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- 営業がきついとされる理由
- 営業に向いている人の特徴
- 営業としてのやりがい
- 営業に興味のある人
- 営業がきついとされる理由を知りたい人
- 自分が営業に向いているか知りたい人
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この記事は営業職についてしっかり解説している分、数分では読み終わりません。
お急ぎの方は先に適職診断ツールを用いて、自分が営業職に向いているか判断してみるのも良いでしょう。
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はじめに
営業職を目指していると就活仲間に話した時に「営業ってきついって聞くけど大丈夫?」などと言われたことがある人も多いのではないでしょうか。
自分が営業職としてやっていけるのか、不安に感じている人も少なくないでしょう。
そこで今回は営業職が本当にきついのか、きついと言われる理由は何なのかについて詳しく紹介します。
ぜひこの記事を参考に、自分が本当に営業職を目指すか検討してみてください。
営業職がきついとされる理由10選
営業職がきついとされる理由は大きく分けて10個あります。
もちろん「営業職=以下の10個の要素がすべて該当する」というわけではありませんし、これらの要素を特にきついと感じない人も居るでしょう。
10個確認してみて「大変そうだから嫌だな」と思うか「別にそこまで大変ではなさそうだけども」と思うかで、適性を判断できます。
そこで、まずはきついと言われる理由について考えてみましょう。
・ノルマに追われるプレッシャー
・顧客からのクレーム
・成果に直結する不安定な収入
・不規則な労働時間
・継続的な学習が求められる
・膨大な事務作業を求められる
・転勤・移動が多い
・成果主義な風潮
・人間関係のストレスを感じやすい
・押し売り営業の可能性がある
ノルマに追われるプレッシャー
多くの企業は売上や契約件数などの数値目標を設けており、これらの達成状況がそのまま評価に直結します。
数字を達成しなければ上司から詰められたり、昇進や賞与に影響したりするため、常にプレッシャーがかかり続けます。
特に新卒1年目から明確な数値目標が与えられる企業の場合、成果が思うように出ない中で、精神的な負担を感じる人も少なくありません。
また、達成が当たり前という文化の職場では目標を満たせないことが「甘え」とみなされる雰囲気があり、周囲からの視線もストレス要因となります。
こうした環境に身を置くのは、数字を追うことに強い意欲がある人には向いています。
しかし、自分のペースで仕事を進めたい人には向いていないでしょう。
顧客からのクレーム
営業職の中でも、特に新規開拓型の業務では初対面の相手に自社の商品やサービスを売り込む必要があり、拒絶されたり冷たい対応をされたりすることがあります。
テレアポで電話をかけた瞬間に切られたり、訪問先で門前払いを受けたりすることも珍しくありません。
また、もし話を聞いてくれたとしても、強引な営業と受け取られたり、期待した結果が出なかったことに対してクレームを受けたりする可能性もあります。
自分なりに努力して提案を準備し、丁寧に対応したとしても、それが必ずしも評価や感謝につながるとは限らないため、モチベーションが下がりやすくなるのです。
収入が成果と直結するため不安定
営業職に成果報酬型の給与体系を取り入れている企業は非常に多いです。
契約件数や売上額がそのままインセンティブに反映されるため、高い成果を出せば年収が大きく上がる可能性があります。
しかしその反面、数字が思うように伸びない時期には基本給しか受け取れない月が続くこともあり、収入の差が大きい傾向になります。
特に新卒のうちは経験や人脈が乏しいため、安定して成果を出すことが非常に難しく、収入も不安定になりやすいです。
企業によっては基本給が少なく、インセンティブありきの設計になっている場合もあり、毎月の生活費に不安を抱える社員も少なくありません。
不規則な労働時間
営業職は常に顧客の都合を最優先にスケジュールを組む必要があり、勤務時間が不規則になりやすい傾向にあります。
法人営業では平日の日中にアポイントが集中することが多いですが、個人向けの営業では顧客が仕事を終えた夕方以降や土日祝日に訪問を求められることも少なくありません。
したがって、営業担当者は定時に帰れる日が少なく、休日に働くことが常態化しているケースも多いです。
また、移動時間が長くなることも多く、事務作業を終了後にまとめて処理しなければならないという状況も生まれます。
これによりワークライフバランスを保つことが難しくなり、プライベートの時間が削られてしまう人も少なくありません。
継続的な学習が求められる
営業職では常に学び続ける姿勢が求められます。
商品やサービスに関する知識を身につけるだけでなく、競合他社の動向や業界全体のトレンド、顧客企業の事業内容や課題についても把握しておく必要があります。
学ぶしせいがないと相手のニーズに合った提案ができず、信頼を得ることは難しいです。
特にBtoBの営業では提案の際に専門用語や業界特有の課題に触れる場面もあり、自分が扱っている商材とは無関係な分野まで広く理解することが求められます。
休みの日に勉強しなければならないことも多く、当然ながら休みの日に勉強するということは給料も発生しないため、精神的にも負担が大きくなります。
膨大な事務作業を求められることもある
営業職と聞くと外回りや商談のイメージが強いですが、大量の事務作業もこなせなければなりません。
日報・週報の作成、顧客とのやり取りの記録、見積書・契約書の作成・修正、顧客情報のデータベース登録などです。
もちろん事務担当の人がこなしてくれることもありますが、自分でやらなければならないことも多く、疎かにできません。
事務作業に割ける時間は限られており、外出から戻った後に深夜まで作業する人が多いのが実情です。
転勤・異動が多い
営業職は地域に根ざした活動が重視されますが、全国展開している企業の場合には人事異動が頻繁に行われます。
特に総合職として採用された場合、定期的な転勤が前提とされており、数年おきに配属先が変わるケースも少なくありません。
また、同じ都市圏内であっても担当エリアが突然変更されることもあり、そのために新しい地域の顧客を1から開拓しなければならなくなります。
こうした転勤や異動は個人の事情よりも会社全体の戦略や人員バランスを優先して決められることが多いため、本人の希望が必ずしも通るとは限りません。
特に家庭の事情やパートナーとの生活を充実させたい人にとっては、定期的な異動は大きな負担となるでしょう。
成果主義な風潮
営業職には「結果が全て」という評価軸が強く根付いており、どれだけ誠実に仕事に取り組んでも、成果が出なければ評価に繋がらないという厳しさがあります。
契約に至るまでの努力や過程が軽視されることもあり、数字という明確な指標のみで判断されがちな環境であるため、自分の仕事が正当に評価されていないと感じやすいです。
また、営業活動には季節や景気、競合の影響など、自分の努力だけではどうにもならない外部要因も多く、それが評価に直結してしまうことにやるせなさを感じる人もいるでしょう。
新しい顧客を丁寧にフォローしながら関係構築を進めていたとします。
それでも成約数が0であれば、数字上は何もしていないとみなされてしまいます。
人間関係のストレスを感じやすい
営業職では社内外の多くの人と関わることが求められます。
顧客との相談や打ち合わせだけでなく、社内でも商品開発部門や事務担当とのやり取り、上司への報告など、様々なコミュニケーションが発生します。
相手の立場や状況に配慮しながら発言や行動をする必要があり、自分の意見を押し通すだけでなく、状況に応じた柔軟なやり取りが不可欠です。
その分、言葉選びや表現の仕方に気を使う場面が多く、常に緊張感を持って人と接することになります。
加えて、顧客から無理なお願いをされるなど、自分の意志と異なる要求に応えざるを得ない場面が増えると、よりフラストレーションが溜まりやすくなるでしょう。
押し売り営業を強いられる可能性がある
営業職では自分が本心から良いと思える商品やサービスだけを扱えるとは限りません。
企業の方針や営業目標を優先して、自分では魅力を感じられない商材を提案しなければならないこともあります。
こういった環境では自分の発言や行動に対する納得感が持てず、内面で葛藤が生じやすくなります。
売上目標を達成しなければならないという義務との間で揺れる中、自分の価値観と業務内容とのズレを感じることも多いです。
また、短期的な数字を優先するような職場では顧客のニーズに合わない提案を求められることもあり、それが押し売りと受け取られる可能性も出てきます。
営業職のきついを乗り越えるための具体的な方法
営業職は厳しいノルマや顧客対応など、精神的な負担が大きい場面も少なくありません。
しかし、いくつかの具体的な方法と考え方を身につけることで、これらの「きつい」と感じる状況を乗り越え、自身の成長へと繋げていくことが可能になります。
・ノルマのプレッシャーを乗り越える方法
・顧客からのクレームに対応する方法
・気持ちの切り替えを上手にする方法
ノルマのプレッシャーを乗り越える方法
ノルマのプレッシャーを乗り越えるには、まず目標を細分化することが有効です。
年間や月間の大きな目標を週次や日々の行動目標に落とし込むことで、日々の達成感を積み重ね、心理的な負担を軽減できます。
また、結果だけでなくプロセスを重視する意識も大切です。
自身でコントロール可能な訪問件数や提案数などに集中し、その質の向上に努めることで、結果は後からついてくると考えましょう。
一人で抱え込まず、上司や同僚と進捗や課題を共有し、チーム全体で目標達成を目指す姿勢も重要です。
プレッシャーを成長の機会と捉え、前向きに取り組むことが乗り越える鍵となります。
顧客からのクレームに対応する方法
顧客からのクレームに効果的に対応するには、迅速かつ誠実な初期対応が不可欠です。
まずはお客様の不満に真摯に耳を傾け、不快な思いをさせたことに対して心から謝罪します。
感情的にならず、事実関係を正確にヒアリングし、問題の核心を把握することが重要です。
その上で、一方的に話を進めるのではなく、代替案や解決策を具体的かつ丁寧に提示し、お客様に納得いただける着地点を探ります。
対応後も再度お詫びと、貴重な意見をいただいたことへの感謝を伝え、今後の再発防止策を明確にすることで、かえって信頼関係が深まることもあります。
気持ちの切り替えを上手にする方法
営業活動で避けられない失敗や拒絶から気持ちを切り替えるには、意識的な習慣が助けになります。
一つの結果に固執せず、「お客様には合わなかっただけ」「今回は学びの機会だった」と客観的に事実を受け止めることが大切です。
物理的に場所を変えてリフレッシュしたり、好きな音楽を聴いたりするなど、短時間で気分転換できる自分なりの方法を見つけておきましょう。
また、日々の業務の中で小さな成功体験を見つけ、自分を褒めることも有効です。
落ち込んだ気持ちを引きずらず、次のアポイントやタスクに意識を向けることで、前向きなサイクルを生み出すことができます。
きついとされる営業職の種類
営業職には様々な種類のものが存在しますが、特にきついとされるのは以下の5つです。
必ず大変というわけではありませんが、傾向としては多いとされています。
少しでもワークライフバランスを保って働きたいと思う方は以下の5つ「以外」の営業を目指した方が良いかもしれません。
・個人向けの営業
・飛び込み営業
・テレアポ営業
・無形商材の営業
・代理店営業
個人向けの営業
個人向けの営業は法人営業と違って、顧客一人ひとりの感情や生活スタイルに直接向き合う必要があり、営業職の中でも精神的負担が大きいとされています。
住宅や保険、自動車といった高額な商品を扱うケースでは購入を検討する顧客の不安や疑念を細かく汲み取り、寄り添った対応が必要です。
一方で、個人の感情は予測が難しく、対応を誤ると信頼関係を築けないまま契約を断られてしまうことも少なくありません。
さらに、平日は仕事で忙しい人が多いため、商談の時間帯が夜間や土日祝日に集中し、生活のリズムが崩れやすくなります。
飛び込み営業
飛び込み営業は事前のアポイントなしに見込み顧客のもとを訪問し、自社の商品やサービスを紹介する営業スタイルです。
見知らぬ相手に対して唐突に話しかけるため、門前払いにあう確率が非常に高く、冷たい対応を受けることも珍しくありません。
むしろ、あなたやあなたの家族も飛び込み営業を断った経験があるのではないでしょうか。
受け入れられる可能性が極めて低いにもかかわらず、訪問件数や行動量を厳しくカウントされる企業の中で働くことになるため、成果が出ない中でも数をこなすことを求められる日々が続きます。
テレアポ営業
テレアポは電話を通じて見込み顧客にアプローチし、商談のアポイントを取り付ける営業スタイルです。
相手の顔が見えない中で第一印象を与え、興味を惹き、さらに話を継続してもらうためには高い対話力が求められます。
既存の顧客に新規の商材や案件を提案するならまだ良いのですが、一般の会社や顧客にいきなり電話をかけるスタイルのテレアポの場合、まともに話を聞いてもらえることすらあまりありません。
無言で電話を切られるならまだマシで、嫌味や暴言を吐かれて電話を切られることも多いでしょう。
このように断られる経験が繰り返されると、マイナスな感情を抱きやすくなり、精神的なストレスが大きくなります。
無形商材の営業
無形商材の営業は文字通り形のない商品やサービス(保険、コンサル、クラウドサービスなど)を提案する営業スタイルです。
目に見える商品とは異なり、顧客が商品を手に取って体感できないため、価値やメリットをイメージしてもらう必要があり、その説明力と提案力には高いものが求められます。
さらに、無形商材の多くは高額である上、すぐに効果が見えるわけではないため、導入をためらう顧客も多く、信頼関係の構築に時間がかかります。
営業担当は顧客の抱える課題を深く理解して、その課題をどのように解決できるのか論理的かつ丁寧に説明しなければなりません。
専門知識と分析力が不可欠であり、表面的なセールストークでは通用しない難しさがあります。
代理店営業
代理店営業は自社の商品やサービスを販売してもらうために、外部の代理店に働きかけるスタイルです。
自分が直接販売を行うのではなく、パートナーとして契約している代理店の担当者に営業活動を委ねる形となるため、自分の努力だけでは売上をコントロールできないもどかしさがあります。
代理店の営業スキル、やる気、取り扱う商品の優先順位などによって成果が左右されやすく、思うように数字が上がらないことも多いです。
また、代理店との信頼関係を築くためには定期的な情報共有や営業動向の確認、勉強会の開催など、継続的なフォローが欠かせません。
しかし、それが相手の負担にならないよう配慮する必要もあり、距離感の取り方が難しい側面もあります。
営業がきついとされる業界
営業職は基本的にはきついとされていますが、その中でも特に労働環境が厳しいことが多いとされている業界が5つ存在します。
以下の5つの業界の営業職は大変なことが多いため、目指す場合は、少し慎重に企業選びをした方が良いでしょう。
・不動産業界
・保険業界
・証券業界
・銀行業界
・人材業界
不動産業界
不動産業界の営業は取り扱う商品が高額であることから、契約までに至るハードルが非常に高いという特徴があります。
住宅や土地といった商品は顧客にとって人生で何度も経験しない大きな買い物です。
大企業の重役や自営業で大成功した人でもない限り、多くても2回ほどしか買わないでしょう。
となると、慎重な意思決定が必要とされ、成約までに何度も打ち合わせをしなければなりません。
営業担当者は物件の情報だけでなく、住宅ローンや税金の制度、地域情報など幅広い知識を求められ、これらを丁寧に説明しながら信頼関係を築く必要があります。
また、不動産業界の営業は往々にしてノルマが他の業界よりさらに厳しいため、これも営業職がきついと言われる理由の1つです。
保険業界
保険業界の営業では形のない商品を取り扱うため、その必要性やメリットを顧客に理解してもらうまでに高い提案力が必要とされます。
保険は目に見えず、購入してもすぐに効果は実感できない商品であるため、顧客の将来に対する不安やリスクを言語化し、それを回避する手段として保険の価値を提示しなければなりません。
そのため、営業担当者には商品知識だけでなく、顧客のライフスタイルや家族構成、収入・支出のバランスを踏まえた提案スキルも求められます。
また、新規の見込み客を探す必要があり、知人や友人にまで営業をかけなければならないことも多いです。
これにより、人間関係に気を遣いながら営業活動を行う必要があり、精神的な疲労が蓄積されやすくなります。
証券業界
証券業界における営業職は金融商品を通じて顧客の資産運用をサポートする役割を担いますが、極めてプレッシャーが大きく、厳しいノルマと責任を抱えた業界の1つとして知られています。
証券会社の営業担当者には毎月明確な数値目標が与えられ、それを達成できないと査定や配置転換などに影響が出ることも多いです。
また、取り扱う商品は株式や投資信託、債券など価格変動のあるものが中心であり、顧客の資産価値が日々上下します。
自分が最善と思って進めた商品が結果として顧客に損失を与えてしまう場合は強い罪悪感を抱き、精神的な負担を感じる人も多いです。
銀行業界
銀行業界の営業は信頼性の高い金融機関という立場で顧客対応を行いますが、販売ノルマの厳しさや組織特有の風土から、働きにくいと感じる人も多いです。
投資信託や保険、住宅ローンなどの金融商品を取り扱うことになり、それぞれに月ごとの販売目標が設定されます。
これらの目標は個人単位で管理が行われることもあり、達成できなかった際には上司からの指導や改善策の提出が求められます。
また、銀行はミスや情報漏洩が絶対に許されない職場であり、契約書類や申込書の取り扱いに細心の注意を払わなければなりません。
このように、商品を売るための営業活動と金融機関としての高い正確性・信頼性の両立が求められるため、常に緊張感を持って業務に当たる必要があります。
人材業界
人材業界の営業は求人企業と求職者の間に立ち、双方のニーズを汲み取りながらマッチングを行うという複雑な役割を担います。
営業担当者は企業側に対して人材提案を行うと同時に、求職者にはキャリア相談や面接相談などを行うことも多いです。
この2方向の対応が求められる業務構造の中で、どちらか一方が希望条件を変えた場合や意思決定に時間がかかる場合にはスケジュールが大幅にズレ込んだり、調整が失敗に終わったりすることもあります。
営業職でありながらカウンセラー的な役割も担う必要があり、人の気持ちに配慮しつつも企業の要望に応えなければならないというジレンマに直面することも少なくありません。
営業がきつくない業界
続いて、営業がきつくない業界について紹介します。
もちろん、以下の3つの業界の中にも営業職の方が大変な企業は存在します。
しかし、傾向としては比較的楽な企業が多いため、ワークライフバランスを保って営業職として働きたい方はぜひ以下の業界の中から企業を探してください。
・インフラ業界
・食品メーカー
・医薬品メーカー
インフラ業界
インフラ業界の営業職は電気や水道、通信といった生活に欠かせない基盤を支えるサービスを扱うことから、需要が安定しており、プレッシャーがかかりにくいです。
基本的に生活や業務に必要不可欠なサービスであるため、顧客から求められる場面が多く、自ら売り込まなければならない場面もそこまで多くありません。
また、新規顧客の開拓よりも既存契約の更新や利用プランの見直し、サービスの追加提案などが中心となるケースが多く、比較的穏やかな関係性の中で営業活動が行われるのも特徴の1つです。
食品メーカー
食品メーカーの営業職は商品が生活に身近で消費者にとってもイメージしやすい点から、提案や商談がスムーズに進みやすいというメリットがあります。
特に大手メーカーではブランドの信頼性が高く、既存の販路が確立されているため、ルート営業が中心となり、新規開拓における精神的な負担が少ないことが魅力とされています。
営業担当者の主な役割は取引先の小売店や卸業者を定期的に訪問し、商品の売れ行きや棚の陳列状況を確認しながら、必要に応じて新商品や販促企画の提案を行うことです。
取引先との信頼関係が構築されている状態からスタートすることが多いため、門前払い・拒否反応を受ける場面はあまり多くなく、コミュニケーションも比較的円滑に進む傾向にあります。
医薬品メーカー
医薬品メーカーの営業職、いわゆるMRは他の営業職とかなり異なり「売ること」よりも「情報を届けること」に重点が置かれています。
病院やクリニック、薬局といった医療機関を訪問し、自社製品の適切な使用方法や効果、副作用などについて、医師や薬剤師に対して正確かつ最新の情報を提供することが主な業務です。
したがって、強引な売り込みが必要とされる場面はほとんどなく、むしろ信頼と専門性をベースにした落ち着いた対話が求められます。
医療関係者は論理的で根拠に基づいた情報を重視するため、無理な提案よりも丁寧で誠実な説明が好まれる傾向にあり、営業職にありがちな「断られ続ける」というストレスが少ない点が特徴です。
営業がきついと感じる人の特徴
営業職は基本的に「超ホワイト」な環境であることは多くなく、比較的きついところの方が多いとされていますが、そのような環境でもストレスを感じない人と、そうでない人がいます。
以下の3つの特徴が当てはまっている人は営業職として働くことを大変に感じる可能性があるため、自分に当てはまる要素がいくつあるか、考えてみてください。
・目標達成意欲が低い
・ストレス耐性が低い人
・相手の視点で考えられない人
目標達成意欲が低い人
営業職においては契約件数や売上金額といった具体的な数値目標が常に課されます。
この目標は個人単位やチーム単位で設定されることが多く、営業担当者の行動成果は数値で明確に評価される仕組みになっています。
したがって、目標を自分ごととして受け止め、どのように達成するかを常に意識しながら取り組む姿勢が大切です。
しかし、目標に対して関心が低かったり、それに対するモチベーションを持てなかったりする人にとってはこうした仕組みは負担となります。
周囲が成功に向かって全力で取り組んでいる中で、自分だけが温度差を感じると孤立感を覚えやすくなり、それがストレスとして積み重なっていくでしょう。
ストレス耐性が低い人
営業職では日々様々な場面で精神的なプレッシャーがかかります。
目標に対するプレッシャーに加えて、顧客からの無茶な要求やクレーム対応、商談の失敗、上司や同僚との関係など、様々な要素がストレスの原因となります。
営業活動は必ずしも順調に進むとは限らず、長い時間をかけて準備した提案が断られたり、契約目前でキャンセルになったりすることもあり、感情のコントロールが求められることも多いです。
ストレス耐性が低い人はそうした一つひとつの対応に強く影響を受けてしまい、気持ちの切り替えが難しいため、向いていない可能性があります。
相手の視点で考えられない人
営業職では常に顧客が何を求めているのか、どのような課題を抱えているのかを考えながら行動しなければなりません。
商品やサービスを紹介するだけでなく、それが顧客にとってどのような価値をもたらすのか、それが本当に必要なのかまでを掘り下げたうえで提案しなければなりません。
顧客全員が自分たちの課題を明確に認識しているとは限らず、本人も気づいていない潜在的な悩みを抱えている場合もあります。
やり取りだけで判断せず、言葉の背景や状況から本音や課題の本質を読み取らなければなりません。
相手の立場や気持ちを想像することが苦手な人は商談の中で空気を読めず、一方的な提案をしてしまうことがあり、成果を出せないことも多いでしょう。
営業職に向いている人の特徴
続いて、営業職に向いている人の特徴について紹介します。
以下の3つに当てはまるならば、比較的ストレスフリーにのびのびと営業職として働けることでしょう。
もちろん、何のストレスもないわけではありませんが、先ほど紹介した「きついと感じる人の特徴」が当てはまる人よりは働きやすいです。
また、以下の3つの要素は自己PRのテーマとしても活用できるものであるため、ぜひ自分に当てはまる項目がないか考えながら読んでみてください。
・気持ちの切り替えが早い人
・自己管理能力が高い人
・素直で学習意欲が高い人
気持ちの切り替えが早い人
営業職は自分の提案が常に受け入れられるわけではなく、むしろ断られることの方が圧倒的に多い仕事です。
好感触だった商談が急転直下でキャンセルされたり、心のない言葉をかけられたりすることもあります。
そうした出来事が続く中で、失敗や否定的なことを引きずってしまうと、次の行動に移る気力を失ってしまいます。
一方で、気持ちの切り替えが早い人は一つひとつの失敗を必要以上に重く捉えず、冷静に振り返って次に活かすことが可能です。
営業の現場ではテンポよく行動し続けることが求められるため、切り替えの早さは成果に直結する能力であると言えるでしょう。
自己管理能力が高い人
営業職は業務の進め方を自分で考え、行動計画を立てて働く必要があります。
決まったスケジュールで淡々と作業を進める職種とは異なり、自分で商談の予定を組み、資料を準備して、移動時間も含めた時間配分を考えながら動かなければなりません。
さらに、成果が数値としてはっきりと現れる職種であるため、目標から逆算して日々の行動を組み立てる力が求められます。
指示待ちの姿勢では成果を出すことが難しく、自分自身で優先順位を判断しながら効率的に働く力が重要です。
素直で学習意欲が高い人
営業職は商品知識を覚えて満足するのではなく、常に変化する市場環境や顧客のニーズに対応し続ける柔軟性が不可欠です。
扱う商品やサービスが変化するだけでなく、競合の動きや業界のトレンド、さらには顧客のビジネスモデルの変化まで踏まえて、提案内容を更新していく必要があります。
こうした変化に対応するには日々の学習を怠らず、新しい情報を吸収し続ける姿勢が不可欠です。
また、営業活動を通じて得た経験だけでなく、上司や同僚からのフィードバックに耳を傾け、自分のやり方を見直す素直さも重要な要素となります。
成果が出た方法を踏襲するだけでなく、より良いアプローチを模索し続けられる柔軟性こそが、営業力の向上につながります。
営業職で成果を出すために必要なスキル
営業職で継続的に成果を出すためには、単に商品を説明する能力だけでなく、顧客との関係を深く築き、価値を提供するための一連の専門スキルが求められます。
これらのスキルは相互に関連し合っており、一つひとつを意識的に高めていくことで、顧客から信頼されるパートナーとして認められ、安定した成果へと繋がります。
ここでは、特に重要となる5つのスキルについて解説します。
・聞く力(傾聴力)
・課題解決能力
・提案力
・交渉力
・情報収集力
聞く力(傾聴力)
成果を出す営業の土台となるのが傾聴力です。
単に話を聞くのではなく、言葉の背景にある真のニーズや悩み、顧客自身も気づいていない潜在的な課題まで深く理解しようとする積極的な姿勢を指します。
相手の話を遮らず、相槌や質問で深く掘り下げながら共感を示すことで、顧客は心を開きやすくなります。
そうして得られた深い理解は、強固な信頼関係を構築し、顧客の心に響く的確な提案を行うための不可欠な第一歩となるのです。
このスキルこそが、他の営業担当者との差別化を生む最も重要な要素と言えるでしょう。
課題解決能力
現代の営業は、商品を売るのではなく、顧客のビジネス課題を解決するコンサルタントとしての役割が求められます。
そのためには、傾聴によって引き出した多様な情報の中から、顧客が直面している問題の本質は何かを正確に見極める能力が不可欠です。
表面的な要望に応えるだけでなく、ビジネス全体を俯瞰して根本原因を特定し、自社の製品やサービスが「唯一無二の解決策」であると論理的に位置づける思考力が問われます。
この一連のプロセスを通じて、単なる物売りではない、顧客の事業成長に貢献する真のパートナーとなることができるのです。
提案力
傾聴と課題分析によって導き出した解決策を、顧客にとって最も魅力的で納得感のある形で伝えるスキルが提案力です。
これはテンプレート通りの商品説明とは全く異なります。
顧客一人ひとりの状況や課題に完全に寄り添い、「なぜこれが、あなたにとって今必要な最善の解決策なのか」という価値を、具体的なデータや成功事例を交えて分かりやすく示す必要があります。
相手のメリットを主軸に置いた説得力のあるストーリーを構築し、導入後の輝かしい成功イメージを鮮明に抱かせることが、顧客の心を動かし、購買意欲を引き出すための鍵となります。
交渉力
商談の最終段階で成果を最大化するのが交渉力です。
価格や納期、契約条件などについて、自社の利益を確保しつつ、顧客にも心から満足してもらえる着地点を見出す高度なスキルを指します。
単なる値引き合戦ではなく、双方が納得できる「Win-Win」の関係を築き、長期的な信頼関係に繋げることが真の目的です。
そのためには、事前に譲歩できる範囲や代替案を複数用意しておく周到な準備が欠かせません。
冷静かつ創造的な対話を通じて、お互いの利益が合致する最適解を探り出す能力が求められるのです。
情報収集力
質の高い営業活動は、戦略的な情報収集から始まります。
商談に臨む前に、顧客の企業情報や中期経営計画、業界動向、競合の状況、さらには担当者の立場や過去の発言まで幅広くリサーチする能力です。
事前に集めた情報があれば、顧客も気づいていないような的確な仮説を立てて質問することができ、商談の主導権を握りやすくなります。
日頃からニュースや専門情報にアンテナを張り、知識を蓄積しておく地道な努力こそが、顧客からの信頼を得て、表面的な会話で終わらない深い関係性を築くための礎となるのです。
営業のやりがい・魅力
続いて、営業職としてのやりがいや魅力について紹介します。
以下の3つは営業職として働くならば、どのような業界のどのような企業でも感じられる可能性が高いものです。
理解することで就活のモチベーションが高まるのはもちろん、志望動機に書ける項目が見つかるかもしれませんから、ぜひ読んでみてください。
・成果が数字として表れる
・感謝の言葉を直接いただける
・個人の裁量が大きい
成果が数字として表れる
営業職は他の職と比べて成果が明確に可視化されます。
契約件数、売上高、新規顧客の獲得数など、数値によって自分の動き、働きがどの程度だったのかをすぐに把握できます。
そのため、自分がどれだけ努力したかが感覚的ではなく数字という形で客観的に示されるので、やりがいを感じやすいという声は多いです。
また、目標をクリアした時の達成感も格別であり、努力と成果が直接結びつく構造にやる気を持てる人に最適な職種と言えるでしょう。
感謝の言葉を直接いただける
営業職の魅力として、顧客から直接感謝の言葉をもらえる場面が多いことが挙げられます。
自分が提案した商品やサービスが顧客の課題解決や業務改善に役立った時、その成果を一番近くで実感できる立場にあるのが営業です。
顧客が困っている問題に対し親身に寄り添って提案を行い、それが導入された結果「助かった」「ありがとう」という言葉を直接受け取れると、やりがいを感じるでしょう。
感謝を通じて、自分の仕事が誰かの役に立てた実感を得られる点は数字的な評価とは異なるやりがいです。
個人の裁量が大きい
営業職は自分の判断で仕事を進められる範囲が広い職種とも言えます。
どの顧客にアプローチするか、どんな方法で提案するか、1日のスケジュールをどのように組み立てるかといった判断が基本的に個人の裁量に任されることが多いのが特徴です。
したがって、自分のスタイルを磨きながら働きたい人は大きなやりがいを感じるでしょう。
もちろん、目標の達成を求められますが、目標のための手段や時間の使い方に柔軟性があるため、自分の強みを活かして営業スタイルを確立しやすい点も魅力の1つです。
営業の理解を深めよう
営業職への理解を深めることで、自分が本当に営業職として働きたいか熟慮できますし、何より、志望動機や自己PRに書くことが見つかり、ESのクオリティが高まります。
以下の対策は就活の成功を大きく左右するものでもあるため、ぜひ時間をかけて入念に取り組んでみてください。
・業界・企業研究をする
・インターンシップに参加する
・OB/OG訪問をする
業界・企業研究をする
営業職は同じ職種でも業界や企業によって仕事内容、求められる役割、働き方に大きな違いがあります。
メーカーの営業であれば既存取引先のルート営業が中心で信頼関係の構築や維持、安定的な提案力が重視されます。
一方、ITや広告業界は課題解決型の提案や新規開拓が重視される場面が多く、論理的思考力が問われることが多いです。
こうした違いを把握せずに営業職を目指すと、入職後にミスマッチを感じてしまう可能性が高いです。
したがって、まずは業界全体の動向やビジネスモデル、営業の立ち位置を把握し、そのうえで個々の企業がどのような営業スタイルを取っているかを理解するようにしましょう。
インターンシップに参加する
営業職に対する理解を深めるための手段としてインターンへの参加は非常に有効です。
企業によっては短期間の座学型のプログラムだけでなく、営業活動を模したロールプレイングや顧客対応の再現を盛り込んでいることもあります。
参加すれば営業がどのような手順で進められているか、自分のどのような資質が求められるかを体感できるでしょう。
また、社内の雰囲気や社員の価値観にも触れられるため、自分との相性を見極めるうえでも非常に参考になります。
さらに、インターン中に接した社員からフィードバックを受けることで、自分の課題や伸ばすべきポイントにも気づけます。
OB/OG訪問をする
営業職への理解を深めたいと考えるならば、OB・OG訪問も非常におすすめです。
現場で働く社員に話を聞くことで、インターネット上では得られない具体的な業務内容や会社の雰囲気、昇格制度、やりがいの感じ方まで幅広い情報を得られます。
特に営業職は成果が数値で可視化されることが多いため、目標管理の難しさや報酬制度の実態など、現場で働く人でなければ語れない部分もあります。
そこで、OB・OGとの対話ではどのような壁に直面し、それをどう乗り越えたのか、スキルが仕事に活きているのかといった話に耳を傾けてみましょう。
自分が想像していた営業職とのギャップに気付けることもあれば「想像以上にやりがいのある職種だ」と感じられることもあるかもしれません。
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ここまで営業職がなぜきついとされているのか、どのような人ならば営業職として働きやすいのかなどについて詳しく紹介しました。
しかし、この記事を読んだだけで全ての悩みが解決するならば、就活で悩む人はそこまで多くないでしょう。
「営業を目指すことは決めたけれども、具体的な対策はわからない」という方も多いはずです。
そんな方はぜひ就活エージェントを利用してみてください。
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また、ESの添削、本番さながらの面接練習など、様々なサービスを提供しています。
入念に選考対策をして、第一志望の内定を確実なものにしたい方はぜひ利用してみてください。
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おわり
今回は営業職がきついと言われる理由や向いている人、向いていない人の特徴などについて詳しく紹介しました。
確かに営業職は比較的きついことが多いです。
しかし、業界や企業によっては働きやすいところもありますし、適性が高いならば「きつい」と感じることも少ないでしょう。
この記事を読んで営業職への興味が高まった方は、ぜひ入念な対策を行い、第一志望の内定を勝ち取ってください。











