサーチした内容を反映させる必要があります。
また、曖昧な表現を避け、自分の体験や価値観を具体的に盛り込むことで、他の応募者と差別化が可能になります。
効率と説得力のバランスをとることで、志望動機の使い回しを上手に活用しながら、選考通過を目指しましょう。
