AgriTechとは?市場規模や今後の動向は?農業×ITで課題解決をしているベンチャー企業も紹介

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はじめに

アグリテックの必要性が叫ばれている昨今では、ベンチャー企業も多く参入しています。

農業とテクノロジーを組み合わせたアグリテックは、農業が抱えている問題(人材不足や高齢化)を解決する手段として脚光を浴びました。

将来的にも市場規模は大きくなることが予想されます。

また、農作業の効率化を進めるうえでも、アグリテックの活躍の場は広いでしょう。

今後の動向や農作業効率化の内容などを、今回はご紹介します。

アグリテックの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

【アグリテックとは】AgriTechとは

「アグリテック(AgriTech)」とは、農業(Agriculture)とテクノロジー(Technology)を組み合わせてできた造語です。

これまでの農業領域で起きていた課題を、AIやIoT、ドローン、ビッグデータ、ロボット技術を導入して解決に導きます。

昨今、食料自給率の低下や農業に携わる人の減少、農業従事者の高齢化などが問題になっています。

この現状を解決するため、農作業の簡略化や製品の高品質化を目指してアグリテックが生まれましたのです。

「スマート農業」を掲げる農林水産省では、農業従業者に向けて相談体制の確立も目指しています。

アグリテックの市場規模

アグリテックの市場規模は、2019年では310億円でしたが、2020年では583億円まで上昇しました。

将来的には、2025年に1073億円の市場規模になる予想です。

市場規模の計算には、代理店やメーカーの出荷高や農業のサービス(農業の作業代行サービス、生育診断サービスなど)も含まれています。

農業用ロボットの中でも、トラクター、コンバイン、田植え機などは3種の神器と呼ばれ、昨今の農業には欠かせない機械となりました。

2019年における出荷高と農業のサービスは、合計で70億円ほどでしたが、2020年には144億円となり単純計算で2倍です。

生産プラットフォームの確立によるところも大きく、ドローンなどの利用も増えた現在では、アグリテックの需要も高まっています。

アグリテックの急成長は、農業従事者にとって救いの手となるでしょう。

アグリテックの将来性

急成長を続けているアグリテックですが、将来的にも加速を続けると予想されます。

特に、植物工場などの市場規模は2019年には152億円ほどでしたが、2020年には283億円ほどに拡大しました。

このまま成長を続ければ、2025年には541億円の市場規模になるとの予測もあるのです。

収穫ロボットに関しては、2019年には3億円の市場規模でしたが、2025年には200億円まで上昇すると予想されます。

また、生産プロセスの効率化や省力化が進んでいく中で、生産や栽培の工程だけでなく、作付け、種子、農薬、肥料、資材などの面でも幅広い分野で活躍の場が広がるでしょう。

農業従事者の中には、各種農業センサーや水管理システム、ドローンによるモニタリングなどの農機を使うことも多くなりました。

NAPAによるプラットフォームの確立により、2019年の市場規模は190億円を達成しており、2020年には297億円まで上昇しています。

2025年まで成長を続ければ、994億円へと巨大に成長する確率も高いでしょう。

【アグリテックとは】AgriTechの目的とは

一言でアグリテックといっても、複数の種類があります。

たとえば、農業用のドローン、ビッグデータのAI分析、loTによるデータ収集、ブロックチェーンによる追跡などです。

農業用のドローンを使えば、農薬や種まきの作業が効率化します。

AIのビッグデータの分析では、灌(かん)水処理や農薬や害虫の異常検知などが容易になり、人間と同じように勘やコツなどが自動化できるでしょう。

loTでは、各種センサーによりデータを得られ、さまざまデータを活用できるようになります。

ブロックチェーンの追跡は品質管理には欠かせないもので、サプライチェーンの一元化も可能となりました。

農業の効率化

農業をするうえでは、整地や堆肥、収穫などは必須の作業です。

ただ、こちらを人間の手でやると時間も手間もかかり、作業効率もよくありません。

農業従事者の高齢化が進み、ますます農業の効率化が問題視されています。

農作業をスマート化すれば、たとえば以下のような恩恵が受けられるでしょう。

・自動走行システム搭載トラクターによる除草や整地作業
・ドローンによる種まきや農薬の散布
・水管理のシステム化
・収穫時期の見分けを自動化

また収穫も自動ロボットに任せられれば、人手不足が叫ばれる昨今では救世主となる可能性大です。

どの作業工程も重労働であるため、アグリテックによるスマート化は将来的にも進んでいくと予想されます。

生産者の働き方改善

アグリテックでは、農業従事者や農具の代わりにロボットを用いることで、コストを抑えられるのがメリットです。

また、効率的に収穫量を増やせるのも魅力の1つでしょう。

IoT機器と掛け合わせることも可能で、農業従事者の働き方の見直しなどにも大きく寄与することは間違いありません。

具体例としては、畑や水田にセンサーを配置すれば、温度や湿度などをデータとして計測することも可能です。

得られたデータはインターネットを通して自動通知されるため、以前のように人の手を煩わせることはありません。

ほかにもドローンを利用した農薬散布やAIを通じて農作物の育成のチェックなど、テクノロジーを活用すれば働き方も改善されます。

【アグリテックとは】農業×ITの課題解決をしているベンチャー企業の例

アグリテックを活用しているベンチャー企業は、得意分野に分かれており、それぞれ事業内容などが異なります。

・農業用ロボットで有名な「inaho」
・アグロボットで有名な「ヤンマー」
・ドローンによるAI解析に優れた「オプティム株式会社」

などがベンチャー企業として活躍中です。

どの企業も得意とする分野が違います。

まずは自身の農業に合うかどうかの確認が必要でしょう。

テクノロジーを活用するにはある程度の知識や技術も必要ですが、高齢化と過疎化が進む農業の救世主としての活躍が望まれます。

inaho株式会社

「inaho株式会社」は世界中で一番早くRaaSによる農業用ハードウェアをレンタルした企業として有名です。

農業用ロボットを提供することで、農業の効率化を目指しています。

ハードウェアのサブスク化やサービス化も手がけており、デバイス開発、アプリケーション開発、DBの提供なども嬉しいサービスでしょう。

大企業や研究機関に向けてのPoC、プロトタイプ開発サービスも手がけており、スマート農業化を進めています。

また、移動タイプパッケージ(台車モジュール)、AI・ビジョンパッケージなどの農業用ロボットも開発されています。

特に、生物の状態把握パッケージでは、カメラの選定からAI開発までをワンストップで提供できるのが強みです。

RaaSモデルを利用しての自動野菜収穫ロボットを中心とし、生産者向けサービスの提供をしているinahoは今後も成長することが予想されます。

ヤンマー株式会社

「ヤンマー株式会社」では日本と世界が抱える食料問題の解決のため、「農家の過酷な労働負担を機械の力で軽減したい」というビジョンを掲げています。

ヤンマーは、独自のロボットとICTの利用により、農業経営のサポートをしてくれるのが強みです。

2013年からロボットトラクターの開発に力を入れていましたが、2016年には第7回ロボット大賞を獲得した経緯もあります。

受賞をきっかけとして、他社よりも先に農業機械のロボット化をはじめました。

代表的な商品には、以下のものがあります。

・ロボット・オートトラクター

・オート田植え機

・直進アシスト田植え機

・情報支援機能付コンバイン

・ドローン

・無人ヘリ

どれもスマート農業には欠かせないロボットばかりです。

ヤンマーもまた、スマート農業を進めるうえで欠かせない企業といえるでしょう。

オプティム株式会社

「オプティム株式会社」は「楽しく・かっこよく・稼げる農業」をテーマとして掲げ、農業が抱えている問題解決のために開発を続けています。

特に、世界初のピンポイント農薬散布テクノロジーは魅力の1つです。

ピンポイント農薬散布テクノロジーでは、ドローンによる映像をもとに農薬を散布するため、病害虫もすぐに発見できるようになりました。

ピンポイントで害虫に農薬を散布するのは人力だと難しいですが、オプティム株式会社はその作業を効率化させることに成功しています。

ほかにも、土壌状態を見極めながらの「ドローンによる播種」や、ライブ映像を使っての遠隔作業指示が可能な「Overlay Technology」は特許の1つです。

ライブ映像は、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンからも視聴でき、遠隔作業の簡略化を実現しています。

まとめ

アグリテックでの市場規模や作業が効率化される理由、アグリテック採用のベンチャー企業の例などをご紹介してみました。

昨今の農業が抱える人材不足や高齢化により、ロボットなどのテクノロジーを使った作業が注目されてきています。

その結果、アグリテックの市場規模は急速に拡大しており、これからも成長を続けることが予測されるでしょう。

ドローンによる農薬散布、AIによるデータの取得など、農業でもIT化が進んでおり、それにより農作業の効率化も進んでいます。

ベンチャー企業も多く登場していますが、独自の技術や特許をもとに開発を続けており、農業従事者の負担も軽くなっていくでしょう。

ぜひ農作業の効率化をはかるためにも、アグリテックを活用してみてください。

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