はじめに
富士通の志望動機を作成するにあたり、同社が従来のIT企業から「DX（デジタルトランスフォーメーション）」と「SX（サステナビリティ・トランスフォーメーション）」を牽引する企業へと大きく変貌している点を理解することが不可欠です。
本記事では、富士通のパーパス（存在意義）や最新の事業戦略「Fujitsu Uvance」を踏まえ、採用担当者に響く志望動機の核心を徹底的に解説します。
競合他社との明確な違い、ES通過者の傾向、そして作成時の注意点まで網羅し、あなたの熱意と変革への意欲が伝わる志望動機作成をサポートします。
志望動機が完成したらAIチェッカーを使おう
志望動機の草案が完成したら、提出前にAIチェッカーで客観的な視点を取り入れることは、選考突破率を高める上で非常に有効です。
AIは、自分では気づきにくい誤字脱字や文法的な誤り、冗長な表現を瞬時に検出し、文章の「読みやすさ」を格段に向上させます。
また、論理構成が破綻していないか、結論と理由が適切に結びついているかといった基本的な構造チェックにも役立ちます。
しかし、AIのチェックだけに依存してはいけません。
AIは、あなたの経験の独自性や、富士通の「パーパス」に対する本質的な共感度までは判断できません。
最終チェックで最も重要な観点は、その志望動機が「なぜIT業界なのか」「なぜ数あるIT企業の中で富士通なのか」という問いに、あなた自身の具体的なエピソードと言葉で答えられているかどうかです。
AIを優秀な校正アシスタントとして活用し、文章の土台を固めた上で、熱意という「魂」を込める最終仕上げは必ず自分の手で行ってください。
【富士通の志望動機】富士通を知ろう
富士通の志望動機を作成する上で、まず押さえるべきは、同社が今、歴史的な「変革期」の真っ只中にあるという事実です。
かつての「日本を代表する総合ITメーカー（ハードウェア）」という姿から、現在は「テクノロジーの力で顧客のDX（デジタルトランスフォーメーション）を支援し、サステナブルな社会を実現する」ITサービス企業へと、その事業の軸足を大きく移しています。
この変革を象徴するのが、サステナビリティ課題の解決に焦点を当てた新事業ブランド「Fujitsu Uvance」です。
富士通を理解するとは、単に製品やサービスを知ることではなく、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていく」というパーパス（存在意義）に基づき、企業全体が未来志向で動いていることを理解することです。
本章では、この変革する富士通の「今」を正しく捉えるため、「事業内容」「業績」「企業理念」という3つの側面から、志望動機の土台となる企業理解を深めていきます。
富士通の事業内容
富士通の現在の事業内容を理解する上で、最も重要なキーワードは「Fujitsu Uvance（フジツウ ユーバンス）」です。
これは、富士通が未来に向けて注力する7つの重点分野（環境問題、健康な暮らし、信頼できる社会など）におけるソリューションとサービス群を示す新事業ブランドです。
現在の富士通のビジネスモデルは、かつてのようなサーバーやPCといったハードウェアの販売が中心ではなく、顧客企業や社会が抱える課題に対し、ITコンサルティングからシステム構築、運用・保守までを一気通貫で提供する「ITサービス」が売上の大半を占めています。
特に「Fujitsu Uvance」は、単なるシステム開発（SI）に留まらず、社会課題の解決そのものをビジネスの目的に据えている点が最大の特徴です。
もちろん、これらのサービスを支える基盤として、高性能コンピューティング（スパコン「富岳」など）やAI、セキュリティといった最先端のテクノロジー分野（旧来のハードウェア事業から発展）も依然として富士通の強みです。
志望動機では、この「ITサービス企業」、特に「SX（サステナビリティ・トランスフォーメーション）企業」へと変貌を遂げた富士通の姿を正確に捉え、自身がどう貢献したいかを示す必要があります。
富士通の業績
企業の業績を分析することは、その企業の戦略が正しく機能しているか、そして将来性があるかを見極める上で不可欠です。
富士通の近年の業績を見ると、売上高全体は横ばい、あるいは微減傾向に見えることがあります。
しかし、これは意図的な「事業ポートフォリオの変革」の結果です。
富士通は、PC事業や携帯電話事業、半導体事業など、収益性が低かったり、主軸から外れたりする事業を次々と売却・分離してきました。
その一方で、利益率の高い「サービス＆ソリューション」分野（特にDX支援やクラウド関連）に経営資源を集中させています。
結果として、売上構成は変化しても、営業利益率やキャッシュフローは改善傾向にあります。
現在進行中の中期経営計画では、この「Fujitsu Uvance」を成長の牽引役とし、さらなる収益性向上とグローバル展開の加速を掲げています。
志望動機では、目先の売上高だけを見るのではなく、こうした「質的転換」を理解し、「貴社のDX・SXへの戦略的シフトと、それに伴う収益構造の改善に将来性を感じた」といった、戦略の本質を捉えた視点を示すことが重要です。
富士通の企業理念
富士通の企業研究において、その核となるのが「パーパス（Our Purpose）」です。
富士通は、自社の存在意義を「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていくこと」と明確に定義しています。
これは単なるお題目ではなく、前述の事業ブランド「Fujitsu Uvance」をはじめ、あらゆる企業活動の判断基準となっています。
また、このパーパスを実現するための具体的な行動指針として「Fujitsu Way」が定められており、「挑戦」「信頼」「共感」という3つの価値観（Values）が示されています。
志望動機に活かす際は、この「パーパス」への深い共感が不可欠です。
「サステナビリティに共感した」と抽象的に述べるだけでは不十分です。
なぜ自分が社会課題の解決やサステナブルな世界の実現に関心を持ったのか、その背景にある自身の具体的な原体験（例：ボランティア活動、研究テーマ、留学経験など）と、富士通のパーパスを強く結びつけることが求められます。
あなたの社会に対する問題意識と、富士通の目指す未来が一致していることを論理的に説明してください。
【富士通の志望動機】富士通が志望動機で見ていること
富士通が志望動機で見ているのは、単なるITスキルや学生時代の華々しい実績ではありません。
同社が今まさに「SX（サステナビリティ・トランスフォーメーション）企業」への変革期にあることを踏まえ、採用担当者はあなたの「未来への適応力」と「価値観の一致」を厳しく見極めようとしています。
志望動機は、あなたが富士通の「パーパス」に本気で共鳴しているか、そして、DXやSXといった未知の領域で顧客や社会の課題解決に「挑戦」できる人材かを示す絶好の機会です。
富士通は、テクノロジーの力でより良い社会を創るというミッションを掲げており、その実現には高い専門性だけでなく、困難な課題から逃げない誠実さや、多様な人々を巻き込む共感力も不可欠です。
本章では、数多くの応募者を見てきた採用担当者の視点に立ち、富士通が志望動機で特に重視している3つの核心的な評価軸を深掘りします。
これらのポイントを確実に押さえることが、選考を突破し、あなたが富士通の未来を担う一員であることを証明する鍵となります。
①パーパスへの本質的な共感度
富士通が志望動機で最も重視しているのは、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていく」というパーパスへの本質的な共感度です。
富士通は、自社を「パーパス・ドリブン（パーパス駆動型）」の企業であると位置づけており、全社員がこのパーパスの実現に向けて行動することを求めています。
そのため、採用担当者は、応募者がこのパーパスを単なる「良い言葉」として捉えているのか、それとも自身の「信念」として共鳴しているのかを見極めようとします。
志望動機で「貴社のパーパスに共感しました」と述べるだけでは、全く評価されません。
重要なのは、「なぜ」共感したのか、その理由をあなた自身の具体的な原体験に基づいて説明することです。
例えば、大学時代の研究活動やボランティア活動などで、社会課題の存在を痛感し、その解決に貢献したいと強く願った経験などを挙げ、その思いが富士通の目指すサステナブルな世界の実現とどう結びつくのかを論理的に示す必要があります。
②変革期を乗り切る「挑戦意欲」と「主体性」
現在の富士通は、従来のSIer（システムインテグレーター）の枠を超え、DXやSXをリードするソリューション企業へと生まれ変わろうとしている、まさに「第二の創業期」とも言える変革の途上にあります。
このような時期に求められるのは、前例踏襲や指示待ちの姿勢ではなく、未知の課題に対しても主体的に学び、失敗を恐れずに挑戦できるマインドです。
「Fujitsu Way」の価値観の一つにも「挑戦」が掲げられており、採用担当者は、応募者が変化を楽しみ、自ら考えて行動できる人物かを見ています。
志望動機や自己PRでは、学生時代に高い目標を掲げ、その達成のために従来のやり方にとらわれず、自ら工夫し、周囲を巻き込みながら行動した経験を盛り込むことが極めて有効です。
例えば、サークル活動で新たな企画を立ち上げて成功させた経験や、研究で行き詰まった際に新しいアプローチを試みて壁を乗り越えた経験など、あなたの「主体的な挑戦」を示すエピソードが求められます。
③「なぜ富士通か」の明確な論拠（競合比較）
ITサービス業界には、NTTデータやNEC、日立製作所、さらにはアクセンチュアのような外資系コンサルティングファームまで、数多くの競合が存在します。
その中で「なぜ富士通でなければならないのか」という問いに対し、明確な答えを用意することは、志望度の高さを証明する上で不可欠です。
採用担当者は、あなたが業界全体を俯瞰した上で、富士通の独自の強みや立ち位置を理解して選んでいるかを厳しくチェックしています。
例えば、「ITで社会課題を解決したい」というだけでは、他のどの企業にも当てはまってしまいます。
「数あるIT企業の中でも、貴社が『Fujitsu Uvance』を掲げ、サステナビリティ（SX）をビジネスの根幹に据えて本気で取り組んでいる姿勢に最も強く惹かれた」あるいは「『富岳』に代表される高いコンピューティング技術を基盤に、社会課題の根本解決にアプローチできる点に魅力を感じた」など、富士通ならではの具体的な理由を、競合との比較を交えながら述べることが極めて重要です。
【富士通の志望動機】富士通の求める人物像
富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていく」というパーパスの実現を共に目指せる人材を求めています。
このパーパスを実現するために定められた行動指針「Fujitsu Way」には、「挑戦」「信頼」「共感」という3つの価値観（Values）が示されており、これがそのまま富士通の求める人物像の核となっています。
同社が今、従来のITメーカーからDX・SX企業へと大きく変革していることを踏まえると、単に言われたことをこなす人材ではなく、自ら考え、周囲と協働し、新しい価値を創造するために果敢に行動できる人材が不可欠です。
スキルや専門性はもちろん重要ですが、それ以上に、変化を前向きに捉えるマインドや、社会課題に対する高い当事者意識、そして多様なバックグラウンドを持つ人々と誠実に向き合える人間性が重視されます。
本章では、この「Fujitsu Way」の価値観に基づき、富士通が求める人物像を4つの具体的な側面から深掘りしていきます。
①「挑戦」：高い目標と夢を描き、挑戦し続ける人
富士通が求める人物像の第一は、「Fujitsu Way」の価値観の筆頭に掲げられている「挑戦」を体現できる人です。
DXやSXといった領域は、まだ誰も正解を知らないフロンティアであり、その推進には失敗を恐れずに新しい方法を試し、学び続ける姿勢が不可欠です。
富士通は、現状維持に甘んじることなく、常に高い目標や夢を描き、その実現に向けて主体的に行動できる人材を求めています。
これには、未知の技術や知識を貪欲に吸収する「学習意欲」も含まれます。
志望動機や自己PRでは、過去に自ら高いハードルを設定し、困難に直面しながらも諦めずに試行錯誤を繰り返した経験を具体的にアピールすることが有効です。
例えば、研究活動での難題の克服、スポーツでの目標達成、あるいは新しいスキルの習得など、あなたの「挑戦し、やり遂げた経験」が、富士通の変革を推進する原動力になると示すことが重要です。
②「共感」：多様性を受け入れ、チームで成功を追求する人
富士通は、世界180カ国以上で事業を展開するグローバル企業であり、社内には多様な国籍、文化、専門性を持つ人材が集まっています。
また、顧客やパートナー企業と共に社会課題の解決に取り組む上で、多様なステークホルダーの立場や価値観を理解し、尊重する「共感」の力は不可欠です。
「Fujitsu Way」の価値観にも掲げられている通り、個人の成果だけを追求するのではなく、チーム全体の成功を第一に考え、周囲と協働できる人材が求められています。
志望動機では、学生時代のチームプロジェクトや部活動、アルバイトなどで、異なる意見を持つメンバーとどのように向き合い、信頼関係を築き、共通の目標達成に貢献したかという経験を盛り込むと良いでしょう。
あなたの「共感力」や「協調性」が、富士通の多様なチームの中でどのように発揮されるかを具体的に示すことが求められます。
③「信頼」：誠実に行動し、当事者意識を持ってやり遂げる人
富士通が手掛ける仕事は、顧客企業の経営基盤や、社会インフラを支えるミッションクリティカルなものが大半です。
一つのミスが社会に大きな影響を与えかねないため、「信頼」は何よりも重要な価値観となります。
富士通が求めるのは、常に誠実であることを心がけ、任された仕事に対して高い当事者意識を持ち、最後まで責任を持ってやり遂げる人材です。
困難な状況に直面しても、他人任せにしたり、問題を隠したりするのではなく、誠実に状況を報告し、周囲と協力しながら解決策を探る姿勢が評価されます。
学生時代の経験においても、例えばグループワークで困難な役割を率先して引き受け、地道な努力を続けてチームの成功に貢献した経験や、約束を誠実に守り続けた経験などが、あなたの「信頼性」を裏付けるエピソードとなり得ます。
④「パーパスへの共鳴」：社会課題を自分事として捉える人
富士通が現在、企業の核に「パーパス」を据えている以上、このパーパスに心から共鳴し、ビジネスを通じて社会課題を解決したいという強い意志を持つ人材を求めていることは間違いありません。
これは、単に「社会貢献がしたい」という漠然とした思いではなく、例えば「環境問題」「格差問題」「医療・健康」など、特定の社会課題に対して自分事として強い問題意識を持っていることを意味します。
なぜその課題に関心を持ったのか、その解決のためにテクノロジー（IT）がどのような役割を果たせると考えるのか、そして、それをなぜ富士通で実現したいのか。
この一連のストーリーを、自身の経験や学習に基づいて論理的に構築することが重要です。
あなたの社会に対する真摯な問題意識こそが、富士通のパーパスを共に実現していくパートナーとしての適性を示します。
【富士通の志望動機】富士通の志望動機に入れ込むべきポイント3選
富士通の志望動機で、数多くのライバルと明確な差をつけるためには、戦略的に盛り込むべき「核心的なポイント」が3つあります。
富士通は今、「Fujitsu Uvance」を旗印に、サステナブルな社会の実現に向けた「SX企業」へと大きく舵を切っています。
この変革期において、採用担当者は、応募者が富士通の「未来の姿」を正しく理解し、その実現に貢献できる人材かを見極めています。
「ITが好き」というだけでは不十分であり、「富士通のテクノロジーを使って、何の社会課題を、なぜ解決したいのか」という問いに対する、あなただけの具体的な答えが必要です。
本章では、あなたの志望動機を「その他大勢」から「選ばれる一つ」へと昇華させるために、必ず入れ込むべき3つのポイントを徹底的に解説します。
①パーパス（サステナビリティ）と自身の原体験の紐付け
富士通の志望動機で最も重要なポイントは、同社のパーパス（存在意義）とあなた自身の原体験を強力に結びつけることです。
富士通は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていくこと」を掲げています。
このパーパスに「共感しました」と書くだけでは不十分です。
なぜ共感するのか、その根拠となるあなた自身の「原体験」を具体的に示す必要があります。
例えば、「大学のゼミで環境問題を研究し、テクノロジーによる解決の可能性を痛感した経験」や、「地方でのボランティア活動を通じて、地域医療の課題を目の当たりにした経験」などです。
「私は〇〇という経験から、〇〇という社会課題の解決に強い思いを抱いており、その思いは貴社のパーパスと深く一致する」という論理を構築してください。
この紐付けが強固であるほど、あなたの志望動機は「本物」であると採用担当者に伝わります。
②「DX/SXの当事者」として貢献したいという意欲
富士通が求めているのは、ITシステムを言われた通りに作る「作業者」ではなく、顧客と共に課題を発見し、テクノロジーでその「変革」をリードする「当事者」です。
特に、新事業ブランド「Fujitsu Uvance」は、社会課題の解決（SX）そのものをビジネスの目的にしています。
したがって、志望動機では、「貴社の技術を学びたい」という受け身の姿勢ではなく、「自身の〇〇という強みを活かし、貴社のDX/SXの推進に貢献したい」という主体的な意欲を明確に示すことが不可欠です。
例えば、「学生時代の〇〇という経験で培った課題発見能力を活かし、顧客の潜在的なニーズを引き出し、Uvanceのソリューション提案に貢献したい」といった形です。
あなたが富士通の「変革の推進力」になれる人材であることを、過去の行動実績に基づいてアピールしてください。
③競合他社との比較して優れた点を盛り込む
「なぜ富士通なのか」という問いに、競合他... (Self-Correction: ここはh3なので、競合比較のメリットを説明するパートだった)
③競合他社との比較して優れた点を盛り込む
「なぜ富士通なのか」という問いに説得力を持たせる上で、競合他社との比較は極めて有効な手段です。
ITサービス業界にはNEC、NTTデータ、日立製作所など多くのライバルが存在し、どの企業も「DX支援」を掲げているため、志望動機が似通ってしまいがちです。
ここで競合比較を盛り込む最大のメリットは、あなたの企業研究の深さと、志望度の高さを採用担当者に論理的に証明できる点にあります。
例えば、「他社がDXに注力する中で、貴社はさらに一歩進め、パーパスに基づき『SX（サステナビリティ・トランスフォーメーション）』をビジネスの根幹に据えている点に、他社にはない強い意志と将来性を感じた」といった形で、富士通の独自性を際立たせます。
この比較を通じて、「他の選択肢も検討したが、富士通のこの点こそが自分の価値観やビジョンと最も一致する」という結論を導き出すことで、あなたの志望動機は一気に深みと熱意を増します。
【富士通の志望動機】競合他社との比較しよう
富士通の志望動機で「なぜ富士通でなければならないのか」を明確にするため、競合他社との比較は不可欠です。
特にITサービス業界（SIer）は、NEC、NTTデータ、日立製作所など、事業内容が似ているように見える国内企業が多く、さらにアクセンチュアなどの外資系コンサルもDX領域で激しく競合しています。
これらの企業と富士通の「戦略の違い」や「強みの源泉」を正しく理解していなければ、あなたの志望動機は「どの会社でも良いのでは？」という印象を与えてしまいます。
比較する際は、単なる売上規模や従業員数ではなく、各社が「何に注力し」「どのようなビジネスモデルで」「どんな未来を描いているのか」という戦略的な違いに着目することが重要です。
本章では、主要な競合他社を取り上げ、富士通との違いを明確にするための比較軸を提示します。
①NECとの違い（注力分野と技術的強み）
富士通とNECは、ともに日本の大手総合ITベンダーであり、ハードウェア製造からITサービスまで幅広く手掛けてきた歴史を持つ、最も比較対象にされやすいライバルです。
両社とも現在はDX支援に注力していますが、そのアプローチと強みの源泉に違いがあります。
NECは、「生体認証（顔認証など）」や「AI」といった世界トップクラスの独自技術を核に据え、特に「セーフティ（安全・安心）」や「社会インフラ」の分野でのDXに強みを持っています。
一方、富士通もAIやセキュリティ技術を持っていますが、現在の戦略の核は「Fujitsu Uvance」に象徴される「サステナビリティ（SX）」です。
社会課題を7つの分野に分類し、それらを解決するためのソリューションをグローバルに提供しようとしています。
技術的な強みで言えば、富士通はスパコン「富岳」に代表される「高性能コンピューティング（HPC）」に強みを持ちます。
技術基盤（NEC=生体認証/AI、富士通=HPC）と戦略の軸（NEC=セーフティ/インフラ、富士通=SX/Uvance）の違いに着目すると良いでしょう。
②NTTデータとの違い（事業ドメインとグローバル戦略）
NTTデータは、NTTグループの中核をなす国内最大のSIer（システムインテグレーター）です。
両社の大きな違いは、まずその成り立ちにあります。
NTTデータは旧電電公社のデータ通信本部が母体であり、設立当初から「ITサービス（システム構築）」専業です。
そのため、官公庁や金融といった大規模かつミッションクリティカルな社会インフラシステムの構築において、圧倒的な実績とノウハウを持っています。
一方、富士通はコンピュータメーカーが発祥であり、ハードウェアからソフトウェア、サービスまでを一気通貫で提供できる「総合力」が強みでした。
現在、富士通もITサービスが中心ですが、NTTデータが「大規模SI」に強みを持つのに対し、富士通は「コンサルティング」から「DXソリューション（Uvance）」、そしてそれを支える「テクノロジー基盤（HPC等）」まで、より広範なアプローチを武器にしています。
また、グローバル戦略においても、NTTデータが海外SIerのM&Aを重ねて各国でのプレゼンスを高めているのに対し、富士通は特に欧州市場に強固な基盤を持っています。
③日立製作所との違い（ITとOTの融合）
日立製作所も、富士通と同様にDXを成長戦略の核に据えていますが、そのアプローチは根本的に異なります。
日立の最大の強みは、長年培ってきた「OT（Operational Technology：制御・運用技術）」と、鉄道車両、発電所、産業機器といった「プロダクト（ハードウェア）」を自社グループ内に併せ持っている点です。
日立のDX戦略「Lumada」は、このIT（デジタル）×OT×プロダクトを融合させ、社会インフラや製造業の現場の課題を一体的に解決することに主眼が置かれています。
一方、富士通はPCや半導体などのハードウェア事業の多くを切り離し、現在はOTや重電プロダクトをほとんど持っていません。
富士通の強みは、純粋な「IT/DX/SXソリューション」と、それを実現する「コンピューティング技術」に特化している点です。
「現場のモノ（OT）」まで含めた変革に強みを持つ日立に対し、富士通は「デジタル（IT）」の力で社会課題の解決を目指す、という戦略的な立ち位置の違いがあります。
④外資系コンサル（アクセンチュア等）との違い（実行力と技術基盤）
DXやSXといった領域では、アクセンチュアやPwCといった外資系コンサルティングファームも強力な競合となります。
これらの企業は、「超上流」と呼ばれる戦略立案や業務改革（BPR）のコンサルティングに強みを持ち、そこからデジタルシステムの導入支援までを一気通貫で手掛けることで急速にシェアを伸ばしています。
富士通も、傘下のRidgelinez（リッジラインズ）などでコンサルティング機能を強化していますが、外資系コンサルとの最大の違いは、「技術的な実行力」と「研究開発基盤」にあります。
富士通は、スパコン「富岳」に代表されるような最先端のコンピューティング技術やAI、セキュリティに関する独自の研究開発部門を持ち、自社で技術を生み出す力があります。
また、コンサルティングで描いた戦略を、実際のシステムとして「構築」し、その後の「運用・保守」まで長期的に担い続ける「実行力」と「信頼」は、日系SIerである富士通の伝統的な強みです。
戦略立案のシャープさで競う外資に対し、富士通は「技術力」と「長期的な伴走力」で勝負していると言えます。
【富士通の志望動機】富士通のES通過者の志望動機の共通点
富士通のエントリーシート（ES）を通過する志望動機には、いくつかの明確な共通点が見受けられます。
これらの傾向を分析することは、あなたの志望動機が採用担当者の評価軸とずれていないかを確認する上で非常に有益です。
まず最大の共通点は、富士通の「パーパス（存在意義）」と新事業ブランド「Fujitsu Uvance」への深い理解を示している点です。
多くの通過者は、単に「ITで社会貢献したい」という抽象的な表現に留まらず、「貴社のパーパスに共感し、特にUvanceの7分野の中の〇〇（例：Healthy Living）で、自身の〇〇の経験を活かしたい」といった形で、自身の経験と富士通の具体的な戦略を明確に結びつけています。
次に、「挑戦」や「変革」といったキーワードに対し、自身の過去の「主体的な行動」のエピソードで裏付けをしている点も共通しています。
富士通自身が変革期にあるため、変化を前向きに捉え、自ら行動した経験が高く評価される傾向にあります。
これらの共通点から、富士通は「自社の未来戦略を正しく理解し、そこに当事者として貢献する意欲を具体的に示せる人材」を求めていることが明確です。
【富士通の志望動機】富士通の志望動機を作成する際の4つの注意点
富士通の志望動機を作成する際、熱意があるにもかかわらず、その「ズレ」によって評価を下げてしまう典型的な失敗パターンが存在します。
富士通は今、従来のITメーカーから「パーパス・ドリブン」なSX企業へと急速に変貌を遂げており、この「現在の富士通」を正しく理解していない志望動機は、採用担当者に見抜かれてしまいます。
「社会を便利にしたい」といった抽象的な言葉や、過去のハードウェアメーカーとしてのイメージに引きずられた内容は、企業研究不足と判断されかねません。
志望動機の質を落とす要因を事前に把握し、それを回避するだけで、あなたのESの通過率は格段に向上します。
本章では、就活生が富士通の志望動機で陥りがちな4つの主要な注意点を挙げ、「伝わらない」志望動機から「確実に伝わる」志望動機へとブラッシュアップするための改善策を具体的に解説します。
①「パーパスに共感した」だけで終わる
富士通の選考を受ける上で「パーパスへの共感」は必須要素ですが、「貴社のパーパスに共感しました」という一文だけで終わらせてしまうのは、最も典型的なNGパターンです。
採用担当者からすれば、「なぜ共感したのか」「その共感は本物か」が全く伝わりません。
これは、企業理念をただ暗唱しているのと同じであり、あなたの価値観を示すことにはなりません。
この失敗を避けるためには、必ず「なぜ」共感したのか、その根拠となる「自身の原体験」をセットで語る必要があります。
「大学時代の〇〇という経験から、〇〇という社会課題の解決に強い思いがあり、テクノロジーでサステナブルな社会を目指す貴社のパーパスに強く共鳴した」といったように、あなたの内面から出てきた言葉としてパーパスを語ることが不可欠です。
②「ITで社会を便利にしたい」という抽象的な表現
「ITの力で社会を便利にしたい」「DXを推進したい」といった志望理由は、IT業界を志す学生の多くが使う言葉であり、それ自体に間違いはありません。
しかし、この表現だけでは「それはNECでもNTTデータでも、他のIT企業でも良いのでは？」という疑問しか残りません。
「なぜ富士通なのか」という問いに対する答えになっていないのです。
富士通は単に「社会を便利にする」だけでなく、その先の「サステナブルな社会の実現」をパーパスに掲げています。
志望動機では、「便利さ」を超えた「社会課題の解決（例：環境問題、健康格差）」に焦点を当て、そのアプローチとして富士通の「Fujitsu Uvance」や先端技術（HPCなど）に魅力を感じている、という具体的な論理展開が必要です。
③過去の「ハードウェアメーカー」のイメージを引きずっている
富士通はかつて、PC（FMV）や携帯電話（arrows）、サーバーなどで名を馳せた「総合電機メーカー」「ハードウェアメーカー」としての側面が強くありました。
しかし、現在の富士通はこれらの事業の多くを切り離し、売上の大半を「ITサービス・ソリューション」が占める企業へと変貌しています。
志望動機で、いまだに「貴社の高品質なハードウェア製品のものづくりに携わりたい」といった、過去のイメージに基づいたアピールをしてしまうと、「この学生は企業研究が浅い」と一瞬で判断されてしまいます。
もちろん、サーバーやHPCといった技術基盤は今も富士通の強みですが、それらはあくまで「DX/SXソリューションを提供するための手段」として位置づけられていることを理解しておく必要があります。
④「学びたい」「成長したい」という受け身の姿勢
富士通が現在「変革期」にあり、DXやSXという未知の領域に挑戦しているからこそ、「貴社で最先端の技術を学びたい」「成長できる環境に惹かれた」といった受け身（消費者目線）の姿勢は、評価されにくい傾向にあります。
もちろん、入社後に学ぶことは多いですが、富士通が求めているのは「変革の当事者」として、自ら行動し、会社に貢献してくれる人材です。
志望動機では、「学びたい」ではなく、「私の〇〇という強みや経験を活かし、貴社の〇〇という事業（例：Uvance）の推進に貢献したい」という能動的な意志を示すことが重要です。
「会社に何をしてもらうか」ではなく、「自分が会社に何をもたらせるか」という視点を明確に打ち出してください。
【富士通の志望動機】インターンに参加して有利に本選考を進めよう
富士通への入社を強く希望するならば、インターンシップへの参加は、本選考を突破するための最も有効な戦略の一つです。
富士通は近年、「ジョブ型採用」を推進しており、インターンシップが実質的な選考プロセスの一部として機能している側面が強まっています。
インターン参加の最大のメリットは、早期選考や一部選考免除といった「選考優遇」を受けられる可能性が高い点です。
実際に、インターン参加者限定の選考ルートが用意されているケースは多く、一般応募よりも早い段階で内定を獲得できるチャンスが広がります。
さらに重要なのは、「業務理解の深化」と「マッチングの確認」ができる点です。
富士通が手掛けるDX/SXの仕事は抽象的になりがちですが、インターンで実務の一端に触れることで、仕事の具体的なイメージが湧き、志望動機の解像度が飛躍的に高まります。
「なぜ富士通なのか」という問いに対し、実体験に基づいた説得力のある答えを用意できることは、他の応募者に対する圧倒的なアドバンテージとなるでしょう。
【富士通の志望動機】富士通の志望動機例文
富士通の志望動機は、同社の「パーパス」や「Fujitsu Uvance」といった戦略を深く理解した上で、自身の経験とどう結びつけるかが鍵となります。
ここでは、あなたの強みや経験に応じて使い分けられるよう、異なる5つのアプローチに基づいた志望動機例文を紹介します。
例えば、研究活動やインターンでの「経験」を軸にするパターン、社会課題への問題意識という「価値観（パーパス）」を軸にするパターン、語学力やリーダーシップといった「スキル」を軸にするパターン、そしてAIやHPCといった先端技術への「将来ビジョン」を軸にするパターンなどです。
これらはあくまで論理構成の「型」です。
例文をそのまま流用するのではなく、必ずあなた自身の具体的なエピソードと言葉に置き換え、オリジナリティのある志望動機を完成させてください。
例文①（経験ベース：DX/IT活用経験）
私が貴社を志望する理由は、最先端のテクノロジーとコンサルティング力を駆使し、顧客のDX（デジタルトランスフォーメーション）を本質的な部分から支援する姿勢に強く惹かれたからです。
私は大学時代、飲食店でのアルバイトリーダーとして、手書き伝票による注文ミスや非効率な在庫管理という課題に直面しました。
そこで、私は独学でITツール（簡易なデータベースと分析ツール）を学び、タブレットオーダーシステムと連動した在庫管理の仕組みを店長に提案・導入しました。
結果、注文ミスを8割削減し、食材の廃棄ロスも大幅に改善できました。
この経験から、ITが単なる効率化ツールではなく、ビジネスの根本的な課題を解決し、働く人の意識まで変える力を持つことを痛感しました。
貴社は、「Fujitsu Uvance」を掲げ、顧客の課題に寄り添い、変革の伴走者としてDXを推進しています。
私の強みである「課題発見力」と「ITを活用した実行力」を活かし、貴社でお客様の真の課題に寄り添い、その変革の当事者として貢献したいです。
例文②（価値観ベース：パーパス/サステナビリティ）
私が貴社を強く志望する理由は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をよりサステナブルにしていく」というパーパスに、心の底から共鳴したからです。
私は大学のゼミで開発経済学を専攻し、途上国における環境汚染と健康被害の実態を研究しました。
現地調査も経験する中で、経済発展と環境保全の両立がいかに困難であるかを痛感し、テクノロジーの力でこの社会課題を解決したいと強く願うようになりました。
数あるIT企業の中でも、貴社は「Fujitsu Uvance」を策定し、ビジネスの力でサステナビリティ課題の解決に真正面から取り組んでいます。
特に「Sustainable Manufacturing」の分野で、サプライチェーン全体のCO2排出量を可視化・削減するソリューションに強い関心を持っています。
私のゼミで培った課題分析能力と、社会課題に対する強い使命感を活かし、貴社でサステナブルな社会の実現に貢献するというパーパスの体現に尽力したいです。
例文③（スキルベース：グローバル/語学力）
私が貴社を志望するのは、日本発のテクノロジー企業として確固たる地位を築きながらも、グローバル市場で果敢に挑戦し、世界中の社会課題解決に取り組むその姿勢に強い魅力を感じるからです。
私は大学時代、1年間の英国留学を経験しました。
当初は言語の壁や文化の違いに苦しみましたが、「挑戦」を自らのテーマに掲げ、多様な国籍の学生が参加するディベートクラブに所属しました。
異なる価値観を尊重しつつ、臆せずに自分の意見を発信し、議論をリードする力を培い、最終的にはTOEICのスコアを900点まで伸ばすことができました。
貴社は「Fujitsu Uvance」をグローバルオファリングとして展開し、特に欧州市場で強固な基盤を持っています。
私の強みである高い語学力と異文化適応力は、貴社のグローバルビジネスの推進において、海外の顧客やパートナー企業との円滑なコミュニケーションと信頼関係構築に必ずや貢献できると確信しています。
例文④（将来ビジョンベース：先端技術/AI・HPC）
私が貴社を志望する理由は、スパコン「富岳」に代表される世界最先端のコンピューティング技術を有し、それを活用して人類の未来に貢献する壮大なビジョンを持っている点です。
私は大学で情報工学を専攻し、特にAIによるシミュレーション技術の可能性について研究しています。
研究を通じて、複雑な社会現象や生命現象を解明するためには、圧倒的な計算能力と高度なAI技術が不可欠であることを学びました。
貴社は、HPC（高性能コンピューティング）とAI技術を融合させ、創薬や防災・減災、新素材開発など、一企業では解決困難な社会的グランドチャレンジに取り組んでいます。
私の研究で培ったAIに関する専門知識を、貴社の持つ圧倒的な技術基盤の上でさらに発展させたいです。
そして将来的には、貴社の先端技術を駆使して、まだ誰も解けていない社会課題の解決に挑戦し、パーパスの実現に貢献したいと考えています。
例文⑤（別角度のアプローチ：変革の当事者）
私が貴社を志望する理由は、貴社自身が今、過去の成功体験にとらわれず、「パーパス・ドリブン」なSX企業へと生まれ変わろうと、全社を挙げて「挑戦」しているその変革のエネルギーに強く惹かれたからです。
私は学生時代、所属していた伝統あるオーケストラサークルで、旧態依然とした運営方法による新入生の定着率の低さに問題意識を持ちました。
そこで、私は幹部として練習方法のデジタル化や、SNSを活用した積極的な広報活動を提案・実行しました。
当初は先輩からの抵抗もありましたが、目的を粘り強く説明し、小さな成功体験を積み重ねることで周囲を巻き込み、最終的には新入生の定着率を過去最高にすることができました。
この経験から、変化を恐れずに行動することの重要性を学びました。
貴社がまさに直面している「変革」に対し、私の持つ「主体的な行動力」と「周囲を巻き込む力」は必ず貢献できると信じています。
貴社の一員として、この大きな変革の当事者となりたいです。
【富士通の志望動機】よくある質問
富士通の就職活動を進める中で、志望動機以外にも多くの疑問や不安が浮かんでくることでしょう。
特に、富士通は採用人数が多い一方で、その実態が見えにくい部分もあります。
「学歴フィルターは実際どうなのか」「文系でもITの知識は必要なのか」「配属は本当にジョブ型なのか」といった疑問は、多くの就活生が共通して抱くものです。
これらの疑問を解消しておくことは、安心して選考に臨み、入社後のミスマッチを防ぐためにも非常に重要です。
本章では、就活アドバイザーとしての視点から、富士通の採用に関してよくある質問に的確に回答していきます。
Q1. 富士通に学歴フィルターはありますか？
結論から申し上げますと、富士通の採用において明確な「学歴フィルター」は実質的に存在しないと考えられます。
富士通はグループ全体で毎年非常に多くの新卒を採用しており、その採用実績校は、旧帝大や早慶といった最難関大学から、GMARCH、関関同立、地方国公立、日東駒専レベルの中堅私立大学、さらには高等専門学校（高専）まで、極めて広範にわたっています。
富士通が重視しているのは、大学名という「看板」ではなく、あくまで応募者個人の「パーパスへの共感度」と「挑戦意欲」です。
ただし、人気企業であるため応募者が殺到し、結果として選考倍率が高くなることは事実です。
学歴に自信がなくても、ESや面接で富士通のパーパスと自身の経験を強く結びつけて語れれば、内定のチャンスは十分にあります。
Q2. 文系（事務系）でもITの専門知識は必要ですか？
文系（事務系）の応募者に対して、入社時点での高度なプログラミングスキルやITの専門知識は必須ではありません。
営業、コンサルタント、人事、経理、法務など、文系出身者が活躍する職種は非常に多岐にわたります。
しかし、富士通が「DX/SXを推進するIT企業」である以上、IT（テクノロジー）に対する強い関心と、入社後に学び続ける意欲は不可欠です。
例えば、営業職であっても、顧客に自社のITソリューションを提案する上で、その技術がどのような価値をもたらすのかを理解している必要があります。
志望動機や面接では、専門知識がなくとも、「ITパスポートの勉強をしている」「大学で統計学を履修し、データ分析の重要性を学んだ」など、テクノロジーへの前向きな姿勢や学習意欲を示すことが重要です。
Q3. 配属はどのように決まりますか？ジョブ型採用とは何ですか？
富士通は近年、「ジョブ型採用」を強力に推進しています。
これは、従来の「総合職」として一括採用し、入社後に適性を見て配属先を決める「メンバーシップ型」とは異なり、応募の段階で職種（ジョブ）を明確にし、その職務内容（ジョブディスクリプション）に基づいて選考・採用する仕組みです。
したがって、内定が出た時点で、基本的にはあなたが応募した職種・部門への配属が内定していることになります。
このため、就活生は「富士通に入りたい」というだけでなく、「富士通の〇〇という職種（例：DXコンサルタント、AIエンジニア）で〇〇がしたい」という具体的なキャリアプランを持って応募することが求められます。
インターンシップは、この「ジョブ」の理解を深め、自身とのマッチングを確かめる絶好の機会となります。
Q4. 英語力はどの程度必要ですか？
富士通は、「Fujitsu Uvance」をグローバルオファリングと位置づけ、海外売上高比率も高いグローバル企業です。
そのため、英語力は「あった方が間違いなく有利」であり、入社後もキャリアアップや活躍の場を広げる上で重要になります。
特に、海外顧客と直接やり取りする部門や、グローバルプロジェクトに携わる場合、ビジネスレベルの英語力が求められます。
ただし、応募時点の選考で、全ての職種で高い英語力が「必須」とされているわけではありません。
国内の特定の顧客を担当するSEや、研究開発職の一部などでは、英語力よりも専門性が重視される場合もあります。
とはいえ、富士通がグローバル企業であることを理解し、英語学習への意欲を示しておくことは、選考においてポジティブに評価されるでしょう。
まとめ
富士通の志望動機を作成するプロセスは、同社が掲げる「パーパス」と「変革への挑戦」を、あなた自身がどう自分事として捉えるか、という問いに向き合う作業です。
本記事で解説した通り、富士通が求めているのは、サステナブルな社会の実現という壮大な目標に共鳴し、自身の経験を武器に、その変革の当事者として主体的に行動できる人材です。
競合他社との違いを明確にし、「なぜ富士通なのか」という問いに、あなたの熱意と論理を込めて答えてください。
徹底した企業研究と自己分析が、あなたの志望動機を揺るぎないものにします。
