【例題あり】eF-1Gとは？難易度や対策のコツ、合格ラインまで徹底解説

はじめに

就職活動を進める中で、企業から適性検査「eF-1G（エフワンジー）」の受検を指示され、戸惑いを感じている新卒学生の方も多いのではないでしょうか。

SPIや玉手箱といった有名なWebテストとは異なり、eF-1Gは対策本が市販されておらず、その独特な出題形式から不安を覚えるかもしれません。

このテストは、事前にその特徴と傾向を把握し、正しい対策法を知っておくだけで、通過の可能性を大きく高めることができます。

この記事では、eF-1Gの全貌を徹底的に解説し、具体的な対策のポイントまで詳しくお伝えします。

適性検査 eF-1G とは？

eF-1Gは、株式会社イー・ファルコンが提供する適性検査です。

多くの企業が採用選考の初期段階で導入しており、応募者の潜在能力や特性を見極めるために利用されています。

他のテストと比べて情報が少ないため、eF-1Gの受検案内が来ると多くの就活生が対策に悩みます。

まずは、このテストがどのようなものなのか、基本的な構造や難易度から理解していきましょう。

テストの構成

eF-1Gは、大きく分けて2つの分野で構成されています。

それは、個人の思考特性や価値観を測る「性格検査」と、業務遂行に必要な基礎的な知力を測る「能力検査」です。

性格検査は約30分から40分で251問、能力検査は30分で114問と、どちらも非常に多くの問題数を短時間で処理する必要があります。

受検は自宅や大学のPCで受けるWebテスト形式が一般的です。

この2つの検査結果を総合的に判断し、企業は応募者が自社にマッチする人材かどうかを評価します。

eF-1Gの対策とは、この両方の検査の特徴を理解することから始まります。

難易度

eF-1Gの難易度は、他の適性検査と比較しても高いと言われることが多いです。

ただし、その難易度の高さは、問題自体の学術的なレベルが高いというよりも、問題数に対して制限時間が極端に短い点にあります。

能力検査では1問あたり数十秒で回答する必要があり、常に時間的なプレッシャーにさらされます。

また、非言語分野の図形問題や言語分野の連想問題など、SPIや玉手箱では見られない独特な形式の問題が出題されるため、初見では戸惑ってしまうことも難易度を上げる要因となっています。

eF-1Gは、知識量以上に、思考の瞬発力と処理スピードが問われるテストなのです。

他のWebテストとの違い

eF-1GとSPIや玉手箱との決定的な違いは、測定しようとする能力の側面にあります。

SPIや玉手箱が、主に論理的思考力や基礎的な計算能力、言語能力といった「知識の習熟度」や「論理的処理能力」を測るのに対し、eF-1Gはそれに加えて「思考の柔軟性」や「発想の瞬発力」といった側面が必要になります。

また、eF-1Gは、企業の測りたい能力や個人特性ごとに試験内容をカスタマイズできるため、対策がしにくい点も難しさに繋がっています。

したがって、eF-1Gの対策としては、SPI対策で基礎能力を高めつつ、eF-1G特有の形式に慣れておくことが重要になります。

eF-1Gの合格ラインと評価の仕組み

eF-1Gの対策を進める上で、どのくらいの点数を取れば合格できるのか、企業が何を評価しているのかは非常に気になるところです。

しかし、このテストは結果がフィードバックされない場合が多いため、その実態は見えにくいです。

ここでは、eF-1Gの合格ラインと評価の仕組みについて、推測される実態を解説します。

合格ラインはどれくらいか

結論から言うと、eF-1Gの明確な合格ラインや足切り点数は公表されていません。

しかし、過去の応募者の傾向から、大体5～7割程度だと推測されています。

あくまでこれは目安であり、人気企業ほど合格基準も高くなるため、自分の志望企業に合わせた対策が必要です。

ただし、内定者の体験談を見ても、能力検査の出来が今ひとつだったと感じていても通過しているケースがあります。

これは、企業が能力検査の点数とあわせて、性格検査とのマッチ度やストレス耐性といった項目を総合的に評価しているためです。

高得点を狙うに越したことはありませんが、満点を取る必要はなく、時間内にできるだけ多くの問題で自分なりの回答を続けることが重要です。

企業による評価ポイントの違いがある

企業はeF-1Gの結果を画一的に評価しているわけではありません。

A社ではリーダーシップや行動力を重視し、B社では協調性や慎重さを重視する、といったように、自社の社風や求める人物像に照らし合わせて評価ポイントを変えています。

例えば、営業職の採用であればストレス耐性や達成意欲を、研究職の採用であれば論理的思考力や慎重さを重視する、といった具合です。

したがって、eF-1Gの対策においては、点数だけでなく、その企業の求める人物像を理解し、性格検査で一貫性のある回答をすることも、間接的な対策となると言えるでしょう。

〇フィードバックを参考にしよう

eF-1Gでは、受検後にフィードバックシートを貰える場合があります。

内容は企業によりますが、診断結果に基づいたあなたの強みや弱み、課題への対処法などが分かり、今後の就職活動における自己分析や面接対策に非常に役立ちます。

自分の特性を客観的に確認し、自己PRや弱みの伝え方をブラッシュアップするために活用しましょう。

客観的なデータを基に話す内容を改善できれば、選考通過率をより高めることができます。

もしフィードバックを得られなかった場合でも、受検した経験そのものを活かすことができます。

「どの問題に時間がかかったか」「時間配分は適切だったか」といった本番の感覚は、次にeF-1Gを受検する際（本命企業など）の何よりの参考情報となります。

企業がeF-1Gを導入する理由

SPIや玉手箱といった主流の適性検査がある中で、あえてeF-1Gを導入する企業にはどのような狙いがあるのでしょうか。

eF-1Gは対策が難しく、受検者の「素」の力が現れやすいテストです。

企業側がeF-1Gを利用する背景には、従来のテストでは測りきれない応募者の深層心理やポテンシャルを見極めたいという明確な意図があります。

豊富な測定項目で応募者の特性を確認しやすいため

eF-1Gの性格検査は、251問、80項目という非常に詳細な測定項目を持っています。

これにより、企業は応募者の思考性、価値観、行動特性といった個人特性を、多角的かつ詳細な粒度で把握することができます。

一般的な適性検査よりも深く個人の内面を分析できるため、自社の社風や特定の職務に本当にマッチする人材かどうかを、より精密に見極めることが可能になります。

面接だけでは分からない応募者の本質的な部分を、eF-1Gの客観的なデータで補完したいという狙いがあります。

ストレス耐性を詳細に測れるため

現代のビジネス環境において、ストレスへの対処能力は非常に重要なスキルです。

eF-1Gは、この「ストレス耐性」を詳細に測定できる点も、企業が導入する大きな理由の一つです。

仕事上のプレッシャーや困難な状況に直面した際、その人がどのように反応し、対処する傾向があるかを分析できます。

企業としては、採用した人材に早期離職されることを防ぎ、入社後も高いパフォーマンスを維持して活躍してもらいたいと考えています。

eF-1Gは、その見極めを行うための有効なツールとして活用されています。

eF-1Gの試験内容

eF-1Gは「性格検査」と「能力検査」の二本立てです。

特に能力検査は、他のテストにはない独特な形式を含んでおり、事前に対策しているかどうかで大きな差がつきます。

ここでは、それぞれの検査がどのような内容で、何が問われているのかを具体的に解説します。

〇性格検査

eF-1Gの性格検査は、約30分から40分で251問もの膨大な質問に回答していきます。

質問内容は、日常生活の行動や考え方に関するもので、自分にどれだけ当てはまるかを5段階程度の選択肢から直感的に選ぶ形式です。

質問数が多いため、深く考え込む時間はありません。

ここで企業が見ているのは、回答の一貫性や誠実性、そして自社の求める人物像とのマッチ度です。

対策としては、事前に自己分析をしっかり行い、自分の価値観や強みを明確にしておくことです。

自分を偽って良く見せようとすると、回答に矛盾が生じ、信頼性が低いと判断される可能性があるため、素直かつ一貫性を持って回答することが重要です。

〇能力検査

eF-1Gの能力検査は、約30分で114問もの問題を解く、スピード勝負のテストです。

最大の特徴は、テスト全体ではなく、数問ずつの「ブロック」ごとに制限時間が設定されている点です。一度次のブロックに進むと、前のブロックに戻ることはできません。

出題内容は、言語分野と非言語分野（計算、図形など）で構成されています。

SPIに似た基礎的な計算問題や語彙問題も含まれますが、「単語の連想」や「煙突の見え方」といったeF-1G特有の奇問・難問も多く含まれます。

対策としては、時間配分の感覚を掴み、解けない問題は即座に見切る判断力が求められます。

言語分野の例題とコツ

eF-1Gの言語分野は、SPIのような語彙力や読解力を問う問題に加え、思考の柔軟性や瞬発力を測る独特の問題が出題されます。

特に対策本がない中で不安に感じる方が多い、eF-1G特有の形式について、例題の傾向と対策のコツを解説します。

単語の連想

これはeF-1Gを象徴する問題の一つで、いわゆる「マジカルバナナ」のような連想ゲーム形式の問題です。

最初と最後の単語が提示され、その間を連想でつなぐ単語を記述式で回答します。

お題として「山」→（ ）→（ ）→「海」といった形で出題されます。

この場合、「山」→「川」→「海」のように、論理的なつながりでなくても、連想が成り立てば問題ありません。

この問題で問われているのは、正解を出すことではなく、思考の柔軟性とスピードです。

対策のコツは、深く考え込まず、頭に浮かんだ単語を瞬時にタイピングすることです。正解不正解にこだわりすぎず、とにかく空欄を埋めることを意識しましょう。

単語の列挙

こちらもeF-1G特有の瞬発力が問われる問題です。

指定されたテーマに沿った単語を、制限時間内にできるだけ多く記述する形式です。

お題として「赤いもの」が提示されたら、「りんご」「ポスト」「トマト」「血」「消防車」といった単語を素早く列挙します。

この問題も、珍しい回答や高度な単語を書くことよりも、どれだけ多くの単語を時間内に出力できるかという「量」が評価されていると考えられます。

対策のコツは、日頃から連想ゲームのように、一つのテーマから様々な言葉を思い浮かべる練習をしておくことです。

本番ではとにかくスピードを意識し、思いつく限り書き続けることが重要です。

非言語分野の例題とコツ

eF-1Gの非言語分野は、図形問題や空間認識能力を問う問題が多く、最も対策が難しいとされる領域です。

SPIの数的処理とは異なる、eF-1G特有の問題形式に慣れておくことが、高得点の鍵となります。

代表的な問題の傾向と対策のコツを見ていきましょう。

地図の読み取り

提示された地図を見ながら、指定された地点への移動ルート、方角、距離などを素早く把握し回答する問題です。

情報自体は地図にすべて書かれていますが、制限時間が非常に短いため、必要な情報を瞬時に見つけ出し、正確に判断する情報処理能力が問われます。

本番では、表示された地図の画像に関して、「A地点から見てB地点はどの方角にありますか？」といった形で問題を出されます。

対策のコツは、問題文を先に読み、何を探すべきかを明確にしてから地図を見ることです。

焦ると簡単な読み間違えを起こしやすいため、SPIの問題集などにある地図問題で、素早く情報を読み取る練習をしておくと良いでしょう。

煙突の見え方

eF-1Gの非言語分野で特に有名で、難易度が高いとされる問題です。

高さや位置が異なる複数の煙突が並んでいる様子が示され、それを特定の方向から見た場合に、どのように見えるかを複数の選択肢から選ぶ問題です。

高い空間認識能力が必要とされます。

例えば、4本の高さが異なる煙突が並んだ図が表示され、「矢印Aの方向から見た時にどのように見えるか」を問われます。

頭の中だけで立体をイメージするのが苦手な人にとっては、かなりの難問となります。

対策が難しいため、もし本番で出題されて解法がすぐに思い浮かばない場合は、時間をかけすぎずに他の問題に移る「捨てる勇気」も必要です。

積み木の個数カウント

画面上に積み木が積み上げられた図が表示され、その積み木が合計でいくつあるかを数える問題です。

ここでのポイントは、図は立体的に積み上げられているため、見えている積み木だけでなく、その下に隠れていて見えない積み木も正確にカウントすることです。

これも空間認識能力の一種で、立体的な構造を頭の中でイメージできるかが問われます。

対策としては、中学受験用の算数ドリルや、パズルアプリなどで、積み木の個数を数える練習をしておくと、感覚を掴みやすくなります。

法則性の読み取り

複数の図形や記号、数字が並んでおり、そこに隠された法則性や規則性を見つけ出し、次に来るものや空欄に当てはまるものを回答する問題です。

これはSPIの数列や図形の法則性問題と似ていますが、eF-1Gではパターンがより直感的であったり、逆に複雑であったりします。

対策としては、SPIの問題集で様々なパターンの法則性問題に触れ、規則性を見つけるスピードを上げておくことが有効です。

短時間で法則を見つける思考の瞬発力が求められます。

記号のカウント

画面上に多種多様な記号がランダムに表示され、その中から指定された特定の記号（例：★マーク）がいくつあるかを素早くカウントする問題です。

問題自体は単純ですが、制限時間が非常に短く、集中力と正確性が求められます。

焦ると数え間違えたり、見落としたりしがちです。

対策のコツは、画面全体をぼんやり見るのではなく、行や列を決めて順番に、かつ素早く視線を動かしていくことです。

集中力を高めて臨む必要があります。

eF-1Gを効果的に対策する際のポイント

eF-1Gは対策本がないため、どうやって勉強すればよいか分からない、というのが就活生の最大の悩みです。

しかし、対策本がないからこそ、正しい対策法を知っているかどうかがライバルとの差になります。

eF-1Gを効果的に対策するために、絶対に押さえておくべきポイントを解説します。

eF-1G専用の対策本はない

まず受け入れるべき事実は、現在eF-1G専用の市販対策本や問題集は存在しないということです。

書店でSPIや玉手箱の対策本を探すのと同じ感覚でeF-1Gの対策本を探しても、見つかりません。

これは、eF-1Gが企業の求める能力に合わせてカスタマイズ可能な適性検査であり、固定の問題や対策方法がないということが大きな要因になっています。

そのため、対策本がないことに焦るのではなく、今ある情報の中で、いかに効率よく対策を進めるかを考えることが重要です。

SPI問題集を活用する

eF-1G専用の対策本はありませんが、能力検査の半分程度は、SPIの非言語（数的処理）や言語（語彙・読解）と共通する基礎能力を問う問題です。

基本的な計算能力、読解力、論理的思考力は、eF-1Gにおいても必須のスキルです。

したがって、SPIの対策問題集を繰り返し解き、基礎的な処理能力とスピードを徹底的に鍛え上げることが、eF-1G対策の最も確実な土台となります。

特有の問題にばかり気を取られず、まずはSPIレベルの基礎を固めることを最優先にしましょう。

eF-1Gを導入する企業の選考を受ける

eF-1G対策として最も効果的で、唯一無二の実戦演習となるのが、eF-1Gを導入している他社の選考を（本命企業の前に）受検することです。

独特の問題形式、ブロックごとの時間制限、圧倒的なスピード感は、一度体験するだけで本番での対応力や緊張感が変わります。

志望度が高くない企業であっても、eF-1Gを導入していることが分かれば、本命企業のための練習として受検し、本番の空気に慣れておくことは非常に有効な戦略です。

過去問や解答集は使わない

対策本がないため、SNSなどで「eF-1Gの過去問」や「解答集」と称される情報が出回っていることがあります。

しかし、これらの信憑性は極めて低く、誤った情報である可能性が高いです。

何より、こうした非公式な情報を使用して受検することは不正行為にあたります。

万が一、不正が発覚した場合、その企業の内定取り消しはもちろん、今後の就職活動にも重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクが大きすぎるため、非公式な情報には絶対に手を出さず、正当な対策を積み重ねることが重要です。

eF-1G受験時の心構えと意識すべきポイント

eF-1Gは、知識量だけでなく、当日のコンディションや時間配分の戦略が結果を大きく左右するテストです。

十分な対策をしても、本番で焦ってしまっては実力を発揮できません。

最後に、eF-1Gを受検する当日に意識すべき心構えと高得点のコツをお伝えします。

時間がかかりそうな問題は素早く飛ばす

eF-1Gの能力検査は、ブロックごとに制限時間が設定されており、解けない問題に固執することは致命傷になります。

一問に時間をかけすぎると、そのブロックの他の簡単な問題まで解く時間を失ってしまいます。

対策は、問題を一目見て、解法がすぐに思い浮かばない、あるいは時間がかかると判断した場合は、即座に「捨てる勇気」を持つことです。

eF-1Gは満点を取るテストではありません。

解ける問題から確実に正答を積み重ねていくことが、最も重要な戦略です。

連想問題ではできるだけ回答数を増やす

言語分野の「単語の連想」や「単語の列挙」といった記述式問題では、回答の「質」にこだわりすぎないことが重要です。

これらの問題で評価されているのは、思考の柔軟性と瞬発力、つまりアウトプットの「量」である可能性が高いです。

素晴らしい回答を一つひねり出すために時間をかけるよりも、制限時間内にできるだけ多くの回答欄を埋めることを意識してください。

深く考え込まず、頭に浮かんだ言葉を次々とタイピングしていくスピード感を最優先にしましょう。

まとめ

適性検査eF-1Gは、対策本がなく、出題形式も独特であるため、「初見殺し」のテストとも呼ばれます。

しかし、その本質は「知識量」ではなく、「思考の速さと柔軟性」、そして「基礎的な処理能力」を測るものです。

まずはSPIの問題集で確実な基礎力を養い、この記事で紹介したようなeF-1G特有の問題形式が存在することを頭に入れておきましょう。

そして何より、時間配分の戦略を持ち、解けない問題は即座に飛ばす判断力を持つことが重要です。

事前の情報収集と正しい対策が、eF-1G突破の最大の鍵となりますので、対策を進めて自信をもって本番に臨みましょう。