はじめに
ベンチャー企業に対して、皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか。
といったイメージを持っている学生が多いのではないかと思います。
確かにベンチャー企業には大企業にはない魅力がありますが、その一方で大変なことも多く、人によって向き・不向きが出やすいという特徴もあります。
では、ベンチャー企業に向いている人とはどのような人なのでしょうか。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】まずベンチャーを理解する
自分がベンチャー企業に向いているのか、向いていないのかを判断するためにはベンチャー企業がどのような企業なのかをしっかり理解しておかなければなりません。
そもそも、ベンチャー企業とはどのような企業なのでしょうか。
実はベンチャー企業には「従業員が○名まで」「資本金が△万円以下」「設立されてから□年以内」といった明確な定義というものは存在しません。
あえていうならば ・設立されてからあまり年月が経過していない ・経営の規模が比較的小さい ・急成長が期待できる市場や既存企業が参入していないニッチな市場に対して新しいビジネスモデルを持ち込む といった特徴を持つ企業のことを一般的にベンチャー企業と呼んでいます。
ベンチャー企業の特徴
就職先として大企業とベンチャー企業のどちらが良いのか迷っている学生もいるでしょう。
確かに大企業には大企業なりの魅力がありますが、ベンチャー企業にも大企業にはない魅力があります。
などです。
また、ベンチャー企業の中にはメガベンチャーと呼ばれる規模の大きな企業も存在するので、一概に規模の大きさで比較できるものではありません。
詳細を知りたい方は「大企業とベンチャー企業の違い」も参考にしてください。
大手企業との違い
ベンチャー企業と大手企業の違いとして、特徴的なのは安定性です。
大手企業は財務体質や経営基盤がしっかりしているケースも多く、経営陣をはじめ、各部門における人材や社内の環境が整っています。
そのため、比較的安定した働き方が可能で、業績に大きな変動がない場合は収入も安定するでしょう。
有休取得の積極的推奨や、福利厚生がしっかりしているような大手企業では、自分の時間をしっかり確保でき、プライベートが充実することも考えられます。
それに対して、ベンチャー企業では経営体制や社内環境が整っていない例も多く見られ、収入面や待遇面において安定しているとはなかなか言えません。
ただその分、ベンチャー企業には大手企業にはない潜在的な成長性や、個人の裁量権が大きいといった特徴があります。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】ベンチャーのメリット
大企業とベンチャー企業を比較すると、大企業で働くほうがメリットが大きいと考える学生のほうが多いでしょう。
しかし、ベンチャー企業には大企業にないメリットがあることも事実です。
自分がベンチャー企業に向いているのかどうかを知りたいのならば、ベンチャー企業ならではのメリットを理解する必要があるでしょう。
ここではベンチャー企業でなければ得ることのできないメリットについて詳しく紹介していきます。
若手から裁量権が与えられることがある
大企業の場合は就職してから数ヶ月にわたって新人研修が行われ、そこで一般的なビジネスマナーや基礎的な仕事のやり方を教わってから、自分の所属する部署などに帰って仕事を徐々に覚えていくというのが一般的です。
しかし、ベンチャー企業の場合は社員の数がそれほど多くはないので、新入社員であってもはじめからどんどんと仕事を任せてもらえます。
ある程度の結果を残せばだんだんと裁量権も大きなものとなるため、大きなプロジェクトなどにもすぐに参加することができるようになります。
大企業よりも短期間で大きな成長が期待でき、若いうちから規模の大きな仕事ができるというのはベンチャー企業で働くことのメリットと言えるでしょう。
早い段階での昇進
近年は国内の企業でも能力主義を導入する企業が増えてきましたが、大企業のほとんどはまだまだ年功序列を採用しているところが多いので、一定の年齢や勤続年数に達しないと昇格することができません。
実際、一般的な企業で係長に昇進するためには平均で10年以上かかると言われています。
その点、ベンチャー企業には年功序列という考え方がそもそも存在しないところが多く、しっかりと結果を残していけば年齢や勤続年数に関係なく昇進することが可能ですし、給料も上がっていきます。
場合によっては20代で経営陣に加わることも可能です。
「自分の実力を試してみたい」「仕事で結果を残してのし上がっていきたい」という気持ちがある学生にはメリットを感じられるでしょう。
会社の将来性に期待できる
ベンチャー企業は「設立されてあまり時間が経っていない」「経営規模が比較的小さい」といった特徴があると説明しました。
このような特徴は「安定性がない」「経営基盤がぜい弱である」と取ることもできるかもしれませんが、逆に考えれば「将来の伸びしろが大きい」と捉えることもできるでしょう。
すでに大企業となっている企業の中にはすでに市場が飽和してしまっていてこれ以上の成長が見込めない企業もたくさんありますし、いわゆる大企業病に冒されていて円滑な業務に支障が出ているところも少なくありません。
「今後の成長が期待できる」「自分たちの力で会社を成長させることができる」というのはベンチャー企業で働くことの大きなメリットです。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】ベンチャーのデメリット
ベンチャー企業で働くことにはメリットもありますが、その一方でデメリットも存在します。
ただし、ここで紹介するデメリットはすべての学生に共通してデメリットになるというものではなく、ある学生にとってはデメリットと感じることでも別の学生にとってはデメリットではないというものも含まれています。
一般的にはデメリットであっても自分にとってはデメリットではないと感じるならば、ベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
研修制度が整っていないことが多い
ベンチャー企業は一般的に組織面での整備が行き届いていないことが多く、研修制度も十分ではありません。
そのため、ベンチャー企業では人材育成も兼ねて長期インターンを実施することが多く、インターンの期間中に仕事に必要となる知識やスキルを身につけてもらって、入社後は即戦力しての働きを期待するというケースがよく見られます。
就職面接で志望動機を聞かれたときに「成長できそうだから」と答える学生も多いですが、そのような受け身の姿勢はベンチャー企業では通用しません。
先輩の働き方を見て良いところを盗みながら、自ら学んで成長する強い意志を持つことが求められます。
大企業のような研修制度を期待しているならベンチャー企業で働くのは向いていないでしょう。
福利厚生が整っていないことが多い
ベンチャー企業は資金的に厳しいところが多く、福利厚生に使えるお金があるならば本業に回されてしまうでしょう。
もちろん、福利厚生に力を入れているベンチャー企業もあることはありますが、大手企業と比べれば貧弱なケースのほうがほとんどです。
通勤や家賃に対する手当があっても金額が大手よりも少ない場合も多いですし、大手企業では当たり前の保養施設などもベンチャー企業には期待できません。
しかし、自分たちの働きによって会社の規模を大きくすることができれば、将来的には充実した福利厚生を手に入れることができます。
そのことをモチベーションにして、福利厚生が貧弱な現状であっても働きたいと思える会社選びを心がけましょう。
倒産のリスクがある
事業規模の大小にかかわらず、どんな会社にも倒産のリスクがあることには変わりありません。
ただし、大企業であればそれなりに内部留保もあるので短期的に大きな赤字を出したとしても補填することが可能ですし、会社の信用で金融機関から資金を調達することもできるでしょう。
しかし、ベンチャー企業の場合は大手に比べて資金力がないのでどうしても自転車操業になりやすく、黒字企業であってもキャッシュが底をついて事業が続けられなくなってしまうことがあります。
また、信用力にも乏しいので資金調達も難しいのが実情です。
ベンチャー企業への就職を考えるならば倒産のリスクがあることを肝に銘じておかなければならないでしょう。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】ベンチャーに向いている人
ここまで見てきてもわかるように、一般的な企業とベンチャー企業では働き方や環境、風土などに大きな違いがあり、人によって向き・不向きがはっきりと出ます。
もしもベンチャー企業に向いていない人が入社してしまうとミスマッチを強く感じることになって自分の能力を十分に発揮することができない場合や最悪の場合は早期離職ということにもなってしまうでしょう。
では、ベンチャー企業に向いている人とはどのような人なのか、初めに中小的に紹介しておきます。
これらに当てはまるのがベンチャー向きな人です。
詳しく紹介していきます。
明確な目的がある人
ベンチャー企業は「成長性の高い特定の市場、あるいはニッチな市場に的を絞ることで圧倒的なシェアを握り、高い収益性を実現する」というのが基本的なビジネスモデルとなるため、その分野での専門的な知識やスキルが求められます。
「尖った人ほどベンチャーでは活躍しやすい」と言われるのも、このためです。
ですから、入社を希望するベンチャー企業が自分のやりたいことにマッチしているのか、自分のこれまでの経験や培ってきた能力、性格といったものが業務の内容に合っているのかということがとても重要になります。
そのためには、自己分析をしっかりと行って自分にどのような長所や特徴があるのかをあらかじめ理解しておく必要があるでしょう。
自走することができる人
「仕事は与えられるもの」「仕事は先輩から教わるもの」と考えている学生もいるかもしれませんが、このような考え方の人はベンチャー企業には向いていません。
大きな企業であれば研修制度も充実しているでしょうし、マニュアルも存在するでしょうから、たとえ受け身の姿勢であってもそれなりに仕事のスキルを身につけることは可能です。
しかし、ベンチャー企業の場合は研修制度やマニュアルといったものはないことのほうが多いですし、社員の数が少なく若くても裁量権が大きいので、自分で自発的に仕事を見つけて結果を出し続けていかないと周りの社員たちに後れを取ってしまうことになります。
主体的に動ける人はベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
スピード感を持っている
ベンチャー企業はスピード感がすべてといっても過言ではありません。
まだ誰も足を踏み入れていない市場にいち早く参入することができれば、それだけ成功を収める確率も高くなります。
また、歴史のある企業であれば仕事のやり方についてのノウハウも蓄積されていますが、歴史の浅いベンチャー企業は基本的に試行錯誤を繰り返して最善の方法を探っていく必要があるので、意思決定についてもスピード感が優先されます。
そのためには日頃からあらゆる情報にアンテナを張り巡らして、新しいものを柔軟に取り入れていく姿勢も重要になってくるでしょう。
もちろん、社員の働き方だけでなく成長のスピードも求められることになるので、チャレンジ精神旺盛でバイタリティーのある人ほどベンチャー企業に向いていると言えます。
会社よりスキルを重視している人
ベンチャー企業は経験や学歴に関係なく、入社後のかなり早い段階から重要な仕事を任せてもらえるので、大手の企業と比べても早い段階でスキルを身につけ、成長することが可能です。
また、経営者との関係性も大手企業より近いので、ビジネスのノウハウや会社の立ち上げ方などの情報についても身近に接することができます。
このような環境は将来独立して一国一城の主として活躍したいと考えている学生にとっては理想的だと言えるでしょう。
実際、就職先のベンチャー企業の成長よりも、いかに早く仕事のスキルを身につけるかということに重きを置いて働いている人もたくさんいます。
自分が成長したいという強い気持ちがある学生はベンチャー向きと言えるでしょう。
常にチャレンジしたい人
失敗を恐れず、何事も積極的に挑戦するのをいとわない人は、ベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
極力ミスのない業務が求められる公的機関や、ルーチンワークが多く安定志向の強い大手老舗企業と比べ、ベンチャー企業は革新的なアイデアと技術、そしてスピードが何よりも要求されます。
既存の大手企業へ立ち向かうには、世の中の既成概念をくつがえす必要があるかもしれません。
そのためには、常にトライアンドエラーを繰り返すチャレンジ精神が必要なのはいうまでもないでしょう。
「仕事もプライベートも常にチャレンジだ!」といった性格の人は、ぜひベンチャー企業への就職を選択肢の1つとして考えてみてください。
充実したビジネスライフが送れるかもしれません。
新しいことをするのが好きな人
新しいコトやモノが好きな人は、ベンチャー企業に向いています。
なぜなら、既成概念にとらわれない新しい仕組みやビジネスモデルこそが、ベンチャー企業の推進力の根源であるからです。
ゼロから何かを生み出していくのは、簡単なことではありません。
マニュアルや地図がないため、頼るのは自分の想像力と好奇心です。
独創的でクリエイティブな感性を、ベンチャー企業で働く社員には求められていると言えるでしょう。
同じやり方を続けていくことに疑問を感じて「何かほかのやり方はないのか」と模索してみたり、物事を一方向だけではなく多面的に見てウィークポイントをメリットに変えてみたりと、常に変化を好むような人は、ベンチャー企業でその能力を発揮できるかもしれません。
独立したいという野望がある人
「将来は独立したい」と野望あふれる人も、ベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
ベンチャー企業は成熟した企業とは違い、社内環境が整っていないことも多々あります。
売り上げやシェア拡大のため、攻めの側面である開発や営業活動を優先させる結果、どうしても守りのコンプライアンスやシステム面にかけるリソースが足りない事態に陥ってしまします。
ただ裏を返せば、1からシステム構築に関係する案件に携われるなど、社内環境の整備にともなう企業の成長過程を、一通り経験できるでしょう。
こうした環境に身を置くことは、将来独立して事業を立ち上げる際には大変貴重な経験となります。
独立願望のある人にとって、ベンチャー企業は向いているのみならず、長期的視点においても働くメリットは大きいのです。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】ベンチャーに向いていない人
これまではベンチャー企業に向いている人の特徴をお伝えしてきました。
チャレンジ精神が旺盛で新しいことをするのが好き、さらには独立願望のある人はベンチャー企業に向いていると言えます。
それでは反対に、ベンチャー企業に向いていない人とは、どういった特徴があるのでしょう。
以下、ベンチャー企業には不向きな人の代表的な特徴を3つご紹介します。
ご自身に当てはまるかどうか、それぞれチェックしながら読み進めてください。
挑戦より安定を求める人
挑戦よりも安定を求める人はベンチャー企業には不向きと言えます。
安定を言い換えるならば、変化を好まないことです。
決まった仕事を自分のペースでコツコツこなしたり、一定の地点に留まってじっくりと自己成長を促進したりという働き方をしたい方は、ベンチャー企業ではなく、大手企業への就職を視野に入れたほうが良いでしょう。
決して安定志向が否定されるわけではなく、ベンチャー企業は挑戦することを良しとする風潮があるからです。
すでに軌道に乗ったビジネスモデルの運用を滞りなく行うスタイルは、ベンチャー企業には少ないでしょう。
リスクはあっても、他社がやっていないことに先んじて実行して挑戦していく行動力がなければ、ベンチャー企業で働くのは難しいと言わざるを得ません。
プライベートの時間を重視する人
設立の浅いベンチャー企業などは、就業環境の整備が未熟な部分もあるかもしれません。
そもそも、少数精鋭で業務をこなしている企業も多く、1人あたりの仕事量が膨大なものになっているケースもあるようです。
そのような場合、必然的に残業時間も多くなり、定時で帰社できる日は少なくなりがちでしょう。
目標達成のために、休日も自宅業務が発生する場合も多々あり、自分の自由になるプライベートの時間は、大きく削られてしまうこともあり得ます。
何よりも、仕事が第一ではなく「休日は家族や友人とゆっくり過ごしたい」「趣味に充てる時間は確保したい」と、プライベートの時間を大切にしたい人は、ベンチャー企業に向いているとは言えません。
一つのことに集中する人
1つのことに集中する人も、ベンチャー企業に向いているとは言い難いです。
ベンチャー企業では、1つの組織の中に管理職と一般社員が混在していて、シームレスに働いているケースも多く見られます。
大手企業のように、組織が意思決定の最小単位ではなく、個人の裁量権が大きいのはベンチャー企業の特徴です。
そのため、1つの案件や業務に集中して取り組む特性では、1人でいくつもの業務を自分の裁量でスピード感をもってこなしていくのは、少々難しいかもしれません。
1つのことに集中するのは、周りに左右されず、黙々と仕事に取り組める長所の一種とも言えます。
しかし、マルチタスク(複数の作業を同時に行っていくこと)が推奨されるベンチャー企業ではミスマッチ感が否めません。
【あなたはベンチャー向き?不向き?】向いているか知るために
これまで大手企業との比較をはじめ、ベンチャー企業に向いている人・向いていない人の特徴についてくわしくお伝えしてきました。
あなたは向いている人と向いていない人のどちらに当てはまるか、これを機にきちんと把握しておきましょう。
「ベンチャー企業を志望していたけれど、あまり向いていない人の特徴に当てはまってしまった」という方もいるかもしれません。
なお、自己分析が不十分で、自分の特徴をいまいち多面的に整理できていない就活生は、ぜひ徹底的に自己分析へ取り組んでみることをおすすめします。
自己分析
自己分析が甘いと、業界や企業選びの際に軸がなくなってしまったり、面接時において一貫性のない回答をしたりしてしまいがちです。
自己分析は就活における基本中の基本とも言えるため、十分余裕をもって、かつ念入りに納得のいくまで行うことが非常に大切です。
自己分析をすると、過去の自分の経験や行動がどういった考えに基づいていたのかがわかるでしょう。
俯瞰的に自分自身を捉えることで、長所や短所をはじめとした性格が浮き彫りになり、自分に合った職業も見つけやすくなります。
エージェントに相談しよう
「自分がどんな職業に向いているのかわからない」「マニュアルに沿って自己分析をやってみたけど、性格がはっきりしない」といったお悩みのある方にぜひおすすめしたいのが、エージェントを利用する方法です。
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まとめ
ここまでベンチャー企業で働く人によく見られる特徴やベンチャー企業に向いている人の特徴について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ベンチャー企業は高い成長志向性やスピード感が必要とされる一方で、安定性に欠け組織が未成熟なケースも多く、一般的な企業とは違った働き方が求められます。
それだけに向いている人と向いていない人がはっきりと分かれてしまうので注意が必要です。
ベンチャー企業への就職を希望するなら、しっかりと見極めてから就活をスタートさせましょう。