はじめに
ベンチャー企業に興味があるけれど、年収や福利厚生はどうなっているのだろうと不安もあるかもしれません。
年収の高い大手企業や、福利厚生が整っている老舗の中小企業に比べて、若い会社だけに気になるところです。
メガベンチャーならともかく、まだ知名度のない中小ベンチャーはどうなのか、ベンチャー企業の年収の特徴をはじめ、気になる初任給や福利厚生についてチェックしていきましょう。
【ベンチャーの年収事情】新卒の平均年収
ベンチャーの年収事情を考えるにあたっては、そもそも新卒はどのくらいの年収がもらえるのか知っておくことが必要です。
2020年の厚生労働省の調査によれば、大卒の初任給の平均額は22万6,000円、男女別では男性22万7,200円、女性22万4,600円です。
平均額から単純に12ヶ月分で計算すれば、年収は271万円ほど、夏と冬に月給の2ヶ月分相当のボーナスが出るとして360万円ほどになります。
これに対して、ベンチャー企業に限定すると初任給は27万円程と、一般的な新卒初任給に比べて、かなり高めです。
12ヶ月分で計算すれば、年収は324万円ほどになります。
もし、夏と冬に月給の2ヶ月分相当のボーナスが出るなら、432万円ほどになる計算です。
【ベンチャーの年収事情】ベンチャーの給与の特徴
ベンチャーの新卒の給与は一般的な企業と比べて、高めであることがわかりました。
これは意外に思われた方も多いのではないでしょうか。
ベンチャーというと大手企業や歴史ある中小企業に比べて不安定であり、小さな企業や成長途上にある企業が多く、給与はあまり高くないイメージがあるかもしれません。
即戦力が求められることも多いため、新卒はなおさら給与を抑えられるのではと不安に思っていた方もいることでしょう。
ですが、実際には高めというデータがあります。
ベンチャーの給与には実は「初任給が高い」という特徴があります。
これは大手企業や中小企業より、選ばれるための呼び水です。
その代わり、「年収が上がらない」、「福利厚生は充実していない」という特徴もあるので注意しなくてはなりません。
初任給が高い
ベンチャー企業=収入が高いというイメージは、あまり持たれていないのではないでしょうか。
やりがいがあり、成長が見込めても、収入面は妥協する必要があると思っていた方には驚きかもしれません。
この点、ベンチャーの初任給は大企業より高い傾向があります。
中でも、中規模以上のベンチャー企業にいたっては、大企業よりも高いケースが少なくありません。
初任給ランキングの上位5社にもベンチャーが続々ランクインしており、35万円というケースもあるほどです。
なぜベンチャーのほうが初任給が高いのかといえば、知名度や安定性といった面では大手企業や歴史ある中小企業には敵わないためです。
将来会社を担う優秀な人材に来てもらいたいとの意図で、知名度で劣るベンチャーは応募を獲得するために初任給で勝負する傾向が見られます。
年収が上がらない
最も気を付けたい点はあります。
ベンチャー企業は実力主義の会社が多く、年俸制の場合も少なくありません。
たとえば、年収を300万円と決めた場合、それを12ヶ月に分割して25万円が月給となれば、大卒の平均初任給より金額は高くなります。
もっとも、ボーナスのプラスαはないので年収は、大卒初任給に比べて安くなることもあります。
ベンチャー企業の場合、収入を決める要素は「個人の成果」と「会社の業績」の大きく2つです。
会社の業績が良く、あなたがそれに貢献できれば、来年度の年俸が大幅に高くなる可能性があります。
評価されれば、数年で年収が数倍になる方もいます。
一方、成果が出せないと、新卒時とずっと同じような年収になるので注意が必要です。
福利厚生は大手と比べると充実していない
ベンチャー企業は歴史も浅く、オフィスも小さいなどの要素もありますし、若い世代を中心とした企業が多いため、大手企業や老舗の中小企業に比べると福利厚生は充実していません。
もっとも、採用の強化や企業の認知度アップのためにユニークな福利厚生を用意しているケースはあります。
バースデー休暇やお昼寝タイム、休憩時間に使えるマッサージチェアや筋トレマシン、社長が作る社食など、個性的な福利厚生が目立ちます。
この点、ベンチャー企業は成長途上にあるため、入社後の企業の成長度合いや、従業員の増加などに応じて、福利厚生が増えていく可能性に期待したいところです。
詳しくは、「ベンチャー 福利厚生」(未作成)をご覧ください。
【ベンチャーの年収事情】良いベンチャー企業を見つけるポイント
では、良いベンチャー企業を見つけるにはどうしたら良いのでしょうか。
良いベンチャー企業といっても、基準は人それぞれ違うことでしょう。
とにかく、大手ではできないような新しい仕事に取り組みたい方、少数精鋭の環境のほうが自分に合っているという方もいるかもしれません。
ですが、長く働いていくうえでも、生活していくうえでも、やはり収入や福利厚生も見逃せません。
若いうちは、やりがいや仕事のおもしろさだけで頑張れても、将来的に結婚したり、子供が生まれたりすれば、収入面や福利厚生も大切になってくるはずです。
そのため、新しいことにチェレンジできるやりがいがありながらも、今後も成長性が望め、頑張ればきちんと評価されて収入アップし、福利厚生も少しずつ充実していくようなベンチャー企業を見つけたいところです。
良いベンチャー企業を見つけるポイントをご紹介します。
ネットの情報を鵜呑みにしない
ベンチャー企業の情報を得るには、ネットが中心になります。
ホームページをはじめ、公式SNSでの情報発信もしており、採用関連の情報や福利厚生なども含めた職場の様子を配信しているケースも少なくありません。
また、就活生や現役社員、元社員という名目で、ポータルサイトや就活裏情報サイトといった類に、さまざまな情報が流れているはずです。
もっとも、ネットの情報は真偽のほどは明らかではありません。
人材確保のために実際より誇張した内容を掲載することもあれば、成果が出せずに離職した元社員が批判的なことを書いているケースもあるからです。
OB、OG訪問をして事前に職場見学に行うことや短期インターンなどに参加して職場の様子を自分の目で確かめることも必要かもしれません。
就職エージェントなどプロに相談する
ベンチャー企業の場合、OB、OGも少なく、知名度の低い会社に職場見学に行くことやインターに応募すること自体が不安に思える方も多いでしょう。
ベンチャー企業のより正確で安心の情報を得たいなら、就職エージェントといったプロに相談するのがおすすめです。
企業リサーチのプロでもありますから、実際にベンチャー企業を訪問する場合や社長へのインタビューや従業員との面談などを通じて、自らの足と目で情報を得ているケースも少なくありません。
ネットでは得られない、より正確性の高い生の情報を提供してくれます。
ご自身の将来像や目標、希望や性格、能力などもカウンセリングしてくれ、適性に合ったベンチャー企業を紹介してもらえるのも相談するメリットです。
まとめ
ベンチャー企業は知名度の低さなどから大手企業と比べて、有能な人材を確保するのに苦労しています。
そのため、初任給を高くすることで応募者を募ろうとする傾向があります。
大卒の平均初任給に比べても高く、中には大手企業に比べても高いケースもあるほどです。
もっとも、入社後は勤続年数などに応じて年収が高くなることは基本的になく、個人の成果と企業の業績に大きく左右されます。
成果が出せないと、いつまでも入社時と同じような収入になってしまいます。
能力や成長度合いにより、年収アップできるかに大きな差が出る点は心得ておきましょう。
福利厚生は充実度よりユニークさが目立ちます。
独自性のある福利厚生が多いので事前に確認がおすすめです。
良いベンチャー企業と出会うためにはネットの情報を鵜呑みにせず、就職エージェントのようなプロに相談しましょう。