はじめに
就職活動の面接で「少しでも自分を良く見せたい」「内定の可能性を高めたい」と考え、つい嘘をついてしまおうか、と悩む就活生は少なくありません。
しかし、その嘘が企業にバレたらどうなるのでしょうか。
内定取り消しや、その後のキャリアにまで影響するのではないかと不安になる方も多いでしょう。
この問題は、就活生にとって非常に重要なテーマです。
企業側は、採用した人材には誠実さや高い倫理観を求めています。
そのため、面接での嘘は、あなたの評価に大きく影響し、最悪の場合、内定取り消しや入社後の解雇につながる可能性すらあります。
この記事では、面接での嘘が企業にばれるのか、ばれた場合のリスク、そして許される嘘と絶対に避けるべき嘘を解説します。
これを読めば、あなたが面接で嘘をつかずに自信を持ってアピールするための具体的な対策と、必要な知識がすべて手に入ります。
安心して選考に臨むための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
【内定取り消し!?】面接の嘘は企業に調べられるのか
結論から言うと、面接での嘘は企業にばれる可能性が非常に高いです。
特に、重要な事実に関する情報や実績は、採用の判断に大きく影響するため、企業側も確認を徹底しています。
多くの就活生が「まさか会社にそこまで調べられることはないだろう」と考えがちですが、入社後の問題を防ぐためにも、企業はさまざまな方法であなたの回答内容の事実性をチェックします。
面接の際に嘘をつくことは、誠実さに欠けると評価され、あなたの選考を不利にするだけでなく、後の内定取り消しや解雇につながるリスクをはらんでいます。
では、具体的にどのような情報が、どのように企業に確認されやすいのかを以下で詳しく解説していきましょう。
経歴や資格に関する嘘は調べられやすい
学歴や資格、アルバイト歴、受賞歴といったあなたの過去の実績を裏付ける情報は、企業が確認のために資料の提出を求められる可能性が極めて高いです。
たとえば、卒業証明書、成績証明書、資格の合格証などの書類は、選考の中で提出を必要とするケースが多いでしょう。
これらの提出書類と履歴書や面接での回答に虚偽の記載があった場合、事実と照らし合わせて確認されるため、嘘は高確率でバレることになります。
資格や学歴の嘘は、会社での業務に直接関わる内容であることが多く、採用の判断に重要な影響を与えるため、内定取り消しにつながりやすい事例です。
SNSからも調べられる
近年、企業が就活生のSNSアカウントを調べることが多くなっています。
これは、学生の人となりや誠実さ、会社の社員としての適性を確認するためです。
過去の投稿内容や写真から、面接で回答した内容と矛盾する事実が明らかになる可能性があります。
たとえば、面接では「部活に全力で取り組んだ」と説明したにもかかわらず、その期間中に頻繁に旅行に行っていた様子などがSNSに記載されていた場合、面接での回答内容に嘘があるのではないかと疑われる原因になります。
SNSは個人の情報を多く含むところであり、企業があなたの私生活や価値観を見る上で重要な情報源となっているため、注意が必要です。
【内定取り消し!?】嘘がバレるとどうなる?
面接で嘘をつくことは、そのときは選考を有利に進めるための方法だと考えたとしても、後々自分に跳ね返ってくる大きなリスクを伴います。
嘘がバレるタイミングは、選考の中だけでなく、内定を受けた後、さらには入社してからしばらく経った後の可能性もあります。
嘘が発覚した際の企業側の対応は厳しく、あなたの就活やキャリアに深刻な影響を与えることになります。
嘘が発覚した場合の具体的なリスクを以下で解説します。
就活生はこれらの事例を確認し、面接での誠実な対応の重要性を改めて認識してください。
選考で不利になる
抵の場合、嘘は選考段階で面接官に見抜かれます。
面接官は人を見抜くプロであり、深掘り質問を行うことで、回答内容の具体性や一貫性を確認します。
嘘が発覚した場合、あなたの人柄や誠実さが疑われ、弁解の余地はなく、自分の評価が無条件に下がることになります。
面接は、会社の社員として共に働く人を選ぶ重要な機会です。
面接のときに嘘をつく人は、入社してからも問題を起こすのではないか、と企業に判断され、その後の選考に進むことができなくなってしまう可能性が高いでしょう。
内定が取り消される
内定後に嘘が発覚した場合、その嘘の程度や内容によっては内定が取り消される可能性があります。
特に学歴や資格、経歴など、採用の決定に重要な影響を与える情報に虚偽があった場合は、内定取り消しのリスクが極めて高いです。
企業は、虚偽の情報に基づいて内定を出したということで、労働契約法に基づき内定取り消しを行います。
もし内定が取り消しになってしまった場合、そのときから新しい就活を行わなければならないため、あなたの人生設計に大きな影響を与えることになります。
入社後でも契約解除になる
入社後しばらく経ってから嘘が発覚した場合でも、その嘘が理由で契約解除、つまり解雇になる可能性があります。
特に、業務の遂行に関わる重要なスキルや資格に関して虚偽があった場合は、会社に損害を与える可能性もあるため、厳しく対応されます。
また、契約解除にならなかったとしても、嘘をついた事実によって周りの社員からの信頼を得づらくなり、その後の昇進や昇給がスムーズに進まない可能性が考えられます。
会社で活躍し、自分のキャリアを築いていきたいのであれば、誠実な人として見られることが非常に重要です。
【内定取り消し!?】面接で絶対に避けるべき嘘
面接で自分を良く見せたい気持ちは理解できますが、絶対に嘘をついてはいけない情報があります。
これらの内容は、企業が簡単に確認できる事実、あるいは採用の判断に最も重要な影響を与える内容だからです。
もし以下に挙げる嘘が発覚した場合、高確率で選考で落選するか、内定取り消し、最悪の場合は解雇につながります。
就活生は、自分の未来を守るためにも、下記の一覧にある内容に関して嘘をつくことは避けてください。
事実を正直に答えた上で、どう自分の魅力をアピールするかを考えることが重要です。
学校の成績
企業は選考の過程で、成績証明書の提出を求め、志望者の成績をチェックしています。
成績証明書という公式な書類で確認が行われるため、学校の成績に関する嘘は高確率でバレることになります。
たとえば、GPAの値を実際よりも高く伝えたり、「特定の授業で優秀な成績を収めた」と虚偽の説明を行った場合、事実と照らし合わせた際に嘘が明らかになります。
成績に関する嘘は、内定取り消しや落選につながりやすいため、絶対に避ける必要があります。
部活やサークルの成績
部活やサークルでの活動は、学生の経験や能力を測る上で重要な要素ですが、その成績も嘘をつくとバレる可能性が高いです。
特に、全国大会や地域の大会での実績は、大会ホームページや新聞の記事などで簡単に検索できるため、企業が確認を行う際に嘘が発覚します。
例えば、「全国大会で優勝した」と回答しても、その事実が確認できない場合、あなたの回答全体の信頼性が失われます。
経験を盛る程度に留めるか、実績よりもそこから学んだことをアピールする方が賢明です。
スキルや資格
TOEICの点数やIT関連の資格など、業務に直結するスキルや資格に関する嘘も厳禁です。
企業は採用の際に、あなたが持つスキルを期待して配属や研修を考えています。
TOEICの点数を少し高めに伝えたり、資格を持っていないのに保有資格として提出書類に記載すると、後で発覚した際にマイナス評価になります。
入社後の業務でそのスキルが求められたときに発揮できないことが明らかになれば、あなたへの期待が裏切られ、信頼を失います。
また、資格に関しては選考の過程で証明書の提出を求められることもあるため、嘘は簡単に見破られるでしょう。
【内定取り消し!?】なぜ面接の嘘はバレるのか
就活生が面接で嘘をつくとき、多くの場合、「面接官は自分のことを知らないからバレない」と考えがちです。
しかし、企業の採用を行っている面接官は、これまで多数の学生と接してきた経験から、嘘を見抜く人としての勘が優れています。
また、面接の技術として嘘を見破るための質問方法を心得ています。
嘘がバレるのには、いくつかの共通したパターンがあります。
これを知ることで、あなたが面接で誠実に対応する重要性を理解でき、嘘をつくことのリスクを再認識できるでしょう。
具体的なエピソードを話せないから
本当の経験や事実であれば、あなたはその過程や出来事の詳細、そしてそのときの感情を具体的に話せるはずです。
しかし、嘘の場合、詳細まで作り込んでいないことが多いため、面接官が「どういう状況だったのか」「そこであなたはどう考え、どう行動したのか」と深掘り質問を投げかけたときに、うまく答えられなくなります。
特に、想定外の質問が投げかけられたときに言葉に詰まったり、曖昧な回答になってしまうと、面接官に嘘をついていると疑われる可能性が高いです。
嘘は本の表面だけであり、深掘りに耐えられないものなのです。
矛盾が生じるから
嘘がバレるもう一つの主要な理由は、回答の中で矛盾が生じることです。
一つ目の質問には回答できても、その後の深掘りで関連する別の質問が来たときに、ついた嘘を忘れたり、整合性が取れなくなってしまう場合があります。
例えば、「リーダーとして困難な状況を乗り越えた経験」を話す際に、後の質問でその経験に関する別の側面を聞かれたときに、前の回答と食い違ってしまうことなどです。
面接官はあなたの発言内容を注意深く記録しているため、発言に矛盾が生じると、即座に「この回答は虚偽ではないか」と判断されるでしょう。
暗記したような話し方になっているから
嘘がバレないように対策している就活生は、矛盾を避けるために、回答を一字一句暗記したような話し方になりがちです。
しかし、これが逆に面接官に不自然に感じられ、怪しまれる原因になります。
人間は事実を話すとき、表現や言葉の選び方がその場で変わり、感情も伴います。
一方で、暗記した内容は抑揚が乏しく、一方的で機械的な印象を与えるため、面接官は「この学生は本当のことを話していないのではないか」と疑問を抱くことになります。
成果や実績が非現実的であるから
話の内容自体で嘘がバレることもあります。
特に、あなたが学生という立場で出した成果や実績が、その業界や活動の水準から見て非現実的である場合、面接官にばれる可能性が高いです。
面接官は業界や会社の実績を知っている人たちです。
例えば、「たった一ヶ月で売上を十倍にした」というような、通常では考えられない成果を話すと、面接官はその内容の事実性を疑い、「何か裏があるのではないか」と深掘り質問を行うでしょう。
誇張の程度が過ぎると、嘘と判断されます。
【内定取り消し!?】面接で許される嘘とは
面接で嘘をつくことは原則として避けるべきですが、すべてのことが厳密な意味での事実でなければならないわけではありません。
採用の場において、選考を円滑に進めたり、自分の魅力を最大限に伝えるために、ある程度許容される範囲の「戦略的な表現」が存在します。
これは、厳密には嘘というよりも、事実を基盤とした上での「誇張」や「表現の工夫」と捉えることができます。
ただし、許される嘘と絶対に避けるべき嘘の間には明確な線引きがあります。
以下に、面接で許容されやすいケースを解説しますが、あくまで核となる事実は真実であることが前提です。
企業への志望度が高いと伝える
実際にはそうではないとしても、「御社が第一志望です」と企業に伝えることは、面接で許される嘘の一つと考えられます。
複数の企業を並行して受ける就活では、すべての会社が本当の意味での第一志望であることはあり得ません。
しかし、面接官は「自社への入社意欲が高い人」を採用したいと考えています。
そのため、面接のときに「第一志望です」と嘘をつくことは、採用への熱意を伝えるための戦略的な回答と受け入れられます。
ただし、単に「第一志望」と言うだけでなく、なぜその会社で働きたいのかという明確な理由を誠実に説明できることが重要です。
定性的なエピソードを誇張する
実績や資格のような定量的な情報で嘘をつくことは避けるべきですが、アルバイトやサークルでの活動の中で得た経験や感情といった定性的なエピソードを、事実の範囲内で誇張する、つまり「話を盛る」程度であれば、許容される場合があります。
例えば、実際は数人のチームで行ったことを「私が中心となり」と表現したり、大変だった経験を「想像以上の困難だった」と強調したりすることです。
これは、あなたの努力や成果を面接官により印象づけるための表現技法と捉えられます。
ただし、「やっていないことをやったこととして」嘘をつくことは絶対に避けるようにしてください。
【内定取り消し!?】面接で嘘をつかずにアピールしよう
内定取り消しのリスクを伴う嘘をつくことは避け、誠実に自分をアピールすることが、就活を成功させるための最善の道です。
事実に基づいた経験や強みは、深掘り質問にも耐えられ、面接官に信頼を与えます。
嘘をつかずとも、あなたの魅力を最大限に伝える方法はあります。
そのために必要なことは、徹底した自己分析と準備です。
自分の内面と真摯に向き合い、偽りない言葉で思いを伝えることで、企業からの評価を高めることが可能です。
面接で自信を持ってアピールするために、以下の対策を行ってみましょう。
自分の経験を振り返る
自分が今までやってきた経験を一つ一つ丁寧に振り返ることから始めてください。
幼少期から現在までを通して、熱中したこと、困難を乗り越えた経験、達成感を得た実績などを洗い出します。
誰にでも必ず強みやアピールポイントはあります。
それは「大きな成果」でなくても構いません。
地道な努力を続けたこと、人の相談に乗ったこと、細かい作業を正確に行えることなども、立派な強みです。
振り返りを通して、あなただけが持っている独自性を発見しましょう。
自己分析をする
自分の経験を振り返った後は、その経験から導き出されるあなたの価値観や性格、得意なことを深く掘り下げる自己分析が非常に重要です。
自己分析を行うことで、偽りない自分の強みを言葉にできます。
面接で「あなたの強みは何ですか」と質問されたときに、表面的な回答ではなく、「なぜそれが自分の強みだと言えるのか」という理由を過去の事実に基づいて説明できるようになります。
これこそが、面接官に納得感を与える誠実な対応です。
ガクチカをつくる
振り返った自分の経験や自己分析を踏まえ、一度「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」を作成してみることをおすすめします。
ガクチカを作成する過程で、あなたの強みやアピールポイントを論理的にまとめることができます。
経験や自己分析を踏まえてガクチカを作ることで、面接で深掘り質問が来ても自信を持って回答できるようになります。
ガクチカは面接の核となる内容であるため、無料の就活相談サービスなどを利用して他の人に見てもらうことも有効です。
活動に全力で取り組む
今からでも遅くはありません。
今現在、取り組んでいるサークルやゼミ、アルバイトなどには、まず全力で取り組んでみることが最良の対策です。
実際に全力で行った活動からは、必ず何か学びや実績を得ることができます。
その経験は、今後の面接で「嘘なく、自信を持って話せるエピソード」となります。
結果として大きな成果が出なかったとしても、それに向かって努力した過程は、あなたの誠実さと粘り強さを証明する貴重な財産となるでしょう。
おわりに
面接での嘘は、一時的に選考を有利に進める方法だと感じるかもしれませんが、その後に内定取り消しや信頼を失うといった重大なリスクを伴います。
企業は、表面的なスキルや実績だけでなく、誠実さや人としての信頼性を重要視して採用の判断を行っているからです。
この記事を読んで不安を感じた方は、まず自分の経験と真摯に向き合い、嘘をつかずとも自信を持ってアピールできる自分の強みを見つけることに時間を使ってください。
徹底した自己分析と準備があれば、面接で嘘をつく必要は一切ありません。
就職活動は、あなた自身と未来のキャリアに誠実に向き合う重要な機会です。
この記事が、あなたの面接対策へのモチベーションを高め、内定を勝ち取るための一助となれば幸いです。