明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・薬剤師の業務内容
・就活の軸の作り方
・薬剤師を目指す際にウケの良い就活の軸
・薬剤師を目指している人
・薬剤師に合う就活の軸を知りたい人
・就活の軸がなかなか見つからない人
はじめに
就活においては自己PRや志望動機などが注目されがちですが、就活の軸も同様に重要です。
就活の軸は就活をスムーズに進めるために必要であり、何より面接などで聞かれることもあります。
今回は薬剤師を目指している方が就活の軸を作るにあたって覚えておきたいポイントなどについて詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてください。
就活の軸とは
就活の軸とは「就職活動を進める上で絶対に譲れない条件」のことです。
自分が何を大切にし、どのような働き方を望むのかを明確にするものと言えます。
軸が明確でないと志望動機や自己PRが曖昧になり、企業側に意欲や熱意が伝わりにくくなってしまいます。
反対に、軸がしっかりしていると、企業選びの基準が明確になり、応募先の選定や面接対策も効率的に進むでしょう。
志望動機もより説得力が高まり、面接でも自信を持って話せるようになります。
この記事を活用して、ぜひ明確な就活の軸を設けておいてください。
就活の軸を聞く理由
企業がこの質問を通じて知りたいことも把握しておきましょう。
もちろん、企業によってそれぞれ多少意図は異なることもありますし、別の要素を同時に見られていることもあります。
しかし、以下の2つの項目は薬剤師に限ったことではなく、どのような職業を目指している方でも、確認されている可能性が高い項目です。
ぜひ、以下の2点が伝わってくるような就活の軸の回答を用意しましょう。
志望度の高さを測るため
志望度の高さを測る意図は間違いなくあります。
企業は自社に強い関心を持ち、働きたいと強く願っている応募者を採用したいと思っていることがほとんどです。
したがって、軸を尋ねることで「なぜ自社を選んだのか」「どのような魅力を感じているのか」を知りたいと考えているのです。
軸がはっきりしていると、どのように働きたいかが明確であり、その方向性が企業の価値観やビジョンと一致しているかどうかも確認できます。
また、軸が他の企業と比較しても自社に強く合致している場合、採用側は「この人は長く働いてくれそうだな」と感じ、評価も高まることでしょう。
応募者の価値観を把握するため
もう1つの理由として、応募者の価値観を把握することが挙げられます。
企業は自社の文化や方針に合う人材を求めているため、応募者がどのような価値観を持っているか知りたいと考えています。
特に薬剤師として働く場合、仕事への姿勢や患者対応への考え方は重要です。
就活の軸を尋ねることで、応募者がどのような考えを持っているかを具体的に把握でき、それが自社にフィットするかどうかを見極められます。
企業は入社後、長く働いてくれる人を採用したいと考えているため、応募者の価値観を理解し、自社に合うかどうかを慎重に見極めています。
したがって、就活の軸について尋ねられた際には、企業の理念や方針と関連付けながら自分の価値観を具体的に伝えることが大切です。
就活の軸を持っておくメリット
続いて、就活の軸を設けておくメリットについて紹介します。
メリットを知っておけば、より正確で自分に適合した軸を設けようとモチベーションも高まるでしょう。
ぜひ確認しておいてください。
企業選びの判断基準が明確になる
就活の軸を設けておくと、企業選びの判断基準が明確になり、応募先の企業が自分にとって働きやすい環境かどうか判断しやすくなります。
働き方や職場環境、キャリアパスなど、軸が定まっていると効率的に企業を選べます。
薬剤師の職場には調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業など様々な選択肢がありますが、自分の軸を持っていると、どの業種が自分に合っているかを冷静に判断できるでしょう。
また、自分のキャリアの方向性を明確にしておくことで、企業説明会やインターンシップなどでの情報収集も効率的に進められます。
面接での回答に一貫性を持たせられる
面接の回答に一貫性を持たせられるというメリットも存在します。
企業側は面接時に他社の選考状況や企業選びの基準を質問してくることも多いです。
その際、軸がはっきりしていれば、どの企業に対しても同じ基準で説明できるため、回答にブレが生じにくくなるのです。
特に薬剤師の採用面接では職場選びのポイントや将来のビジョンについて具体的に聞かれるケースが多いため、軸を持っているかどうかで印象が大きく異なります。
軸が定まっていないと面接での回答はその場しのぎのものとなり、一貫性のない印象を与えがちです。
しかし、軸がしっかりしていれば、どの質問に対しても自信を持って答えられ、企業側にも説得力を感じてもらえるでしょう。
志望動機の説得力を高められる
就活の軸を持っていると、志望動機にさらに強い説得力を持たせられる点も大きなメリットです。
志望動機を書く際にはただ「働きたい」という気持ちを伝えるだけでは不十分であり、なぜその企業で働きたいのかを具体的に示す必要があります。
その際、就活の軸を明確にすれば、自分の価値観や考え方に基づいた理由を述べることができ、採用担当者にも納得してもらえるでしょう。
就活の軸について聞かれた時と、志望動機について聞かれた時の回答が完全に一貫しているかどうかを、採用担当者は必ず確認しています。
それぞれの回答にブレがなく、一貫した姿勢で話している人は「嘘をつかない」「正直に話している」という点をクリアできるだけでなく、信念を持っており、それに基づいて就活を進めている意志の強い人だと思ってもらえます。
薬剤師向けの就活の軸の具体例4選
続いて、薬剤師を目指している方向けの就活の軸の具体例を4つ紹介します。
以下の4つをわかりやすく企業の取り組みなどになぞらえて回答できれば、あなたのモチベーションの高さが伝わる、質の高い回答となるでしょう。
あなたがどのような企業を目指しているかを考えながら、以下の4つの中から合致するものがあれば、自分の軸として据えてください。
地元に貢献したい
「地元に貢献したい」という軸を揚げれば、地域社会とのつながりを重視する姿勢を示せます。
薬剤師は地域の住民に直接寄り添う立場で健康を支える役割を担うため、この軸を持つことは非常に意義深いです。
特に地域密着型の薬局や病院では患者と良好な関係を築くことが求められます。
地元に根ざした薬剤師として、患者一人ひとりの体調管理や薬歴を丁寧に把握し、地域の健康を支える姿勢が大切です。
こうした点を踏まえて、地元に貢献したいという軸を持てば、企業側にも「長く働いてくれる人物だ」と高く評価されるでしょう。
挑戦できる環境・キャリアの幅広さ
挑戦できる環境やキャリアの幅広さを重視することもおすすめです。
幅広い業務経験を積むことで、専門的なスキルを磨くだけでなく、リーダーシップを発揮する場面も増え、キャリアの選択肢も広がります。
薬剤師の職場には調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業などがあり、それぞれで求められるスキルや役割は異なります。
挑戦できる環境を求める場合には幅広い経験を積むことができ、薬剤師としての総合力を高められる企業が良いでしょう。
特に在宅医療や高度医療、チーム医療に携わる機会がある職場は多面的なスキルを養うチャンスが豊富です。
職場ごとの業務内容を理解し、自分がどの分野で成長したいのかを考えておきましょう。
挑戦を重視することを話せば、向上心や成長意欲の高さが評価される可能性が高いです。
安定した環境で長く働きたい
「安定した環境で長く働きたい」という軸を持つことは就職後のミスマッチを防ぐ上で有効です。
薬剤師として働く環境は長時間勤務、シフト制などが原因で生活リズムが乱れることもあります。
そのため、福利厚生や労働環境がしっかり整備されている企業を選ぶことが大切です。
ただし、やりがいや魅力などについて触れず、福利厚生についてばかり言及すると、マイナスの印象を与えてしまう可能性もあります。
どちらかというと、就活で話す「建前の軸」というよりは企業選びにあたって大切な「本音の軸」として持っておくと良いでしょう。
もし、どうしてもこれらの話を面接でしたい場合は「安定した環境で長く働けるからこそ、その安心感のもとでのびのびと成長し、長く貢献できると思う」といった風に話すと良いです。
企業の将来性・事業の幅
企業の将来性を軸として考えることは、長くキャリアを形成する上で大切です。
将来性があり、事業の幅が広い企業に就職すれば、携わる業務や事業の分野も広がることでしょう。
特に製薬企業やドラッグストアチェーンでは新規事業への取り組みや技術革新が進んでいるかが鍵となります。
企業の将来性を見極めるために、経営方針や新規プロジェクトへの積極性、事業展開の多角化などを確認しておくことをおすすめします。
新しい取り組みを続ける企業では薬剤師のスキルアップの機会も多く、専門性を高めながら活躍できる環境が整っていることが多いです。
薬剤師の就活の軸を答える際におすすめの構成
続いて、就活の軸の回答作成に当たっておすすめの構成を紹介します。
もちろん、こちらは薬剤師を目指す方も活用できる構成ではありますが、どのような職業を目指している方でも活用できるものです。
特に「結論ファースト」という考え方は就活の軸だけでなく、就活全般で活用できる重要なポイントであるため、覚えておいてください。
結論
就活の軸を答える際にはまず結論から述べることが重要です。
結論を先に示すことで、採用担当者が話の要点を理解しやすくなり、インパクトのある回答に仕上げられます。
また「私の就活の軸は〇〇です」と簡潔かつ明確に言い切ることで、自分の考えがはっきりしている印象を与えられます。
この結論部分で曖昧な表現を使うと「どういうことなのか」と解釈に時間がかかり、他の部分の説明が頭に入ってこないことも少なくありません。
ここでの結論がしっかりしていれば、その後の具体例や志望先との共通点も説得力を持たせやすくなるため、まずは結論を明確に、一言で述べることを大切にしましょう。
具体的なエピソード
就活の軸を説明する際には具体的なエピソードを交えることも大切です。
エピソードを含めれば、その軸がどのような経験を通じて形成されたのかを示すことができ、信憑性が高まります。
「〇〇を大切にしています」だけでは説得力に欠けるため、現体験や実際に感じたことを具体的に述べると良いです。
実習経験、ボランティア活動、学業での取り組みなど、自分が薬剤師として働く原点となった瞬間を振り返り、その経験がどのように今につながっているのかを示しましょう。
また、ただ事実を述べるだけでなく、そこから得た学びや気づき、つまり自分の感情がどのように動き、薬剤師を目指すに至ったのかについて述べることがおすすめです。
エピソードを交えることで、より説得力が高まります。
軸と志望先の共通点
軸と志望先の共通点を示すことも欠かせません。
これがしっかりできていないと「なぜその企業を選んだのか」が曖昧なままで、説得力があまりありません。
企業ごとに異なる特徴を理解し、その特徴が自分の軸とどのように合致しているかを整理しましょう。
企業研究で理念や取り組み、働き方などを詳しく調べ、自分の軸と一致している部分を見つけることが大切です。
理解が不足していることが露呈すると「どこでも良いと思っているのだろうな」と思われてしまうため、志望度が高い企業については特に深掘りしておきましょう。
軸と企業の共通点をしっかりと伝えて「その企業でなければならない理由」を明確に伝えることは、良いイメージを与えるために不可欠です。
薬剤師としてどう貢献できるか
最後に、薬剤師として志望企業でどのように貢献できるかを伝えることが大切です。
結論やエピソードで軸を示すだけでは、その軸をどう活かすかが伝わりません。
具体的な貢献方法を述べることで、企業側も「この人は活躍してくれるだろう」と信頼してくれます。
軸に基づいた行動計画や目標を明確に示せば、面接官が自分の成長意欲や仕事への姿勢を理解してくれます。
入社後にどのような分野で活躍していきたいか、どのように成長していきたいかを示すことで、長期的な視点を持っていることも伝わります。
また、企業研究をしっかり行っていることが伝わるような、解像度の高い就活の軸になっているとさらに印象が良いでしょう。
薬剤師向けの就活の軸の例文
続いて、ここまで紹介した薬剤師の方が就活の軸を設けるにあたって意識すべきポイントや構成などを踏まえた上で作成した例文を4つ紹介します。
いずれも企業の採用担当者に良い印象を与えられる可能性が高いものであるため、参考にしながらご自身でも下書きを作ってみてください。
地元に貢献したい
生まれ育った地域で多くの方々に支えられて成長してきたからこそ、地元に恩返しをしたいと思っています。
地元の健康相談会にボランティアとして参加した際、高齢者の方々から「もっと近くに相談できる場所があれば」といった声を多く耳にしました。
そこで私は薬剤師として地域密着型の活動を通じて、健康維持や病気の予防に貢献できる役割が重要だと感じました。
貴社は地域医療に注力し、患者中心のケアを推進しているため、私の理想の薬剤師としての働き方を実現できると考えています。
入社後は地元住民の方々の健康を支えるために、地域医療に特化した取り組みに積極的に参加し、患者の皆様の生活環境に合わせた薬学的サポートを提供する所存です。
挑戦できる環境・キャリアの幅広さ
薬剤師として働き、多様な経験を積んで専門性を高め続けたいと考えています。
ゼミの研究では医薬品開発のプロジェクトに参加し、チームメンバーと連携しながら新しい治療法を探りました。
そこで感じたのは、研究を進める中で出てくる課題に対し、多角的な視点を持って取り組むことの重要性です。
貴社は研修に力を入れているだけでなく、学んだことをすぐに業務に取り入れられる点に魅力を感じています。
入社後は自分の課題を明確にし、毎日の業務で知識やスキルを高め続け、1日でも早く貴社に貢献できる戦力に成長する所存です。
安定した環境で長く働きたい
ゼミで研究を行う際、研究環境があまり良くなく、当初はメンバーが集中して取り組めませんでした。
そこで、デスクの配置などを空調が効きやすいレイアウトに工夫し、また、時間を決めて研究に取り組んだ結果、効率が良くなり、短時間で研究がスムーズに進むようになりました。
この経験から、働く環境を整備して、効率よく取り組む大切さを痛感しました。
貴社は労働環境を常に整備し続けており、社員の皆様の声を積極的に取り入れていることに大きな魅力を感じています。
入社後は安定した環境で腰を据えて日々専門性を高めながら、この地域のさらなる医療の発展に貢献し続ける所存です。
企業の将来性・事業の幅
成長を続ける企業に身を置き、医療の変化に柔軟に対応できる力を身に付けたいと考えています。
大学で医薬品マーケティングを学んだ際、製薬業界の技術革新や市場動向が薬剤師の業務に直接影響することを学びました。
薬剤師としてのスキルを磨き続けるためには、業界の変化に対応しながら幅広い業務経験を積める環境が必要だと考えています。
貴社は先進的な取り組みを行いながら事業を拡大しており、薬剤師の成長をサポートする体制も整っているため、まさに私にとって理想の企業です。
入社後は新しい取り組みにも積極的に挑戦し、業務を通じてスキルを高めながら、貴社のさらなる成長に貢献できるよう努めてまいります。
まとめ
今回は薬剤師を目指している方向けに、就活の軸を設けるコツやポイント、具体例や例文などを紹介しました。
就活の軸は軽視されがちですが、志望動機や自己PRなどに負けず劣らず、就活において大切な項目です。
もし聞かれなかったとしても、軸の有無で就活の進むスピードや自分に合った企業を選ぶ精度の高さが変わってくるため、ぜひ早い段階で設けておいてください。
