はじめに
ベンチャー企業は仕事量が多く、激務であると言われることがあります。
仕事がキツいイメージがあるために、興味はあるもののそこで働けるかどうか不安を感じている就活生もいるのではないでしょうか。
実際のところベンチャーは激務なのか解説します。
なぜ激務と言われるのか、そしてブラックかホワイトかの見分け方についても見ていきましょう。
ベンチャーでも企業によって異なるのが実情です。
ベンチャー企業を受けたいと考えている人は参考にしてください。
ベンチャーは激務なのか?
会社が創立してからまだ年月が浅く、業務内容自体がきちんと確立していないことも多いのがベンチャー企業です。
手探り状態であれやこれやと試してベストな状態を見つけていく段階のため、やるべき仕事も多くなります。
それゆえに激務だと感じる人が目立つのは否めません。
とはいえどの程度の仕事を激務と呼ぶのかは、人によって違うのも事実です。
同じ仕事量でも「これくらいは大したことはない」と思う人もいれば、「これは大変すぎる。かなりの激務だ」と感じる人もいるでしょう。
何かしら達成したい目標があり必死でそれに向かっている人は、たくさんの仕事で残業が多くとも激務とは感じないものです。
もともと仕事が好きで、自分に合った仕事だと感じている人も、激務の感覚は少ないはずです。
ベンチャーが激務と言われる理由
具体的にどういった点において激務と言われるのか、また激務と言われる理由について以下に見ていきます。
ベンチャーならではの人手不足や成果主義といった特徴が、激務に関係していると言えます。
一人ひとりが代表者といってもおかしくないベンチャーですが、そのために責任感も重くなりやるべきことが増えるのも実情です。
ベンチャーに就職したい人は、そういったベンチャーの本質も知っておく必要があるでしょう。
成果主義
やればやるだけ高い評価につながるのは、ベンチャーの魅力でもあります。
成果を出せば給与アップにもつながりますし、早く昇格できる職場も多いです。
しかし、成果主義というのは、なんとか良い結果を出したいと必死になるために労働時間が長くなるとも言えます。
定時で帰るより、後少し頑張って業務をこなすほうが成果が出やすくなります。
スキルアップして仕事ができる人間を目指そうとする人も、普通の人以上に努力するために仕事量も増えるはずです。
仕事を認めてもらうためには、自然と働く時間も多くなる傾向にあるのです。
成果主義が基本にあるベンチャー企業では、より上を目指して勤勉になるゆえに激務になってしまうことが多くなるでしょう。
裁量権が大きい
ベンチャーは代表者自らが現場で働く光景が見られます。
また、社員みんなの意見やアイディアが貴重であり、会社の向上のために裁量権を持つことができます。
大手の企業では下の意見は上には届かないと言われがちですが、ベンチャーでは反対に自分の考えをしっかり持って発信する必要があるのです。
自らの意見が採りあげられて会社発展につながることは誇りになりますし、やりがいも感じられるはずです。
けれども逆に言えば、それだけ一人ひとりに大きな責任がのしかかることにもなります。
責任重大なので果たさなければならない業務も増えて、残業をすることが普通になってしまう会社も少なくありません。
裁量権が大きいというベンチャーならではの性質とも言えるのではないでしょうか。
人手不足
設立して間もなく発展途上中であるベンチャーは、安定した企業とは言いにくいです。
これからみんなで会社を作っていくやりがいやワクワク感はありますが、安定性を企業に求める就活生には向いていません。
やはり、仕事には安定を重視する人が多いために、ベンチャー企業は人手不足になりがちです。
そして、人が足りていないことも、激務の大きな原因となっているのです。
従業員が少ないと一人ひとりがするべき業務量も増えてしまいます。
時には自分のキャパを超える仕事をしなければならないケースも出てきて、そうすると激務であると感じる人も出てくるでしょう。
ちなみにベンチャー企業の人手不足は、業務が忙しすぎて人事面まで余裕を持って考えることができないことも要因です。
ベンチャーに向いている人
上に述べたように、ベンチャーは仕事がハードになりがちですが、適性のある人にとってはそこまで激務だとは捉えません。
つまり、一般的に激務と言われる環境で働くには、それに向いているかどうかが重要になってくると言えます。
適性があれば、ハードな業務がむしろ楽しくなるでしょう。
それではベンチャーに向いているのはどういったタイプの人なのでしょうか。
代表的な適性について、いくつかお伝えします。
絶対に達成したい目標がある人
ただなんとなく最新を歩んでいてかっこいいといった理由で、ベンチャー企業を志望する人は失敗します。
ベンチャーで働きたいのであれば、何かしら将来のビジョンや目標を持っていることが必要です。
絶対に果たしたい目標があると、それに向けてキツイ仕事でも頑張ることができます。
目標達成のための苦労や試練は、そこまで辛く感じずに済むのです。
また、必死で突進しているので、きつさにも気付かない人もいるでしょう。
ハードであっても当然のように前へと突き進んでいけるのです。
けれども、目標もなく強い意志がない人にとっては、ベンチャーの労働がただただキツく感じてしまうだけになってしまいがちです。
目標を持っている人、そしてそれを達成したい強い意志がある人がベンチャーに向いていると言えます。
能動的に動くことができ、自走力のある人
自分で考えて動ける人がベンチャーでは働きやすいです。
これからみんなで会社を作っていく状況下では、新人の研修体制などもできていません。
当然のことながら指導者もいませんし、上司も自らが手探り状態で働いているわけです。
そんな中、誰かに頼って教えてもらうのではなく、自分で仕事を探してどうすれば良いのかを考えていくことが必要です。
自ら行動するからこそ、やりがいも生まれるでしょう。
受け身の人はベンチャーのスピードにはついていくのが大変です。
自走力があり、物事を能動的にこなせる力があればベンチャーで大いに活躍できます。
大いに成長できる環境ですが、誰かに育成してもらうのではなく自分で自分を育成していく場です。
肉体的・精神的にタフな人
ベンチャーでは業務内容も定かに決定しているわけではないので、一生懸命したことが残念ながら失敗に終わることもあります。
しかしながら、頑張ったことを無駄だったと捉えるのではなく、そこから学び次へとつなげていくメンタルの強さが重要です。
日々変わる環境に臨機応変に適応して、変化さえも楽しめる人であればベンチャーでの仕事はとてもワクワクすることでしょう。
さらにたくさんやるべきことがあり残業が増えてくると、やる気だけでは務まりません。
体力がなければ続かないところも出てきます。
ベンチャー企業で頑張るには、精神的にも肉体的にもタフであることが必要です。
心身ともに強ければ、ベンチャー独特のワクワク感を思う存分味わうことができるはずです。
そしてやりがいを実感するに違いありません。
激務なベンチャーの見分け方
一言にベンチャーといえども、会社数は星の数ほどあります。
業界も職種もさまざまですし、その中で激務の度合いも異なってきます。
どうせ働くのであれば、しっかりと会社について調べておきたいものです。
ブラック企業なのか、そこまではいかない程度のハードさなのか見極めることが大切です。
実際に働いてみなければわからない点も多いですが、以下に激務なベンチャー企業の判断の仕方について解説します。
新卒の定着率が低い会社
会社はベンチャーでも大手の企業でも、離職率が高いところは何かしら問題があると言えます。
特に新卒者の定着率が低いようであれば、ベンチャー企業においても激務すぎる可能性が高くなるでしょう。
新卒者は希望を持ってその会社に入社しており、そう簡単に辞めるわけにはいきません。
辞めるのは勇気がいりますが、それでも離職する人が多くて常に大勢の求人募集をしているような会社は注意すべきです。
もちろん創業してすぐで、一気に人を寄せ集めたい会社もあります。
けれども社員の入れ替えが激しいところは、要注意です。
労働時間の長さのほかにも、仕事を続けにくい理由が隠れていることがあります。
会社選びの際には、離職率についてもできる範囲で調べておきたいものです。
急激に成長している会社
そもそもがベンチャー企業は、日々とてつもない速さで変化しているところがたくさんあります。
そんな中で、新プロジェクトが成功したりと急激な発展に注目されているところもあるでしょう。
そして、成長が著しい会社は、就活生からも人気があるのです。
しかしながら、急激な成長を遂げている会社は将来も期待できて安心できるものの、非常に多忙である可能性も高いです。
どんどん発展しているのですから、それに伴う業務も並大抵の量ではありません。
そして、そんな中では、人材の採用も追い付いていなくても仕方がないでしょう。
会社が成長しているところは人が足りず、とても忙しいことも頭に入れておく必要があります。
そんな中で、そのスピードについていけるかどうか、そしてあふれる仕事をこなしていけるのか自分と向き合い決断したいものです。
すべてのベンチャーが激務なのか?
ベンチャーの性質として激務になりがちであるとしても、すべてのベンチャー企業がそうとも限りません。
ブラックかホワイトかをはっきり知りたいと思う就活生は多いはずです。
大手企業でもブラックな会社はありますし、ベンチャーでもホワイトなところはあります。
ベンチャーが必ず激務だと決めつけるのは良くないでしょう。
上にも述べた通り、自身の適性に合っていれば激務と感じにくいです。
そして企業研究を重ねることも、企業選びで失敗しないためには不可欠です。
自己分析・企業分析の重要性
一般的には激務であるかどうかは、仕事内容とそれに伴う賃金の条件によって判断することになります。
とにかく稼いで上のポジションに早く就きたい人の場合は、多少仕事がハードであっても問題視しないかもしれません。
つまり、自分にとって何が重要でどこが妥協できるのかを明確にする必要があります。
ここが定かになっていなければ、会社選びで失敗してしまいます。
就活では、自己分析と企業研究を念入りにすることが必須です。
ベンチャー企業を見極める際に、その会社についてしっかり調べると同時に、「何は良くて何がダメなのか」自分の基準条件に照らし合わせるようにしましょう。
この作業ができていれば、自分に合った会社が見つかりやすくなります。
ベンチャー企業は人手が足りていないところが多いのは現実です。
それゆえに求人も多く、優秀な人材を欲しがっています。
しかし、だからといって、誰でも採用して内定がもらいやすいというわけではありません。
独特な環境であるからこそ、自社にマッチした人材を見つけようと企業側もシビアになります。
ベンチャーだからといって、甘い考えで油断して面接を受けると失敗するでしょう。
自分の性格やスキルを把握して、それを活かせる場であるかどうかを見極めて企業を選ぶことが重要ポイントです。
ベンチャーも大手の安定企業を受けるのと同様に、自己分析と企業研究をきちんとしておく必要があります。
まとめ
ベンチャーについてこれを読めば、今まで以上に深く知ることができたのではないでしょうか。
自身が関心を持っているベンチャー企業はどういった会社なのか、そしてそこで働くことが自分に合っているのかを再確認してみましょう。
激務でないかと不安に感じている人は、会社の特質や自分の性格をきちんと理解することで、その会社を受けるかどうかの答えを出せるはずです。
魅力いっぱいで大いに成長できるベンチャーだからこそ、自分にマッチした会社を慎重に選びたいものです。