グループディスカッションの頻出テーマと回答例を徹底解説!議論のコツも合わせて紹介!

グループディスカッションの頻出テーマと回答例を徹底解説!議論のコツも合わせて紹介!

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録
柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること
  • グループディスカッションとは
  • グループディスカッションの頻出のテーマ
  • テーマごとの回答例
  • 今からできる対策
この記事をおすすめしたい人
  • グループディスカッションを控えている学生
  • まだグループディスカッションをしたことがない人
  • どんなテーマが出るのか知りたい人
  • 回答のコツを知りたい人/li>

目次目次を全て表示する

はじめに

グループディスカッションは、就職活動において避けては通れない重要な関門です。

多くの学生が対策に悩みますが、実は出題されるテーマには明確な傾向と型が存在します。

ここを理解していれば、過度に恐れる必要はありません。

本記事では頻出テーマを網羅し、それぞれの回答の方向性と議論のポイントを具体的に解説します。

これから対策を始める方も、既に経験がある方も、この記事で自分の引き出しを増やしてください。

グループディスカッションとは?

グループディスカッションは、与えられたテーマについて複数の学生が議論し、制限時間内に結論を導き出す選考形式です。

この選考で企業が見ているのは、単なる知識量ではありません。

集団の中でいかに他者と協力し、論理的に議論を前に進めることができるかというプロセスが重視されます。

協調性と論理的思考力のバランス

企業がグループディスカッションで見ているのは、個人の頭の良さだけではありません。

集団の中でいかに他者と協力し、議論を前進させられるかという協調性が重視されます。

自分ひとりで正解を出そうとするのではなく、チーム全体で成果を出す姿勢が求められます。

同時に、感情論ではなく事実や根拠に基づいて意見を組み立てる論理的思考力も不可欠です。

この二つのバランスが評価の鍵となります。

正解ではなく結論を導くプロセスの重要性

グループディスカッションでは結論そのものの良し悪し以上に、そこに至るプロセスが評価対象となります。

ビジネスの現場同様、多くの課題には唯一の正解が存在しないからです。

突飛なアイデアを出す必要はなく、誰もが納得できる筋道を立てられるかが重要です。

チーム全員の合意形成を得ながら、論理的に結論へ着地させる力が試されています。

他者の意見をどう発展させるか

自分の意見を主張するだけでは議論は深まりません。

他者の意見を傾聴し、そこから新しい視点を見つけ出し、発展させることが重要です。

否定から入るのではなく、一度受け止めた上で建設的な提案を上乗せする姿勢が必要です。

意見が異なる場合も、相手の意図を汲み取りながらより良い案に昇華させる意識を持ちましょう。

グループディスカッションのテーマの種類

グループディスカッションのテーマは大きく分けて4つのパターンがあります。

それぞれの型によって求められる思考法や議論の進め方が異なります。

まずはどのような種類があるのかを把握し、自分が直面したテーマがどのパターンに当てはまるかを瞬時に判断できるようにしましょう。

ここからは、代表的なグループディスカッションのテーマの種類について解説します。

グループディスカッションのテーマの種類
  • 課題解決型
  • 事業成功型
  • 選択討論型
  • 抽象型

課題解決型

現状抱えている問題点や社会課題に対して、解決策を提案する形式です。

原因分析から解決策の立案まで、論理的な積み上げがしやすいのが特徴です。

一方で、問題の定義やターゲット設定などの前提確認を怠ると議論が発散しやすいため注意が必要です。

事業成功型

企業の売上向上や新規事業立案など、ビジネスの成果を追求する形式です。

実現可能性はもちろん、コスト意識や競合優位性などの視点が求められます。

単なるアイデア出しではなく、ビジネスモデルとしての収益性が厳しく問われるテーマです。

選択討論型

二つの選択肢から一つを選んだり、複数の項目に優先順位をつけたりする形式です。

どちらを選んだかという結論自体には正解がありません。

対立する意見が出やすいため、相手の意見を尊重しながら合意形成を図る調整力が試されます。

抽象型

定義が曖昧な言葉や概念について、チームなりの定義づけを行う形式です。

正解のない問いに対し、共通認識を作ることが求められます。

抽象的な議論を、具体的な行動レベルまで落とし込めるかが評価の分かれ目となります。

【課題解決型】テーマの例と対策法

課題解決型は、社会問題や特定の状況における課題に対し、解決策を提案する形式です。

このタイプでは、いきなりアイデアを出すのは悪手です。

攻略の鍵は、問題が発生している問題の真因を特定する現状分析にあります。

ボトルネックを見誤ると、的外れな解決策になってしまうので注意しましょう。

例1「少子高齢化社会における労働力不足をどう解決するか」

回答の方向性

労働力不足を補うためのアプローチは、大きく分けて働き手を増やすか、業務を効率化するかの二つです。

前者であれば、女性やシニア層の雇用促進、あるいは外国人労働者の受け入れ拡大が挙げられます。

後者であれば、AIやロボットによる自動化、DX推進による業務を効率化する省人化が有効な策となります。

議論では、どの層をターゲットにするかで施策の具体性が変わってくるため、事前の絞り込みが重要です。

また、外国人労働者の受け入れであれば言語の壁、AI導入であればコストといった課題も考慮します。

実現可能性と即効性のバランスをチームで見極めることが鍵となります。

例2「若者の〇〇離れ(車・お酒・テレビ)をどう食い止めるか」

回答の方向性

若者が離れている原因を、金銭的な理由価値観の変化かで分析し、それに対応する策を考えます。

金銭面がネックなら、サブスクリプションモデルやシェアリングサービスの導入が有効です。

価値観の変化なら、モノではなく体験を売るコト消費への転換や、SNS映えなどの付加価値が必要です。

なぜ若者が離れているのか、その背景にあるインサイトを深掘りすることが議論の出発点となります。

食い止めるという目的を見失わず、根本的な魅力向上策を話し合いましょう。

表面的なキャンペーン案に終始せず、構造的な課題解決を目指します。

例3「フードロスをなくすための施策を考えよ」

回答の方向性

フードロスは事業系家庭系のどちらに焦点を当てるかで回答の方向性が大きく変わります。

事業系なら、AIによる需要予測の精度向上や、賞味期限間近の商品の安売りアプリ活用が考えられます。

家庭系なら、使い切りレシピの提案や、啓蒙活動を通じた意識改革が中心となります。

いつ、どこで発生しているロスを減らすかというターゲットを全員で最初に合意する必要があります。

生産者、小売店、消費者それぞれのメリットとデメリットを整理しながら議論を進めると良いでしょう。

誰かに負担を押し付けるのではなく、Win-Winになる仕組みを模索します。

例4「日本への外国人観光客を増やすには」

回答の方向性

地方への誘致を図るなら、交通網の整備や多言語対応、WiFi環境の充実といったインフラ整備が必須です。

また、単に観光地を見るだけでなく、コト消費を促すための体験型ツアーの造成や、ナイトタイムエコノミーの活性化も有効な手段です。

どこの国の人を日本のどこに呼びたいのかターゲットを具体的に設定することが議論の鍵です。

富裕層を狙うのか、バックパッカーを狙うのかによっても、提案すべきサービス内容は異なります。

ターゲットのニーズに合致した具体的な誘致策を練り上げましょう。

例5「地方の過疎化を防ぐ・地方創生のアイデア」

過疎化対策には、定住人口を増やす移住促進と、観光客などの交流人口を増やす考え方があります。

テレワークの普及を背景に、ワーケーション誘致やサテライトオフィスの開設支援が現実的な解となります。

関係人口を増やし、地域に関わる人を増やす視点も重要です。

地方といっても状況は様々なので具体的なモデル地域や、仕事がない・医療不足などの課題を想定したいところです。

若者を呼び戻すためには、魅力的な雇用の創出が不可欠であり、そこをどう解決するかが最大の論点となります。

例6「環境問題・脱プラスチックに向けた企業の取り組み」

回答の方向性

企業が脱プラに取り組む場合、代替素材への切り替えが王道のアプローチです。

また、量り売りの導入やリフィルステーションの設置により、容器そのものを減らすアプローチもあります。

環境配慮はコスト増になりがちなので、それをブランド価値として消費者にどう伝えるかも鍵です。

環境への配慮と企業の利益追求はトレードオフになりやすいため、そのバランスをどう取るかが難しい点です。

消費者に負担を強いる場合、どう納得してもらうかのマーケティング視点が必要です。

持続可能なビジネスモデルとして成立させる視点を忘れないようにしましょう。

【事業成功型】テーマの例と対策法

事業成功型は、企業の売上向上や新規事業立案など、ビジネスとしての成果を追求する形式です。

学生視点だけでなく、経営者やマーケターの視点を持つことが求められます。

ターゲットを明確にし、競合他社との差別化を図る視点を持つことが、評価される回答への近道となります。

例1「カフェチェーンの売上を2倍にする方法」

回答の方向性

売上は客数×客単価で構成されるため、どちらの要素を伸ばすか、あるいは両方かを検討します。

客数を増やすなら、新規顧客向けのキャンペーンや、回転率を上げるための座席配置の工夫があります。

客単価を上げるなら、魅力的なサイドメニューの開発や、セット販売の強化が定石です。

2倍という高い目標を達成するためには、既存の延長線上ではない大胆な施策が必要になることが多いです。

実現可能性だけでなく、インパクトの大きさが高い施策を優先的に選ぶべきです。

具体的な数字への意識を持って議論しましょう。

例2「コンビニの深夜営業は廃止すべきか、継続すべきか」

回答の方向性

廃止派の根拠は、人件費の削減、人手不足の解消、従業員の健康維持などが挙げられます。

継続派の根拠は、深夜利用者の利便性維持、防犯ステーションとしての社会的役割、機会損失の防止などです。

折衷案として、無人店舗化やセルフレジの導入、あるいは地域ごとの需要に応じた柔軟な営業時間が考えられます。

コンビニ本部と加盟店オーナーでは立場や利益が異なる点に注意する必要があります。

利用者にとっても、深夜に開いている安心感は計り知れない価値があり、単純な売上だけで判断できません。

多角的な視点からメリット・デメリットを比較しましょう。

例3「当社の新規事業を立案してください」

回答の方向性

その企業の既存のアセットと、市場のトレンドを掛け合わせて発想します。

全くの飛び地ではなく、その企業がやる意味を見出すことが重要です。

また、収益化の仕組みが明確であることが、ビジネスプランとしての必須条件です。

競合他社が既に参入していないか、参入していた場合はどう差別化するかの分析が必要です。

初期投資の回収期間やリスクについても触れられると、ビジネスリテラシーの高さを示せます。

誰に、何を、どのように提供して対価を得るのかを整理しましょう。

例4「既存商品の新しいターゲット層を開拓せよ」

回答の方向性

既存のターゲット以外で、その商品の機能が役立つ層を探し出し、リポジショニングを行います。

例えば、子供向け商品を高齢者向けに改良するなどの手法です。

海外市場への展開や、BtoC商品を法人向けに転用するといった視点も有効です。

なぜ今までその層に売れていなかったのか、その障壁を分析する必要があります。

ターゲットを変えることで、既存のファンが離れてしまわないかどうかのリスク管理も議論したい点です。

新たな市場の規模感も意識できると良いでしょう。

例5「残業時間を減らしつつ生産性を上げるには」

回答の方向性

業務プロセスの見直しを行い、無駄な会議や資料作成を削減・廃止することが第一歩です。

精神論ではなく、物理的に時間を奪う要因を排除します。

評価制度を見直し、長時間労働ではなく成果で評価する仕組みに変えることで意識改革を促すのも有効です。

頑張って早く帰るなどの精神論ではなく、仕組みで解決する具体的なソリューションが求められます。

コミュニケーション不足によるミスや手戻りが発生しないよう、効率化と対話のバランスにも配慮します。

社員のモチベーション維持も生産性に直結するため重要です。

例6「フェルミ推定系のテーマ」

回答の方向性

「日本に電柱は何本あるか」など、正確な数字を知っているかではなく、論理的に概算値を導き出すプロセスが問われています。

まず「日本の面積×電柱の密度」あるいは「道路の総延長÷電柱の間隔」といった計算式を立てます。

市街地と山間部では密度が異なるため、エリアを分けて計算し、最後に合算すると精度が上がります。

最初に前提条件をしっかり固めないと、計算の途中で数字が破綻してしまいます。

「日本の人口は約1.2億人なので」など、使っている数字の根拠を常にチームで共有しながら進めます。

完璧な数字を目指すあまり時間を使いすぎず、仮説思考でざっくりとした値を置いて先に進む勇気も必要です。

【選択討論型】テーマの例と対策法

選択討論型は、二つの選択肢から一つを選んだり、複数の項目に優先順位をつけたりする形式です。

この形式では、自分の意見を押し通すことよりも、チームとしての納得解を作ることが重視されます。

他者の意見を尊重しつつ、対立点を解消して調整する力が、この形式では特に試されることになります。

例1「新卒採用の基準で重視すべきは『能力』か『人柄』か」

回答の方向性

企業のフェーズや職種によって最適解が異なるため、条件付きの結論を出すのが一般的です。

例えば、即戦力重視なら能力、育成前提なら人柄となります。

能力は後から伸ばせますが、人柄は変えられないという視点から、人柄を選ぶチームも多い傾向にあります。

二者択一に見えますが、それぞれのメリット・デメリットを出し尽くしてから比較検討することが大切です。

最終的にはチームとしての納得感が高い方を選び、その理由をロジカルに説明できるようにしましょう。

判断基準を明確にすることが合意形成への近道です。

例2「愛とお金、どちらが大切か」

回答の方向性

大切の定義を生きていくためとするか、幸せになるためとするかで結論が分かれます。

定義付けによって、議論の方向性が大きく変わる典型的なテーマです。

短期的な生存にはお金、長期的な幸福には愛、といった時間軸での切り分けも有効な回答例です。

個人の価値観が強く出るテーマであるため、感情的な対立を避け、客観的な指標で比較するよう努めます。

正解がないからこそ、反対側の意見も尊重しつつ、チームとして一つの結論にまとめ上げるプロセスが重要です。

例3「都会で働くのと地方で働くの、どちらが良いか」

回答の方向性

キャリア形成刺激利便性を重視するなら、情報や人が集まる都会が有利です。

一方でワークライフバランス自然環境生活コストの安さを重視するなら地方が優れています。

それぞれのライフステージによっても最適解は変わるでしょう。

実際に就活生が直面している選択であるため、リアルな視点や将来設計を交えた議論になりやすいです。

多様な働き方が認められる現代において、場所にとらわれない価値観も提示できると評価が高いです。

どちらか一方を完全否定しないバランス感覚が求められます。

例4「無人島に一つだけ持っていくなら何か(ナイフ・水・スマホ等)」

回答の方向性

目的を、救助されるまで生き延びるか、無人島で生活するかで選ぶ物が変わります。

生存優先なら水や食料確保のためのナイフが選ばれやすい傾向にあります。

救助優先なら発煙筒や鏡、外部と連絡をとるスマホなどが有力な候補になります。

無人島の環境の前提条件をチーム内で素早く設定することが先決です。

それぞれのアイテムの用途をブレインストーミングし、生存確率を最も高めるものはどれかを論理的に競います。

状況設定の緻密さが説得力を生みます。

例5「リーダーにふさわしいのは桃太郎・浦島太郎・金太郎の誰?」

回答の方向性

桃太郎は明確な目標を掲げ、多様な人材をマネジメントする目標達成型リーダーです。

浦島太郎は未知の世界へ飛び込む好奇心と行動力を持つ変革型リーダーと言えます。

金太郎は自らが先頭に立って力強く戦うプレイングマネージャー型です。

組織が置かれている状況によって最適解は変化します。

まず、リーダーに求められる資質を定義することから始めましょう。

各キャラクターの強みと弱みを分析し、想定する組織の課題に対して誰の能力が一番マッチするかを考えます。

キャラクターの特性を現代のビジネススキルに置き換えて議論します。

例6「桃太郎の4人目の家来にするなら何の動物?」

回答の方向性

既存メンバー(犬・猿・雉)の能力(噛みつく、引っ掻く、空からの偵察)を整理し、足りない要素を探すことが出発点です。

攻撃力が不足しているなら、圧倒的なパワーを持つクマや像が候補に挙がります。

情報収集や夜間の警備が必要ならフクロウなども考えられます。

チーム構成のバランスを考え、弱点を補完するか長所を伸ばすかという戦略的視点が求められます。

鬼退治というプロジェクトの成功要因を分析し、それに直結する能力を持つ動物を選びます。

論理的な採用理由を提示できるかがポイントです。

【抽象型】テーマの例と対策法

抽象型は、定義が曖昧な言葉や概念について、チーム独自の定義づけを行う難易度の高い形式です。

このタイプは、議論が空中に浮いたまま終わりがちです。

抽象的な言葉を具体的な行動レベルまで落とし込めるかが、評価を高めるための最大のポイントとなります。

例1「社会人と学生の違いとは何か」

回答の方向性

最も一般的な回答は責任の所在の違いであり、学生は自分に、社会人は組織や顧客に対して責任を負います。

評価基準も、学生はプロセスや努力が評価されますが、社会人は結果や成果がシビアに問われる点が大きな違いです。

抽象度が高いテーマなので、単語の羅列で終わらせず、具体的な行動レベルまで落とし込んで定義します。

責任とは具体的にどういうことかを深掘りすると議論が具体的になります。

社会人になることへの期待や不安を共有しながら、理想の社会人像をチームで描くポジティブな場にしたいところです。

例2「『良い会社』とはどのような会社か」

回答の方向性

誰にとっての良いという視点が必要です。

従業員にとっては働きやすさ、給与、成長環境、株主にとっては利益、成長性が良い会社の条件となります。

顧客にとっては高品質な商品、社会にとっては環境配慮、納税、雇用創出といったステークホルダーごとの視点が求められます。

それぞれの視点が対立する場合に、どう優先順位をつけるかが議論の核です。

全ての要素を満たすことは難しいため、何を最優先するかを決めます。

最終的にはチームとしての良い会社の定義を一言で言語化することを目指しましょう。

例3「リーダーシップとは何か」

回答の方向性

リーダーシップとは役職ではなく機能や影響力であるという定義が、近年の主流な考え方です。

カリスマ性だけでなく、メンバーが目指すべきビジョンを示し、共感を得て動かす方向付けの力が不可欠です。

サーバントリーダーシップなどの概念も知っておくと良いでしょう。

過去の経験から、優れたリーダーの具体例を出し合うとイメージが共有しやすいです。

リーダーはフォロワーがいて初めて成立することを確認します。

全員がリーダーシップを発揮できる状態こそが最強のチームであるという結論も一つの方向性です。

例4「10年後の世界はどうなっているか」

回答の方向性

テクノロジーの進化が生活のあらゆる場面に浸透していると予測されます。

AIによる自動化が進み、働き方が大きく変化しているでしょう。

一方で、環境問題への対応が待ったなしの状況となり、サステナビリティが全ての企業活動の前提となっている可能性が高いです。

楽観的な未来と悲観的な未来の両面からアプローチし、バランスを取ることが大切です。

想像力を働かせつつも、現在の技術トレンドや社会情勢に基づいた、論理的な予測を組み立てます。

SFのような話ではなく、現実の延長線上にある未来を描きましょう。

例5「幸せとは何か」

回答の方向性

幸せの定義は主観的ですが、大きく分けて地位財非地位財があります。

金・モノ・地位などの地位財は他者との比較になりやすい一方、健康・愛・自由などの非地位財は長続きします。

不安がない状態、あるいは自分の人生を肯定できている状態、と心理的な側面から定義することもできます。

個々人の価値観を否定せず、共通項を見つけ出して抽象化する作業が求められます。

グループディスカッションの場においては、チームメンバー全員が納得できる最大公約数的な幸せを定義することになります。

就活生の視点から、働くことを通じて得られる幸せについても触れたいところです。

例6「自由に使える100万円があったら何に使うか」

回答の方向性

就活生のグループディスカッションとしては、自己成長につながる投資としての使い道が最もポジティブに評価されやすいです。

具体的には、海外留学、プログラミングスクール、金融投資、あるいは起業の種銭にするなどの案があります。

単なる消費ではなく、将来のリターンを意識します。

なぜそれに使うのかという目的と、それによって何が得られるかという効果を明確にします。

100万円という、大金だが一生遊べる額ではない額を踏まえた、現実的な使い道を考えます。

チームで一つの案に絞る場合は、最も将来へのリターンが大きいものを基準に選ぶとスムーズです。

業界別・職種別の頻出テーマの例と対策法

業界や職種によって、出題されるテーマの傾向には明確な特色があるため、志望業界に合わせた対策が有効です。

業界特有の視点や専門知識を適切に議論に盛り込むことで、志望度の高さと適性をアピールできます。

ここでは主要な業界ごとの傾向を見ていきましょう。

主要な業界
  • IT・通信業界
  • メーカー(食品・自動車・電機)
  • 商社・金融業界
  • コンサルティング業界
  • 小売・サービス・人材業界

IT・通信業界の頻出テーマ

「新しいスマホアプリの企画」「デジタルデバイドの解消法」「AIが人間に代わる仕事とは」などが頻出です。

回答の方向性

技術そのものよりも、技術を使ってどのような社会課題を解決できるかというソリューション視点が求められます。

単に便利なだけでなく、デジタルトランスフォーメーションによって既存産業をどう変革できるか、という議論も多い傾向にあります。

技術的な実現可能性も大切ですが、ユーザーにとっての使いやすさを無視しないよう注意します。

高齢者などデジタルに不慣れな層への配慮も重要です。

情報セキュリティやプライバシーの問題など、IT特有のリスクについても触れると評価が高いでしょう。

メーカー(食品・自動車・電機)の頻出テーマ

「新商品の企画」「工場の生産性向上」「プラスチックゴミ削減」など、モノづくりに関連するテーマが多いです。

回答の方向性

既存製品の改良案や、全く新しいコンセプトの商品開発など、クリエイティビティと論理性の両方が試されます。

また、SDGsの観点から、環境負荷を減らすための製造プロセスや素材選びについての議論も増えています。

誰が、どんなシーンで使う商品なのか、ターゲットを具体的かつ詳細に設定することが重要です。

競合他社との差別化ポイントを明確にし、市場での優位性をアピールします。

開発から販売、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体を俯瞰した視点を持つと、議論に厚みが出ます。

商社・金融業界の頻出テーマ

「日本のプレゼンスを上げるには」「キャッシュレスを普及させるには」「途上国のインフラ整備」などスケールが大きいです。

回答の方向性

マクロ経済の動向や、グローバルな視点を持って議論を展開することが求められるテーマが多いです。

ビジネスとしての利益追求と、社会貢献や国益のバランスをどう取るかが重要な論点となります。

様々な利害関係者の調整が必要な複雑な課題に対し、粘り強く合意点を探ります。

リスク管理の視点や、資金調達の方法など、数字やビジネスの仕組みに基づいた現実的な議論が好まれます。

リーダーシップを発揮し、多様な意見をまとめ上げて大きな方向性を示す姿勢が評価されます。

コンサルティング業界の頻出テーマ

「フェルミ推定」「赤字店舗の再生プラン」「日本のGDPを上げるには」など、高度な論理的思考力が問われます。

回答の方向性

問題の所在を構造化して特定し、漏れなくダブりなく解決策を洗い出すスキルが必須です。

結論の妥当性よりも、そこに至るまでのロジックの組み立て方や、仮説構築力が厳しく見られます。

時間を区切って効率的に議論を進めないと、時間切れになりやすいため、タイムマネジメントが極めて重要です。

互いに根拠を問い詰め合い、論理の穴を埋めていくストイックな議論になります。

ホワイトボードなどを活用して議論を可視化し、構造的に整理できるメンバーが評価されます。

小売・サービス・人材業界の頻出テーマ

「理想の接客とは」「店舗の混雑解消策」「優秀な人材の定義」「店長に必要な能力」など、現場に近いテーマが多いです。

回答の方向性

顧客満足度と従業員満足度の両立を目指し、ホスピタリティ精神を発揮する内容が好まれます。

現場のオペレーションにおける具体的な問題点に気づき、改善策を提案できるかが鍵となります。

実際の店舗やサービスを利用した経験に基づき、ユーザー視点で議論することが大切です。

効率化だけでなく、人の感情やモチベーションに配慮した、人間味のある解決策が評価されやすい傾向にあります。

チーム内でも明るくコミュニケーションを取り、接客業に向いている人柄であることをアピールする場でもあります。

グループディスカッション通過のために今日からできる対策

グループディスカッションは、才能や性格だけで決まるものではなく、事前の準備で通過率を劇的に上げられる選考です。

特別なスキルを身につける必要はなく、日々の生活の中で意識を変えるだけで十分なトレーニングになります。

ここでは、通過率を劇的に上げられる今日からできる対策を3つ紹介します。

ニュースに対して「自分ならどう解決するか」を考える

日々流れるニュースを受動的に見るのではなく、自分ならどうするかを考える癖をつけましょう。

例えば企業の不祥事ニュースなら、再発防止策を考えます。

Yahoo!ニュースのコメント欄などは多様な意見の宝庫であり、自分と異なる視点を知る良い練習になります。

社会課題の原因と解決策をノートに書き出すだけでも、論理的思考のトレーニングになります。

イベントで場数を踏む

グループディスカッションは慣れがものを言う試験であるため、友人同士や就活イベントで実践経験を積むことが最良の対策です。

頭では分かっていても、実際に話すと上手くいかないことは多々あります。

場数を踏むことで緊張感が和らぎ、他者の意見を冷静に聞く余裕が生まれるようになります。

様々なタイプの学生と議論することで、議論を乱す人への対応や軌道修正の方法も身につきます。

結論から話す癖をつける

議論中、ダラダラと話すのはマイナス評価になるため、結論から話すよう意識します。

短い時間で自分の意図を正確に伝える技術は必須です。

日常会話から練習をしておくと、本番でも自然と口に出るようになります。

端的に話す習慣は、面接でも大いに役立ちます。

まとめ

グループディスカッションは、事前の準備と対策で通過率を劇的に上げることができる選考です。

多くのテーマには型があり、それを知っているだけで落ち着いて議論に参加できます。

本記事で紹介した視点やフレームワークを武器に、自信を持ってグループディスカッションに臨んでください。

まずは次回のニュースを見た時に、自分ならどうするかを一言考えることから始めてみましょう。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます