はじめに
ベネッセコーポレーションは、教育や介護領域で高い知名度を誇る人気企業であり、その志望動機作成に悩む就活生は少なくありません。
「進研ゼミ」のイメージが強い一方で、事業の多角化も進んでおり、企業の実態を正確に掴んだ上で「なぜベネッセなのか」を明確に言語化する必要があります。
本記事では、ベンチャー就活ナビの視点から、ベネッセの企業研究、求める人物像、志望動機に盛り込むべきポイントから具体的な例文まで、選考突破に必要な情報を網羅的に解説します。
志望動機が完成したらAIチェッカーを使おう
志望動機を書き上げた後は、必ず客観的な視点で見直すことが重要です。
友人やキャリアセンターの職員に見てもらうのも一つの手ですが、手軽かつ効率的に初期チェックを行う方法として、AIチェッカーの活用が挙げられます。
AIチェッカーは、誤字脱字や不自然な日本語表現を瞬時に検出するだけでなく、文章の論理構成に破綻がないかを確認する上でも役立ちます。
ただし、AIはあくまで補助的なツールです。
チェックすべきは、企業理念や求める人物像と、自分のアピールポイントが適切に結びついているか、そして「なぜベネッセなのか」という問いに対して、競合他社との比較も含めた具体的な答えが示せているかという点です。
AIによる形式的なチェックと、自身の深い企業理解に基づく内容のチェック、その両方を行うことで志望動機の質は格段に向上します。
【ベネッセの志望動機】ベネッセを知ろう
ベネッセの志望動機を作成する上で、企業理念や「進研ゼミ」といった代表的なサービスへの共感を示すだけでは不十分です。
採用担当者は、自社の多角的な事業展開や、現在注力している分野、将来の方向性まで深く理解した上で、就活生が「なぜベネッセを志望するのか」を知りたいと考えています。
教育事業はもちろんのこと、介護・保育事業、さらにはDX推進やグローバル展開、社会人向け教育(Udemy)といった幅広い事業領域を正しく把握することが、説得力のある志望動機作成の第一歩です。
表面的な理解にとどまらず、各事業が社会課題とどう向き合っているのか、そのビジネスモデルや業績、そして根底にある企業理念までを深く掘り下げていきましょう。
ベネッセの事業内容
ベネッセの事業ポートフォリオは、「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」に代表される国内教育事業が最大の柱です。
幼児から高校生まで一貫した教育サービスを提供し、長年にわたって蓄積された膨大な顧客基盤とデータが最大の強みとなっています。
しかし、志望動機を作成する上では、それ以外の事業、特に成長領域への理解が不可欠です。
第二の柱として、介護・保育事業(ベネッセスタイルケア)があり、高齢化社会という大きな社会課題に対して、質の高いサービスを提供しています。
さらに、近年はグローバル事業(例:海外での幼児教育展開)や、Udemy事業に代表される社会人のリスキリング(学び直し)支援にも力を入れています。
ビジネスモデルとしては、教育・介護におけるBtoCのサブスクリプションやサービス提供が主軸ですが、学校や企業向けのBtoBソリューションも展開しており、多角的なアプローチで「よく生きる」の実現を目指している企業です。
ベネッセの業績
企業の業績を把握することは、その企業の安定性や将来性を測る上で重要です。
ベネッセの業績を見ると、国内教育事業が安定した収益基盤となっている一方で、介護事業やUdemyなどのデジタル・社会人教育分野が成長ドライバーとして期待されていることが読み取れます。
志望動機に説得力を持たせるためには、単に売上高や利益の数字を見るだけでなく、中期経営計画やIR情報に目を通し、企業としてどの分野に経営資源を投下しようとしているかを理解することが重要です。
例えば、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、教育と介護で培ったノウハウのシナジーをどう生み出そうとしているのか、といった企業の「未来への投資」の方向性を把握しましょう。
その上で、自身がその成長戦略のどの部分に共感し、貢献できるのかを示すことができれば、志望動機はより具体的で説得力のあるものになります。
ベネッセの企業理念
ベネッセの企業理念は、社名そのものに表れている「Benesse = よく生きる」です。
これは、教育や介護といった事業領域を超えて、すべての人々の向上意欲と課題解決を生涯にわたって支援するという強い意志を示しています。
志望動機を作成する際は、この理念が具体的な事業(例:進研ゼミにおける個人の学習支援、介護ホームにおける尊厳の保持)にどのように反映されているかを自分なりに解釈することが求められます。
理念に「共感した」と述べるだけでは不十分であり、自身のどのような原体験や価値観が「よく生きる」の実現という考え方と深く結びついているのかを具体的に説明する必要があります。
例えば、「人の可能性を引き出すことにやりがいを感じた経験」とベネッセの教育事業を結びつけるなど、自身の言葉で理念との一致を示すことが重要です。
【ベネッセの志望動機】ベネッセが志望動機で見ていること
企業が志望動機を選考で重視するのは、単に「どれだけ自社が好きか」を知るためではありません。
ベネッセも同様に、志望動機という限られたテキストの中から、就活生の様々な側面を評価しようとしています。
具体的には、自社の事業や理念に対する深い理解と本質的な共感度、いわゆる「熱意」はもちろんのこと、その学生が持つ強みやスキルが自社の業務で再現性を持って発揮されるかという「適性」を見ています。
さらに、企業文化や大切にする価値観と、学生個人の価値観がマッチしているか、そして入社後に困難な課題に直面しても、主体的に学び成長し続けてくれる人材かという「成長性」も厳しくチェックしています。
これらの評価軸を理解し、自身の経験や考えを整理した上で、アピールポイントを戦略的に盛り込む必要があります。
なぜ「教育」や「介護」なのかという原体験
ベネッセが志望動機で特に重視するポイントの一つが、なぜ数ある業界の中で「教育」や「介護」といった、人の人生に深く関わる領域を志望するのか、その動機の源泉となる原体験です。
ベネッセの事業は、少子高齢化、教育格差、介護問題といった深刻な社会課題の解決と直結しています。
そのため、「社会に貢献したい」といった抽象的な動機ではなく、なぜその社会課題を「自分ごと」として捉えているのかを示す具体的なエピソードが求められます。
例えば、自身の受験勉強での苦労、教育実習やボランティアで感じた課題意識、あるいは身近な人の介護経験など、実体験に基づいた問題意識は、志望動機の強い説得力となります。
その課題に対して、ベネッセのどのようなアプローチ(例:デジタル教材、質の高い介護サービス)で貢献したいのかを明確に結びつけることが重要です。
なぜ同業他社ではなく「ベネッセ」なのか
「教育業界を志望しています」というだけでは、ベネッセでなければならない理由は伝わりません。
教育・介護業界には、リクルート(スタディサプリ)、学研、SOMPOケアなど、多くの強力な競合他社が存在します。
採用担当者が知りたいのは、それらの企業と比較した上で、なぜベネッセを選んだのかという明確な理由です。
そのためには、ベネッセ独自の強みを正確に理解していることが不可欠です。
例えば、幼児から社会人までを網羅する膨大な顧客基盤と学習データ、長年培われた教材開発力、あるいは教育と介護の両輪を持つことで生まれる「よく生きる」への多角的なアプローチなど、他社にはない魅力を具体的に指摘する必要があります。
競合比較に基づいた明確な志望理由を示すことは、企業研究の深さと入社への本気度を証明する最も有効な手段の一つです。
入社後にどのように「貢献」できるか
企業理念への深い共感や、業界への問題意識を示すだけでは、採用を決定づけるには不十分です。
企業は、入社後に自社の事業に貢献し、価値を生み出してくれる人材を求めています。
志望動機では、自身が学生時代に培った強みやスキルが、ベネッセのどの事業領域で、どのように活かせるのかを具体的に提示する必要があります。
例えば、「ゼミ活動で培ったデータ分析力を、教育データの解析による個別最適化に活かしたい」「サークル運営で発揮した企画力と実行力で、新しい教育サービスを形にしたい」といった形です。
重要なのは、過去の経験が仕事の場でどう再現されるかを、採用担当者がイメージできるように語ることです。
「成長したい」という受け身の姿勢ではなく、自ら主体的に価値を創造し、事業に貢献しようとする意欲を示すことが高く評価されます。
【ベネッセの志望動機】ベネッセの求める人物像
ベネッセが企業理念である「よく生きる」を社会に実装していくためには、その理念に共感するだけでなく、自ら行動し、事業を力強く推進できる人材が必要です。
求める人物像は、単一のスキルや特性ではなく、多面的な要素から構成されています。
社会課題に対する強い当事者意識を持ち、それをビジネスの力で解決しようとする意志。
デジタル化の波や市場の変化に柔軟に対応し、自ら学び続け、新しい挑戦を恐れない姿勢。
そして、顧客、社内の仲間、パートナー企業といった多様なステークホルダーと信頼関係を築き、目標に向かって周囲を巻き込んでいく力。
これら全ての根底に、顧客視点を徹底し、真のニーズを追求する誠実さが求められます。
社会課題への当事者意識と行動力
ベネッセの事業は、教育格差、待機児童問題、高齢化に伴う介護ニーズの増大など、現代社会が直面する様々な課題と密接に関連しています。
したがって、これらの社会課題を遠い世界の出来事としてではなく、「自分ごと」として捉え、その解決に強い情熱を注げる当事者意識が不可欠です。
しかし、ただ問題意識を持っているだけでは不十分であり、ベネッセはそれをビジネスの仕組みを通じて解決しようとする企業です。
そのため、理想を語るだけでなく、困難な状況でも粘り強く現実的な解決策を探り、実行に移せる行動力が求められます。
学生時代の経験で、何らかの課題(例:サークルの課題、地域の問題)を発見し、自ら周囲を巻き込んで解決に向けて行動した経験は、この素養を示す強力なアピール材料となります。
変化を恐れず挑戦し、学び続ける姿勢
教育業界はEdTech(エドテック)の台頭により、介護業界はテクノロジーの導入やニーズの多様化により、かつてないスピードで変化しています。
ベネッセもまた、この変化に対応し、リードするためにDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進しています。
このような環境下で求められるのは、既存の成功体験や既成概念にとらわれず、新しい知識や技術を積極的に吸収し続ける学習意欲です。
そして、失敗を恐れずに新しい手法やサービス開発に挑戦する姿勢が重要となります。
ベネッセには年次に関わらず挑戦できる風土があるとされますが、それは同時に、自ら課題を見つけ、学び、行動を起こす自律性が求められることの裏返しでもあります。
変化を前向きに捉え、自身をアップデートし続けられる人材が活躍できる環境です。
多様なステークホルダーを巻き込む力
ベネッセの仕事は、社内のデスクだけで完結することはほとんどありません。
教育事業であれば、サービスの受け手である子供や保護者はもちろん、学校の先生、教材を制作するパートナー企業、営業先の自治体など、極めて多くの関係者との協働によって成り立っています。
介護事業においても同様です。
したがって、自分とは異なる立場や専門性を持つ人々の意見を尊重し、深く理解する傾聴力と、信頼関係を築くコミュニケーション能力が必須です。
その上で、共通の目標(=顧客への価値提供、社会課題の解決)に向かって、多様な人々を動かし、一つのチームとして機能させていく「巻き込み力」が、事業を推進する上で決定的な差を生みます。
顧客視点(ユーザーファースト)の徹底
ベネッセの全ての事業の根幹にあるのは、徹底した顧客視点、すなわちユーザーファーストの姿勢です。
教育事業であれば「子供たちの学びたい意欲をどう引き出すか」、介護事業であれば「ご入居者様がその人らしく、尊厳を持って生活できるか」という視点が常に最優先されます。
アンケートの数値やデータ分析も重要ですが、それだけでは見えてこない顧客の真のニーズや、言葉にならない「不」を深く洞察する力が求められます。
志望動機においても、自分が過去に消費者として「進研ゼミが良かった」という視点にとどまらず、自分が提供側になった時に、どのようにして顧客の「よく生きる」に寄り添い、期待を超える価値を提供できるかという視点で語ることが重要です。
【ベネッセの志望動機】ベネッセの志望動機に入れ込むべきポイント3選
ベネッセの志望動機を構成する際、企業研究や自己分析で得た多くの情報を全て盛り込むことはできません。
採用担当者に響く、説得力のある志望動機を作成するためには、核となる要素を絞り込む必要があります。
ベネッセの選考において特に重要となるのは、「企業理念への具体的な共感」「社会課題への自分なりの問題意識」そして「競合比較に基づいた明確な志望理由」の3つです。
これらのポイントを、自身の経験と論理的に結びつけて展開することで、単なる憧れではない、深く考え抜かれた志望動機となり、入社への本気度を伝えることができます。
企業理念「Benesse=よく生きる」への具体的な共感
ベネッセの志望動機において、企業理念「Benesse = よく生きる」への言及は避けて通れません。
しかし、単に「理念に共感しました」と書くだけでは、他の就活生との差別化は不可能です。
重要なのは、その理念を自分自身の言葉でどう解釈し、自身のどのような経験や価値観と深く結びついているのかを具体的に示すことです。
例えば、「大学のゼミで教育格差の研究を通じ、全ての子供に等しい学びの機会を提供することが『よく生きる』の土台だと痛感した」といった形です。
理念を抽象的なスローガンとしてではなく、自身の行動原理や将来成し遂げたいことと直結する「指針」として捉えていることをアピールすることで、価値観のマッチ度を強く印象づけることができます。
教育・介護の「社会課題」に対する自分なりの問題意識
ベネッセは事業活動そのものが社会課題の解決に直結している企業です。
そのため、就活生に対しても、これらの課題に対する高い関心と当事者意識を求めています。
志望動機では、教育や介護の分野で、自分が特に問題だと感じていることは何か、それはなぜかを明確にする必要があります。
例えば、「地方在住の高校生だった頃、都市部との情報格差や選択肢の少なさに課題を感じた」あるいは「祖父母の介護を通じて、介護する家族の負担の大きさを実感した」など、原体験に基づいた問題意識は非常に強力です。
その上で、その課題を解決するために、ベネッセが持つリソース(例:オンライン教育、介護ノウハウ)をどう活用したいかを論理的に説明することで、入社後の貢献意欲を具体的に示すことができます。
競合他社との比較して優れた点を盛り込む
志望動機の説得力を決定づけるのが、「なぜ他社ではなく、ベネッセなのか」という問いへの明確な答えです。
これを怠ると、「教育に興味があるなら、他の会社でも良いのでは?」という採用担当者の疑問を払拭できません。
競合他社(例:リクルート、学研など)も魅力的なサービスを展開する中で、あえてベネッセを選ぶ理由を、その独自の強みに基づいて説明する必要があります。
例えば、「スタディサプリの利便性も魅力的だが、自分は進研ゼミが持つ『添削指導』のような人の介在価値と、長年蓄積された学習データの両輪を重視している」といった具体的な比較が有効です。
競合分析に基づいた明確な志望理由は、企業研究の深さを示すと同時に、ベネッセで働きたいという熱意の強力な裏付けとなります。
【ベネッセの志望動機】競合他社との比較しよう
「なぜベネッセなのか」という志望動機の核を明確にするために、競合他社との比較は避けて通れません。
この比較作業を通じて、ベネッセの事業が持つ独自の強みや、業界内でのユニークな立ち位置が浮き彫りになります。
ただし、単に事業内容を羅列するのではなく、「事業領域(教育・介護・人材)」「ビジネスモデル(BtoC・BtoB)」「強み(ブランド・データ・技術)」「企業文化」といった明確な比較軸を持つことが重要です。
ここでは、教育、人材、介護の各領域における主要な競合企業を取り上げ、就活生がどのような視点で比較検討すべきかを解説します。
この分析が、あなたの志望動機をより深く、鋭いものにするはずです。
リクルート(スタディサプリ等)との比較
教育領域における最大の競合の一つが、リクルートの「スタディサプリ」です。
リクルートは、圧倒的な低価格と利便性の高い動画プラットフォームを武器に、EdTech市場で急速にシェアを拡大しました。
ベネッセとの最大の違いは、リクルートが「プラットフォーマー」としての側面が強く、データとテクノロジーを駆使したマッチングビジネス(人材領域など)への展開力に強みがある点です。
一方、ベネッセは「進研ゼミ」で培った長年の教材開発ノウハウと、添削指導に代表される「人によるサポート」の手厚さ、そして幼児期からの膨大な顧客データに強みがあります。
デジタル化を進めつつも、人の介在価値を重視するベネッセの姿勢か、テクノロジー主導で市場を席巻するリクルートのスタイルか、どちらが自身の価値観と合うかを考える必要があります。
学研ホールディングスとの比較
学研ホールディングスは、ベネッセと同様に「学研教室」や学習参考書の出版、さらには高齢者福祉施設(介護)の運営も手掛けており、事業領域が非常に近い競合と言えます。
比較する際のポイントは、事業の柱とブランドイメージです。
ベネッセが「進研ゼミ」という通信教育のBtoCビジネスで圧倒的な地位を築いているのに対し、学研は地域密着型の「学研教室」という教室事業や、学校向けの教材・出版物において強い基盤を持っています。
ベネッセが持つ膨大な顧客データを活用したDX推進力と、学研が持つ教育現場や出版コンテンツにおける長年の知見、どちらにより将来性を感じるか、また、どちらの事業フィールドで自分の強みを活かしたいかを明確にすることが、志望動機を差別化する鍵となります。
SOMPOケアとの比較(介護領域)
介護事業領域において、ベネッセスタイルケアの強力な競合となるのがSOMPOケアです。
SOMPOケアは、損保ジャパングループの資本力を背景に、積極的なM&Aによる規模の拡大と、「未来の介護」を掲げたテクノロジー(見守りセンサー、介護ロボットなど)の導入に非常に積極的です。
一方、ベネッセの介護事業は、「アリア」ブランドに代表されるような高品質な富裕層向けサービスの提供や、「進研ゼミ」で培った「人づくり」のノウハウを介護人材の育成に活かしている点に独自性があります。
比較軸としては、テクノロジーと規模で効率化・標準化を進めるSOMPOケアと、「人」の力と高品質なサービスを追求するベネッセ、どちらのアプローチで高齢化社会の課題解決に貢献したいかを考えると良いでしょう。
Udemy(提携先だが競合視点も)との比較
社会人のリスキリング(学び直し)分野において、ベネッセは米Udemyと提携し、日本での事業を展開しています。
提携先ではありますが、市場のプレイヤーとして比較する視点も重要です。
Udemy本体のビジネスモデルは、世界中の個人が講師になれるCtoCプラットフォームであり、講座数の圧倒的な多様性と量が強みです。
一方、ベネッセは、このUdemyのプラットフォームを活用しつつ、日本企業向けの法人研修(BtoB)として展開したり、「進研ゼミ」で培った学習メソッドを組み合わせて個人の学習をサポートしたりする点で価値を付加しようとしています。
グローバル基準の多様なコンテンツか、日本の教育企業としての長年の知見を活かしたサポート体制か、どちらに魅力を感じるかを整理することで、社会人教育分野への志望動機を具体化できます。
【ベネッセの志望動機】ベネッセのES通過者の志望動機の共通点
ベネッセの選考を通過する志望動機には、いくつかの明確な共通点が存在します。
最も重要なのは、「なぜベネッセでなければならないのか」という問いに対し、競合他社との比較を踏まえた具体的な答えが示されている点です。
単に「教育に興味がある」「理念に共感した」というレベルにとどまらず、ベネッセ独自の強み(例:膨大な学習データ、教育と介護のシナジー)を正しく理解し、そこに魅力を感じていることが伝わります。
また、自身の過去の経験(原体験)と、ベネッセが取り組む社会課題(例:教育格差、高齢化)が明確にリンクしており、入社後に「何を成し遂げたいのか」というビジョンが具体的に描かれています。
受け身ではなく、主体的に貢献しようとする姿勢が評価される傾向にあります。
【ベネッセの志望動機】ベネッセの志望動機を作成する際の4つの注意点
ベネッセの志望動機は、企業研究の深さや論理的思考力、そして価値観のマッチ度を示す重要な選考要素です。
しかし、熱意が空回りしてしまったり、企業理解が浅かったりすると、かえって評価を下げてしまう落とし穴も存在します。
例えば、「教育」への興味だけを語ってしまい、なぜベネッセなのかが伝わらないケースや、企業理念を表面的な言葉でしか捉えられていないケースは典型的な失敗例です。
ここでは、就活生が陥りがちな4つの注意点を具体的に解説します。
これらのポイントを事前に把握し、回避することで、志望動機の質を格段に高めることができます。
「教育に興味がある」という抽象的な表現
ベネッセを志望する学生の多くが「教育に興味がある」ことを動機に挙げますが、この表現だけでは志望動機として非常に弱いと判断されます。
なぜなら、教育業界には多くの企業が存在し、なぜその中でベネッセを選ぶのかが全く伝わらないからです。
NGなのは、「子供が好きだから」「教育を通じて社会貢献したいから」といった漠然とした理由で終始してしまうことです。
教育の「どの分野」の「どのような課題」に興味があるのか、例えば「デジタル教材を通じた個別最適化学習の可能性」や「地方における教育格差の是正」など、具体的なテーマに踏み込む必要があります。
その上で、その課題解決になぜベネッセのアプローチ(例:進研ゼミのノウハウ、Udemyのプラットフォーム)が最適だと考えるのかを論理的に説明しなければなりません。
企業理念「よく生きる」の表面的な理解
ベネッセの根幹をなす企業理念「Benesse = よく生きる」への共感を示すことは重要ですが、その理解が表面的であると、かえってマイナス評価につながります。
就活生が陥りがちなミスは、「『よく生きる』という理念に深く共感しました」と、理念をそのまま引用するだけで、自分なりの解釈や具体的な結びつきを示せないことです。
これでは、企業研究が浅いか、自身の価値観と深く向き合っていないと見なされます。
理念を自身の言葉で解釈し、過去のどのような経験(例:部活動での目標達成支援、ボランティアでの課題解決)を通じて、その価値観を体感し、重要だと考えるようになったのかを具体的に語る必要があります。
理念と自身の行動原理の一致を示すことが求められます。
「進研ゼミ」のイメージに偏った志望動機
多くの就活生にとって、ベネッセは「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」のイメージが最も強いでしょう。
自身の利用経験を動機に盛り込むこと自体は問題ありませんが、その「消費者目線」から抜け出せない志望動機は評価されません。
ベネッセは現在、介護・保育事業が第二の柱に成長しており、さらに社会人教育(Udemy)やグローバル展開、DX推進にも積極的に投資しています。
「進研ゼミにお世話になった恩返しがしたい」といった過去志向の動機にとどまると、現在のベネッセが目指す未来への理解が不足していると判断されます。
企業全体の戦略や、進研ゼミ以外の事業の重要性も理解した上で、広い視野を持って志望動機を構築することが不可欠です。
「学びたい」「成長したい」という受け身の姿勢
志望動機で入社後の成長意欲を示すことは大切ですが、「御社で学びたい」「成長させてほしい」といった受け身の姿勢が前面に出すぎると、企業側は懸念を抱きます。
企業は学校ではなく、コストをかけて採用した人材に、早期に活躍してもらうことを期待しています。
伝わる志望動機に必要な視点は、「成長」を目的とするのではなく、「自身の強みである〇〇を活かして、まずこのように貢献したい。
そのプロセスを通じて、さらに専門性を高め、将来的には△△の分野で活躍できる人材になりたい」という主体的な貢献意欲です。
自身の成長が、結果としてベネッセの事業成長や社会課題解決にどうつながるのか、という視点で構成することが、ビジネスパーソンとしてのポテンシャルを示すことにつながります。
【ベネッセの志望動機】インターンに参加して有利に本選考を進めよう
ベネッセのような人気企業の選考を突破するためには、早期からの情報収集と行動が極めて重要です。
特に、インターンシップへの参加は、本選考を有利に進める上で非常に大きなメリットをもたらします。
最大の利点は、一部のインターン参加者に対して、早期選考や選考プロセスの一部免除といった優遇措置が取られる可能性があることです。
また、単にWebサイトで企業研究を行うのとは異なり、社員の方と直接コミュニケーションを取り、具体的な仕事内容や社風を肌で感じることで、企業理解が飛躍的に深まります。
そこで得たリアルな情報は、志望動機に圧倒的な具体性と熱意を持たせる材料となります。
さらに、業務体験を通じて「本当に自分に合う仕事か」を見極めることで、入社後のミスマッチを防ぎ、自身の志望度を再確認する絶好の機会にもなります。
【ベネッセの志望動機】ベネッセの志望動機例文
ここまでの企業研究や作成のポイント、注意点を踏まえ、実際にどのような志望動機を構築すればよいか、具体的なイメージを持ちたい方も多いでしょう。
志望動機のアプローチは一つではありません。
自身の強烈な原体験を軸に据える方法、ベネッセの企業理念や価値観への深い共感を前面に出す方法、あるいは学生時代に培った専門スキルやデータ分析力をアピールする方法も考えられます。
ここでは、切り口の異なる複数の志望動機例文を紹介します。
これらの例文はあくまで一例です。
決して丸写しするのではなく、自分自身の言葉、自分だけのエピソードに置き換え、なぜベネッセでなければならないのかを表現するためのヒントとして活用してください。
例文①(経験ベース:教育実習での課題意識)
私が貴社を志望する理由は、教育実習で直面した課題を、貴社の持つ「データと人の力」を融合させたアプローチで解決したいと強く考えるからです。
大学時代の教育実習で、熱意を持って指導しても、生徒の学習意欲や理解度には大きな個人差があり、画一的な授業では限界があると痛感しました。
特に、学習につまずいている生徒に対し、どこが分からないのかを特定し、最適な支援を即座に提供することの難しさを実感しました。
貴社は、「進研ゼミ」を通じて長年蓄積された膨大な学習データと、添削指導に代表される「人によるサポート」のノウハウを両立させています。
この「データによる個別最適化」と「人の温かみのある指導」のシナジーこそが、私が実習で感じた課題の根本的な解決策になると確信しています。
入社後は、まず教育現場のニーズを深く理解し、将来的にはデータ分析と教育的知見を掛け合わせ、一人ひとりの可能性を最大限に引き出す新しい学習体験の創出に貢献したいです。
例文②(価値観ベース:祖父母の介護経験)
私は、祖父母の介護経験を通じて、人が最期までその人らしく尊厳を持って生きることの重要性を学び、これを支える仕事に就きたいと考えるようになりました。
貴社の「Benesse = よく生きる」という理念は、まさに私が目指す社会の姿と一致します。
介護業界には多くの企業がありますが、その中で貴社を志望するのは、「教育」で培った「人づくり」のノウハウを、介護サービスの質の向上や人材育成に活かしている点に強い独自性と将来性を感じるからです。
介護はサービスを提供する「人」の質が全てであり、貴社が実践する科学的根拠に基づいたケアや、スタッフ一人ひとりの成長を支援する姿勢は、結果として利用者の「よく生きる」に直結すると考えます。
私は学生時代、傾聴ボランティアで培った「相手の真のニーズを引き出す力」を活かし、ご入居者様やそのご家族に心から寄り添い、貴社の質の高い介護サービスを現場で体現することで、理念の実現に貢献したいです。
例文③(スキルベース:データ分析スキル)
私が貴社を志望するのは、大学のゼミで培ったデータ分析スキルを活かし、貴社が保有する膨大な教育・介護データを活用したサービス向上に貢献できると考えるからです。
現代の教育や介護の現場では、経験や勘だけでなく、データに基づいた客観的な意思決定が不可欠になっています。
貴社は、国内最大級の教育データを保有し、近年は介護領域でもテクノロジー活用を推進しており、データサイエンスの力で社会課題を解決できる可能性が最も大きい企業だと感じています。
私はゼミで、統計解析ソフトを用い、約1万件のアンケートデータから消費者の行動パターンを予測する研究に取り組み、論理的分析力と課題発見力を磨きました。
入社後は、まず貴社の事業とデータを深く理解し、将来的には「個人の学習履歴に基づいた最適なコンテンツの推薦」や「介護サービスの質を向上させるための予兆検知モデルの構築」など、データドリブンな価値創造に挑戦したいです。
例文④(将来ビジョンベース:社会人の学び直し)
私は、変化の激しい現代社会において「社会人の学び直し(リスキリング)」を当たり前にする仕組みを構築したいという強い思いがあり、貴社のUdemy事業に大きな可能性を感じ志望いたしました。
終身雇用が前提でなくなり、個人がキャリアを自律的に築く必要がある中で、日本の社会人教育は海外に比べ遅れていると問題意識を持っています。
貴社は「進研ゼミ」で培った「人に寄り添い、学びを継続させるノウハウ」と、世界最大級のオンライン学習プラットフォームであるUdemyのコンテンツ力を掛け合わせるという、他社にはない独自のアプローチを取っています。
単なるプラットフォームの提供に留まらず、日本企業のニーズに合わせた研修の企画や、個人の学習支援まで踏み込む貴社の姿勢に強く共感します。
私は、学生向けのキャリア支援団体での企画運営経験を活かし、学習者が挫折せず学び続けられる仕組みづくりに貢献したいです。
例文⑤(別角度のアプローチ:グローバルな教育格差)
私が貴社を志望する理由は、留学経験から抱いたグローバルな教育格差への問題意識を、貴社の海外事業を通じて解決に導きたいと考えるからです。
私は東南アジアへの留学中、意欲はあっても質の高い教育コンテンツにアクセスできない子供たちを目の当たりにし、生まれた環境によって可能性が閉ざされてしまう現状に強い課題を感じました。
貴社は「こどもちゃれんじ」をアジア各国で展開し、現地の文化やニーズに合わせてローカライズすることで成功を収めています。
日本の高品質な教育メソッドを、現地の生活習慣に寄り添う形で提供する貴社の姿勢は、私が目指す課題解決の理想形です。
私は留学で培った異文化理解力と、現地のニーズを的確に把握するヒアリング力を活かし、貴社の海外事業部門で、一人でも多くの子供たちに「学ぶ喜び」と「よく生きる」ための土台を届けることに全力を尽くしたいと考えています。
【ベネッセの志望動機】よくある質問
ベネッセの選考準備を進める中で、多くの就活生が共通の疑問や不安を抱きます。
「進研ゼミを使ったことがないけれど、不利にならないか」「教育学部ではないが、教育事業を志望しても良いのか」「介護の知識が全くないが、選考は受けられるのか」といった質問です。
これらの疑問を事前に解消しておくことは、不要な不安を取り除き、自信を持って自身の強みをアピールするために非常に重要です。
ここでは、就活アドバイザーの視点から、ベネッセの就活でよくある質問に対して、的確に回答していきます。
進研ゼミやこどもちゃれんじの利用経験がなくても不利になりませんか?
結論から申し上げると、過去のサービス利用経験がなくても、選考で不利になることは一切ありません。
企業が知りたいのは、過去に「消費者」としてどうだったかではなく、未来に「ビジネスパーソン」としてどう貢献してくれるかです。
むしろ、利用経験がないからこそ、客観的な視点でベネッセのサービスを分析できるという強みにもなり得ます。
重要なのは、現在のベネッセが提供しているサービスの強みや課題、そして競合他社のサービスと比較した際の優位性を、自分なりに深く研究し、論理的に説明できることです。
利用経験がない場合は、なぜ自分が顧客でなかったのかを分析することも、サービス改善のヒントとして価値ある視点となる可能性があります。
教育学部出身ではないですが、教育事業を志望しても問題ないでしょうか?
全く問題ありません。
ベネッセの教育事業は、教材開発や編集といった専門職だけでなく、マーケティング、営業、データ分析、IT・システム開発、事業企画など、非常に多岐にわたる職種で成り立っています。
教育学部で学んだ専門知識が直接活きる場面もありますが、それ以上に、論理的思考力、課題解決能力、実行力、そして社会課題への強い関心といったポータブルスキルが重視されます。
例えば、経済学部で学んだ統計分析のスキルを教育データの解析に活かしたい、法学部で培った論理構築力を新規事業の企画立案に活かしたい、といった形で、自身の専門性と教育事業の接点を見つけ、具体的にアピールすることが重要です。
介護事業に関心がありますが、専門知識や資格がありません。
新卒採用において、入社時点で介護の専門知識や資格(例:介護福祉士)を必須としていることはありません。
企業側も、入社後の充実した研修制度を通じて、必要な知識やスキルをゼロから教育することを前提としています。
採用選考で重視されるのは、知識の有無よりも、「なぜ介護という領域に関心を持ったのか」という動機(原体験など)の明確さです。
また、「よく生きる」という企業理念への深い共感や、高齢化社会というマクロな課題に対する自分なりの問題意識、そして何よりも「人」と深く関わる仕事への適性や、困難な状況でも誠実に対応できる人間性が評価されます。
配属リスクについてどう考えればよいですか?(教育志望だが介護など)
ベネッセは教育、介護、語学、シニア支援など多角的な事業を展開しているため、総合職採用の場合、初期配属が必ずしも第一希望通りになるとは限らない可能性はあります。
この点は、多くの大手企業に共通する点です。
重要なのは、この可能性を単なる「リスク」として恐れるのではなく、自身のキャリアの幅を広げる「機会」として捉える視点です。
志望動機や面接では、「教育事業が第一志望だが、貴社の根幹である『よく生きる』という理念は介護事業にも共通しており、どの分野でも学び、貢献したい」という姿勢を示すことが有効です。
視野の広さと適応力の高さ、そして特定の事業内容だけでなく、ベネッセという企業そのものへの志望度の高さを示すことができます。
まとめ
ベネッセの志望動機を作成するプロセスは、単なる企業研究を超え、自分自身が「よく生きる」とは何か、そして社会課題にどう向き合いたいかを深く問う作業です。
「進研ゼミ」のイメージだけでなく、介護や社会人教育といった多角的な事業を理解し、「なぜ他社ではなくベネッセなのか」を明確にすることが選考突破の鍵となります。
本記事で解説した企業研究の視点、競合比較、そして具体的なアピールポイントを参考に、あなた自身の経験と情熱を乗せた、説得力のある志望動機を完成させてください。