はじめに
「入念に対策をしたにもかかわらず、いざ面接に臨んでみると、本番で何も言葉が出てこない」という経験をした人も多いのではないでしょうか。
「しっかり対策をしたのに、なぜうまくいかないんだ」ともどかしく感じていることでしょう。
そこで今回は面接で言葉が出てこなくなる原因や、どうすれば本番でうまく話せるようになるのかについて詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
面接で言葉が出てこなくなる原因
まず、面接で言葉が出てこなくなる原因は何なのかについて考えてみましょう。
何事においても、問題を解決するにあたってはまず原因を理解することが大切です。
多くの方は以下のような原因が当てはまります。
あなたの問題は何なのか、一緒に考えてみましょう。
極度な緊張
面接で言葉が出てこなくなる大きな原因の1つが、極度な緊張です。
特に第一志望の企業や、面接官の人数が多い場合にはプレッシャーから体が固まり、うまく言葉が出てこなくなることもあります。
緊張によって思考が追いつかなくなり、頭の中が真っ白になることも珍しくありません。
このような状態では準備してきた内容すら思い出せず、自信を失ってしまうでしょう。
また、周囲の反応に壁を感じ、変なことを言っていないか、評価が下がったのではないかといった不安も緊張を強める要因となります。
緊張は自己表現の妨げになるだけでなく、本来の実力を発揮できなくなるため、事前にリラックスする方法を見つけておくことが大切です。
性格的に話すのが苦手
もともと人と話すのが苦手な性格である場合や、言葉で自分の考えを伝えるのが得意でない場合、面接の場面でうまく言葉が出てこなくなることがあります。
特に人見知りの傾向がある人は初対面の面接官と向き合うだけで緊張してしまい、普段通りの会話すら難しく感じてしまうでしょう。
また、自分の考えを即座に整理して伝える力に自信がないと「何かうまいことを言わなければならない」という思いが先立ち、余計に話せなくなってしまうものです。
こうした傾向がある人は、無理に完璧な受け答えを目指すのではなく、まずは短くとも自分の言葉で伝えることを意識することで、少しずつ話すことに慣れていく必要があります。
準備不足による不安
シンプルに準備不足でうまく話せない人もいるでしょう。
十分な対策をせずに本番を迎えると自信が持てず、質問に対して瞬時に言葉が出てこなくなります。
内容を整理していないまま面接に臨むと、何を話せばよいかがわからなくなり、曖昧な答え方になったり、途中で言葉に詰まったりしやすくなるのです。
また、企業研究や志望動機の整理が不十分だと、質問の意図がわからず、答える内容に説得力が欠けるため、面接全体における自信の低下につながります。
面接の成否は事前準備の量と質によって大きく左右されるものです。
したがって、話す内容を事前にまとめておくだけでなく「自分の言葉で話す」練習をすることが大切です。
予想外の質問をされた
予想外の質問をされた時、頭が真っ白になり、言葉が出てこなくなることはよくあります。
想定していなかった角度からの質問や、準備していないテーマを問われた瞬間、自分の中に答えが浮かばず、戸惑いや焦りが一気に襲ってくるのです。
この時「どう答えれば正解なのか」などと考えすぎると、より混乱して言葉に詰まってしまいます。
特に論理的な説明を求められる質問や、自分の価値観に踏み込むような内容は瞬時に整理して話すのが難しく感じられるものです。
また、想定外の質問に対して「うまく答えられなければ、評価が下がる」と思い込んでしまって、自分を追い込みすぎて、さらに話しにくくなってしまうこともあるでしょう。
こうした事態を防ぐためには、質問に対してすぐに話し始めようとするのではなく、落ち着いて考える間を取ることが大切です。
面接で言葉が出てこない人が意識すべきポイント3選
続いて、面接で言葉が出てこない人が意識すべきポイントについて紹介します。
以下の3つを意識できていれば、これまで面接であまりうまく自分を表現できていなかった人も、次の面接ではスラスラと言葉が出てくるようになるはずです。
しっかりと対策を行い、次の面接は成功させてください。
1.自信を持つ
面接でうまく話すためには、自信を持つことが重要です。
とはいえ、緊張するのは悪いことではなく、むしろ真剣に取り組んでいる証と言えます。
ただし「失敗したらどうしよう」といった不安が強くなると、思考がまとまりにくくなり、言葉が出てこなくなる原因にもなります。
そこで、自信をつけるためにはまず自己分析を通して、自分の強みやこれまで頑張ってきた経験を見つめ直し、それを前向きに受け止めることが大切です。
さらに、模擬面接などで繰り返し練習を積むことで不安が薄れ、自分の中に徐々に安心感が生まれていきます。
また「完璧に話さなければならない」と思い込まず、自分らしさを受け入れる姿勢を持つことで、気持ちが楽になり、自然に言葉が出やすくなるでしょう。
2.自己表現力を身につける
面接では話の内容だけでなく、どう伝えるかが評価を左右する大きな要素です。
そのため、自己表現力を身につけることは言葉に詰まらず、自分の考えを伝えるための鍵となるでしょう。
「自己表現力」とは自分の考えや気持ちを相手に伝わりやすく、かつ魅力的に伝える力のことです。
内容がしっかりしていても、伝え方に自信がなかったり、表情や声のトーンが不安定だったりすると、相手には十分に伝わりません。
反対に、言葉に詰まりながらも、誠実さや熱意が伝わる話し方さえできれば、面接官の印象に残る面接になります。
自己表現力はトレーニングで高めることが可能です。
後ほど自己表現力を身につける方法について紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
3.話をまとめる力をつける
話をまとめる力が不足していると、頭の中では言いたいことがあったとしても、それを順序立てて話せず、何が言いたいのか伝わりません。
面接では限られた時間の中で自分の考えを的確に伝える必要があります。
そこで、話す前に頭の中で構成を組み立てる習慣を身につけることが大切です。
話をまとめる力がないと、質問に対する答えが長くなりすぎたり、結論が見えにくくなったりするため、聞き手の理解を妨げてしまいます。
また、話しているうちに自分でも何を言いたかったのかわからなくなってしまい、緊張と混乱が重なって言葉に詰まってしまうこともあるでしょう。
そのため、後に説明する方法を活用して、話をまとめる練習をしておいてください。
【面接で言葉が出てこない時は?】自信をつける方法
面接で言葉が出てこない理由として、自信がないことが最も大きな原因の1つであると言えるでしょう。
では、どうすれば自信が身につくのでしょうか。
以下の3つの対策を入念に行えば、自信がついて、本番でもより堂々と話せるようになるはずです。
自信がつくまで練習し続ける
自信を持つためには、練習を重ねることが最も大切です。
頭で分かっていても「うまく話せるか不安」「緊張で言葉が出なくなったらどうしよう」という思いが残る限り、本番で自信を持つのは難しいものです。
練習の回数が増えれば、その都度改善点が見つかり、自分の話し方や考え方をより洗練させられます。
そして「ここまでやったのだから大丈夫」という安心感が生まれ、それが本番での落ち着きにつながっていきます。
1人で繰り返し話す練習をするのもおすすめですが、第三者に聞いてもらうのが最も有効です。
フィードバックを受けることで、自分の気づけなかった悪い癖にも気づけます。
また、練習は「回数」だけでなく「自分が納得できるまで取り組むでは緊張、面接官や聴衆など、こと」が大切です。
単に「5回、10回」と数を意識するのではなく、どれだけ本番に近い形でシミュレートできるかを意識しましょう。
自信がない部分をスキルアップする
自信が持てない原因が明確な場合は、その部分をスキルアップすることで自信の土台を作ることができます。
話すことに対する苦手意識がある人や、人前で緊張しやすい人は「話すのが苦手である」という思い込みが無意識に影響してしまい、面接でなかなか話せません。
そこで、あえて人と接する機会を作り出しましょう。
人前に出て話すのが苦手ならば、授業内での発表やプレゼンに積極的に立候補すれば、自分が主役になる場面が増えて、人前で話す経験値が増えていきます。
このように練習を重ね、自分が苦手なことにチャレンジしてみることで「意外とうまくいった」「思っていたほど怖くなかった」という成功体験が積み重なり、それがやがて自信になるのです。
最初は緊張することも多いですが、地道な挑戦を続ければ「自分にもできる」と自信がついていくでしょう。
内容について入念に準備する
自信を持って面接に臨むためには、事前の準備を徹底することも非常に重要です。
「これだけやってきたのだから、落とされても仕方ない」というレベルまで準備すれば、緊張することもなくなるはずです。
反対に、準備をおろそかにしたまま本番に臨むと「何を話そう」「何を聞かれるのだろうか」と不安ばかりが先に立ち、その不安が態度にも出てしまいます。
最低でも、志望動機や自己PRなど、よく聞かれる質問は繰り返し深掘りし、自信を持って答えられるようにしましょう。
また、事前に想定質問に対する「答えを準備する」だけでなく、それらの内容を「自分の言葉で語れるように練習する」ことが大切です。
文字にした時には整っていても、声に出すとつまずく表現や言いにくい構成もあるため、何度も声に出して確認して、自然に話せるようになっておきましょう。
【面接で言葉が出てこない時は?】自己表現力を身につける方法
続いて、自己表現力を身につける方法について紹介します。
「自信はあるものの、表現力が足りずにうまく話せない」という方も少なくありません。
以下の3つの対策を行えば、より自分の考えを表現できるようになるでしょうから、参考にしてみてください。
色々な人と関わる
自己表現力を高めるためには、自分だけの視点だけではなく他者の考え方や価値観に触れることも欠かせません。
そのためにはできるだけ多くの人と関わり、会話を重ねることがおすすめです。
相手によって言葉の受け取り方や伝わりやすい表現は違うため、対話の中でどのように伝えれば良いかを学びやすくなります。
色々な人と関わることで、自分の主張を一方的に述べるのではなく、相手の反応を見ながら伝える力が磨かれていきます。
さらに、会話を通じて、様々な言い回しや語彙の使い方にも触れることで、表現の幅も広がるでしょう。
日常の中にある一つひとつの会話において「これは自己表現のトレーニングの場である」という意識を持つことが大切です。
人前での発表経験を積む
自己表現力を養ううえで避けて通れないのが、人前で話す経験です。
いくら内容がよくまとまっていても、実際に人前で話した時にうまく伝わらなければ、その力を十分に発揮できたとは言えません。
発表の場では緊張、面接官や聴衆など、普段の会話とは異なる要素が加わるため、表現する力が試されます。
そこで、人前で自分の考えを伝える経験を積み、実践的な表現力を向上させましょう。
授業の発表やプレゼンに積極的に参加することで、自分の言葉がどう受け止められるのかを肌で感じられます。
また、発表などに寄せられる意見、感想や質問を活用すれば、伝え方に対する客観的なフィードバックも得られるでしょう。
こうして場数を踏むことで、発表に慣れるだけでなく、改善点が浮き彫りになり、伝わりやすい工夫ができるようになります。
本や映像作品からインプットする
自己表現力を高めるためには、豊富な語彙や言い回しを身につける必要があります。
どれだけ気持ちがあっても、言葉として適切に表現できなければ、相手にうまく伝わらず、もどかしい思いをすることになります。
そのため、自分の表現力を支える土台として、語彙や表現を蓄えましょう。
その手段の1つが、本や映像作品からのインプットです。
小説やエッセイ、映画などに触れることで、普段の生活では出会わない語彙や表現に触れられます。
もちろん、純文学でしか使わないような、小難しい表現をあえて使う必要はありません。
しかし「この言い回しは面接で使えるぞ」と思うものがあれば、ぜひメモを取っておきましょう。
【面接で言葉が出てこない時は?】話をまとめる力を身につける方法
「話すこと自体はできるものの、要点をまとめることができず、相手にいまいち意図が伝わらない」という人は以下のような対策に取り組むと良いでしょう。
要点をまとめることは面接だけでなく、ES作成にも役立てられるため、全体的な評価も上がるはずです。
本を読む
話をまとめる力を身につけるためには、日頃から情報を整理しながら受け取る習慣を持つことが大切です。
中でもおすすめなのが、本を読むことです。
読書はただ内容を追うだけでなく「この作者は何を言っているのか」「どういう順序で展開しているのか」と考えながら読み進めるため、自然と頭の回転が速くなっていきます。
加えて、語彙力や文章力も高まり、自分の考えを言葉でまとめる力の向上にもつながります。
特に、論説文やエッセイ、小説の中で心情描写が丁寧に描かれているものを読めば思考の流れを意識する力を養うことができ、話の筋道を立てて整理する練習にもなるでしょう。
こうした積み重ねによって、自分が話すときにも内容を的確に整理し、わかりやすく伝える力が養われます。
話す練習をする
話をまとめる力は、頭の中で考えているだけでは身につきません。
実際に声に出して話してみることで、初めて自分の考えがどのように伝わるのかを体感できるようになります。
口に出す練習を重ねることで、思考の整理にもつながり、話の順序や構成を意識する癖が少しずつ身についていきます。
練習の際に特に意識したいのは、自分が話しやすいパターンや言い回し、そして話が迷走しがちな場面です。
そうした傾向を客観的に把握できれば、面接でも構造を意識した話し方ができるようになります。
さらに、アウトプットの経験を積んでおけば、予想外の質問にも落ち着いて対応しやすくなります。
面接では準備してきた内容だけでなく、その場で考えて応じる柔軟さも求められるため、こうした練習は非常に有効です。
面接での回答の組立て方に慣れる
面接では限られた時間内で端的かつ明確に自分の考えを伝えることを求められます。
そのため、話をまとめる力を高めるために、面接でよく使われる回答の型に慣れておくことが大切です。
特に「結論から話す」という構成に慣れることで、自分の考えを整理しやすくなり、相手にも伝わりやすくなります。
話の冒頭で要点を提示し、その後に理由や背景、エピソードを添えるという順序は最も基本的な回答のスタイルです。
この型に慣れておくと、緊張しても話が脱線しにくくなり、話にまとまりが生まれます。
また、面接練習で同じ構成を意識して話すことで「どの質問にもこの順番で伝えればいい」という安心感が生まれ、本番でも動揺せずに受け答えできるようになります。
面接で見られているポイント
面接でどのような点をチェックされているのかについても、理解を深めておきましょう。
どのような点を重視されているか理解しておけば、よりそれらを意識して話せるようになり、評価も高まりやすいです。
ぜひ以下の3点を覚えたうえで、本番に臨んでください。
1.会話のキャッチボールができているか
面接において重視されるのは、ただ用意した答えを伝えることではなく、面接官とのやり取りを通じてスムーズなコミュニケーションが取れるかどうかです。
「会話のキャッチボールができているか」は評価の基準として非常に重要と言えます。
面接官からの質問に対して自分の話を一方的に述べるのは「ドッジボール」のようなものです。
そうではなく、質問の意図を正しく理解し、それに対して的確に返答する「キャッチボール」が大切なのです。
さらに、相手をよく観察し、必要に応じて補足を入れたり、表情やリアクションに合わせて言葉のトーンを変えたりする柔軟性も求められます。
こうした「対話力」は入社後に社内はもちろん、取引先と関わる場面でも必要とされるため、面接時から入念にチェックされています。
2.結論ファーストで理解しやすい回答ができているか
面接では限られた時間内で質問に答える必要があるため、端的でわかりやすい話し方が求められます。
その中でも特に重要なのが、最初に要点を伝える「結論ファースト」の話し方です。
まず結論を述べてから理由や背景を補足することで、聞き手である面接官も内容を素早く理解しやすくなります。
「自分はこう考えています」「こういう経験をしました」と冒頭で明示することで、何を伝えたいのかが明確になり、話の筋も通りやすいです。
反対に、結論を曖昧にしたまま話し始めてしまうと、主張の意図が伝わらず、面接官に余計な負担をかけてしまいます。
どのような質問に対してもまず結論を伝える習慣を身につけておくと、面接全体の印象が大きく変わるでしょう。
3.人柄
面接ではスキルや経験だけでなく「この人と一緒に働きたい」と思えるかどうかという「人柄」も重要な評価ポイントになります。
企業側は能力だけでなく「社内で良好な関係を築ける人物か」「信頼できるか」といった点を面接を通して見極めています。
特に新卒採用では入社後の成長や組織に馴染めるかが重視されるため、誠実さや素直さ、協調性といった姿勢が主な評価対象です。
人柄は話の内容そのものよりも、話し方や表情、態度、そして相手の話を聞く姿勢といった細かな部分に表れます。
「緊張していても目を見て話す」「話を聞くときは熱心にうなずく」など「自分が面接官だったら、どんな態度の人を採用したいだろう」を考えることが大切です。
最後に
今回は「面接で言葉がなかなか出てこない」と悩む方のために、どのような原因があり、それらを解決するにはどのような対策をすれば良いかを詳しく紹介しました。
真面目に取り組んできた人ほど、本番でうまく話せなかった時のダメージは大きいことでしょう。
しかし、この記事を参考に対策すれば、きっと次はうまく話せるようになりますから、気負いすぎず、落ち着いて次の面接に臨んでください。