グループディスカッションに苦手意識を感じ、頭を悩ませる学生も多いのではないでしょうか。
その理由は、「何から話し始めれば良いのかわからない」「人前で発言することが苦手」「人の意見に左右されてしまう」などさまざまです。
しかし、コツさえつかめばそこまで苦労することなく突破できるので、事前に押さえておくようにしましょう。
今回は、グループディスカッションのやり方やコツ、練習方法などについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【グループディスカッションのやり方】グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、学生4〜6人程度でグループになり、提示されたテーマに関して議論することです。
企業によっては、議論の結果を発表する場合もあります。
議論の成果を評価するグループワークとは異なり、グループディスカッションは、結論を導き出すまでの過程を評価します。
議論の内容はその場で提示されるため、事前に自分の意見をまとめておくなどの準備はできません。
企業は、グループディスカッションでの振る舞いから学生本来のポテンシャルを見極めようとしています。
グループディスカッションで提示されるテーマはさまざまですが、「特に企業が求めている能力」に合わせたテーマ設定が一般的です。
そのため、企業研究や業界研究からどのような能力が必要なのかを把握しておきましょう。
【グループディスカッションのやり方】選考で見られていること
企業はグループディスカッションの中で、学生一人ひとりの「議論への姿勢」「積極性」「思考力」などをチェックしています。
ほかにも企業によって評価される内容が異なる場合がありますが、主にこの3つが評価項目となっていることが多いです。
企業は、グループディスカッションを活用することで、書類選考や個人面接・団体面接では見えない部分を見極めようとしています。
ここからは、グループディスカッションで見られている3つのポイントについて、詳しく解説していきます。
議論への姿勢
採用担当者は、グループディスカッションで議論をほかの人に任せきりにしたり、雰囲気を乱したりしていないかを見ています。
ほかの人の意見を聞くことも大切ではありますが、聞いてばかりでは良い印象はありません。
場合によっては「人の意見に左右されやすい人」と判断されてしまうでしょう。
また、ほかの人の意見を最後まで聞いているのか、否定していないかも重要です。
自分の意見を発言することは重要ですが、グループディスカッションは全員で議論するものであり、自分だけの考えを述べる場ではありません。
相手の意見を最後まで聞き理解したうえで、自分の意見も理解してもらうことを意識しましょう。
「最終的な回答へ導いたから評価される」「とにかく発言すれば良い」というものではなく、議論に対する姿勢が評価されているのです。
積極性
積極性は、どの業界・企業でも求められる強みです。
採用担当者は、面接などでは見極めの難しい積極性を判断するために、「自分の意見をいかに主張して話せているか」を見ています。
しかし、ただ単に積極的に発言すれば良いということではありません。
たとえば、積極性を見てもらおうと自分の意見を思いのままに発言するのはマイナスな印象を与えます。
メンバー全員を巻き込み、相手の意見を引き出すような議論ができているのかが重要になるのです。
また、聞き手にしっかりと伝わっているのかも大切です。
話す声のボリュームや話すスピードにも注意して発言しましょう。
また、発言する際は「結論」「理由」「具体的な例」「結論」から構成されるPREP法を意識すると良いでしょう。
思考力
社会人になればさまざまな困難が訪れるので、難しい問題に向き合い、物事を整理し解決する力を身につけることが重要とされています。
そのため、グループディスカッションの中で「論理的に考えられている人」は高評価を受ける可能性が高いと言えるでしょう。
論理的に表現できると、自分の主張が相手に伝わりやすくなるほか、新しい意見やアイデアが生まれる可能性が高まります。
また、「適切なタイミングで発言ができている人」も重宝されます。
適切なタイミングで発言をし、ほかの人の意見を引き出すことができれば議論が盛り上がるからです。
「論理的思考」「発言力」の2つがあれば、グループディスカッションを突破できる可能性が高いと言えます。
ただし、不適切な発言をしてしまうとネガティブな印象を持たれてしまうおそれがあるので注意しましょう。
【グループディスカッションのやり方】進め方とは
自分の意見を述べ、相手の考えを聞くだけでは良いグループディスカッションとは言えません。
グループ全員が納得のいく議論をするためには、進め方にも注意しなければなりません。
グループディスカッションの効率化を図るには、7つのフェーズを意識することが重要です。
これにより、議論の質が上がり高評価を得ることができるでしょう。
ここからは、グループディスカッションの効率的な進め方について詳しく解説していきますので、ぜひ押さえておくようにしてください。
自己紹介
1つ目は、自己紹介です。
名前や趣味など、自分について軽く話しましょう。
どのような人なのかを知らない状態でグループディスカッションするのは好ましくありません。
お互いに遠慮し、何も意見が言えずに議論が終わってしまう可能性があります。
何をするにもコミュニケーションは大切であり、少しでも距離を縮められるよう、まずはお互いについて知ることが重要です。
しかし、グループディスカッションの時間も限られるため、自己紹介は簡単なもので済ませるようにしましょう。
役割を決める
2つ目は、メンバーそれぞれの「役割決め」です。
「ファシリテーター」「書記」「タイムキーパー」などの役割分担をしましょう。
グループディスカッションには主にこの3つの役割がありますが、役割によって「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」など求められる能力は違います。
また、これらはどの業界・企業においても必要な能力と言えます。
しかし、たとえば「ファシリテーターをしたから、リーダーシップがある」のように、役割だけで高評価・低評価が決まることはありません。
議論に積極的に参加し発言することで評価されることを忘れてはいけません。
議論の流れを決める
続いて、議論の流れを決めます。
議論の大まかな流れ、時間配分や話し合うべきことなどを事前に話し合い、全員でしっかりと議論の流れを確かめましょう。
特に、時間配分は細かく決めることをおすすめします。
役割分担でタイムキーパーを担当した人を中心に、「議論にかける時間」「意見をまとめるのにかける時間」を正確に計ります。
予想通りに進まないことも多々あるので、それを踏まえて余分な時間を残しておくと、万が一のときでも焦らず議論に集中できるのでおすすめです。
社会人にとって時間管理はできて当たり前なので、「時間内に結論を出せなかった」「結論をまとめる時間がなく浅い結論になってしまった」などということのないように気をつけましょう。
状況分析を行う
4つ目は、状況分析を行います。
テーマの内容に合わせて共通認識を取りましょう。
テーマの課題となる部分を明確にしておくことで、話が噛み合わないなどというミスを避けられます。
たとえば、「スーパーマーケットの売上を伸ばすには?」というテーマの場合、「客数を増やしたいのか」「客単価を上げるのか」のように状況を分析しましょう。
このようにすることで、議論の方向性がブレずに済みます。
余計な時間が取られることもなくなり、スムーズな議論が叶うのです。
課題を把握する
5つ目は、課題を把握することです。
先ほどの「スーパーマーケットの売上を伸ばすには?」といったテーマであれば、まずは状況分析をしたのちに、「既存の顧客がほかの店舗に流れてしまったのか」「顧客が1回に利用する購入金額が少ないのか」などの問題となる点をしっかりと理解しましょう。
そして、そこから見える課題は何なのかを挙げていきます。
課題は1つに絞る必要はありませんが、課題を多く取り上げてしまうと一つひとつの課題に対するアプローチが不十分になる可能性があるので、多くても2〜3つに絞って議論を進めていきましょう。
施策立案
6つ目は、施策立案を決めます。
挙げられた課題に対してどのような施策を打つのかを決めましょう。
「その施策を選んだ理由」「実現の可能性」「実現できるとしたらそれくらいの期間が必要なのか」「どれほどの効果なのか」などを具体的に述べられるよう、準備を進めていきます。
ここでは、積極的な意見交換が必要で、積極性やコミュニケーション能力が特に試される場面です。
たとえ取るに足らない意見であっても積極的に発言していくことで、「議論にきちんと参加し貢献している」という姿勢が伝わるので忘れずに意識しましょう。
もし施策がたくさんある場合は「どの施策が一番効果的であるのか」を見極め、優先順位を決めておくと良いでしょう。
このようにすることで、その後の結論がまとめやすくなります。
まとめ
最後は「まとめ」です。
議論を進めていく中で、他者との意見を合わせることでより良いアイデアとなるものがあるかと思います。
ここでは、そのような意見を見直しグループとしての結論をできるだけ具体的な表現でまとめていきます。
先述したように、グループディスカッションは結論を導き出すまでの過程が重要です。
しかし、結論が明確に表現されているかでも「論理的思考力」などはわかるため、手を抜いてはいけません。
発表が必要な場合、発表者を決めてスライドを作成するなど事前準備も併せて行います。
【グループディスカッションのやり方】進め方のコツ
ここまで、グループディスカッションの進め方について解説しました。
しかし、このやり方で進めたからといって必ず良い結果になるとは限りません。
たとえば、役割や議論の流れを決めることに時間をかけすぎてしまえば、議論の時間が足りず結論が出せなくなるでしょう。
また、テンポ良く進めていたつもりでも、大事なポイントがつかめていなければ、次の選考に進めなくなってしまうことも十分考えられます。
ここからは、グループディスカッションの進め方のコツについて詳しく解説していきます。
採用担当者に好印象を残せるよう、きちんと押さえておくようにしましょう。
評価基準を知る
多くの企業では「コミュニケーション能力」「積極性」などを見ていますが、そのほかにもチェックされている要素があるので、事前に調べておく必要があります。
インターンシップに参加してみたり、ホームページやパンフレットで企業の基本情報などをチェックしたりして必要な情報を集めましょう。
評価の基準を知らないままグループディスカッションをした場合、自分が意識していない部分が減点対象になり、そのまま落ちてしまうことも考えられます。
その企業で「必要ない人」と判断されてしまえば、採用される可能性は低いでしょう。
グループディスカッションで高評価を狙うためにも、業界研究・企業研究を徹底し、その企業の評価基準を理解しておきましょう。
自分に合った役割を知る
「ファシリテーター」「書記」「タイムキーパー」など、自分に合った役割を担うことで、グループに貢献できるようになります。
たとえば、リーダーシップを発揮することが苦手な人が、評価を気にしてファシリテーターを担当したとします。
チャレンジ精神は評価されるかもしれませんが、元々自分の苦手分野であるため、好印象を与えるのは難しいでしょう。
場合によっては致命的なミスをしてしまう可能性もあるので、おすすめできるものではありません。
「役割を担当しているから高評価の対象になる」という認識は誤りで、「いかにその役割をこなせるのか」が評価につながることを忘れてはいけません。
そのためにも、まずは自己分析で自分自身を知ることが重要と言えます。
積極的に意見を言う
「発言がない=積極性がない」と判断されてしまうこともあるので、なるべくたくさん発言するようにしましょう。
緊張から自分の意見がなかなか言い出せないという場合もありますが、どんな小さなことでも発言することをおすすめします。
「議論に参加し、貢献しようとしている人」は、採用担当者から一定の評価を受けます。
しかし、積極的に発言できても、議論の方向性が大きく変わるような発言をするのは好ましくありません。
意図していない方向に議論が進んでしまうおそれがあり、修正が困難になるケースも珍しくないため注意が必要です。
緊張感はありますが、議論が始まる前に説明されるテーマの内容やルールを正しく理解し、積極的な発言で高評価を目指しましょう。
【グループディスカッションのやり方】おすすめの練習方法
グループディスカッションは複数人で行うものなので、「練習ができない」「対策ができない」と思われがちですが、事前に対策できる方法はいくつか存在します。
事前に練習することで、自信がつき本番でも堂々と議論に参加できるようになるでしょう。
特に、「自分の意見を言うのが苦手な人」「すぐ緊張してしまう人」「人の意見に左右されやすい人」は、以下の方法を試して慣れておくようにしましょう。
ケース問題を解いてみる
ケース問題を解くことで、論理的思考力が身につけられます。
ケース問題とは、グループディスカッションでよく出される問題のことです。
たとえば、「カフェの売上を伸ばすには?」「働き方改革は必須か?」などが挙げられます。
ほかにも、「日本にはどのくらいの自動販売機があるのか?」といった、回答がやや漠然としたテーマが出されることもあります。
この場合、フェルミ推定の知識がないと議論が進まなくなるので、事前の対策が欠かせません。
フェルミ推定とは、「一見予想もつかないような数字を、論理的思考能力を頼りに概算すること」で、コンサルティング業界でよく見られるテーマでもあります。
対策本なども販売されているので、自信のない人はぜひ活用してみてください。
友達と対策
友達や家族と数人でテーマを決め、実際にグループディスカッションをやってみるのもおすすめです。
本番では2〜10人ほどでグループになることが多く、制限時間は10〜60分とさまざまです。
何度か練習すると、流れやコツが徐々につかめてくるのでぜひ実践してみてください。
また、グループの人数や制限時間を変えて練習することで、どのような状況でも臨機応変に対応できるでしょう。
親しい友達なら緊張せずに議論に集中できるほか、大学の空き時間などで簡単に行えるのでおすすめです。
グループディスカッションは回数を重ねることが重要です。
また、複数人で練習を重ねることで、「コミュニケーション能力」「協調性」なども身につけられるでしょう。
就活エージェントと議論
グループディスカッションで困ったときは、就活エージェントを活用しましょう。
数多くの就活生をサポートしてきたプロのアドバイザーが、グループディスカッションで大事なポイントを丁寧に教えてくれます。
また、本番と同様の緊張感を味わうことができるだけでなく、プロ目線のアドバイスを受けられるので、効率良く練習できるのも嬉しいポイントです。
就活エージェントは、グループディスカッション対策のほか、自己分析のサポートや書類の添削など、就活に関わるさまざまなことを手厚くサポートしてくれるのでおすすめです。
「自信がない」と悩んでいる人は、就活エージェントを活用し効率良く就活を進めていきましょう。
おすすめの就活エージェントはこちらなので、気になる方はぜひアクセスしてみてください。
おわりに
今回は、グループディスカッションのやり方やコツ、練習方法などを詳しく解説しました。
採用担当者は、書類選考や個人面接・団体面接では見極められない積極性やコミュニケーション能力を、グループディスカッションの中で見極めようとしています。
「評価基準がわからない」などの理由で苦手意識を持たれがちなグループディスカッションですが、流れやコツさえつかんでしまえば比較的簡単に突破できます。
困ったときは就活エージェントを活用し、練習を重ねて内定獲得を目指しましょう。