【例文7選】面接での研究内容の伝え方|理系院生が評価される研究分野別・時間別でのまとめ方と構成

【例文7選】面接での研究内容の伝え方|理系院生が評価される研究分野別・時間別でのまとめ方と構成

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録

目次目次を全て表示する

はじめに

就職活動の面接で必ずと言っていいほど聞かれる「大学での研究内容について教えてください」という質問。

真面目に研究に取り組んできた理系の学生さんほど、「専門的すぎて伝わらないかも」「要点をまとめて話すのが苦手だ」と不安に感じてしまうのではないでしょうか。

「すごい研究じゃないと評価されないのでは…」という不安はありませんか? 心配ありません。

面接官が見ているのは、研究のインパクトではなく、あなたの『課題解決能力』『論理的思考力』です。

この記事では、あなたの研究の本当の価値を面接官に魅力的に伝えるための、具体的な方法と例文を網羅的に解説します。

この記事を読み終える頃には、自信を持って面接に臨めるようになっているはずです。

面接官は「研究の成果」より「あなたの思考力」を知りたい

多くの学生が誤解しがちですが、面接官はあなたの研究成果そのものの凄さを評価したいわけではありません。

もちろん、素晴らしい成果は評価の対象ですが、それ以上に重視しているのは、研究というプロジェクトにあなたがどのように向き合い、課題を乗り越えてきたかというプロセスです。

未知の課題に対して仮説を立て、粘り強く検証し、周りを巻き込みながらゴールを目指す。

その一連の経験から、あなたの思考のクセやポテンシャルを見極めようとしています。

つまり、研究内容は、あなたの人柄や能力を伝えるための最高のプレゼン資料なのです。

面接で聞かれる研究内容

ひとくちに研究内容と言っても、所属する環境によってその内容は大きく異なります。

しかし、どのような研究であっても、面接でアピールできるポイントは共通しています。

面接できかれる可能性がある研究内容を紹介します。

大切なのは、自分の経験を客観的に分析し、その価値を自分の言葉で語れるように準備しておくことです。

研究の大小にかかわらず、あなたの主体的な学びや行動を伝えられれば、面接官に良い印象を与えることができます。

ゼミ研究

理系学生だけでなく、文系の学生もアピールできるのがゼミでの研究活動です。

ゼミ研究も立派な研究の1つと言えます。

個人で進める研究とは異なり、チームで特定のテーマについて議論を重ね、発表や論文作成を行うことが多いでしょう。

その過程で発揮した協調性や論理的思考力、情報収集能力などは、企業で働く上で不可欠なスキルです。

研究の内容は所属するゼミや研究室で全く違うため、あなたらしい個性を出せるという特徴があります。

どのような役割を果たし、チームに貢献したのかを具体的に説明できるように準備しておきましょう。

理系の研究

研究室に所属して行う理系の研究は、専門性が高く、面接でアピールしやすい経験です。

実験やデータ解析、シミュレーションなど、具体的な手法を用いて未知の課題に取り組んだ経験は、あなたの専門性や課題解決能力を直接的に示すことができます。

ただし、専門用語を多用すると面接官に伝わらないため、誰にでも分かる平易な言葉で説明する工夫が不可欠です。

研究の背景や目的、そしてその研究が社会にどのような価値をもたらす可能性があるのかを、分かりやすく伝える練習をしておきましょう。

面接で「研究内容」が聞かれる理由と評価ポイント

なぜ面接官は、専門外であることも多い学生の研究内容について詳しく聞くのでしょうか。

それは、研究活動の中に、ビジネスパーソンとして活躍するための重要な資質が隠されているからです。

面接官は研究内容の質問から、ビジネスの世界でも通用するポータブルスキルを見極めようとしています。

具体的にどのような点が評価されているのか、7つのポイントに分けて解説します。

課題設定力

この評価ポイントでは、あなたが物事の本質を捉え、自ら課題を見つけ出す能力があるかが見られています。

なぜその研究に問題意識を持ったのか、どのような社会的背景や個人的な興味からそのテーマを選んだのかを明確に語ることが重要です。

言われたことをこなすだけでなく、常に問題意識を持って主体的に業務に取り組める人材であることをアピールしましょう。

研究テーマの選択理由を深掘りしておくことで、あなたの知的好奇心や価値観を伝えることができます。

計画性

研究活動は、限られた時間とリソースの中で成果を出すことが求められる、まさにプロジェクトマネジメントそのものです。

面接官は、あなたがどのように仮説を立て、検証計画を設計したかという点から、計画性や段取り力を評価しています。

行き当たりばったりではなく、ゴールから逆算してマイルストーンを設定し、効率的に研究を進めた経験を語ることで、入社後も計画的に業務を遂行できる人材だと期待してもらえます。

分析力・実行力

研究において、計画通りに進むことは稀です。

予期せぬ結果や失敗に直面したとき、どのように状況を分析し、次の一手を打ったのか。

面接官は、得られた結果をどう分析し、次のアクションに繋げたかを特にみています。

この質問を通して、あなたの論理的思考力や粘り強さ、そして確実に行動に移す実行力を評価しています。

失敗談は決してマイナス評価にはなりません。

むしろ、失敗から学び、次へ活かした経験は、あなたの成長ポテンシャルを示す絶好のアピール材料となります。

ストレス耐性・粘り強さ

地道な実験の繰り返しや、なかなか結果が出ない焦りなど、研究活動には精神的なタフさが求められます。

面接官は、研究が難航した際、どのように乗り越えたかというエピソードから、あなたのストレス耐性や目標達成への執着心を見ています。

困難な状況でも諦めずに、粘り強く解決策を探し続けた経験は、仕事で壁にぶつかった時にも乗り越えられる人材であることの証明になります。

具体的な困難と、それに対するあなたの思考と行動をセットで語れるように準備しましょう。

知的好奇心・主体性

面接官は、あなたが受け身ではなく、自らの意思で研究に取り組んでいたかを知りたいと考えています。

なぜその研究に情熱を注げるのか。

なぜ人から言われただけでなく、自ら進んで取り組んだか。

指導教官の指示だけでなく、自分で論文を調べて新たな実験手法を取り入れたり、学会に参加して専門家と議論したりといった主体的な行動は高く評価されます。

あなたの知的好奇心が、入社後の自己成長や事業への貢献意欲に繋がると期待されるのです。

話をまとめる力

ビジネスの世界では、専門外の人や上司に対して、複雑な事柄を簡潔に分かりやすく報告する能力が不可欠です。

面接官は、あなたが専門外の相手にも理解できるよう、情報を整理し、要点を簡潔に話せるかを厳しくチェックしています。

研究内容の説明は、まさにその能力を試す絶好の機会です。

専門用語を避け、結論から話すことを意識するだけで、あなたの評価は大きく変わります。

時間を意識して話す訓練も重要です。

コミュニケーション力

面接は双方向のコミュニケーションの場です。

一方的に準備した内容を話すだけでは、高い評価は得られません。

面接官は、あなたが相手の反応を見ながら、言葉を選んで分かりやすく伝えられるか、そして質問に対して的確に答えられるかを見ています。

難しい顔をしていたら「少し専門的でしたでしょうか」と補足したり、興味を持ってくれたポイントをさらに深掘りしたりと、柔軟な対応を心がけることで、高いコミュニケーション能力を示すことができます。

面接で使える研究内容の作成準備

研究内容を魅力的に伝えるためには、事前の準備が欠かせません。

ただ頭の中にある情報を話すだけでは、論理的で分かりやすい説明にはなりません。

ここでは、本番で最高のパフォーマンスを発揮するための、具体的な文章を組み立てる際の「作成の下準備」について説明していきます。

このステップを丁寧に行うことで、自信を持って面接に臨むことができるようになります。

自己分析

まずは、自分の研究活動を客観的に振り返ることから始めましょう。

なぜこの研究を始め、何を目標とし、どのようなプロセスを経てきたのかを整理します。

特にポイントとなってくるのが、あなたがなぜその研究に取り組んでいるのかという理由の部分です。

社会的な意義、個人的な興味、将来のキャリアへの繋がりなど、様々な角度から動機を深掘りすることで、話の軸が定まり、一貫性のある説明ができるようになります。

この自己分析が、後述する志望動機や自己PRとの繋がりを生み出します。

研究の具体例

あなたの話に説得力を持たせるためには、具体的なエピソードが不可欠です。

特に、研究で直面した困難や課題、そしてそれを乗り越えるために工夫した点を洗い出しておきましょう。

「結果が出なかった」「実験が失敗した」という事実だけでなく、その原因をどう分析し、どんな仮説を立て、次に行動したのか、そのプロセスを詳細に思い出してください。

過去の実験結果をもう一度確認したり、論文やレポートの内容も振り返っておきましょう。

これらの具体例が、あなたの課題解決能力や粘り強さを証明する強力な武器となります。

読みやすいプレゼン資料を用意する

面接によっては、研究内容を説明するための資料持ち込みが許可される場合があります。

そのチャンスは最大限に活用しましょう。

パワーポイントなどで1〜3枚程度の簡単な資料を作成しておくことをお勧めします。

図やグラフを効果的に使うことで、口頭説明だけでは伝わりにくい複雑な内容も視覚的に分かりやすく伝えられます。

また、資料を簡潔にまとめることで、自分の説明がスムーズになり、プレゼン全体の質が向上します。

資料作成を通して、話すべき内容の要点が整理されるというメリットもあります。

逆質問を用意しておく

面接の最後に設けられることの多い逆質問の時間も、研究内容をアピールするチャンスです。

例えば、「私の〇〇という研究で培った分析スキルは、貴社の△△という事業領域でどのように活かせるとお考えですか?」といったように、自分の研究と企業の事業を結びつけた質問をすることで、深い企業理解と貢献意欲を示すことができます。

最低でも2つ以上の質問を準備し、内容は企業研究や自身の志望動機と関連付けるようにしましょう。

受け身ではなく、主体的に企業のことを知ろうとする姿勢が高く評価されます。

面接で研究内容を魅力的に伝えるためのポイント

準備が整ったら、次はいよいよ「伝え方」のスキルを磨きます。

どんなに素晴らしい研究でも、伝え方一つでその魅力は半減してしまいます。

逆に、まだ大きな成果が出ていない研究でも、伝え方のポイントを押さえれば、面接官にあなたのポテンシャルを強く印象付けることが可能です。

以下の準備とポイントを押さえることで、あなたの研究は格段に魅力的になります。

誰にでも分かる言葉に翻訳する

最も重要かつ難しいのが、専門用語を使わずに説明することです。

あなたの研究分野に全く知識がない人、例えば、文系の面接官や家族に話して理解してもらえるレベルを目指しましょう。

専門用語を一般的な言葉に置き換えましょう。

例えば、「PCR法」を「DNAを増幅させる技術」と言い換えるなど、具体的な工夫が必要です。

普段から、自分の研究を専門外の友人に話してみるなど、分かりやすく翻訳する練習を積んでおくことが非常に効果的です。

数字を用いて具体的に話す

あなたの説明に客観性と説得力をもたらすのが「数字」です。

例えば、「効率が上がりました」と話すよりも、「従来の方法と比較して、処理時間が20%短縮し、コストを15%削減できました」と説明する方が、成果のインパクトが格段に伝わりやすくなります。

具体的な数字を入れると説得力が増します。

実験回数、改善率、期間など、あなたの研究活動の中で定量的に示せる要素を洗い出し、積極的に話の中に盛り込むようにしましょう。

企業の事業内容と結びつける

面接官が最も知りたいのは、あなたが「入社後に活躍してくれる人材か」どうかです。

そのため、研究内容の説明においても、その経験が企業の事業にどう貢献できるのかを具体的に示すことが極めて重要です。

企業のウェブサイトや中期経営計画などを読み込み、自分の研究で得た知識や技術、考え方がどの部門やプロジェクトで活かせそうかを考えておきましょう。

あなたの研究で培った知識やスキルが、入社後どのように貢献できるかを明確に言語化しておくことが重要です。

スキルとの関連付け

研究活動を通して、あなたは専門知識以外にも多くのポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を身につけているはずです。

例えば、膨大な論文から必要な情報を探し出す「情報収集能力」、地道な作業を継続する「忍耐力」、後輩を指導した経験から得た「マネジメント能力」などです。

これらのスキルを明確に言語化し、研究内容のエピソードとセットでアピールしましょう。

取り組んだ研究内容から得たスキルや能力を活かすことができる企業を探すことは可能です。

面接で研究内容を魅力的に伝える「PREP+V」の黄金テンプレート

「話すことは整理できたけれど、どういう順番で伝えればいいか分からない…」そんな悩みを抱える方のために、誰でも論理的で分かりやすい説明が可能になる「黄金の型」をご紹介します。

何をどの順番で話せばいいか分からない方へ向けた具体的な「型」を提供します。

ビジネスプレゼンの基本であるPREP法を応用し、最後に入社後への貢献(Value)を加えたオリジナルテンプレートです。

単なるPREP法ではなく、企業への貢献(Value)まで接続するのがポイントです。

P (Point): 私の研究は「A(課題)」を「B(手法)」で解決し、「C(結論)」を明らかにするものです。
R (Reason): なぜなら、社会/業界には「A'(背景)」という問題があり、それを解決する必要があったからです。
E (Example): 研究で最も困難だったのは「D(困難)」で、私は「E(工夫・行動)」によって乗り越えました。
P (Point): この経験から「F(得た学び・強み)」を身につけました。
V (Value): この「F」という強みは、貴社の「G(事業・職務)」で活かせると考えます。

P (Point): 結論

最初に、あなたの研究の全体像を一言で伝えます。

聞き手である面接官は、まず話のゴールを知ることで、その後の詳細な説明を理解しやすくなります。

ここでは、研究の「課題」「手法」「結論」を簡潔にまとめ、キャッチーな見出しを作るイメージで話しましょう。

P (Point): 私の研究は「A(課題)」を「B(手法)」で解決し、「C(結論)」を明らかにするものです。

この一文で、あなたのプレゼンに対する期待感を高めることが目的です。

R (Reason):背景・目的

次に、なぜその研究に取り組む必要があったのか、その背景や目的を説明します。

ここでは、研究の社会的な意義や、あなたがそのテーマに抱いた問題意識などを語ります。

この部分を丁寧に説明することで、あなたの視野の広さや主体性、物事の本質を捉える力をアピールすることができます。

R (Reason): なぜなら、社会/業界には「A'(背景)」という問題があり、それを解決する必要があったからです。

研究の必要性を面接官と共有することが重要です。

E (Example):具体例・困難と工夫

ここでは、研究プロセスにおける具体的なエピソードを語ります。

特に、最も困難だったことと、それを乗り越えるためにあなた自身がどう考え、行動したかを詳細に説明してください。

このパートが、あなたの課題解決能力や粘り強さといった「人柄」を最も強くアピールできる部分です。

失敗談を恐れず、そこから何を学んだかをポジティブに伝えましょう。

E (Example): 研究で最も困難だったのは「D(困難)」で、私は「E(工夫・行動)」によって乗り越えました。

P (Point):学び

研究活動という経験全体を通して、あなたが何を学び、どのようなスキルや強みを身につけたのかを改めて結論として述べます。

これは単なる研究成果の報告ではなく、あなた自身の成長について語るパートです。

Eで語った困難を乗り越えた経験と結びつけることで、話に一貫性と説得力が生まれます。

P (Point): この経験から「F(得た学び・強み)」を身につけました。

この学びが、次のV(貢献)へのブリッジとなります。

V (Value):企業への貢献

最後に、P(学び)で示したあなたの強みが、入社後、企業のどのような事業や職務で活かせるのかを具体的に提示します。

これが、面接官が最も聞きたい部分です。

企業研究をしっかり行い、自分の能力と企業のニーズが合致していることを力強くアピールしましょう。

研究の話で終わらせず、未来の貢献まで語ることで、採用するメリットを明確に伝えることができます。

V (Value): この「F」という強みは、貴社の「G(事業・職務)」で活かせると考えます。

研究で得た成果をビジネス上の価値にする方法

大学での研究成果は、あくまで学術的な価値が中心です。

それを面接の場で高く評価してもらうためには、「ビジネス上の価値」に翻訳する作業が不可欠です。

ここでは、あなたの研究を企業にとって魅力的なアピール材料に変えるための3つのステップを踏むことで、あなたの研究は学術的な成果から「企業にとって価値のあるもの」へと変わります。

知識をスキルに変換する

まず、研究内容そのものの専門知識だけでなく、その研究を遂行する過程で身につけた**ポータブルスキルを言語化します。

例えば、「〇〇の分析手法」という知識だけでなく、「未知のデータに対して、複数の統計モデルを試し、最適な手法を選択して本質的な示唆を導き出す能力」というスキルに変換します。

このように、知識を「何ができるか」という具体的なスキルレベルに落とし込むことで、企業はあなたがどのように活躍できるかをイメージしやすくなります。

研究目的を事業目的に接続する

次に、あなたの研究が、企業のどのような課題解決や事業目標の達成に貢献できるかを具体的に示します。

例えば、材料の耐久性を向上させる研究であれば、「貴社の製品の品質向上と、それによる顧客満足度の向上に貢献できます」と繋げることができます。

企業のプレスリリースやIR情報を読み解き、自分の研究が、企業のどのような活動に貢献できるかを具体的に示します。

自分の研究と企業の未来を重ね合わせる視点が重要です。

研究者の視点を顧客の視点に転換する

最後に、研究者としての探求心だけでなく、ビジネスパーソンとしての顧客視点をアピールします。

「こんな面白い研究をしました」で終わらせるのではなく、その技術や成果が「誰の、どんな課題を解決するのか」という視点で語ります。

例えば、新しいアルゴリズムを開発したなら、「この技術を使えば、ユーザーはこれまで10分かかっていた作業を1分で終えることができ、その時間をより創造的な活動に使えます」のように、エンドユーザーのメリットまで言及できると、あなたのビジネスセンスが高く評価されます。

【時間別】面接でそのまま使える!研究内容の説明例文集

面接では「1分で」「5分で」など、時間を指定されて説明を求められることがよくあります。

ここでは、時間別の研究内容の説明例文を紹介します。

テンプレートを参考に、ご自身の研究内容に置き換えて練習してみてください。

「1分でまとめてください」と言われた場合(PREP+Vの要約版)

(P:結論)私の研究は、AIによる画像認識技術を用いて、製造ラインにおける製品の不良品検知精度を向上させるものです。
(R:背景)従来の目視検査では見逃しが多く、品質のばらつきが課題でした。
(E:具体例)当初はAIの誤検知が多く困難でしたが、正常品の画像データを5,000枚追加学習させることで、検知精度を99.8%まで高めることに成功しました。
(P:学び)この経験から、粘り強く試行錯誤を重ねる課題解決能力を身につけました。
(V:貢献)この課題解決能力は、貴社の生産技術部門において、常に改善を追求する上で必ず活かせると考えております。

「5分で詳しく教えてください」と言われた場合(困難と工夫"E"を深掘りする版)

(P・Rは1分版と同様)…
(E:具体例・困難と工夫)研究で最も困難だったのは、AIが正常品を不良品と誤検知してしまう「過検出」の問題でした。
原因は、学習データのバリエーション不足にあると考え、私は2つのアプローチを試みました。
第一に、製造ラインの照明条件やカメラの角度をあえて微妙に変えながら、1ヶ月かけて5,000枚の多様な正常品画像を追加で収集・学習させました。
第二に、それでも改善しなかった特定のパターンの誤検出に対し、その画像の特徴量を分析し、AIの判断基準からその特徴の重みを下げるというパラメータ調整を行いました。
この地道な作業を2週間繰り返した結果、最終的に過検出率を5%から0.2%まで低減させ、精度99.8%を達成することができました。…(P・Vは1分版と同様)

【分野別】面接でそのまま使える!研究内容の説明例文集

ここでは、より具体的にイメージできるよう、分野別の研究内容の説明例文を紹介します。

ご自身の専門分野に近いものを参考に、アピールポイントや構成の仕方を学んでみてください。

情報科学系の例文

(P)私の研究は、SNS上の膨大な口コミデータを自然言語処理技術で解析し、企業のマーケティング戦略に活用できる新たな示唆を自動で抽出するシステムを開発するものです。
(R)従来のアンケート調査では得られない消費者のリアルな本音を、効率的に収集・分析する必要があると考えたからです。
(E)特に困難だったのは、皮肉や賞賛といった微妙な感情表現の判定精度でした。そこで、文脈を考慮できる深層学習モデル「BERT」を応用し、約10万件の教師データで独自に学習させた結果、感情分析の正解率を従来手法の75%から92%に向上させました。
(P)この経験から、目的達成のために粘り強く最適な技術を選定し、実装する力を得ました。
(V)この能力を活かし、貴社のデータサイエンティストとして、データに基づいた新たなサービス企画に貢献したいです。

化学・材料系の例文

(P)私は、植物由来のセルロースナノファイバーを用いて、従来のプラスチックに代わる、高強度かつ環境負荷の低い新素材の開発に取り組んでいます。
(R)深刻化する海洋プラスチック問題の解決に、自分の化学の知識で貢献したいと考えたのがきっかけです。
(E)当初、強度と透明度の両立が非常に困難でした。私は、繊維の解繊度と乾燥条件の相関関係に着目し、50パターン以上の条件で試作と物性評価を繰り返しました。その結果、特定の有機溶媒中で超音波処理を施すことで、従来比1.5倍の強度と90%の光透過率を両立する最適条件を発見しました。
(P)この経験から、地道な試行錯誤を厭わない粘り強さと、多角的な視点で課題を分析する力を養いました。
(V)この強みは、貴社の素材開発部門で、革新的な製品を生み出すための研究開発を推進する上で必ず活かせると確信しております。

生命科学系の例文

(P)私の研究は、特定の腸内細菌が産生する代謝物質が、免疫細胞の活性化にどのように影響を与えるかを解明するものです。
(R)将来、アレルギー疾患の新たな予防法や治療法の開発に繋がる可能性を秘めているからです。
(E)研究で最も大変だったことは、マウスの個体差によって実験結果がばらつき、再現性の確保に苦労した点です。そこで、飼育環境やエサの成分を徹底的に統一管理すると同時に、統計的な有意差を出すために、実験群のサンプル数を従来の2倍に増やしました。これにより、信頼性の高いデータを取得し、目的の代謝物質がT細胞の分化を特異的に誘導することを突き止めました。
(P)この経験から、粘り強く真理を探究する姿勢と、正確なデータを得るための計画実行力を学びました。
(V)この姿勢は、貴社で医薬品の有効性を厳密に評価する研究開発職において、大きく貢献できると考えています。

人文・社会科学系の例文

(P)私の研究は、江戸時代の町人文化に関する古文書を分析し、当時の庶民の生活実態と価値観の変遷を明らかにすることです。
(R)歴史は単なる過去の記録ではなく、現代社会が抱える課題を解決するためのヒントに満ちていると考えるからです。
(E)特に、くずし字で書かれた膨大な量の文献を解読し、信頼できる情報を抽出する作業に多大な時間を要しました。私は、図書館のデータベースや地域の郷土史家の方々との連携を密にし、一人では見つけられなかった複数の文献を照合することで、これまで見過ごされてきた庶民の祭りに関する新たな慣習を発見しました。
(P)この研究を通じ、地道な情報収集力と、異なる情報を統合して新たな価値を見出す分析力を身につけました。
(V)この能力は、貴社で市場のニーズや社会のトレンドを多角的に分析し、新しい事業を企画する際に必ず役立つと確信しております。

【NG例】面接でやってはいけない研究内容の説明

どんなに素晴らしい研究内容や準備も、伝え方を間違えるとマイナスの印象を与えてしまいます。

ここでは、多くの学生が陥りがちなやってはいけない説明を紹介します。

自分に当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。

専門用語が多すぎる説明

研究に熱心なあまり、普段研究室で使っている専門用語をそのまま使ってしまうケースです。

面接官はあなたの分野の専門家ではありません。

分からない言葉が続くと、面接官は話についていけず、思考停止してしまいます。

その結果、あなたの話の内容が全く伝わらないだけでなく、「相手の立場に立って話せない人だ」というコミュニケーション能力への懸念も抱かせてしまいます。

目的が不明な説明

「〇〇という現象を観察しました」「△△という実験を行いました」といった、行動の羅列で終わってしまう説明です。

なぜその研究が必要なのか、社会やビジネスにどう繋がるのかが大事です。

その研究の目的や背景が語られないと、面接官は何のためにその話を聞いているのか分からなくなってしまいます。

常に「何のために?」という目的意識をセットで語るようにしましょう。

あなたの役割が見えない説明

「〇〇という結果が出ました」「△△ということが分かりました」のように、客観的な事実だけを述べる説明です。

これでは、あなたが何に苦労し、どう工夫したのかという主体的な行動が見えず、ただの現象報告になっています。

面接官が知りたいのは、研究成果そのものよりも、そこに至るまでのあなたの思考や行動です。

必ず「私は〇〇と考え、△△と行動しました」という主語を明確にした表現を心がけましょう。

受け身な姿勢

「先生に言われたので」「このテーマを与えられたので」といった、受け身な姿勢が透けて見える説明もNGです。

あなた自身の創意工夫や問題意識が感じられないと、「指示待ちの人間なのかな?」という印象を与えてしまいます。

たとえ研究テーマが与えられたものであっても、「その中で自分は〇〇という点に面白さを見出し、△△という独自の工夫を加えました」のように、主体的に取り組んだ部分を強調して話しましょう。

学びがない説明

研究のプロセスや結果を説明するだけで、その経験を通じてあなた自身がどう成長したのかが語られないケースです。

面接官は、あなたの将来のポテンシャルを知りたいと思っています。

そのプロセスを通じて、あなたが何を考え、どんなスキルを得たのかが全く伝わってきません。

研究活動という貴重な経験を、自身の強みとして言語化できていないと、自己分析が不十分だと判断されてしまう可能性があります。

時間管理能力への懸念

与えられた時間を大幅に超えて、延々と話し続けてしまうケースです。

話したいことが多いのは分かりますが、これはビジネスの場では「要点をまとめられない人」と見なされてしまいます。

「仕事でも報告が長そうだな」というマイナスの印象を持たれる可能性があります。

指定された時間内で簡潔に説明を終えることは、時間管理能力や論理的思考力をアピールする絶好の機会だと心得ましょう。

【頻出】研究内容に関する「深掘り質問」と完璧な面接回答例

研究内容の説明が終わると、面接官はさらにあなたを理解するために、いくつかの深掘り質問を投げかけてきます。

ここでは、特に頻出の質問とその回答のポイントを紹介します。

あらかじめ回答を準備しておくことで、落ち着いて受け答えができるようになります。

なぜその研究テーマを選んだのですか?

この質問では、あなたの主体性や知的好奇心の源泉が見られています。

単に「面白そうだったから」では不十分です。

主体性や知的好奇心をアピールしましょう。

指導教官に勧められたからではなく、「〇〇という社会課題に興味を持ち、自分の知識で挑戦したいと思ったから」のように、自身の問題意識を起点に語りましょう。

自分の過去の経験や将来の目標と結びつけて語ることで、一貫性のある魅力的な回答になります。

研究で一番大変だったことは何ですか?

この質問は、あなたのストレス耐性や課題解決能力を測るためのものです。

困難な状況にどう向き合う人物なのかを見極めようとしています。

粘り強さや課題解決能力を示しましょう。

ただ「大変でした」で終わらず、「半年間結果が出ませんでしたが、原因を50以上の工程に分解して見直し、〇〇という根本原因を突き止め解決しました」のように、具体的な行動をセットで伝えましょう。

困難な状況を客観的に分析し、乗り越えるために試行錯誤したプロセスを語ることで、あなたの強さをアピールできます。

面接で研究内容を説明するための練習方法

これまでに紹介したポイントを実践するためには、繰り返し練習することが不可欠です。

ここでは、効果的な3つの練習方法を紹介します。

ぜひ今日から試してみてください。

声に出して録音する

まずは、作成した原稿を声に出して読み、スマートフォンなどで録音してみましょう。

時間を計りながら行うことで、時間感覚も身につきます。

自分の説明を客観的に聞き、分かりにくい部分や不要な口癖を修正します。

「えーっと」「あのー」といった無意識の口癖や、早口になっていないかなどをチェックし、改善していくことで、聞き取りやすく、自信に満ちた話し方ができるようになります。

専門外の友人や家族に聞いてもらう

次に、あなたの研究分野を全く知らない友人や家族に、聞き手役をお願いしましょう。

そして、説明後に「どこが分かりにくかったか」「何に興味を持ったか」を正直にフィードバックしてもらいます。

率直なフィードバックをもらい、誰にでも伝わる表現に磨き上げます。

自分では分かりやすいと思っていた表現が、意外と伝わっていないことに気づくはずです。

この練習が、専門用語を平易な言葉に翻訳する最も効果的な訓練になります。

大学のキャリアセンターを活用する

最後は、就職支援のプロフェッショナルである大学のキャリアセンターを積極的に活用しましょう。

多くの大学では、キャリアアドバイザーによる模擬面接が行われています。

模擬面接などでプロの視点からアドバイスをもらい、完成度を高めましょう。

客観的で的確なフィードバックをもらうことで、自分一人では気づけなかった改善点を発見できます。

本番さながらの緊張感の中で練習することで、自信にも繋がります。

まとめ

面接における研究内容の説明は、多くの理系学生にとって大きな関門です。

しかし、この記事で紹介したように、面接官が見ているのは研究成果のインパクトそのものではなく、あなたが研究にどう向き合い、何を学んだかという「プロセス」と思考力です。

研究内容は伝え方によって魅力的に見せることができます。

今回ご紹介した「PREP+V」のテンプレートや、準備のポイントを参考に、あなた自身の言葉で、あなたの経験の価値を語れるように練習を重ねてください。

そうすれば、研究内容の説明は、不安の種ではなく、あなたの魅力を最大限に伝える最高の自己PRの機会に変わるはずです。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます